身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!!   作:あるれしあちゃん

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親友の推しはせぶたんなう

 

 

私はトコトコとそのままみぞの鏡のある部屋に向かって走った。

 

その気持ちには怖さとか恐ろしさとかそういうもの以上になにか正常ではいられない気がしてならなかった。

 

肌を刺す寒さを感じられないほど私はもつれる足を無理やり動かして階段を走った。

 

走って走ってようやくあの部屋についた。

 

大きな鏡が、前なかったはずの鏡が置かれていた。

 

「この鏡を見たものは狂気にも込める。

この鏡は未来ではなく心の底の欲望を......そんなものを見せる」

 

わたしは目をつぶって鏡の前に立つとゆっくりと深呼吸した。

 

私は絶対にのめり込めない。

 

たとえ、誰が映ろうとも。

 

ゆっくりと目を開けた。

 

「ひっ.............」

 

目の前の私隣には親友が笑っていた。

 

私よりも背の高いほっそりとした美しい女性。

 

親友は泣いていた。

 

いつもキラキラとした瞳で、お洒落な親友だったのに私のことを抱きしめてなにかをずっと囁いてる。

 

そんな事を思ったら今度は後ろの方で【私】とこのハリポタワールドの住人が仲良く喋って歩いて通り過ぎた。

 

マルフォイ、パーキンソン、ポッター、グレンジャー、そこにウィーズリーがいないのは本当に私は嫌いという事なんだろう。

 

親友が私に向かって言葉を放った。

 

「“セブたんを守って”」

 

こんな時にもたんをつけてくるあたり親友らしいと私は笑って頷いた。

 

親友も濡れた瞳のまま笑って私にピースをするともう一度私のことをぎゅっと抱きしめ鏡の外に消えていく。

 

「待って..........」

 

私の一番の望みは一体何だったんだろうか。

 

ハリポタワールドの住人と仲良くする事だったのか、それとも、

 

親友の笑顔が見たかっただけなのか。

 

私は親友の笑顔を脳裏に刻むと後ろ髪を引かれる気持ちでその部屋から出た。

 

「....気をつけてね」

 

きっと親友は私に向かってそうささやいていた。

 

間違いない。

 

伊達に10年親友やってるわけじゃないし。

 

「キャビンアテンダントになれてるといいな.........さよなら」

 

私は走って走ってそのまま地下牢に向かった。

 

私が狂わなかったのは何より親友の笑顔のおかげだったのかもしれない。

 

長居したつもりだったがスネイプ教授はまだ部屋に戻ってきてはいなかった。

 

不幸中の幸いとはこの事だろうか。いや、不幸なんてまずなかったのだからこの表現は間違ってる。

 

私は自分の部屋に入るとベッドに腰掛けた。

 

スネイプ教授とはきわめて仮説としてクィレル教授に疑いの目をかけているという事が重要だ。

 

スネイプ教授にそれを伝えた上でうわべではハリーポッターがクィレル教授を愛がどうとかで燃やしたという嘘の記憶を植え付け、そこから命を助けてどこかに隔離したい。

 

私は杖を取り出すと本で読んだ通りに頭から銀の糸、記憶を取り出して生徒用の棚にあった試験管に入れた。

 

親友の笑顔が精になればいいけれど。

 

そんなことを思ってると部屋をノックする音が聞こえた。

 

「ジェフィフィーナ」

 

「はい、スネイプ教授」

 

ゆっくりと扉を開けると少し顔を赤くしたスネイプ教授だった。

 

あらかた飲まされたんだろうなぁ。そんなことを思いつつも2人でソファに腰掛けると早速話を始めた。

 

「まず、これは確定と言って間違いありませんが.......。

ダンブルドア校長先生は

ハリーポッターを英雄としてこれから仕立てあげようとしているかと思います」

 

「どういうことだ」

 

「ダンブルドア校長先生は間違いなくグリフィンドール贔屓。ハリーポッターにわざと賢者の石に興味を抱かせ賢者の石を狙っている人間を突き止めさせようとしています」

 

「校長はすでにそれがだれか知っているというのか」

 

「えぇ、そうです。教授。

知っていて、学科を変えさせたんでしょう。

スネイプ教授なら、予想はついていたんですよね?」

 

「........闇の魔術に対する防衛術....クィレルか」

 

「はい、おそらくクィレル教授かと。クィレル教授はレイブンクロー出身だとお聞きしていますが、どんな生徒でしたか?」

 

「我輩よりも2つか3つ上だ。あまり知らん」

 

「私の見立てですが、非常に神経質でレイブンクローでも虐められていたとかそういうのはありませんでした?」

 

「...........あぁ」

 

やっぱり多少は知っていたんだろう。スネイプ教授はハリーポッターの名前を出した時点で憎しみの色が見えていたし、クィレル教授のいじめという言葉に目を細めた。

 

「クィレル教授は恐らく力でねじ伏せる、そんな力を求めたと思います。

教授、極めてこれは仮説です。

お聞きになりますか?」

 

「あぁ、信ぴょう性はあるのか」

 

「まだ、証拠は取れていませんしどうにもですが.......」

 

「構わん」

 

「クィレル教授はアルバニアでヴォルデモートと遭遇したのでしょう。あくまで仮説ですよ?

ターバンを巻いているのはそこにヴォルデモートが憑依しているから。

真の力を得るために契約でもしたのでしょう、だから、賢者の石を求めているんです」

 

「ヴォルデモートは消えたと、ポッターが倒したというのはどうなるのかね?」

 

「ホークラクス。スネイプ教授、ご存知でしょうか?」

 

「あぁ、分霊箱。闇の魔術だ」

 

「恐らく、ヴォルデモートは分霊箱をいくつか所有しています。

恐らく魔法で一番強い7の数字をもじり7つかと」

 

「それが本当にあったとしてどこに隠すのだ?分霊箱を」

 

「ゆかりの強い物を選ぶと確信しています。ハッフルパフやレイブンクロー、スリザリン。恐らくグリフィンドールは使われなかったので創立者ゆかりのものを」

 

「それはまた、我輩の方で調べよう。

さて、ジェフィフィーナ、貴様は晩餐前にクィレルになにか盛られたようだが?」

 

「はい、ワインにおそらく媚薬かなにかを」

 

媚薬とききスネイプ教授の瞳の色が変わった。私の心配ではなく、どうやらどんな薬かの方が重要そう。

 

「貴様がクィレルを貶めるつもりか?」

 

「さぁ......クィレル教授の心情に漬け込めば。賢者の石の石については何かしらの政策が取れると踏んだので」

 

「うまくっているようだな」

 

「少なくとも、失敗してはいません。

クィレル教授の方も私が狙っているとは思いもしていないでしょうね」

 

「ふむ、悪くない仮説だ。

それが真実ではないことを願うばかりですな」

 

「私も本当にそう思います。

あ、スネイプ教授、ハリーポッターたちはおそらく賢者の石を欲している人物にあなたを上げる事でしょう。

お気をつけて」

 

そういうと私は軽く挨拶をして自分の部屋に戻った。

 

随分と身勝手な言いようだったし、自分の立場上も危うくなるだろうか。

 

試験管の中でゆらゆらと動き回る記憶媒体。

 

「会いたいよ。でも、みぞの鏡はもう見たくないんだ。泣いてるの見たくないの」

 

窓の向こうでは雪がしんしんと降って地面を白に染めていく。

 

長くなった髪をひさびさに櫛でとかす。

絡まずに流れていく髪の毛に満足しつつも私は3ガリオンの使い道を頭の中で考えていた。


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