身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!!   作:あるれしあちゃん

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そして血は薔薇になった

 

 

私が次に目が覚めたとき。身体はローブで包まれていて、若干ニンニク臭いのが難点だがそれ以外には特に問題はなさそうだ。後ろ手に縛られている縄。ご丁寧にもローブのポケットに杖入れっぱなし。不用心だ。

 

壁を背に座り込む私の前には、鏡の前でポケットを押さえるポッターだった。

 

「どうだ?何が見える?」

 

クィレルがトントンと足をつきながら焦るようにポッターに聞いた。ポッターが青い顔でそのクィレルの言葉に唾を飲み込むのがわかる。

 

「僕がダンブルドアと握手してるのが見える」

 

これは、作り話。本当はポケットにあるんだよ。

私は左手を杖代わりに【セクタムセンプラー】を唱えて見えないロープを運で切り刻むと血の滴る肘と手首を感じながらジリジリとくる痛みに唇を噛み締めた。

 

「僕.....僕のおかげでグリフィンドールが寮杯を獲得したんだ」

 

「そこをどけ!」

 

どんと押されて後ずさるポッターと苛立ちを隠しきれないクィレルの間にただよう空気に吐き気さえも感じてしまう。私はゆっくりとロープを解くと静かに杖を取り出した。

 

「こいつは嘘をついている......嘘をついているぞ」

 

ヴォルデモートの低い声が響き渡る。それはまるで床を這う蛇が通過したようだった。気持ちが悪い。吐き気がする。

 

「ポッター、ここにもどれ!本当のことを言うんだ。今、何が見えたんだ?」

 

叫ぶクィレルがポッターの腕を掴むのと同時に、またヴォルデモートが口を開く。

 

「わしが話す。直に話す」

 

「ご主人様、あなた様はまだ十分に力がついていません」

 

「このためなら....使う力がある」

 

クィレルがゆっくりと紫色のターバンをはずしはじめた。しっかりと感じる呼吸のしづらくなる様な感覚。私はゴクリと唾を飲み込むと解かれるターバンの先をスッと見つめる。

ゆっくりとターバンが床に落ちた。初めて見るターバンのないクィレルは随分と後頭部が小さいようにも感じる。でも、それ以上に感じるのは....。

 

「うっ.....おえっ.....」

 

私はその場で右手を口元に出してしまった。

凄まじい程の顔だった。今まで見たことがない、映画でもこんな顔をしていなかった。死人のように真っ白な顔。まるで色白効果の写真を撮ったその写真の中に入り込んで赤みのない真っ白な顔の人を見たようだった。

ギラギラと赤く血走ったその瞳は蛇のようにつり上がっていてただ恐ろしい。鼻は無いはずなのに、鼻孔は蛇みたいにつり上がってる。人間蛇のようだ。

 

私は瘴気というか、威圧にやられて何も無いはずの胃から胃液を吐き出した。

 

「おや、小娘が起きたようだな。ハリーポッター.....」

 

「ジェフィフィーナ.....起きたのだね。この方が私のご主人様だ」

 

「この有様を見ろ」

 

ヴォルデモートが唸るようにそういった。

 

「ただの影と霞に過ぎない.....誰かの体を借りて初めて形になることができる....」

 

そんなようなことをおそらくヴォルデモートはつらつらと述べたことだろう、私は手に収まる胃液とさらなる吐き気に我慢できずに嗚咽をし続けた。三半規管がバカになりそうだ。

 

それを我慢して手に収まった胃液をローブに落とした、一緒に血だらけの左手から血が滴り落ちる、混じったその血は鉄の匂いを感じて私は杖を握りしめた。

 

目の前でポッターが叫んだ。

 

「嘘だ!」

 

「胸が打たれるねぇ.....わしはいつも勇気を称える。そうだ...小僧。お前の両親は勇敢だった...わしはまず父親を殺した。勇敢に戦ったがね...しかし、お前の母親は死ぬ必要は無かった.......母親はお前を守ろうとしたんだ。母親の死を無駄にしたく無かったら、さあ【石】を寄越せ」

 

目の前で今まさにポッターが襲われてる所だった。私は杖を振って失神呪文をとなえると怯んだクィレルとポッターの間に入った。まだ、クィレルは焼かれていない。炎の扉の方に逃げようとするポッターを誘導しながら杖を握りしめる。

 

「ジェフィフィーナ.......」

 

クィレルが悲痛な顔で私を見つめてくる。

そんな顔をされても困るよ。私は杖を握りしめるとそれをクィレル..いや、ヴォルデモートに向けた。

 

