身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!! 作:あるれしあちゃん
その日の晩、もう時計も12時ごろになる時だった。私はもう血の一滴も見つからない制服をちらりと見つめてからベットから立ち上がった。ネグリジェが膝を舞うのと一緒にさらりと襟足が私のうなじを触った、
私は意を決して扉を叩いた。
「スネイプ教授、ジェフィフィーナです」
「入れ」
その声を聞いてゆっくりと扉を開けるといつもの真っ黒なローブは脱ぎ去ってワイシャツ姿の教授が立っていた。
「失礼します」
「座りなさい」
勧められたソファに座ると向かいにスネイプ教授が座った。いつものように深いシワを寄せて私を見つめてくる。
「スネイプ教授.....その、本当にすみませんでした。ご迷惑をおかけして.........」
「本当ですな。貴様が起こした惨事で貴重な著書が一つダメになってしまった。
ジェフィフィーナ、貴様がなぜあの惨事を起こしたのか我輩には解りかねますな」
「私も理解に苦しんでいます。
そこで、一つの仮説を立てたのです。
杖は一つの魔力増加装置のような物ではないかということです」
「魔力増加装置ですと?」
さらに眉を寄せて私を見つめてくる教授。この魔法界はおかしい。なぜ、ここまで自分たちの力に興味をもたないのか。
私はもう血に染まってはいない右手をスネイプ教授に向かって伸ばした。
「妖精たちは杖を使わずに魔法を使います。その際には、指を鳴らすことで使っているのです。では、それを人間で当てはめ、今回のことを考えてみた結果。
私の右腕が杖の役割を果たそうとしたのではないでしょうか?」
要は、杖に魔力を集めてから杖の芯に使われていたドラゴンの心臓や、鳥の羽などの力を借りて魔法として放出してるのではないかという考えだ。
「誠に、聞いたことのない考えですな。ジェフィフィーナ、貴様の考えに根拠が無いように感じられますが?」
「はい、根拠などはありません。
今回の惨事について、私が考えられる仮説において一番あり得そうなものを選出いたしました。
私の手を杖として、右手を杖のように仕立て上げてみれば。
魔法使いは杖などなくても、魔法が使えるのでしょう?」
教授はその言葉に自分の右手を見つめて、私のもう傷ひとつない腕を見つめた。
「実際にものすごい魔力を持つ【特別な】魔法使いには稀に杖なしで魔法を使うものもいる。
しかし、杖の方が圧倒的に精度が高い。
それは理解しているのか」
右手を握りしめて人差し指だけを立てると、そっと呟いた。
「オーキデヴス」
人差し指から現れたその花は【桔梗】。濃い紫の花が音も立てずに私の手の中に5.6本収まる。
「やっぱり......スネイプ教授、スネイプ教授もかなり簡単な魔法ならば杖なしで使えますよね?
実際に魔法使いの中で1パーセント程度ですが、杖なしで魔法を使う魔法使いもいらっしゃいます。
しかし、これは【特別な】魔法使い出なくても可能になると考えています」
「子供が癇癪などで起こす魔力暴走を意図的に起こす、ここをキーに置いていると考えればよろしいのかねジェフィフィーナ」
「話が早くて助かります教授。
もともと、魔法使いは杖などなくとも魔法が使える。
それをより精密に、的確に行うためには杖を用いる。これが、杖を使うようになった理由ではと仮説の一つとして考えています」
「ふむ.........実際に杖を用いるようになった歴史は未だわかっていない。その仮説もありえなくもない」
「極めて仮説です。私も昼間、呪文だと思わず読み上げてしまい、無意識にそれを両手に込めてしまったために魔法が発動してしまった、これも魔力暴走の一部かと」
そういうと、教授はわざわざ私の隣に移動してきた座った。私の肩を抱いて、昼間怪我をした右手を掴むと怪我がないかしっかりと確認するように握った。
「きょ.....きょうじゅ」
「ジェフィフィーナ、すまなかった。昼間、我輩は.......あの呪文を考え出したのは私だつた。
お前を泣かせるつもりはなかった。ただ、頭に血が上ってしまった。
本当にすまなかった」
本当に素敵なバリトンボイス。素敵以外の言葉は思いつかない。教授はそう言って項垂れてしまった。
やはりあの呪文を作ったのはスネイプ教授でしたか。私はスネイプ教授の手に自分の左手を重ねた。やっぱり、泣いた効果がかなりあったのは間違いなく。
「お気になさらないでください。スネイプ教授。
私は、ホグワーツの教授方に沢山の恩があります。スネイプ教授、貴方のおかげで私は孤児院から抜け出せたのです。
貴方がいなかったら私はどうなっていたか。
ありがとうございます」
私はスネイプ教授に笑った。スネイプ教授が私の頰に手を差し伸べて目元に触れる。
その淀んだ瞳には、おそらくリリーさんが泣いた【穢れた血】のことを思い出してるんだろう。
絶対にこの人は親友のために救おう。死の秘宝で、この人は死ぬ。
ポッターを守って。
「アルレシア.........」
「教授、桔梗は貴方に差し上げます。
花言葉は【永遠の愛】。どなたを愛していらっしゃるか私は存じ上げません。しかし、その愛はきっとお相手に届いていますよ」
私ゆっくりとスネイプ教授の手から逃れる笑顔をむけて部屋から出た。
扉の向こうで、百合の香りが漂ったことを確認した。スネイプ教授は、リリーさんへの愛が斜め右にあるんだ。
20年くらい愛し続けるその根性は高く評価するけれど、ゲットできないのなら意味がない。
私は杖を掴むとしっかりと右からカーブを描くように振った。
「オーキデヴス」
天井から沢山の色んな花が落ちてくる。どの花も名前がよくわからない。
私は花を降らしたままベッドに倒れこんだ。混ざり合った甘い香りに癒されるように瞼を閉じた。
ドアの向こうで百合の香りがした理由
教授は桔梗の花を見て百合を出しただけです