身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!! 作:あるれしあちゃん
「ノープレゼントでーす」
目が覚めた私の隣には山のようにプレゼントがなかった。
まさかのプレゼント0個という悲しい結末。
まぁ、仲の良い子も家族もいないわけだから当たり前だ。そもそもの話、私自身もプレゼントを誰かに渡すなんてことをしていない。友達がいないのだから、友人へのプレゼントなんて最初からない。
朝から図書館から借りてきた本から適当に疑問に思った闇の魔術に対する防衛術関連の質問リストを作り出す。流石クリスマスか、図書館に人はほとんどおらず、快適に本を探すことができた。
本を借りに行く時た同様、戻った時もスネイプ教授はお酒を飲んだのかソファに撃沈していたのを見た時は少し笑いそうになりながら、私はのんびりと質問リストを作ることができた。
それをローブのポケットに滑り込ませ、用意は万端だ。
手櫛で髪の毛をとかすと私は制服に着替えて静かにスネイプ教授の自室の扉をノックした。
特に何も答えがなく静かに扉を開けると、スネイプ教授はまだ眠っていた。どれだけ寝るつもりだろうか。いや、教員も久々だろう休みなのだから寝かせておこう。
親友は彼のどこが好きだったのか、私は思い出せない過去を頑張って絞り出そうと躍起になった。
愛おしいほどの人だと親友は笑って語っていたように思える。
一番愛が必要だったのに愛に巡り会えなかった。
私も確かに物語の人々の生死については覚えてるつもりだ。
スネイプ教授は最後、本当に最後の方5月2日に死ぬ。それは、親友の誕生日だったからよく覚えていた。そう、いつもいつもゴールデンウィークに被れと親友は言っていたのをよく覚えている。自分の誕生日の日に大好きな人が死んでいるなんて、親友はどんな気持ちできたのだろう。
ヴォルデモートになんとか科白を吐かれ、ナギニという蛇に噛まれて死んだ。ポッターに記憶を渡して。
長い片想いを、大好きな人の目に見送られて終えるなんて教授は幸せだったのか。これから何年も先のことなのに、私はぼんやりとそんなことを考えた。
眉間にしわを寄せて眠る教授は、私のことなんてつゆも知らずにまだ夢の中なのだろう。静かな寝息で眠っていた。
親友の薄っすらと思い出される笑みに私はできることなら教授を助けてあげたいと思うのだ。そんな事を言ったら、他の誰しもを助けてあげたいと思ってしまうのに。
賢者の石、秘密の部屋、アズカバンの囚人、ここを越えれば死は間近になる。そんなのあっという間だろう。人は簡単に死んでしまう。わかっているのに、私はハリーポッターシリーズて死んでしまう人たちの誰か一人でも助けようとしているだろうか。
「...はぁ...」
誰のことも助けようとしていない。
私はソファで力尽きたように眠るスネイプ教授に背を向けて朝食を食べに大広間に歩き出した。
「寒い......」
「お、おっはようご、ございす。Ms. ジェフィフィーナ」
私がマフラーに顔を埋めていると後ろから声がかかった。寒さで歯がガチガチと音を立てているせいで、うまく喋れそうもない。
振り返るとクィレル教授がいつも通り臭いターバン姿で笑っていた。
相変わらずの顔色の悪さに頭の後ろにヴォルデモートがついてるとどうやって寝るんだろうと妙な事を考えてしまうものだ。横向きか、はたまたうつ伏せか。まさかヴォルデモートを下敷きにはしないだろう。
「あ、おはようございます、クィレル教授。メリークリスマス」
「メッ、メリークリスマ、マッス」
クィレル教授がプレゼントをくれるとかそういうイベントは無いです。
私はクリスマス休暇を迎えてようやく目に付いたポッターとウィーズリーのクリスマスの光で笑う姿をさらりと見つめた。ポッターとウィーズリーも朝食を食べにきたのだろう。大広間へと吸い込まれていく。
