身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!! 作:あるれしあちゃん
教授の自室から直接着たおかげで他学年の生徒には会うことなく自室に戻るとシャワーを浴びた。
1週間ということはロックハートの謎テストは受けられなかったということか。つまらんつまらん。
そんな事を思いながらも、誰がやったのかについて考えようと場の整理を。
パーキンソン御一行、髪の毛が伸びたことには興味がおありだったようだし。
タオルで髪の毛を拭きながら杖を振って空中に文字を書いた。
パーキンソンはふつうにありそうなんだよね。いじめの多くは彼女が原因だし。誰だかわからないって時点でパーキンソンでは無さそうだけど。
彼女はそんなに頭が良い方ではないから。
次にマルフォイ。
うーん、レポートは最高評価レベルまで仕上げてあげたし、恨まれるような事はしていないつもりだ。
まず、チキンな彼に死と隣り合わせな事をする自信があるとはあまり思えない。
おそらく無し。
あのカークランドと呼ばれた一年生....流石に一年生が一時限目からサボるとは考えにくいし、ちらっと見た時にも華奢で少女のような風貌だったなぁ。
ポッターの焦りから見ても殺気が到底出てこなさそう。
ウィーズリー
チキン。無し
ノット。
ノットはどうなんだろうか。
私の中で彼は、私と同じように日本人の転生者であり、ハリポタの物語を読み込んだりとかしたわけでもない。誰かを助けたいわ!というような考えを持つわけでもない。
仮説的には、私が原作にはいないと思われるキャラと考えて接触を図ってる程度だと思うし。
わざわざ、原作でも死んだ同級生などいなかったのを捻じ曲げる意味も必要性すらわからない。
セオドール・ノットの中身は日本人男性と見て間違いないし。
「...........誰もいないか......うーん......意図せず外れてしまったの方が納得いくなぁ」
先輩の線は私じゃどうしようもない。
一応はと制服に着替え直して髪の毛を乾かすとベッドへ座った。
もうどうしようもないなぁ。
ロックハートに出来る芸当ではないし。
諦めてベッドに横たわった瞬間、強く扉が叩かれた。
談話室につながる方の扉だ。
「.....は、はい」
ゴクリと唾を飲み込んで扉を開けると新しく監督生になった女の先輩だった。名前は知らない。
「ジェフィフィーナ、セオドール・ノットが呼んでるわよ」
「...ノットさんが.....はい。ありがとうございます先輩」
頭を下げて扉から出るも二年生はまだ誰も帰ってきていない。なんだと思いながらも談話室に降りると長めの髪がバサバサと乱れたノットがソファでへたり込んでいた。
「セオドールさん、どうしました?」
「アルレシア!ちょっと来て。早く」
そう言われて腕を掴まれるとそのまま寮の外へと引っ張り出されて空き教室に押し込まれて鍵を掛けられた。
「アルレシア、君いつ起きたの」
髪の毛を手櫛で直す傍、わたしの周りをぐるぐると歩き回って観察される。
なんなんだろうか。こんな大胆な行動に出るタイプではなかった筈だ。
「.....先程....です」
「驚いたよ。さっき、医務室に行ったら退院したと言われて」
「お見舞いに来てくださったんですね。ありがとうございます」
「..........いや、僕は見舞いに来たわけじゃないよ」
私の正面でピタッと止まるとノットは私の目と鼻の先まで近づいてきた。薄紫色の瞳に自分の目が映り込む。
自分を殺しにかかった人がこの人だったどうしようかと頭の隅で考えながらも目を見つめた。
「.......ねぇ、アルレシア。僕は君がどうして耳あてを他の生徒に外されたのかは理解できなくはないよ。スリザリンとしてはね」
「......そう..ですね」
「でも、僕は理解できたいことがあってずっと君が起きるのを待っていたんだ」
ずいずいと近づいてくるノットから離れるように下がるのを逃さないようにか肩を掴まれて壁に押し付けられた。
「アルレシアはトムリドルって人は知ってる?」
心臓がどくんとしたのを隠すように3回瞬きしてから絞り出すように答えた。
「いえ、存じ上げませんね」
「本当に?本当に知らないの?」
頷くようにそう答えるとノットはあり得ないという顔で私を見つめた。
「だれか、有名な方ですか?」
「いや.....あぁ............どうだろうね」
絞り出すようにそう答えるとノットは私の肩から手を下ろした。
「セオドールさん...貴方は私の耳あてを外した人を見たのですか」
その言葉に今度はノットが動揺した瞳で瞬きをした。あぁ、見たのか。
それがトムリドルだったのか。いや、トムリドルだとなぜ瞬間的に分かったのだろう。
「.....見ていない。僕は何も見てないよ」
「でも、その、トムリドルさんがって........」
その言葉を打ち消すようにノットは私のローブを掴んで大声を出した。
「見てないって言っただろう!」
「ひっ.......ご、、...ごめんな..さい」
私の言葉にハッとしたようにノットはローブから手を離した。
私が座り込んだのに合わせてなのか、ノットもその場に腰を下ろした。
「アルレシア。君は本当にトムリドルを知らないの」
「はい。トムという名前には聞き覚えがありますが、漏れ鍋の亭主ですから........」
「あぁ、彼は違うよ.......」
先程とは変わってノットは優しげな表情で話しを始めた。トムリドルはおそらく原作知識から得ているのだろう。
そして、何故この時期に現れたかについて疑問に思っている。
マグル生まれの私を早々に殺すつもりだったんだろうか。しかし、実体化する魔力をどこで得たのだろう。
「スプラウト先生は数時間の気絶と僕たちに説明したよね」
「..そうですね」
「ロングボトムは半日で戻ってきたけど、君はそのまま耳あて無しでマンドレイクの声を聞いてしまった」
「えぇ、1週間も眠りこけるとは思いもしませんでした」
私の頰に触れて髪を撫でてペットのように触りながらもノットは菫色の瞳で私の目を見つめていた。
「本当にマンドレイクの子供ものだったと思う?」
その言葉に確かにと私は内心思った。耳あてなんてどうズレようが音量の違いで声を聞くことには変わりないのになぜ私は1週間という長い期間を眠ったのか。
理解できない訳ではないが。
理解できるとはとても言い難い。
私はノットの柔らかな銀髪に触れた。耳を隠す長さを空いているのか清潔そうに見せ、少し癖のある髪は襟足の方がくるりとしている。
「セオドールさん、あなたはとても多くのことをご存知です。
でも、せっかくの12歳です。もっと子供らしく過ごされては?」
私はそう笑って頭を撫でた。サラサラだ。
「アルレシアこそ。もっと子供らしくしたら?」
「私はもう子供ではありませんから」
話を自然にそらすと、私はゆっくりと立ち上がった。ボサボサになってしまった自分の髪を整えているとノットも立ち上がって自分の髪を整えた。
「ねぇアルレシア、僕と組もうよ。そしたら、僕の秘密を教えてあげるからさ」
「.........お断りさせてください。ノットさん、人に秘密を話してしまえばそれは秘密では無くなってしまいますよ」
その言葉にノットは何も答えず、私のために扉をあけてくれた。私の何歩か後ろを歩くノットをちらりと見つめてからゆっくりとした足取りで合言葉を言った。
「忍耐力」
なんか笑える合言葉だ