魔装姫士アマネ外伝~魔装姫士ユイナ   作:踊り虫

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お待たせしました。初陣編の最後になります。


初陣その3

 灰を基調とした顔以外の前面を覆う重装に背中には大型のスラスターとバックパック。手には丈3mを越す巨大なハンマー。

 ――あやかしやが誇る第四世代型高火力強襲特化型メテルドレス「牛鬼(ウシオニ)」。

 

 別名(あだ名)を『ロケットマン』。そのコンセプトは『早い!堅い!重い!』――つまり、超重量級の機体をとんでもない速度で飛ばすことを第一に考えられた機体。

 

 体全体を覆う重装甲に加え馬力もすごいが、燃費がすこぶる悪い上に小回りがまったく利かない。装備は推進ブースター付き()()()巨大ハンマー『ウチデノオオヅチ』のみ、という残念っぷり。

 

 そんな重量級メテルドレスの装着者、支倉アズサは、銃声が鳴り終わるのを確認すると、オペレーターである雁旗アキトに通信越しに話しかけた。

 

「あっちは終わったか?」

『みたいだね。そろそろこっちのデータ取りも終わりにするかな』

 

 ようやくか、とアズサはぼやき、ハンマーを担いでいない左肩をグルグルと回した。

 雁旗アキトはオペレーターであり、支倉アズサは魔装姫士である。

 

「しっかし思ったよりデータが取れねェでやんの。30発叩き込んでもぶっ壊れねェってことしかわかんねぇしよ」

『まぁ、ジャマー能力だってことは先に聞いていたからなんとなくそうなるだろうな、とは思っていたけどね。攻撃性の低い個体で助かったよ』

 

 だが、同時に二人は対ゴーレム研究者とその助手でもあった。

 任務はもちろんゴーレムの撃破だが、同時にその堅牢な外殻の強度確認およびその原理究明にあった。

 今回のような個体が今後出ないという保障は無い。故にその堅牢な外殻を打ち砕く破壊力を持つメテルドレスと、そのデータを収集することが可能な設備及び人材を持つ企業としてあやかしやが抜擢されたのである。

 

「オレからすりゃ、弱いものいじめみたいで好きじゃねぇ。お前だっていじめられたくなんてなかっただろうに、なぁ?カメ公」

 

 ポンポン、と腰掛けている()()()()()()()()()から同意を求めるように問いかけると、弱弱しい鳴き声が応えた。

 

「■■■■ァ■ゥ……」

「こいつも同意だってよ?」

『またゴーレムに仇名をつけてる…そもそもどうしてゴーレムの気持ちがわかるのさ』

「んなもん勘に決まってるじゃねぇか。よく言うだろ?女の勘はよく当たるってな」

 

 アキトは呆れ返っているようだが、もちろん戯言だ。自分が女らしくないなど重々承知している。

 

「あーあ、こいつがゴーレムじゃなけりゃ可愛がってやるんだがなぁ」

『……まぁ、研究者としては飼育できるなら試してみたいけどさ。檻が無いんじゃあね』

 

 アキトは惜しい、という思いを隠すことなく告げた。

 ゴーレムは高次元の存在であり、現状、彼らに対抗できる兵器はメテルドレスのみだ。低次元――つまりメテルドレスに関係しない物質はゴーレムになんの影響も及ぼせない。

 民間人が避難するシェルターすらも、ゴーレムの手にかかれば紙くず同然に打ち破られてしまうだろう。

 

 余談になるが、シェルターの存在意義はゴーレム出現の際に魔装姫士が優先的に守る拠点、戦闘に民間人が巻き添えになることを防ぐための避難先という二つの存在価値がある。

 

 閑話休題。

 

「さて、と」

 

 甲羅の上で立ち上がり、アズサは、ゴーレムに宣告する。

 

「そんじゃ名残惜しいがここでサヨナラだ。しっかり成仏させてやるよ」

「■■ゥ……」

 

 文字通りの死刑宣告。しかし、ゴーレムは弱弱しく鳴く(泣く)だけ、アズサは顔を顰め、やれやれと首を振った。ここまで好戦的ではないゴーレムをアズサとアキトは初めて目にしたのだ、倒しにくいったらありゃしない。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

『周囲への被害が甚大になりそうなんだけどね……()()()()()()()()()()かな?』

 

 アキトの言葉を鼻で笑った。

 

「ま、流石に大型相手に使う三番、四番は必要ねぇだろうさ」

『そうであることを祈るよ……『牛鬼』装甲拘束、一番から十番まで解放』

「装甲パージ開始!」

 

 アズサの掛け声と共に全身装甲の上半身。腕部を除いた全ての装甲が弾け飛んだ。

 変化はそれだけで終わらない。

 

『解放した装甲をサルページ。武装接続シークエンスへと移行』

「『ウチデノオオヅチ』接続(コネクト)!――」

 