「クィレル教授、今日の午後はお暇でしょうか?」
「きょっ、今日は.....はっはい。あっ、あいてっますよ」
私は少し上目遣いにクィレル教授を見つめると、返答に返すように笑みをこぼした。ではとローブから羊皮紙を取り出し、広げて見せる。
「これ、質問したいものです。一度目を通していただけると嬉しいです」
「ジェ、ジェフィフィーナ、は、べ...勉強、ね、っしんですね」
「いえ...せっかく質問がたくさんできる機会なのでつい...すみません」
羊皮紙を広げたまま渡す中にはマグル学と闇の魔術に対する防衛術を混ぜた質問も取り入れることによって好感度をひたすらにあげていく。マグル学と魔法について、闇の魔術に対する防衛術からも考察していくのだ。
「い、いいことで、すよ。で...では、また、ご、午後に」
相変わらずのイケメンでクィレル教授は私に微笑むと一足先に教員席に歩いて行った。
私も続いて大広間に入り、空いた席に座る。
流石クリスマスか、食事は豪華な限りだった。
朝から七面鳥の丸焼きが出てくるってよく胃もたれしないなぁ。
私は斜めに座るポッターとウィーズリーの二人を見つめて思った。
特にウィーズリーがかぶりつくように食べているチキンに、お腹が痛くなりそうだと視線を外す。
2人とも似たようなセーターを着ていて、確かこれはウィーズリーの母親が作ったーみたいな感じだった気がするけどどうなんだろうか。確かめる術がないので、私は黙ってお皿を手にした。
なるべくあっさりしていそうな食事を盛り付けると食べ始めた。
「「やぁ、スリザリンの嫌われ者!」」
「プレゼントはあったかい?」
「もしかして0だったのかい?」
忘れた頃に現れるね、双子って。
「おはようございます、そしてメリークリスマス。ウィーズリーさん」
「「メリークリスマス、スリザリンの嫌われ者」」
私は両サイドに座る2人のセーター、【F】【G】の文字にようやくどっちがフレッドでジョージかわかったけど服を交換している可能性を考えて名前を呼ぶのはやめた。
「なにか御用ですか?」
「いーんや!なにもないね!」
Fの方のウィーズリーがそう言って笑うとプティングを口の中に入れた。私もめんどくさくなりそうだとお皿に盛った食事を早めに口へと詰める。
「で、プレゼントは貰えたのかい?」
今度はGの方がそう言って笑った。
「さぁ...?」
「「さては君はゼロだな!」」
「まぁ、ふつうに考えれば至極当然のことでしょうね」
「そうだな」
「当然だぜ。そもそも君が誰かに出してりゃ帰ってくるかもな」
「出す相手がいないぜジョージ」
内心では図星でブチっと来そうな気分だけどこれからのことを考えて私は微笑む。こんなところで餓鬼臭く挑発に乗ってはいけないだろう。
「プレゼントは数にこだわってはいけないんですよ」
「数がゼロのやつの言葉じゃないぜ嫌われ者」
「「そんなに欲しけりゃ、クソ爆弾でもプレゼントしてあげよう、スリザリンに嫌われしお姫様」」
「おひ...」
お姫様、そこでお姫様、、嫌われ者の。うーん。嬉しくない。
私は席を立ってウィーズリーの双子にそういうと笑顔を貼り付けたまま背を向けた。
内心はブチギレですよ。
ウィーズリーは劣等感がとかうちは貧乏でとかいうけれど、プレゼントが来るだけマシじゃないですかねと思ってしまう私は鬼なんだろうか。
大広間を出てブチギレそうな気持ちを拳を握りしめることで耐えた。それと共に、あっさりとした食事だけのせいでお腹も鳴り始める。パンやスープを取らずにおかずだけだったからだろう。
厨房によってお菓子でも作ることにしよう。クリスマスといえば何がいいだろうか。自分のご褒美に少し時間でもかけて料理をしようと、私は午後からの予定から逆算しながら作るものを頭の中で思い浮かべた。