身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!! 作:あるれしあちゃん
悪いことは続くものなのだろうか。私は、かじかむ手をさすりながらため息を口の中で零した。
「へっくっし!......寒い...」
マルフォイのローブを使うにもいかず私は寒さに耐えつつも11月の終わりを過ごすことになってしまった。寒くて寒く仕方なく、体の不調も増えた気がする。それでも、みじめに見えるのは嫌だった。マルフォイのローブを使うことは敗者になったみたいだった。
流石にイギリス、スコットランドでも11月となれば霜でホグワーツはまるで雪景色のようだった。
私はとにかく風邪を引かぬようにといつも小走りで行動してたのだが、今まで被害がないから無視だったのに、無視できない案件に出くわしてしまったのである。
やっと授業も終わって図書館に行こうと足を運んでる時だった。
「「スリザリンの嫌われ者〜!食らえっクソ爆弾」」
「へっ.....わっ」
正面からいきなり人が現れたと思うと急になにかを投げつけられた。
反射的に手で顔を庇ったけど庇えきれずに私の頭に何かボールのようなものが直撃する。
今のは明るい色暖色系ローブに赤毛、一瞬だったけどグリフィンドールのおそらく2人いたしあの双子。このホグワーツでむかつく双子は一組だけだ。
「うっ.........気持ち悪い...」
脳が揺れたのだろうか。私はその場から動けずに口を押さえて蹲った。頭を中心に臭いものが広がってさらに吐き気を感じてしまう。口元を押さえて、私は目を瞑った。
カバンに入った杖を手探りで出して杖を振れば匂いの原因は消え失せるけど、吐き気は治らない。
カバンを握りしめてそれに耐えていると遠くの方から複数の足音が聞こえてきて私は慌てて吐き気を我慢して端に寄ろうと足に力を込めた。でも、気持ちが悪すぎてうまくいかず、私は地面のほうを向いた。
「...あら?あなた大丈夫!?」
「ハーマイオニーやめろって、そのローブ、そいつスリザリンだ!」
「まって、もしかして君....ジェフィフィーナ?」
二人かと思いきや、ポッターもいるのか。
「やだそうだわ!ジェフィフィーナ大丈夫!?」
「........グレンジャーさん達、ですか......」
バタバタと駆け寄る音と一緒に私の目の前に栗色の髪が広がった。ペパーミントのような香りが私の鼻をかすめていく。
「そうよ!なにかあったの?大丈夫!?」
「....っえぇ、大丈夫です。...お気遣い..ありがとうございます」
「スリザリンに関わるとろくなことがないぞ!ハーマイオニー!」
「ロン!」
私は足に力を込めようと頭を動かそうとすればすぐに気持ち悪くなってしまって治まるのを待つしかない。
「すみまっ..せん、ウィーズリーさん。確かにそうですね。......(あなたに関わると)ろくなことがないでしょうね....」
「ロン、貴方のせいよ!