 弾け飛んだ装甲は一度空中で停止し、その後、全てがアズサの掲げた戦鎚へと引き寄せられていく――

 

 ――『ウチデノオオヅチ』には奥の手が存在する。

 通常は推進ブースターによって攻撃を加速させることで同時に破壊力を得るが、そこで終わらせないのが『あやかしや』クオリティ。さらなる破壊力を得ようと試行錯誤が繰り返された。

 

 しかし、牛鬼自体、コアからの出力と重量、そしてロケットのごとくかっ飛ばす推進力をギリギリまで突き詰めた設計ゆえにそれ以上機能を増やせなかった。もちろんウチデノオオヅチも含めての話だ。

 

 そこである技術者が思いついた。

 重量を増やせないなら装甲を武器に移してしまえば良いんじゃないか?

 

 そこからウシオニは大幅な改修が行われた。

 本体上半身の装甲をパージし、ウチデノオオヅチへと装着させることで防御力の低下と引き換えに武器の重量及び強度を強化する一番。

 本体のスラスターをパージしウチデノオオヅチへと接続することで追加の推進ブースターとして使用。本体の機動力の低下と引き換えにスイングの破壊力を高める二番。

 

 そこから更に対大型種用の可変形態を持つ武装であり、メテルドレス、それが現在のウシオニであり、ウチデノオオヅチだ。

 

 こんな武装を使って大丈夫なのか?という疑問にはNO、と答えるしかない。

 この武器を与えられた当初、色々と試していたアズサは推進ブースターに振り回され、危うく腕を持ってかれそうになった、と言えばその危うさがわかるだろうか?

 

『武装パラメーター異常なし(オールグリーン)――叩き込んでやってください!』

 

 ――そうして掲げられたウチデノオオヅチは、一回り以上――推定4m越えの獲物へと姿を変え、そしてアズサの魔装、牛鬼は元の姿からかけ離れた軽装型がごとき矮躯へと変貌していた。

 守りと機動性を犠牲にし、更に生半可な扱いでは自滅しかねない唯一無二の武装。だが、支倉アズサに不安は無い。

 

「応ともさ!」

 

 瞬間、とんでもない熱量を発し、彼女の姿が掻き消えた。

 

 ――確かにウチデノオオヅチのこの形態は本体の機動性が犠牲になる。

 

 しかし、しかしだ。

 

 これは本体のスラスターがウチデノオオヅチの推進ブースターに回されているからであって、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 はっきり言って無茶である。メテルドレス本体と接続されている場合、飛行を感覚的に行うようにAIが組まれ、自動的に推進力の最適な向きなどを割り出して制御してくれている。

 だが、ウチデノオオヅチにそのような機能は存在しない。そもそも攻撃の威力を高めることだけが目的の推進ブースターにそのような物を載せる理由は無い。

 

 だから、これはアズサ自身が長時間の訓練やこれまでの実践を通して研鑽してきた技術――彼女は、ウチデノオオヅチで空を翔る。

 

 

 考えはとてもシンプル。高いところから推進力込みで落下し、コイツ(ウチデノオオヅチ)を叩き込む。

 

 

 そのためには上へ、ひたすら上へ。そしてゴーレムがギリギリ視認できる高さまで飛び上がり、そのまま急降下。

 推進ブースターが唸り、空気が押し出されて轟音を響かせる。

 

 落下速度、武器の強度、外殻の強度、これから腕に掛かるであろう負荷――そんなもの、アズサの頭には(はな)っから存在しない。

 

 あるのはただ一つ。自ら仇敵と定めた化け物を討ち果たすこと。

 

 ただ、それだけだ。

 

 

 「オォォォォォ――――」

 

 40――スラスターの熱と落下時の空気摩擦で体が焼けつくほどに熱い。

 30――否、それだけではない。彼女は高揚している。これまでに居なかった凶悪なまでの堅牢さ。それを打ち破ったその先。

 20――支倉アズサの強み、それは。

 10――どこまでも揺るがない戦意にこそある。

 

 「――ラァッ!」

 

 ――0。

 

 大気を震わす轟音。ウチデノオオヅチは寸分違わず大亀の背中、罅割れた甲殻へと吸い込まれ――その下の地盤ごと、ゴーレムを粉砕した。

 

「――――」

 

 

 

 ゴーレムの断末魔は、轟音に紛れ、聞こえなかった。

 

 

 

「――殲滅完了ってか?」

『ネフィシュ反応消失。ジャマーの解除を確認。お疲れ様でした。それじゃあ千寿さんと合流して――』

「……んあ?どうしたよアキト」

 

 途中で言葉を切ったアキトに対し怪訝な顔をしてアズサは問いかけた。

 

