アイドルマスターシンデレラガールズ 疾走のR   作:ヒロ@美穂担当P

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ネタが出るけど、どう設定に合わせるか苦心しながら書いてます・・・。
相変わらずですが見ていってください!


一章 紅の首都高ランナー

美世と蓮が出会ってから三日が過ぎた。初めての仕事というのもあり蓮は緊張が顔に出ていた。だが、やり方さえ分かれば非常に手際よくしていく蓮は中々の働きぶりである。

美世は今日はダンスのレッスンだ。カートや力がいる整備士の仕事をやっているのもあり、ダンスは得意だ。

「ここの動きを直せばいいんですよね?」

トレーナーの青木聖さんに確認をする。

「ああ。もう少しキレがあれば完璧だな」

美世は体を動かす事にかけては非常に高いポテンシャルを持つ。反面、アイドルとして大きな特徴になるビジュアル面に課題があった。

「魅せるのがアイドルなのにそれが苦手なのがね・・・」

自覚はある。何せ美世は子供の頃から「普通」の女の子から大分離れてた。むしろ男っぽかったのである。

「写真撮影が好きじゃないし、化粧も苦手だからなぁ・・・」

話している間に休憩時間が終わり、再びレッスン再開。美世は残りのレッスンをこなしていく。

 

 

「大丈夫ですか?」

蓮に聞いてきたのは高森藍子だ。歓迎会の日に美穂と知り合いという事がわかり、その後詳しく話すハメになったのだが。

蓮と美穂は親戚という関係だった。蓮の母が美穂の母と同級生であり、蓮の父と結婚する際に蓮の母は地元熊本を離れて蓮の父の故郷の山形に来たのだ。結婚後に何回か熊本に戻った事もあり、蓮が生まれた後も遊びに行った。その時に蓮と美穂は出会っている。

藍子の問いに「平気だよ」と答える蓮。

「大分やり方分かってきたんだ。・・・コレをこうして・・・と」

その時年少組が駆け寄ってくる。

「プロデューサー!遊んでー!」

「うん。これだけ終わしてすぐ行くからちょっとだけ待っててね」

蓮は例え自分より年下でも優しい口調だ。実は、歓迎会があった日に小関麗奈のイタズラ(ブーブークッション)に引っかかっても、怒らなかった。むしろ麗奈を諭すようだった。その後清良さんに麗奈は怒られたが。

その時に清良さんに蓮はこう言っていた。

「僕ってどうしても人を怒れないんです。友達にも優しすぎるって言われて・・・」

「僕は多分、犯罪とかそういうのにあっても怒らないんだと思うんです」

あまりにも優しすぎる。芸能界でのミスはかなり大きな物だ。アイドルのミスで自分が責任を負う事だってある。だが蓮はアイドルを責めようとはしない様だ。

年少組に連れて行かれた蓮を見てちひろは呟く。

「いい人って言われてるんでしょうね・・・」

 

 

午後9時になり、蓮は仕事を終えて346プロを後にする。愛機FDに乗り込み、自分の家に向かう。

「ふーっ、早く色んな事できないとなぁ・・・」

帰ってきて風呂に入り遅めの夕食を食べ眠りにつく。明日も早い。

 

翌日、蓮は美世のオーディションについて行っていた。美世にとって初めてのオーディションだ。蓮にとっても初のプロデュースである。

「美世さん大丈夫ですか?」

「・・・へっ!?」

「ああ、うん!コンディションはバッチリ!昨日も8時間寝てきたし」

「あたしのアイドルとしての記念すべき初レース!・・・頑張るしかない!うん、頑張れ、あたしっ!」

その時スタッフが部屋に入ってきて第一審査の開始を告げる。

「わっ!・・・もう時間かぁ。えっと、最初の審査は自己アピール、か」

「あたし、自分をアピールするのって、苦手なんだよね。上手くできるかなぁ・・・」

そして美世の番号が呼ばれる。

「は、はいっ!エントリーナンバー340番、原田美世ですっ!」

「えっと、石川県出身の20歳で趣味は車とかバイクをいじること、です。・・・」

黙った美世に司会が問う。

「あー、それでおわり?」

美世はテンパってしまう。

「えっ!はい・・・あっ、いえっ!えっと、あたし、全然素人だし、女の子っぽくなくて・・・じゃなくって!と、とにかく、なんでも頑張ります!」

 

 

