身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!! 作:あるれしあちゃん
今日も今日とて徹夜明けでガンガンする頭を抑えて図書館の奥の奥で秘密の部屋の筋書きを書いていた。羊皮紙に箇条書きでイベントを書き足しながら、ついでに思い出す他の原作部分も他の羊皮紙に書き写す。
が、珍しい来客に私は羊皮紙をカバンの奥にしまった。
「あの....ジェフィフィーナ.....」
「珍しいですね、グレンジャーさん」
「そこ、座っても構わないかしら......」
「構いませんよ、どうぞ」
少し気まずそうな顔で私を見つめるグレンジャーはゆっくりと正面の席に腰を下ろした。カバンから古びた本を取り出して私の前へ置くと恐る恐るといった様子で口を開くのだ。
「その....ポリジュース薬って知ってる?」
「ポリジュース薬ですか。はい、存じております」
「その......これから言うことは他言無用にしてくれないかしら?」
「殺人や自殺、その他、生命に関わるものでしたら約束できません」
私がきっぱりと答えるとグレンジャーは頷いた。ポリジュース薬の作り方でも聞きに来たんだろうか。あるいは、毒ツルヘビと角の...なんだったかは覚えてないけどそれらが欲しいからどうにかしてくれだろうか。
まぁ、相談だろうなぁと当たりをつけて私は軽く笑みを浮かべると口を開いた。
「まぁ、生命に関わらないぐらいでしたら言うつもりはありませんよ。
それに、他言する相手もいませんから」
あれ、今自虐した?なんかちょっと自分で悲しくなりながらも羊皮紙をカバンの中にしっかりとしまってから佇まいを直した。
「その、クリスマスにポリジュース薬を使って変身したいの。それで、あなたにお願いがあって」
「話の腰を折ってしまい申し訳ありませんが、薬は出来ているのですか?」
静かに首を振ると、グレンジャーはまだ満月草が積めていないと語った。あぁ、今から手をつけようとしていた論文じゃないか。夏休みにやった満月草のを改良したいと思っていた所だ。
まぁ、効力がまだ低いからグレンジャーに教えるつもりはないのだけど。ついでに他の希少なものはどこで手に入れたのかと問うと、首を振るだけだった。
「それに、ジェフィフィーナが言った物も揃えられてなくて」
「生徒用には無いものですから」
落ち込んだ様子で私を見つめるグレンジャーにそういえば寮に紙に書いたら届けてくれるってシステムになってて、生理用品くらいしかお願いしてないけどそんなのもあぅたなぁと思い出した。ダンブルドアの監視の下、届けてくれるだろうからポッター用なら文句なしに届けてくれるだろうか。
グレンジャーは本をゆっくりと開いて私にポリジュース薬のところを見せてくれた。ボロボロの本だが、保護呪文がかかっている、中身はとても綺麗だ。
「変身したい相手の一部を薬に混ぜなきゃならないの..........それで......」
え、作り方どうこうじゃなくてそっち!?え、髪の毛か爪寄越せってこと!?恐るべし主人公ズ。
「私の一部が欲しいということですか?それとも......誰かのを調達して欲しいという事でしょうか?」
私が焦りを微塵も感じさせない笑顔で問うと、グレンジャーは首を縦に振った。
「貴女はマルフォイと仲がいいみたいだし........それから.......その......」
早よ言わんかい!と思いながらもゆっくりと待つと静かに欲しい相手の名前を喋った。
「セオドール・ノットの一部が欲しいの...」
「...っ....ノットさんのですか..」
「ノットはマルフォイと対等な立場だって聞いたわ。だから.......」
「秘密の部屋について聞き出せると.......そうお考えですか」
マルフォイももしかしたらサラザール・スリザリンの末裔かも知れないけど、秘密の部屋を開けたのはトム・リドルだし聞き出す意味本当に無いんだけどね〜。小学6年生、グレンジャーだけ中1かな、の考えにしてはまぁ、上出来なんじゃないだろうか。でもノットのが欲しいなんて目の付け所がいいのか悪いのか。