『千寿さんが戦闘の途中で気絶したみたいだ』

「お、死んでなかったか、上々じゃねぇか」

 

 ハハハ、とアズサは笑う。

 

『いや心配しようよ!』

「いやいや、ここは喜んでやるところさ、アキト。普通ならこんな現場に新人を連れてくる方がおかしかったんだ。生き残ってくれたことにこそ喜んでやるべきだろうよ」

『……いや、まぁ、そうなんだけどさ』

 

 今回は異常だった。

 救援とはいえ、2体とも能力持ち。そんな現場に呼ばれた二人の内片方は非番の新人。このような選定をした上の意図が気に掛かる。そのことに思考を向けようとして、アキトの言葉がそれを遮った。

 

『でもそれって、彼女が生き残らないって思ってたってことです?』

()()()()()()()。ありゃ、あっさり命を投げ出せる類の奴だぞ?」

 

 アズサは呆れたように言ったがアキトからすればむしろ理解できない話だったのか、彼は要領を得ないという風に唸った。

 アズサが結奈と今日が初めて会った訳で、彼女の事情も出撃前に軽く聞き流した程度。深く理解出来る方がおかしい。なんて考えているのだろう。

 だが、そう思わせる情報は随所にあったのだ。

 いいとこのお嬢様が目が見えないってのに非番でも飽きずに訓練していて、その上初陣だってのに()()()()()()()()()()()()()()()()

 極め付けにはブリーフィングの時のあの雰囲気だ。あの雰囲気を、支倉アズサは知っている。ゴーレムは必ず殺さねばならない、そう言っていたあの女性に――そういえば彼女がこれほどの現場に居ないというのも珍しい、とアズサは思った。

 

「ま、勘でしかねェけどな」

『……また女の勘、ですか?』

「そういうこった。ま、信じるも信じねェもお前の勝手さ

『信じますよ。好きになった人の言葉なんですから』

 

 ときめいた。不覚にもときめいた。

 

「この女たらし」

『あなた以外にはこんなこと言いませんよ』

 

 支倉アズサは自身を女らしくない、と常々思っている。化粧っ気など微塵も無くアクセサリーの類は邪魔と切り捨てる。服だって普段はジャージ姿で過ごしているしずぼらだ。

 

 だから、そんな自分を異性として扱われるのに慣れていないし、そんな風に扱う男などいないものだと思っていた――プロポーズされた一ヶ月前までは。

 仕事でも見せない真剣な顔で結婚を前提にお付き合いを、なんて言われた日のことをアズサはよく覚えている。

 そして返事を保留にしてしまったこともしっかりと。

 

 確かに喜んでいる自分が居ることも事実。だが、それ以上に怖いのだ。なぜ自分のような女を好きになるのか、男の気が知れない。

 アズサは内心を悟られぬように鼻で笑った。

 

「どうだかな……そんじゃ、新人を回収してくる」

『お願いします。ああ、それと』

「……なんだよ」

『顔を真っ赤にしたアズサさん、本当にかわ――』

 

 ぷつり、と最後まで聞くことなく通信を切った。

 とりあえず帰ったら一発ぶん殴る。そう決めた瞬間であった。

 

 

◇◇◇

 

 

 目を覚ました結奈は、そこが医療機関、もしくはそれに準じた場所であることを消毒液特有の匂いから推察した。

 喧騒から察するにおそらく一般病棟――いや、妙な機械音も聞こえてくる。もしかしたら医務室といったレベルの場所なのかもしれない。

 

 自分の体を確認する。何か点滴を受けているわけでもなく、痛みも軽いものだ。とすれば軽い脳震盪か。

 

 自分が意識を失う前に何をしていたかはすぐに思い出せる。鎌を腹に突き刺すことはできたがそのままゴーレムに押しつぶされそうになって、そのあと誰かの通信で耳をやられてそれから――そうだ、突き飛ばされた。そこから先の記憶が酷く曖昧だが、気を失ってしまったか。

 

「……」

 

 情けない、と思った。

 少し前に生き残ることを祖母に約束して魔装姫士になった。そして今日、ゴーレムに蹂躙された人たちの恐怖を自分が引きずっていくのだと決めた。だというのにいざとなったら生きることを容易く諦めてしまった。

 

――間に合ええええ!

