SAOが正式サービスが開始される前日の放課後
神崎のいるクラスでは明日サービス開始のSAOでどこで待ち合わせをするか等で盛り上がっていた。最もソフトの購入に成功した者に限りだがそれでも待ちきれないようでそいつらは一日中その話しかしていなかった。受験生でもあるのに余裕ありすぎだろと思いながら俺は帰路についた。神崎が在籍する中学は都内では頭の良い所謂エリート校なのである。神崎はその中でも成績が上位に位置しており、天才と言われたりもしていた。しかしそれは周りの思い込みであり、その実態は誰よりも努力家なのである。早くして両親を失い生活の全てを一人でこなしてきた。早朝のロードワークで体力を付け学校がない日は探偵として仕事と勉学をし、夜には剣術の鍛錬をしている。そんな彼にゲームをする時間が無いのが当然なのである。はっきり言って無駄である。
家に着くと祖父からメッセージが届いていた。
「健斗宛に郵便物が届いておるぞ………」
祖父の家は割と近く徒歩10分程で到着する。今はそんなにないのだが両親を亡くした頃は心配でよく来てくれた。
「分かった。取りに行くよ」
祖父に電話し、制服から私服に着替え向かった。
届いていた物は段ボール1箱であり、少し祖父母と話をして家戻った。
開けてみると中にはSAOのソフト、それをするために必要な機材と便箋が入っていた。
〈 突然のご依頼誠に申し訳ありません。
明日17時30分からソードアートオンラインで逢いたいのですがログインしていただけないでしょうか〉
便箋の中には手紙と100万円が束ねて入っていた。
依頼者の名前は無し。明らかに不審な物である。100万円も依頼者を特定し返せば良いと考えた。しかし、15年間一度もしたことのないゲームという娯楽を知りたい。好奇心が溢れ出てきてしまったのである。依頼であれば無駄ではない、周りと同じ気持ちを知りたいという気持ちは危険度を狂わせてしまった。
まだまだ子供だなと思いながら俺は明日ログインすることを決めた。
SAO正式サービス開始日
サービス開始は13時からだったな。再度確認をして、いつも通り日課をこなした。ソードアートオンラインは剣で遊ぶゲームのようなので剣術の鍛錬を午前中に組み込んだ。昼食をとり、16時まで受験勉強をし16時からはソードアートオンラインについての情報を収集し始めた。知り合いに電話を掛け17時になったところで加湿器を作動させベッドに横になり、ログインを始めた。実際にログイン出来たのは17時20分であった。
思えば何処で落ち合えばいいのだろうかと思っていると鐘の音がはじまりの街に響き、広場に転移させられた。