身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!! 作:あるれしあちゃん
十五歳を嬢にするなんて、犯罪だよ!今すぐそう叫びたいのを我慢した。
進み行く道が、普段の買い出しの大通りから外れて、行き慣れない場所に。人気の無いところに車を停められる。
車から降りて、エリーさんの後ろを静かについていった。きらびやかな通りに出れば普通に嬢にされることぐらいわかった。いや、まって?いやえ???
流石にこんなハードモードある?
そりゃねーよ!!鬼ですかー!勘弁してくれー!と私はエリーさんに声を上げた。
「エリーさん、どこにいくの?」
「あんたの泣き顔が見れるところさ。これからあんたは娼婦になるんだ。しっかり客を取らなきゃあんたの大事な弟妹は食べもんもなんもなくて死ぬんだよ」
そりゃ国からある程度補助金が出ているとはいえ、あんな明らかに幸せ指数不足、なおかつエリーさんのプレゼンではパトロンもない。
慎ましく生活するのが限界なあの孤児院では、あながち嘘でも無いのが嫌な話だ。
一体どこの上の方が搾取しているのか、あんな貧乏でなくてもなぁ...。
「......そんな」
「あんたが嫌ならメアリーにでもやらせることにでもしようかねぇ...あははっ」
私のひとつ下のメアリーを....。私は拳を握りしめてエリーさんの後ろをついていった。
そして私は客を取らされる事になった。
そういったお店には残念ながら伺ったことがないので、これが普通なのかはわからない。大部屋というか一つの部屋に押し込まれて、私は売れるわけないだろーガハハとタカを括っていた。
普通に考えて欲しい、周りにいるのはナイスバディで欧米人のお姉様方。
こんな、身長も低くてザ・アジア人。肉付き悪い女が売れるわけがない。
と、思っていたのに。
初めての客が来たとたくさん女性のいる部屋で待っていた私の元に声がかかった。売れんでしょと思っていたので半ギレだ。
恐る恐る、客のとったキングサイズのベッドのある部屋に向かった。
部屋はこの館というか店というか、ここの中でもわりかしいい部屋だそうで、そういう性癖のお金持ちジジイかぁ...と私はしおしおしながら部屋に入った。
「...え?誰もいない??」
部屋には誰もいない。何故!?逃げるわけにもいかず、私はベッドのそばで立っていた。どうにかして逃げたい。というかこの状況を打破したい。ジジイはやめて、せめてダンディなおじさまにして。
「...えっと...??」
困ってしまって一度廊下にでも出ようと振り返った時だった。コウモリのような男が扉から現れて私を見下ろしていたのだ。
真っ黒い服に真っ黒な髪、土気色の顔は鷲鼻がよく目立つ。
相手も私を見ていささか目を見開いたようにしてから、私へと近づいた。
「...スネイプ」
「...スネイプ...様?えっと...初めまして、アルレシアといいます。スネイプ様、お願いいたします」
「......歳は?」
おそらく胸を見てそこまで低い歳ではないと判断したのだろうか。全身黒ずくめの長身の男を見上げながらもゆっくりと口を開いた。
「今年でじゅう....はちになります。
東洋人の血を引いているので幼く見られています」
彼が私の大切な処女を持って行くのか....。流石に十五とは言えないので、私はギリセーフの十八歳と言って引き立った笑みを浮かべた。まさか逆サバ読みをすることがあるとは..。
というかアレはアレ様は入るのか?裂けないか?いろいろと心配になりつつもスネイプ様の指示の元、ベッドに仰向けに倒れた。
「アルレシア、初めてだと店は言っていたが」
「はい、初めてでございます。スネイプ様のお手は煩わせないように精一杯努めます」
私と彼の身長では彼の肘に私の顔が来るぐらいなのに大丈夫なんだろうか。頼むからドSとか、変な性癖持ちはやめてほしい。
体の力を抜いてスネイプ様を見つめていると、彼も私の瞳をじっと見つめていた。
時々頬を撫でたりしていたり、なにかをみつめていたり。そう思っているとスネイプ様は私の前に杖を差し出してきた。
杖というより木の棒だろうか。突然すぎてむり、これで俺様の穴を!!とか言わないよね???やめて???そっち系?予想外だから、と言うか新たな扉開きそうだからマジでやめてほしい。
「....これはなんでしょうか」
「いいから一度持って見なさい」
杖を受け取ってそっとその手を見つめた。この光景、見たことがある。
「振りなさい」
「..はっはい!」
右にヒョイと振ると急に杖から花が噴き出した。
「え、あぁ!えー!」
ブンブン振って止めようとしても全く止まることを知らない杖を私はスネイプ様に返した。
まって、これはもしかしてイージーモードきた???
「やはりお前には魔法使いの才能はあるようだな。
我輩はとある学校で教鞭を取っている。今のお前は全寮制の学校でその孤児院からは抜け出せるがどうする?」
「はい?手品か何かでしょう。そんなの。それに、そんな学校に行くお金はないです....」
杖をポケットにしまうスネイプ様は私をベッドから起こして髪の毛を整えた。
「奨学金制度もあるが?それに一年生からしっかり学べば魔力の暴走も抑えられる」
「暴走数はゼロです。そんなこと、私の人生で起こったことありまさんから...一年っていい歳した私が小さい子となんて学べません」
「ホグワーツは11歳から入学だ。今からだと数週間遅いが入学できる」
ホグワー、、、、え??スネ...??
流石に頭を抱えたいのを我慢して、私は眉を下げて謝った。
「ごめんなさい、私がいなくなると妹弟達がわたしと同じことをしなきゃ行けないんです。こんな目にあうのは私だけで充分です」
「同じ目とは、いまの娼婦か?」
「それだけじゃ無いです、職員さんにも殴られたり蹴られたりします。職員の気分で夜中に締め出されたり....食事も...。
お恥ずかしい話だと...そもそも私はプライマリースクールにはほとんど通ってことがないです。下の子達に何かあるよりずっといいんです。だから、ホグワーツに行くことは出来ません」
スネイプ様は私の体に覗く痣にそっと触れてため息を吐くとポケットにしまった杖を私に向けた。ゆっくりと振られる杖を見つめて私はそのまま睡魔に襲われて意識を手放した。
これは、イージーモードきたかもしれない。でも、孤児院を捨てる覚悟は私に無かった。