 

 焼きついたのは、通信越しに自分に手を差し伸べた女性の叫び。あれは、多分、芦沼さんだ。そして、助けてくれたのも。

 なら、お礼を言わなければならないだろう。生き残ることを諦めた自分に、生きる道を与えてくれたのだから。

 

 むくり、と起き上がった結奈に声が掛けられた。

 

「あ、起きたのね新人ちゃん」

「あなたは……芦沼さん、でしたよね?」

 

 ええ、と芦沼サトミは答えた。

 

「中々いい記憶力ね」

「これまで声で人を判別しなければいけなかったので」

 

 事実、これが出来るようになるまで中々に大変だった。人が人を判別する際、大抵は視覚情報に依るところが大きいようで、目が見えなくなってすぐの頃は祖父母の声を聞いても誰なのかわからなかったことを覚えている。

 そういう問題かしら、とサトミは零したが。

 

 その後、痛みの有無や意識レベルの確認等を芦沼はてきぱきと行った。手馴れているらしく、その動きは淀みなく行われた。魔装姫士になったら必要なことなのだろうと結奈は思った。

 

「そういえば、ここはどこなのでしょうか?」

「スペリオル・インダストリー魔装姫士(エクィテス)詰め所の医務室よ。あ、あなたの保護者さんには連絡してあるわ」

 

 ああ、やっぱり病院じゃなかったのか。病院の物とは違う機械類の音はおそらくガレージ、そこでメテルドレスの修復を行っているのかもしれない。結奈は納得した。

 

「今日の戦いはどこまで覚えてる?そうね……現場に到着してからの動きを説明できるかしら?」

「えっと……はい」

 

 結奈は素直に応じて一つ一つ話していく。

 支倉さんと別れたあと、声を頼りにゴーレムを探しながら秋風楓、芦沼サトミと合流。

 三人で協力して他の魔装姫士が集合するまでの間、居住区画C内からゴーレムを逃がさないように時間を稼ぎ、他の人にもわかるように鎌を突き刺した。

 だが、鎌を突き刺すのに集中するあまり離脱しそこね、そのままゴーレム諸共落下して潰されそうになったのを、おそらく芦沼さんに助けられたのだ、と。

 

 静かに結奈は語り、その間、サトミは口を挟むことなく聞いていた。

 

「そういえば、支倉さんは?」

「アズサちゃんならあなたのメテルドレスを回収してあやかしやに戻ったわよ。お大事に、ですって」

 

 そうか、それは迷惑を掛けてしまった、と思ったところでふと、疑問が沸いた。

 なぜ、自分はあやかしやではなくスペリオルインダストリーに運び込まれているのか。

 そのことを言うと、彼女はあっさりと答えた。私のわがままだ、と。

 

「わが、まま?」

「ええ、ちょっとお説教しなくちゃいけないことがあったものだから。もちろん一対一で」

 

 お説教。と聞いて少し呆けてしまった。そういうことは先輩(支倉)がするものだと思っていたからだ。

 

「まず、なんで下から狙ったのかしら?上から鎌を刺したほうが皆から見えたでしょうし、何より押しつぶされる心配も無かったと思うのだけど」

 

 ああ、そのことか、と結奈は納得した。あれにはきちんと理由はある。そもそも、結奈も最初の内は背中に突き立ててやるつもりだったのだ。

 しかし、あのゴーレムの背中には複数の突起物があって、そこから大量の空気を噴出させていた。もしも背中から切り掛かろうものなら突風に巻き込まれ吹き飛ばされていたかもしれない。

 そのことを説明すると、サトミは納得したようだった。

 

「なるほどね。そういうことなら仕方ないか」

「今になって思うと失敗したな、と思っているんです。押し潰される事までは想像していませんでしたから」

「ま、初めての戦いだもの。しょうがないわ。私の初陣なんて死にたくない一心で他の事に気を配る余裕なんてなかったしね」

 

 そう言ってサトミは肩を竦めた――そうだ。この人もベテランの一人なのだ。それも自分の出した無茶な指示にも応えられるほどの。

 

「でもそこまで冷静に反省できてるとは思ってなかったわ……ねぇ、あなた本当に13歳?」

「年齢詐称をする理由はありませんよ?」

 

 そういうことじゃないんだけど、とサトミは疲れたように言った。じゃあどういうことなんだろう、と思ったが、最近の若い子はこんな感じなの?と頭を抱えているのが分かってしまうと何を言っていいかわからなかった。

 わからなかったので愛想笑いを浮かべておいた。

 

 ジト目で見られたので謝ると、溜め息を吐きつつサトミは次の問いを口にした。

 

「――じゃあ、なんで押しつぶされそうになった時に逃げなかったのかしら?私から見る限りギリギリ助かったと思うのだけど」

 

 そうとは思えない。確かにあのタイミングで逃げていれば命は拾えただろう。だが、無傷では済まなかった筈だ。

 それではダメだ。あのゴーレムを捕捉できる自分がいないのでは戦いが長引き、より大きな被害を与えていた可能性があったのだ。それを結奈は見過ごせなかった。

 

「……あのゴーレムはあの場で何が何でも倒す必要がありました。私の命を賭けてでも」

 

 だから死ぬことを前提で残った、残ってしまった。祖母との約束を破ってしまった。

 

「そうね。あなた以外には認識できない以上、あそこで取り逃がしたら大変なことになっていたわ。それだけは認めてあげる」

 