「えぇ、ジェフィフィーナには何でもお見通しなのね。私たちは秘密の部屋を開けたのはマルフォイだって思ってるわ。だから、聞き出したいの」
「そうですか」
原作で、セオドール・ノットはクリスマス休暇にホグワーツにいただろうか。いや、いなかった気がする。でもだからといって私に変身しないで欲しいからまた難しい。
「貴女はマルフォイが開けたと思ってる?」
「私は.どなたが開けたのか全くわかりません。マルフォイさんが開けたともあまり思えませんし...」
「でも、誰かが開けなきゃこんなことにならないのよ」
「そうですけど...予想なんて全く付きませんし、だからといってわからないまま人を疑いたくもないです」
私のはぐらかすような言い方に、グレンジャーは立ち上がって口をハクハクとさせてから拳を握りしめて座った。そんなに怒ることだろうか。
「貴女だって心配でしょう!?マグル生まれの私たちは継承者の敵なの...」
そう言って下を向くグレンジャーは密かに涙目だった。確かに、原作では語られていなかったけれど彼女はとても心配だっただろう。そして、不安だっただろう。ウィーズリーは純血、ポッターは半純血だけどそのことも廃れるほどの英雄扱い。そして、唯一のマグル生まれ。
当然、狙われるのは彼女だろう。自分の身を守るためにも、誰が部屋を開けたかを知るのは大切なことなのかもしれない。
「そうですねぇ...」
まぁ、私は自分の両親を存じ上げないのでなんとも言えませんが...。
その言葉を口の中で飲み込むと、苦笑いをしていた私はグレンジャーに笑顔を向けた。
「グレンジャーさん、貴女は大丈夫ですよ。なんせ、貴女には仲間思いの親友がいるでしょう?」
「...そうね、ロンもハリーも」
きっと助けてくれるわ、その言葉は音を成すことがないまま口の形だけで表された。
「グレンジャーさん、残念ながらノットさんはクリスマスホグワーツに残ることは無いでしょう。そして、私の体の一部を渡すことはできません」
「そう、よね...」
「でも、私自身が貴女達をサポートすることはできます」
その言葉に、グレンジャーは私に驚きと喜びのこもった顔をしてきた。
「ありがとうジェフィフィーナ!ロンが貴女にあんなにキツくあたるのに、優しくしてくれてありがとう」
やっぱりグレンジャーは中一には見えないなぁ.....精神的にも。そんなことを思いながらも私はグレンジャーに笑顔を向けた。
「いえ、構いませんよ」
「ロンのこと、私ちゃんと叱ってるんだけど...」
「幼少期からの刷り込むは恐ろしいものですから」
にっこりと笑いながらいうと、グレンジャーはどういうことだというような、それでいてわかっているような神妙な顔をしていた。
「グレンジャーさん、何か困ったら言ってくださいね」
本をカバンにしまったグレンジャーは私に再度礼を述べると走って姿を消してしまった。また静かになった安堵のため息を吐くと私は何か本でも読もうと背を向けていた本棚に近づいた。上の方を見るとラベルが違う。薬草学についての本が混じっていた。誰かが適当において忘れてしまったんだろうか。
本自体に魔法がかかっていて戻る仕組みになってはいるが見た感じ置いたばかりなんだろう。
キョロキョロと脚立を探すと偶然にも近くにあったので手に取ると、本棚に脚立、というよりはしごに近いのを引っ掛けた。
一番上のに手を伸ばして厚い辞書のような本を五冊腕に乗せて六冊目を手に取った時だった。
急にバランスを崩してしまったのか脚立が揺れた。
「きゃっ.........」
背を向けたまま地面にぶつかりそうになって目を瞑った。しかし、そのまま痛みは一向にやってこなかった。
「大丈夫?」
耳元で聞こえる声に驚いて目を開けると緑の布が視界いっぱいに広がっていた。その鮮やかな緑は間違いなく、スリザリンのものだ。