「クィレル教授....私は貴方を信じていました。でも、貴方を救うにはこれしか無いのかもしれませんね。

ポッターさん、此処にいると危ないですよ」

 

ポッターを杖を振って入ってきた扉の近くに移動せると、賢者の石を引き寄せて血まみれの左手に収めた。

 

「小娘、それを俺様に寄越せ」

 

「それは無理です。私は本日、クィレル教授に取引を持ちかけにきたのですから」

 

それと同時にヴォルデモートがクィレルに小娘と小僧を殺せ!と叫び出した。空気読めよ!。

私はポッターの方にプロテゴすると自分は杖から出る光線からしっかりと逸れた。運動神経が良くてよかったよかった。

 

「あぁ...ご主人様....私には私には.....」

 

「クィレル、やれ」

 

呪文打ってから何言ってるんですかと言いたいところだけど私はしっかりと杖を握りしめるとクィレルの攻撃を次々に弾いた。

 

イメージとしては杖で魔力の壁を作る感じ。そして、バッドで呪文を切るように杖を振ることだ。

 

「クィレル教授、貴方を此処で死なせるのは惜しいです。でも、私には貴方を助けるのは少しばかり難しいかもしれませんね」

 

そういうと、私は賢者の石を手から落とした。この石はなぜか熱かった。まるで、マグマを握り締めてるように。ゴトンと音を鳴らして落ちた石に向かって私は杖を振った。

 

「ヴォルデモートさん、これを渡す意味はないんですよ。

 

レダクト」

 

その声と一緒にまるで爆発されたように四方に散らばる石。

粉砕された石を前にヴォルデモートの悲鳴が響き渡った。ポッターはただ何も言わずに私の顔を見つめていた。それは完全に、化け物を見ている瞳で。

たしかに化け物に近いかもしれないが道理はわきまえてるよ。

 

「こむすめぇえ!クィレル、殺せ!殺せ!」

 

「ご主人様.....」

 

クィレルが杖を振った。でも、死の呪文など出てこない。強力な魔法使い以外に使えない死の呪文をこの神経質そうな男が使いこなせるなんて思ってない。でも、もし使いこなせた場合はどうにかしてでもヴォルデモートと引き離して殺す。

 

「ヴォルデモートさん、魂って言っても貴方は今、何もできないですよ?逃げた方が良さそうですねぇ」

 

「こむすめぇ!」

 

 

 

それを言った瞬間、クィレルはポッターのところに走った。

 

「小僧、貴様だぁぁあ!クィレル、小僧を殺せ!」

 

「やめ.....だめだ!」

 

クィレルがポッターに手を伸ばす。絶対に阻止しなきゃ。私は杖を振るのも忘れてクィレルに後ろから抱きついた。ヴォルデモートと目が合う。血走った瞳が私を写した。赤いルビーのような瞳の中にいる私はひどく悪い顔だった。

 

ただなんでもいい、そう思って思いつかないままクィレルが止まってくれることを願った。

 

でも、そんな魔法などない。私はクィレルにタックルをかます形でポッターにさわれないような二人揃って地面に転がった。

 

「クィレル教授.....あなったは.....まだ死ぬべきじゃない」

ヴォルデモートがクィレルからすっと離れた。そのままポッターの方に向かっていこうとする。私は足を動かしてポッターに飛びつくと抱きしめた。

私とポッターを通過していく霊体のようなもの。ひやりと首筋に氷が滑ったようだった。

残ったのは気を失ったポッターと、主人をなくしたクィレル。目的を達成した私だった。

 

「ご主人様....私を置いていくのですか。あぁ、私はどうしたら」

 

「【こんなに呆気なく終わってしまっていいんだろうか】」

 

言葉通りだ。私は簡単にクィレルを生きたまま賢者の石を終わらせてしまった。

私はクィレルに微笑みかけるとそっと、ヴォルデモートのいなくなった頭を撫でる。

私は自分に向かって杖を振ってセクタムセンプラーを唱えた。

魔力暴走ということにでもしよう。

 

「ジェフィフィーナ、な、何を!」

 

鎌鼬(かまいたち)が来るように、私の体はどんどんと見えない刃物で切れていく。二の腕、頰、脇腹、太もも。

 

「クィレル教授、貴方に1ついいことを教えてあげます。

貴方は呪われてないんですよ。ユニコーンの血など飲んでいない」

 

ダンブルドアが炎の向こうから来るのに合わせて私は自分自身に失神呪文を唱えるとその場に倒れた。

 

これで、満身創痍戦った風を出すことに成功したんだろうか。言っとくけど、結構痛いからね。これ。




セクタムセンプラは身体の部分が取れちゃうという話もありましたが、魔力的に切断までできないのがアルレシアちゃんです
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