身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!!   作:あるれしあちゃん

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エリックくんの顔はマーカスフリント似です

 

若干ゆらっとしながらも気持ち悪さを振り払うと、私はゆっくりと前を向いた。目の前には前の孤児院よりも、ずっと綺麗な孤児院だった。保育園のように遊具も揃ってる。

 

一年ぶりの顔合わせでみんなは私のことを覚えているんだろうか。36歳、緊張してます。生唾を飲み込んで門の前に立つと笑い声が聞こえてくる。

 

「緊張しているのか」

 

「そうですね、とても緊張しています」

 

「我輩はマグルの街に用がある、院長に話はしてある」

 

「承知しました。スネイプ教授、ありがとうございます」

 

教授は私の頭に軽く手を置くと見向きもせずに歩いて行ってしまった。今更だけど、だからローブじゃなくてシャツ姿だったのか。

 

なんて声をかけたらいいんだろう。門の前でフラフラと足踏みしていると後ろから声がかかった。

 

「おや、お嬢さんうちの院に何か御用かい?」

 

その声の方を向くと、優しげな男性が買い物袋を提げて立っていた。40代ぐらいの短髪。ここの職員だろうか。

 

「はい、去年この養護施設に入った子供達を、前の養護施設で世話をしていたんです」

 

「そうかい、じゃあ顔を見ていくといい」

 

そう言って門を開けてくれた。私は男性の後ろについて行くと、ゆっくりと足を踏み入れる。7歳未満の子ども達が笑顔で滑り台やブランコ、縄跳び、楽しそうに遊んでいてなんだかこっちまで幸せだ。

 

「君が院長の言っていたアルレシアさんかな」

 

「はい、アルレシアといいます」

 

握手を軽く交わして、院内に通された。広めの部屋は4人の相部屋なのかベッドが4つ。服の汚れもない、とても環境がいいのだろう。

 

通っていく私に挨拶をしてくれる子供達に私も笑顔で挨拶した。教育も行き届いている。ダンブルドアは随分と良いところに入れてくれたらしい。本当にありがたいですね。

 

「...っ」

 

「........アルレシア?」

 

後ろから急に肩を掴まれた。驚いて飛び上がると急いで後ろを向く、立っていたのはエリックだった。バイトだらけで疲れた顔をしていたのが今はとても体調もよさそう。

 

「エリック.......久しぶりだね」

 

その言葉に、なぜかエリックは顔を歪ませた。泣きそうとか、そういう顔じゃない。なんだかこう.......。

 

「.......あぁ」

 

困惑と怨み。

 

「アルレシアさん、先に院長室へどうぞ」

 

私とエリックを引き離すかのようなタイミングで男性から声がかかって、私はエリックから目を離した。

院長室にノックして通されると、年のめされた女性だった。

 

「はじめまして、アルレシアといいます」

 

「ダンブルドア校長から話は聞いていますよ。どうぞ」

 

勧められたソファに腰を下ろすと、院長は早速と言わんばかりにメガネをかけなおした。

 

「もしかしたら、あなたは子供達に会わない方がいいかもしれません」

 

........はい?ここでまさかのハリポタワールド問題なのか。私の脳内では【おねぇちゃああああああああああん】を期待してたのに、まさかの、まさかの。

 

「........先程、エリックにすれ違いました。反応があまりよろしくなかったです」

 

「通常、引き取られた子供について個人情報保護の為に誰に引き取られたか、などは他の子供に説明できません。

そのため、貴女が孤児院を出た理由を子供達は理解していません。なぜ孤児院が潰れたかもです」

 

「........娼婦にされそうになったとは、言えませんし、当然だと思います」

 

「貴女が孤児院を出ていくにわたって、子供達には孤児院を支援してくれる人だとは伝えました。それ以外は一切伝えていません」

 

間違っているといえば間違っているけれど、ダンブルドアが引き取ったのだからお金持ちなんだろうか。

 

「何処でこの話が出たのかはわかりませんが、子供達から事実無根の憶測が飛び交ってしまったのです。

貴女はあの孤児院を捨て、職員を虐待とやってもいないことで辞めさせて孤児院を潰した。自分はお金持ちの家で遊びながら、全寮制のお金持ちの貴族が通う学校に通っていると」

 

なんじゃそりゃ。こんな噂が普通飛ぶわけ。

何割か合ってる話なのが怖いけれど、そんなののせいで感動シーンを丸潰しにされたと思うととっても悲しい。

虐待はされてたし、学校にも通えずだったのに。お金持ちの家で遊ぶどころか居候でバイトしてますよ私。

 

「子供達が幸せになったのならば、私はそれでも構いません。

それに、エリックの顔色がとても良くなっていました。

 

この孤児院がとてもよい環境だとわかって、それだけで私も幸せです」

 

「これも、ダンブルドア校長のおかげよ。子供達に顔を合わせづらいのなら、そこの窓がちょうど外の様子を見ることができますよ」

 

示された窓に駆け寄ると、窓を開けて外を覗いた。

 

どの子供も楽しそうな笑い声をあげてる。良かった良かった。

風で巻きあげれて頰に当たる髪を耳にかける。門の方から、ちょうど女の子が入ってきた。メアリーだ。おさげだった髪を下ろして、服も最近の可愛らしいものになってる。

 

私に気づく事なく、院内に消えていく。知らない子供も知ってる子供もいて、知ってる顔を見ると、とても幸せで悲しい気持ちになってしまう。

 

