身長160センチ無いと戦えんわ!って、その前にハードモードすぎて泣いた!!! 作:あるれしあちゃん
教授の教えの元解き終わった夏の課題たちをトランクに放り込んだ。これでもう、夏休みは気兼ねない。
皆さんこんにちは。また一つ大人になったので大人っぽいご挨拶です。さぁみなさん。お久しぶりです。
なんでこんな急展開なのかって?いやいや、これからちゃんと回想シーンやるから安心して!!
さて、時は遡って一ヶ月前。私がまだまだ石から人間になったばかりの話だ。
教授から勉強って言ったけど、スネイプ教授だけじゃなくてマグゴナガル教授とかもいるからさっ!ね!ね!
あ、なんでこんなテンション高いのか?
それはですね.......。
じゃじゃじゃじゃーん!!!!!!なんと私の中にトムがいます。漏れ鍋のトムさんじゃないのよ。そう、トム・なんとか・リドルです。
トム・リドルくんが仲間になったんですよね!はい、まさしくは?かもしれませんが.....。でも、イケメンだよ!?イケメンいいですよね!?はい!?
それでは、回想シーンをスタート!
『助けて...』
その言葉にはっと顔を上げると、目の前で“私”が座り込んでいた。肩より少し長めの髪はざんばらに切られており、自分で切ったわけではないと感じさせてくる。
いつも着ていたワンピース姿のまま硬いベッドに腰掛けている。その脇では1歳くらいの女の子がベビーベッドで眠っていた。
「ろ...べりあ?」
もう、エリーさんのいない此処にはロベリアはおろか、誰も孤児院にはいないはず。それに、もう何年も前のことだ。私が喋ったにも関わらず誰も反応を示さない。私の記憶の中なんだろうか。それとも、また別の何かなんだろうか。
「こんにちは、アルレシア」
はっと名前を呼ばれて隣を見ると、エイブリーこと、トム・リドルだった。何故彼が此処にいるのだろう。じゃあ、ここは......やはり。
「私の記憶の中.....」
“私”の目の前に立っているのに、なんの反応も示さない。あぁ、ハリーポッターと同じように記憶へ干渉してるだけだ。
「そうだよ。もはや僕は君の記憶に残る残骸に過ぎない」
そう言って手をグーパーするトム・リドルの手は透けていて、向こうの扉が見えていた。
「魂はもうろくに残っていないようですね」
「魂とも呼べない。いわばゴーストのようなものさ。君から貰っていた魂と、君に与えていた魂にこびりついていた念や魔力の残骸、概念のようなもの」
「では、分霊箱にも、人間にはもうなれないんですか」
「....多分ね....なれないよ。それどころかこのまま消えておしまいさ」
無様だろ、そう言って項垂れて笑うトム・リドルに、あれめっちゃラッキーやん。そんなことを頭の片隅に思った。そして、その落ち込んだ顔も中々イケメン。
彼が概念と化した事についてはこの際触れないけど。ハリー・ポッター同様に私もヴォルデモートの意識に干渉出来るんだろうか。できれば怖いから嫌なんだが........。あんな蛇男みたいなのの雄叫び聞くとかポッターくん頭おかしくなるよね。ふっつーに。
「まぁ、時々ここで思い出話をするくらいなら構いませんよ」
そう言って私はトム・リドルの手を取った。そして、魔力が流れるように意識を集中させる。感覚としては、血を体に巡らせる想像をしているみたいな。透けかけていた体に色が宿った。向こうが透けなくなったのだ。
「これでも、君を殺そうとした人間なんだけど。首絞めて殺そうとしたでしょ」
「今は私がいつでも殺せます」
そう言って首に手を添えて微笑むと、彼は笑った。前髪を掴んでお腹を抱えて笑いだした。ちょ、笑いすぎよ?