 ――けどね、とサトミは続け、突然、結奈の胸倉を掴み上げた。

 目が見えない結奈であっても、彼女の背後に鬼の姿がチラつくほどの迫力があった。

 

「死に急ぐのは勝手よ……ただ私の目の前でそういうことされるとムカッ腹が立つの!昨日会った相手がいつの間にか死んでることなんて珍しくないこの世界だけど!だからって目の前で死なれたくなんて無いのよ!」

 

 ああ、そうか。結奈は思う。この人も、目の前で誰かが死ぬのが怖かったのだ。

 自分に対し怒りを顕わにする女性の過去に思いを馳せる。

 魔装姫士として生き残るということは、仲間の死を身近に知るということ。この人はそれを何度も経験しているのかもしれない。

 

「だから!魔装姫士になったんなら生き残る道を模索しなさい!人間生きてればどうにでもなんのよ!」

 

 結奈は魔装姫士の死を聞くことはできても()()()()()()()()()。故にその情景を知ることは無い。だから芦沼サトミの感じる恐怖を正確に理解することはできないだろう――それがすごく苦しかった。

 この人(芦沼サトミ)の恐怖を共有してあげられないことが、とても、とても、苦しい。

 

「心臓に悪いのよ!あなたがゴーレムの下から抜け出さないのを見てどれだけ怖かったことか!作戦を聞いて、あなたと会って、最初から死ぬつもりなんじゃないかって気が気じゃなかったわよ!」

 

 父は容易く殺されて、母は丸呑みにされてしまった時の恐怖を今も覚えている。そんな誰にも見ないで欲しいと願った恐怖を、他の人に植え付けるところだった。

 

「ごめ………い」

 

 ――心配させてしまったことに。怖がらせてしまったことに。

 ぽつり、と掠れながらも声が出た。目が、熱い。

 胸倉を掴んでいた手が離れた。

 

「泣かないでよ。これ以上、怒れないじゃないの。もっと、色々叱ってやらなきゃいけないのに」

「……んな…い」

 

 ――あなたの苦しみを正しく理解することができないことに。

 サトミの声は呆れたようでいて優しかった。抱きしめられた。

 

「――生きてて、本当によかったわ」

「ごめん、なさい」

 

 ――生きることを諦めてしまったことに。

 

「そうじゃないでしょ?こういう時はお礼を言うの」

「たすけてくれて。ありがとう」

 

 結奈は泣いた、静かに泣いた。それをサトミは見守ってくれていた

 結奈は誓う。誰かを守るために無茶もするし、死に掛けもしよう。それぐらいのことは魔装姫士になると決めた時点で覚悟はしていた。

 だからそこに一つ、より強く刻み込むのだ。絶対に生き残る、と。

 

 命の恩人の傍で、泣いて、泣いて、そして誓ったのだった。

 

◇◇◇

 

「「失礼します」」

 

 上官への報告を終えた秋風楓と柴田愛弓は、共に帰路に着く運びとなっていた。

 まったく疲れを見せず、凛とした立ち姿の楓と対照的に愛弓はだいぶ疲れたのかあくびをかみ殺しているが、楓は特に何も言わなかった。

 戦闘は結局長時間に及んだ上にジャミングの影響で実際に取れたデータが少ないこともあって報告の内容が普段より多くなったのだ。

 魔装姫士は鍛えているとはいえど人間である。戦闘後に休みなくノート一冊分はあるであろう普段よりも分厚い報告書を書き上げるハメになったのだ。疲れないはずもないだろう。

 

「やれやれ、中々に厄介な個体だった」

「ホントだよ。しかもどちらも守りや逃げに特化した個体だったしさ。おかげで時間がかなり掛かっちゃったよ」

 

 せめてジャミングが無かったらなぁ……とぼやく愛弓に言葉には出さないが同意せざるをえない。

 そもそも今回の場合組み合わせが非常に悪かったと言っていい。スペリオル・インダストリー社の機体は汎用性に重きを置いている部分が多く、ジャミング能力持ちを倒す火力は持ち合わせていなかった上に、先に駆けつけた楓と愛弓でも破壊が困難だった。もしもあの場に破壊力の高い装備を持つ魔装姫士がいたのなら先にジャミング持ちを撃破した上で姿無きゴーレムをセンサー類で捕捉し討伐できていただろう。

 

「それにしてもよくあの二人をどんぴしゃで呼び出せたよね」

「まったくだ。あの二人が当番だったのは僥倖だったな」

 

 そんなことを話す二人だったが、本来なら結奈は非番であったことなど知る由も無かった。

 

「それはそうと、結奈ちゃんはどうだった?」

 

 少し前に世話をした縁があるからかやはり気になるのか。

 訊ねてきた愛弓に対し、楓は淡々と応えた。

 

「悪くは無いな。オペレーターの助けもあったようだが、例のゴーレムを捕捉できない私と芦沼さんを上手に使っていた。危険な作戦にも関わらず怖気づくことなくこなしたのも評価できる。正直、年齢や初陣であるというのが信じられない」

 

 思ったより評価が高いんだね、と愛弓がぽつりと呟いた。

 楓自身は淡々と事実を話していただけだったのだが、そんなに意外だっただろうか?