ジェフィフィーナ、立てそう?貧血かしら?」
ポッターとグレンジャーの2人が私の両肩を支えようとしてくれるけど気持ち悪くて動けない。
「大丈夫です、その揺れると..うっ...」
「大丈夫って言ってるんだほっとこうよ、ハリー、ハーマイオニー!」
一番クズいのこいつじゃねとウィーズリーを心の中で毒突くと私はどうにかこの場から逃げ出そうと頭を働かせようとした。しかし、気分が悪いのはまだまだよくならない。
「何をしてるんだ穢れた血」
「げっ、マルフォイ....」
凛とした声と嫌そうなウィーズリーの声が聞こえた。
「グリフィンドール...コイツらにやられたのか?」
「........か、れらではないです」
「どけポッター、ジェフィフィーナをスリザリンの恥さらしにするわけにはいかない」
「でも.......」
「恥さらしだなんて!なんて事をいうのマルフォイ!」
「きこえなかったのか、この...れ
「マルフォイさん..」
私は口元を押さえながら、なんとか口を開いた。
「グレンジャーさん達、ありがとうございました」
「コイツがいいと言っているんだ、グリフィンドールはさっさと寮に帰るんだな」
グレンジャーさんとポッターだけがお大事にと私に声をかけて3人は走って行ってしまった。
あぁ、大声を出したせいで余計に気持ち悪くなった。寒さと気分の悪さに、私はただ地面に手をついたままだった。
「なんでローブの一枚も着ていないんだ。僕のを着ればいいだろう」
「もうしわ...けなくて」
「お前が着ないなら、捨てるだけだ。中古品だとでも思え。
立てるか」
マルフォイが私のことをゆっくりと立ち上がらせてそのままおんぶをしてくれた。
いいところあるんだなぁ。というか、穢れた血はいいのか、なんて思いながら甘んじてその肩に手をおいた。
「何があったか医務室で聞く。ちゃんと答えろよ」
「ありがとうございます........」
マルフォイは言葉に似合わず私に負担をかけないようにか揺らさないようにしつつ急ぎ足で医務室に向かってくれた。廊下で誰にもすれ違わなかったのは奇跡だろうか。
ハリーポッターの物語なんて読破したのは小学校で、しかも全部の内容なんておぼえてないし、知ってるのは夢小説の主人公が少しずらした世界だけだ。
「マルフォイさん」
「うるさいぞ穢れた血」
「本当にありがとうございます、助けてくれて。
(優しい貴方が道を踏み外さねばならない事になる未来がありませんように)」
日本語で最後に小さな小さな声でつぶやいた。原作通りに物語が進んでいれば、マルフォイは辛い思いを多くするだろう。それでも、少しはマシでいて欲しいと思った。
マルフォイの足音しかしない廊下に耳を澄ませながら、私は神なんて信じてないのに祈った。
「......なんて言ったんだ」
その言葉に、返事はしない。
マルフォイは死喰い人になる運命。それは、ルシウス・マルフォイが。
もっと純血が変わらない限り変わる事ない運命なのだろう。
ロナルド・ビリウス・ウィーズリー、きっと彼がいちばんの差別者なのだと、私はクソ爆弾の恨みも込めて考えた。
スリザリンは外が敵だらけな分仲間内の絆が深まった。
だから、こんな風に他の寮から嫌われる立ち位置になったんじゃないだろうか。
ウィーズリーの双子。
君たちがしてることは、ハリーポッターの父親。ジェームズや名付け親のシリウスと何が違うの?
悪戯なんかじゃない。
イジメだよ。悪戯という名前を盾に何をしても構わないと考えるその気持ちに反吐が出そうだった。
私をいじめたのは確かにスリザリンだ。
でも、私は第三者としてスリザリンが被害者だと、そう信じるように仮説を立てる。
「ジェフィフィーナ...?」
「マルフォイさん、本当にありがとうございます」
「いつもはあんなにすましてるくせに、やけに素直なんだな」
私は何も言わなかった。久しぶりの人肌の暖かさが、私の尖った気持ちを和らげてくれるようで心地いい。
「しばらく寝ていろ。
この寒い時期にローブすら着ない、いつも部屋の寒いところに座るお前が、健康体なわけがないだろう。
顔色が悪い。青白い顔でフラフラ歩かれると迷惑だ」
そう言いながら、マルフォイは息が上がり辛そうに歩いた。対して背丈も変わらない私をおぶり続けるのはさぞ辛いことだろう。
今まで、何度も私をいじめた腹いせだ。
ゆっくりと私は目を閉じた。
ウィーズリーくんのこと大嫌いなオリ主です。
嫌いというか理解できないわ!みたいなぁ......。
理解するところもありますが、そこはまた別の所で。
わたくしごとではありますが、発酵中のパンの蓋を開けてしまって萎んでしまったのをショック受けて立ち直れてないです....