「僕は随分と理解し難い行動をしていたらしい」
今時で言う、イタいやつみたいな?少し悩むように首を傾げてから、トム・リドルは私の手を取った。
「君の魔力が、僕にとって都合がよかった。それだけの理由で君を選んだんだよ」
「都合?」
「僕が動けるだけの魔力を注いだ誰か。きっと手違いだろうけど、僕にとっては都合が良く、たまたま君の魔力がそれに似ていた」
「だから私から微々たる魔力を取っていたの?」
「そうだね」
私と似た魔力。それは覚えて置いた方が良さそうだ。私がこの世界で血縁者というかルーツを辿るのに役立つだろうし。なぜ私がハリーポッターの世界にいるのかを知る鍵になりそうだ。
「トム・リドル...トム、一つ提案してもいい?」
「提案?なんだい」
「私と取引しません?いや,......取引とも言い難い、是非ともトムの知恵を借りたいの」
「いいよ、貸してあげる。その代わり僕にも新たな知恵をくれ」
「勿論。私は君の過去の知恵を、君は私から新たな知恵を」
二人で頷いた瞬間、赤ちゃんの声が鳴り響いた。“私”は立ち上がると笑みを浮かべてロベリアを抱き上げるのだ。
『悪い夢でも見たの?大丈夫、何も怖くないわ』
ベッドの端でトムと腰掛けるとお互い何も口を挟まず“私”を見つめた。
この時はまだ十三歳、精神年齢は三十三くらいか。ガリガリに痩せこけた可哀想な“私”がいた。
この頃の“私”はただ、記憶を持ってひどい世界に生まれた人間だと思ってたし。救いの手なんて無かったから、鬱みたいなもんだった。
まぁ、この頃は自分の立場を悟ってまだ心持ち良かっただろうね。
泣き止むのを見つめてゆっくりとベビーベッドに降ろされたロベリアは眠っており、後を追うように“私”もベッドに倒れこんで眠ってしまった。
「アルレシア、君はどんな生活を送ってきたんだい」
「別に普通だよ。いや...普通では無かったのかもしれないけど」
「ここ、孤児院で間違いない?」
「うん、此処はねロンドンの端にある孤児院だよ」
「僕も孤児院育ちだけど、あんなガリガリになったこと無い」
「うーん、なんて言ったらいいかな」
私は何処から説明したら良いんだろうと立ち上がった部屋を歩き回った。私が嫌われていた理由を話すために、まずは何故そうなってしまったのか、そこから話さなきゃならない。
「いや、なんと言えば.。トム、これから私の言う事を頭のイカれた変なやつではなく、まぁまぁ頭のイカれた人間の話だと思って聞いてくれる?」
勿論、と言う顔でトムは私に笑いかけた。
「私はね、今年二年生をやったけど十二歳や十三歳じゃないんだ。私は、今年十七になったの」
「アジア人は若く見えるってやつかい?」
「恐らくね。でも、本当は三十七になるの」
その言葉にトムは口をあんぐり開けて私を見つめた。そして私の頭に手を置いて、ちいせぇなって顔をしてまた二の腕や肩や手を触って確認していた。
「え、おばさんじゃないか」
「いや、肉体年齢は十七だよ。精神だけは二十歳プラスされてるの。あのね、私は......前世の記憶がある」
「.......信じれるなら信じるよ」
「でもね、記憶があってもそれを喋ることはうまく出来ないの。身の上を語るのってすごく難しいでしょう?」
「あぁ、そうだね」
「だから一言で言うとね。私はこの世界の未来が少しだけわかる」
「預言者ではなくて?」
「私が知ってるのは一つのパターンだけ。私がこの先、本来受かる予定の試験に落ちても、落ちた未来はわからない。知ってるのはその一つまで。それでも...この世界を変えたいの」
トムは少し考えるように顎に手を添えると、静まった。そしてゆっくりと私を見つめて、頷いた。
「解った。手伝おう」
「ありがとう」
トムと握手を交わして笑うとトムも同じように笑い、そして口を開いた。お互いの右手を繋ぎ、トムと私との間に一本の線が伸びた。
「一度、やってみたかった魔法だったんだよ」
「私の魔力だけどね」
一本の線はまるで金色の糸のように煌めく。そしてその糸はまるで生きてるかのように私の首に巻きついた。
「僕たちは魔力でしか繋がってない。君の魔力で生かされてる僕はいつこの世にとどまっているなんらかのカケラが消滅するかわからない」
そして金色の糸の片方がリドルの首に巻きついて、そして、消えた。
「なんの魔法...」
「これは、一般的に夫婦の間で行われる魔法だよ。あの糸は死後の世界、糸の端同士を合わせてくれる」
「まって、私たち夫婦じゃないけど....」
「良いところだから静かにして」
「あ、ハイ」
「死ぬ間際に、この糸はもう一度光る」
死にたくは無いんだけどなぁ......。消えてしまった糸のあった首元を触って残念に笑った。トムもトムで金の糸があった首を撫でて無邪気な笑みを浮かべた。それはまるで、死ぬのが楽しみだと言わんばかりに。
それはもちろん、私の思い過ごしかもしれない。他人の気持ちなんて汲み取れないのだから。
「そっか.....ねぇ、トムは死にたいって思うことある?」
「そうだなぁ....僕は永遠の命が欲しかった。だけど、もう、死んだようなものだし。まず、殆ど死んでる僕にそれ聞く?」
「まあまあ。
でも、私が生きてる限りは死なないでしょう?」
「まぁ、君の魔力が枯れなきゃね」
「だから死にたくなっても私が死ななきゃ死ねないじゃない」
「今の僕には、ただ残りの時間を有意義に過ごしたいという希望だけだよ。アルレシアのいく先々について行くだけだし」
「お風呂は辞めてね?」
「いや、それは無理なんじゃ.....」
「これでも十七なんですよね」
「三十七歳.....ふっ....」
めちゃんこムカついたけどイケメンだから許してやろう。
さて、トム・リドルという人間が味方についたのはとても心強いと思う。しかも魂というより概念に等しい彼にはもう魂と呼ばれるものは残っていないのだろうか。
だから、ハリーポッターのようにヴォルデモートに悩まされることも無いだろうし。あぁ、よかったよかった。
最近、私に対してハリポタワールド優しいので嬉しい。これから、アズカバン始まるけど、有意義な時間になることを切実に願う。取り敢えず、アズカバン編での目標は鼠をそばに寄らせない、かな。