 

「まぁ、咄嗟に通信機能を使えなかったり、最後に詰めの甘さはあったが、それは生きてさえいれば幾らでも直せる部分だ。総評するならば魔装姫士としては十二分に期待できる人材、だな」

「だよねだよね!あーあ、目が見えていたらなぁ……」

 

 その言葉にまったくだ、と楓も同意した。

 一見、差別とも取れる言葉だが、おそらく無理を通して千寿結奈を政府直属の魔装姫士として受け入れていたならいつか世間を騒がせるニュースとなっていたに違いない。

 

 タイトルは『身体的障害を持つ少女を怪物退治に――政府、これを黙認』といったところだろうか。そういう意味ではあやかしやは自ら爆弾を抱え込んだことになるのだがそれを呆れるべきか――それとも一人の少女の願いを聞き入れた懐の深さを褒めるべきか。

 

 いや、後者は無い、と自分の考えを改めた。どうせあのあやかしやだ。碌でも無い思惑あってのことだろうが、それが任務とされることが無いことを祈るばかりだ。

 

「やれやれ、ひとまずどこかでご飯を食べて帰るとしよう」

「あ、イイネイイネ!どこがいいかなぁ!和、洋、中、どれも捨てがたいしなぁ」

 

 そうして二人は帰路に――

 

『秋風楓、柴田愛弓の両名はただちに局長室へと出頭せよ。繰り返す、秋風楓、柴田愛弓の両名は――』

 

 着けなかった。

 

「え、ええ~」

「ぼやくな、任務だ」

 

 楓は踵を返し、それに倣って愛弓も着いていく――ちらりと見た愛弓の目が死んでいたのを確認して、終わったら何か奢ることを考えた楓であった。

 

 

◇◇◇

 

 

「ただいま~、いやはや、到着が遅くなっちゃったよ」

「おかえりなさいお父様!」

 

 場所は変わり大神家。

 長身痩躯の男――あやかしや創設者、大神相馬(おおがみそうま)は娘である大神雫に出迎えられていた。

 

「一ヶ月も留守にしてごめんよ。大丈夫だったかい?」

「ええ、おばさまの助けもありましたからなんの問題もありませんわ」

 

 それはよかった。思ったより元気そうだ。ふと、おばさま――血縁の叔母、ではなく相馬が雇ったお手伝いさん――の姿が見えないので話を聞くと雫曰く、今夜は家族水入らずで、という雫の要望なんだとか。

 あちらの職務怠慢になるんじゃないかと思いはしたものの、それは言わないでおこう。

 

「あ、先にお風呂に入りたいんだけどできてるかな?」

「できてますわよ!もちろんご飯の用意も!」

 

 えっへん、と胸を張る娘。

 相馬はその姿に安堵し、顔を綻ばせて頭を撫でた。

 

「本当にすごいなぁ雫は、その歳で家事を全部やれちゃうなんて。いつでもお嫁さんになれるよ」

「えへへへ、お父様、気が早いですわ」

 

 気が早い、と言う雫だったがとても嬉しそうだった。

 

「それよりもお父様の食生活の方が不安でしたわ……今回の出張はアメリカ。食事量が多いことで知られる国ですもの。ヒョロヒョロのお父様が肥満体になって帰ってくるのではないかと心配しましたのよ?」

 

 そう言われて、相馬は自分が太った姿を想像してみるが、元々小食であまり食べない人間だったからか全然思い浮かばない。

 

「それはさすがに考えすぎだよ。確かに体重は2キロ増えたけど……」

「むしろもう少し肉を付けた方が良いですわね。もちろん運動や栄養バランスも考えてですけど」

 

 そう言いつつ雫はいつのまにか取り出したノートに何やら書き込んでいた。

 そこには雫の筆跡で「お父様健康ノート」なんて書かれている。そんなものいつのまに作っていたのやら。父の健康を気遣ってくれる娘を褒めるべきか気にしすぎだと言うべきか迷ってしまう。

 

「――まぁいいか、先にお風呂貰うよ」

 

 答え。保留。いつか来る反抗期のことを思えばこれほど父思いの娘の姿をあと何年拝めるかもわからないのだ。今の内が花である。

 

「はーい!あ、背中を流しましょうか?」

「それより料理を温めといてくれるとうれしいなー」

 

 娘の気遣いを嬉しく思いつつ、事案という言葉が思い浮かんだ自分はダメな気がした相馬であった。

 