みんな、健康的な体つきになってよかったなぁ。

エリックは頭が回らなかったところがまだまだ低い精神年齢なのだろう。本音を言うと理論的に叩き直したいけれど、そんなことをする担当じゃない。

 

5.6人知った顔を見れたので、ゆっくりと窓を閉めた。

 

「ありがとうございました。顔が見れてとても嬉しかったです。気分を悪くする子達がいると困るので、そろそろ帰ります」

 

「どうにもしてあげられなくてごめんなさいね」

 

「いえ、お気になさらないでください」

 

私はゆっくりと帽子を被ってドアノブに手をかけた。扉の向こうにエリックはいない。深く被った帽子、短くなってしまった髪じゃ誰かわからないだろう。

 

「失礼します」

 

頭を下げて扉を閉めると、そのまま歩き出した。廊下で職員と話す子供もいて、可愛い挨拶をしてくれる。

知ってる顔には、玄関を出るまで1人にも会わなかった。良かった。

 

そのまま門にと玄関の扉を開けた少し先に、女の子が立っていた。今年で6歳のロベリアだった。私の顔など、到底覚えてはいないことだろう。

 

「こんにちは」

 

「こ、こんにちわ!」

 

元気な挨拶をしてくれたと思うと服を引っ張られた。

しゃがめということだろう。姿の裾を持って膝を折ると、ロベリアが両手サイズの箱を渡してきた。何だろうか。

 

「これはなぁに?」

 

「これね、あのね、おねぇちゃんにあげようと思ってたの。

おねぇちゃん、6月に誕生日だったから」

 

「へぇー、お姉ちゃんもステキなプレゼントを貰えるなんて、とても喜ぶわね」

 

「うんん、お姉ちゃんね、もう会えないの。お兄ちゃんやお姉ちゃん達が、アルレおねぇちゃんを悪い人だっていうけど、ロベィは思わない」

 

「そっか、もう会えないの」

 

「だからね!お姉ちゃん、すっごく落ち込んでたから.......これ、お姉ちゃんにあげる」

 

「ありがとう、アルレさんに、私も祈るわ」

 

頭を撫でてあげると、うんっと笑ってくれた。緩みそうな涙腺を必死に食い止めながら、私はゆっくりと背を向けて歩き出した。ショックが1つと喜びが1つ。

 

私の顔、そんなに覚えてくれてないんだね。でも、誕生日覚えててくれてのならいっか。プレゼントやっと1つゲッドだよ。

 

門に手をかけて後ろを振り向くと、夏らしい日差しがグラウンドに照っていた。門をくぐって少し遠くにある公園に歩き出す。緑生い茂るところでプレゼントを開こうかな。

 

ポタポタと涙が溢れてきた。何故なのか、よくわからない。いや、多分理解してるんだけどね。

 

私の努力を、子供達は何1つと、理解してはいなかったことが悔しいのだろう。

 

あれだけ辛い思いをして、それでも息子娘のように可愛がって、娼婦にまでされそうになったのに。

 

こんな仕打ちはないんじゃないだろか。

 

ベンチに座って歪んだラッピングのされた箱を見つめた。あけるのが怖い。

 

「......はぁ...」

 

ゆっくりとリボンに手をかける。ゆっくりとリボンの端を引っ張ると、シューと音を立てて紐を解いた。

箱をパカリと開けると、中には手紙とストラップなのか、石のついた紐。ブルーのグラデーションがされたシュシュが入っていた。

 

ゆっくりと手紙を開くと、中にはピンクとブルーのクレヨンで文字が書かれていた。

 

拙い字で書かれた文字には、向きの間違ったアルファベットも少なからずある。でも、十分読むことが出来そうだ。

 

【アルレシアおねぇちゃんへ

誕生日おめでとう。おねぇちゃん大好きだよ。

 

ロベィ】

 

可愛いお手紙に涙腺がゆるっゆるになりながらも手紙を丁寧に閉じた。でも、これを見知らぬお姉さんにあげようとはしないで。

シュシュは既製品、ストラップは手作りのようだ。

 

今の私は髪の毛が短くてくくれないだろうから、また伸びた時に使わせて貰おう。

箱にしまい直して紐を巻き直す。もう、孤児院に行くこともないだろう。もしかしたら、会えなかった子は里親に出されたかもしれない。

 

溢れた涙を手の甲で拭う。テメェら忘れねーからな!このやろ........。

泣いた後をしっかりと隠してから公園を散歩していれば教授が用を済ませたのか公園のベンチに座っていた。

 

「スネイプ教授、お待たせしました」

 

「済んだのかね」

 

「はい、みんなとても元気そうで安心しました。もう、私はあの孤児院には行きません」

 

「そうか.......漏れ鍋に行くが、どこか寄りたいところはあるかね?」

 

「いえ」

 

出された腕に捕まって、パチンと音が鳴り響いた。足が地面についたのを感じて目開けると、私の泊まっている部屋に戻ってきた。

 

腕を放すと、教授は鼻を鳴らした。

 

「ありがとうございました。あの....スネイプ教授、私の列車の切符をいただいていないのですが」

 

「貴様の分はない。3日前に我輩が迎えに行く」

 

「承知しました」

 

教授は私の方をちらりと見るとそのままパチンと消えた。疲れたとベッドに倒れこんだ。スプリングの効いたベッドには行為の後は感じられない。教授が綺麗にしたのか、亭主がやったのか。

 

亭主がやったのなら、とてもやばいですねはい。

 

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