 

 

 

 入浴後、すでに夕食を食べていた雫の前で相馬もまた夕食にありついていた。鯖の味噌煮に肉じゃが、ほうれん草のおひたしに浅漬け。味噌汁はわかめに豆腐とねぎという純和食。一応アメリカでも和食が食べられないこともないのだが、久しぶりの和食ですわ!という雫なりの気遣いを無碍にするつもりはなくそのことは黙って食べることにした。

 

「うまぁぁぁぁい!!うまいよぉぉぉぉぉ!」

 

 それに一ヶ月ぶりの愛娘の料理である。喜ばないわけが無かった。

 

「お、お父様、そんな泣きながら食べるものではありませんわよ?」

「何を言うんだい雫!一ヶ月ぶりの雫の手料理だよ!涙無しに食べれるわけが無いじゃないか!」

「何を言ってるんでしょうこの人……」

 

 なんか小声で罵倒された気がするがそんなことは些事だ。これでまた一ヶ月頑張れるゥゥゥ!と感涙にむせび泣く相馬だったが、ふと雫にこんなことを問いかけた。

 

「そういえば臨時でオペレーターになったって聞いたけどどうだった?」

「と、唐突ですわね」

 

 口の端を引き攣らせていた雫に、はて、と首を傾げた相馬だったが、雫が話し始めたので傾聴することにした。

 元々は非番だというのにほぼ毎日メテルドレスを借りて訓練している新人の魔装姫士に会いにいったこと。

 その少女は千寿結奈という名であること。

 色々と話して仲良くなったこと。

 そんな少女が非番にも関わらず厄介なゴーレム相手に初陣に出ることになったこと。

 彼女の手伝いをしようと思って、ちょうど空いていたオペレーターを臨時で務めたこと。

 その少女と話し合って作戦を立案し、実際に戦場で戦う少女とその作戦を成功させたこと。

 だけど、その少女は気絶してしまって、彼女が書くはずだった報告書もすべて雫が書き上げたこと。

 しかも、多くのセンサー類が使えなかった所為でメテルドレスから読み取れるデータが少なく、その解析やら何やらで時間が潰れたこと。

 

「た、大変だったね」

「そうですのよ!芦沼さんが居なかったらどうなっていたことか!熱意は買いますけども死んでは元も子も無いでしょうに」

 

 今度会ったら説教ですわ!と息を巻く雫に相馬は苦笑をもらす。

 千寿 結奈という少女のことは知っていた。そもそも、彼女をあやかしやに入れることを許したのは自分だ。それに、彼女の事情もちゃんと知っている。それにしても今日が初陣だったのか、と胸中で呟いた。

 

「――お父様?」

「ん?ああ、なんでもないよ。よくやったね雫。その、結奈ちゃんだっけ?彼女が生き残ったのはお前の頑張りがあってこそだ」

 

 雫はえへへ、と照れ笑いをうかべたが、なぜかすぐに真顔になった。

 どうしたのか、といぶかしむ相馬だったが、続いて雫が口にした言葉に絶句することになる。

 

「ですけど、もしも彼女が居なかったらお父様も無事に帰ってこれたかどうか……」

「……え?」

 

 いきなり何を言い出すのか。そこまで考えて、ふと、自宅に帰ってくる途中で目にした惨状を思い出した。

 

「まさか帰ってくる途中に見たあの残骸ってもしかして今日の戦いの!?」

「ええ、帰ってきたら家が無かった、という事態は防げましたの」

 

 自分の知らないところで救われていた事実に相馬は顔を青くした。

 さらに詳しく聞いてみると、なんでもその厄介なゴーレムの内一体は彼女以外には見つけることもままならないステルス能力を持っていたらしい。ゆえに彼女なしでの撃破はできなかった、と雫は語ったのだった。

 

「……奇妙な縁もあったもんだよ」

「お父様、何か言いました?」

「いや、なんでもない」

 

 そう言って、相馬はごまかした。これは雫はまだ知る必要の無い話だ。

 話すのであればまず……あの少女であるべきだろう。と、胸に秘めて。

 

「それで、どうだい?オペレーターとしても十分やっていけそうだけど心変わりとかは」

「ありませんわ」

 

 雫は断言した。断言してみせた。だめかー、と相馬はしょんぼりとした。

 

「私は魔装姫士になる。これは決定事項でしてよ」

「自分の娘だからこそ戦って欲しくないっていう親心もあるんだけどなぁ……」

「……そこはすごく申し訳なく思ってますわ。ですけど、今日、あの人のオペレーターを務めてその気持ちがより強くなりましたの」

 

 どういうことか聞くと、まるで雫は

 

「だって、結奈先輩ってば、ゴーレムと戦うことしか考えてないような生活をしてますのよ!魔装姫士だからってそれではあまりにもかわいそうですわ!ですから、彼女が少しでも楽になるように手助けをしますの!」

 

 もちろん、彼女だけではありませんけど、と雫は付け加えた。

 だが、相馬はそれどころではない。娘の成長を喜ぶと同時に娘に数奇な運命を与えた神を恨みそうになる。

 例え、この世界に機械仕掛けの救世主はいて、神様はいないのだとしても、だ。

 

「――僕は何度でも問うよ雫、例え君が魔装姫士になった後でもね」

 

 それだけがこの情けない父にできることだ、という()()()()()()()()に対し雫は答えた。

 

「では、私は何度でも魔装姫士になるのだと答え続けますわ」

「――はは、あ、そうだ、料理が冷める前に食べきらなきゃね」

 

 そう言って話を切り、相馬は食事を再開する。

 娘は、そんな父の姿を申し訳無さそうに見ていた。




や、やっと初陣編が終わりました。長かった。本当に長かった。
今後はこれまでの話の文章の推敲や原作の進みに合わせて小話を書いていこうかと思っています。次回更新は未定です。


登場人物紹介。

・支倉アズサ
 本作オリジナルキャラ。あやかしやの先輩魔装姫士。年齢はこの話の時点で19歳。大学には行っていない。
 戦闘ではかなり頼もしいが私生活はかなりだらしないタイプ。
 しかも戦闘は単独での行動も多く、直感だけで生き残ってきた戦いの天才。
 この話の時点では出撃数及び撃破数であやかしやTOP。原作開始の四年後も生存している予定。

 専用メテルドレス持ちで名前は「牛鬼」
 本編で説明したとおりの強襲を前提とした短期決戦用のメテルドレス。近接戦闘での破壊力はピカイチだけど最速の座はFADの機体に取られてそうだなぁ、なんて。

 彼女を作ったのは投稿キャラにベテランを名乗れるあやかしやの魔装姫士が居なかったため。
 なんで唐突に恋愛要素を入れたんだと言われそうだけど恋愛にへっぴり腰の男勝りなお姉さんと好きな女性には一途な優男を書きたかったんや()

・雁旗アキト
 本作オリジナルキャラ。上述の支倉アズサの専属オペレーターであると同時にあやかしやの若き研究者。専門は対ゴーレム。アズサさんにぞっこん――なんだけど実はその経緯まではまとまってない(オイ)

 彼を作ったのは上述した恋愛要素を書きたかったこともあるけど、原作ではオペレーターが基本的に女性だったので違いを出したかったというのも少しありました。原作開始時点でも存命予定。

・大神ソウマ
 本作オリジナル…とは言えなさそうだね。うん。
 あやかしやの一番偉い人。創設者にして取締役かつ技術開発部のトップ。その実態は……ドタコンのお父さん。
 『赤い人』さん考案のキャラクター『大神雫』ちゃんの父親として設定したキャラです。
 実は父子家庭、というか元々雫ちゃんが養子なんですが。
 あやかしやのTOPとして世界中を飛び回っていて毎日娘とのテレビ通話が欠かせないとか何とか。反抗期が来たらへこみそう。
 当然彼も原作開始時点では存命。

・芦沼サトミ
 前回に引き続き続投。前の話で結奈を助けたのも彼女でしたが、戦いの中で生きるのを諦めようとした結奈を叱咤する役を担ってもらいました。
 結奈の命の恩人、というのは原作の主人公の窮地を救った場面が印象的だったからですね。
 ただキャラ間のつながりを勝手に作ってしまった面もあるんですよね……James6さんなんかすみません()
 それと、今回の話を思いついたのは投稿されていた掛け合いの台詞「死に急ぐのは勝手よ……ただ私の目の前でそういうことされるとムカッ腹が立つの」を見た結果ですね。あれのおかげで叱責役を勝ち取りました。バインさん本当にありがとう!

・秋風楓
 前回に引き続き続投。後述する柴田愛弓さんと一緒に結奈の評価と、結奈の立場について話すちょっとした解説役として使わせていただきました。
 たぶん、結奈は気付いていないだろうけど彼女自身が爆弾だよな、という考えがあり、それを語っていただいた形でございます。

・柴田愛弓
 こちらも前回に引き続き(ry。
 結奈と縁を作っていたこともあって彼女から切り出す形で結奈の評価云々を話し合わせることができました。

・大神雫
 こちらも前回に(ry。
 父親との団欒を絡めて結奈が居ない間に色々と面倒な仕事を引き受けていたことなどを話していただきました。しかも家事万能スキルまで追加(こちらの独断)うーん、無理せず家政婦さんを用意するべきだったのだろうか……という悩み。
 それはそうとあとがきを書いている今になって目の見えない結奈に書類って書けないよな……ということに気付くなど。
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