控え室に戻ってきた美世の顔は暗い。

「うう・・・失敗したよお・・・スタートダッシュ、完全失敗・・・」

「他の子はみんな、可愛いし、歌もダンスも経験者ばっかり・・・。あたしに勝ち目なんてあるのかな・・・」

「あります!」

「そう言ってくれるのは嬉しいけど・・・。あたしの魅力って、どこなの?」

「美世さんはダイヤの原石なんですよ!」

「原石・・・ダイヤの?あははっ、そんな大層なものじゃないよっ!でも・・・」

その時再びスタッフが部屋に入ってきた。

「次の審査の準備、お願いしまーす!」

美世は顔を上げる。

「・・・ありがとう、蓮君。落ち込んでたってしかたない。自分のスペックで勝負するしかないってこと、だよね」

「・・・うん、あたし、行ってくる!」

 

そして第二審査が始まった。

「はい、次のコーナーはバラエティ適性審査!というわけで、モノマネいってみよう!」

動物のモノマネや芸人のネタでの自己紹介など様々なモノマネをする出場者達。

そして美世の番号が呼ばれる。

「はいっ!じゃあ・・・車のモノマネいきます!」

「ああ、車が趣味だから。あるある」

その瞬間、美世はあの時聞いた「音」をイメージしていた。

「ブロロロ・・・プシュー・・・ブロロロ・・・プシュー・・・ギュルルルン!ギュルルルン!ブン、ブブブブン・・・ヴィーーー・・・ヴィン、ヴィーー・・・!」

「以上、ロータリーエンジンでした!」

美世のそれはまるで13Bその物だった。

「細かい!マニアックすぎでしょ!」

そこから美世は火が入る。

「続きまして、今度はバイク!」

「続くの!?あはは・・・いいよ、やってみて!」

 

「では、最終アピールの時間です!何か伝えたいことがあればどうぞ!」

美世は自分の決意を話す。

「はいっ!えっと・・・あたしは、歌もダンスもまだまだです。アイドルらしいアイドルとは、ちょっと違うかもしれません。でも、アイドルとして輝きたい気持ちは負けません!」

「今はまだ原石だけど・・・アイドル原田美世を、どうぞよろしくお願いしまーすっ!」

 

 

後日、オーディションの結果が来た。

「・・・はぁ、残念だったなあ、オーディション。でも、最終審査まで残れたのは褒めてもいいよねっ!」

「すごかったですよ美世さん!」

「えへへっ、蓮君、ありがとうっ!最初はどうなることかと思ったけど、いいレースができたよ」

「でも、次こそは結果を残したいなーっ!」

「結果はあります!」

「それって?」

蓮がスマホでSNSの書き込みを見せる。

「えっと・・・『車の女の子、元気で可愛い』『地味にスタイル良くない?』『モノマネ、じわる』・・・これって」

「あたし、褒められてる?アイドルとして・・・わぁ・・・!すごいすごいっ!」

「初戦は負けちゃったけど、印象には残せたね!こんな嬉しいんだなあ・・・!」

「よーしっ、まだまだアイドルレースは終わらないもんねっ!次こそトップを目指すから!よろしくねっ、蓮君!」

「こちらこそお願いします」

 

翌日、二人はオフを取った。蓮は出かけようと思っていた。すると美世から電話がかかってきた。

「あたしの家来れるかな?」

「良いですけど、どうしたんですか?」

「見せたい物があるんだー」

 

FDで美世の家まで行くと美世が手を振りながら家の前に立っていた。

「すみません、待たせてしまって・・・」

「いーのいーの。それに待ったと思ってないし!」

美世は蓮を連れガレージまで向かう。そこには銀色のR34が鎮座していた。

「あの・・・これは?」

「何ってあたしの車。今日は君に頼みがあって呼んだの」

「塗装ってできる?」

「一応できますけど・・・」

「あたしのRを赤く塗って欲しいの。憧れの車の様に」

「美世さん塗装できないんですか?」

「あたし塗装できないわけじゃないけどね・・・。でもあたしがやってもあたしが望む赤色は作れなかったの」

「蓮君ならできると思って。無理言ってるのはわかる。でも蓮君じゃないとダメだと思った!」

「すごい事言いますね・・・。・・・でもやる前からこんな事言ってもしょうが無いしやってみます!」

「ありがとうっ!ホント蓮君可愛いーっ!」

「そんな言われたら照れます・・・」

 

数時間後、銀色だった美世のR34は綺麗な紅色になっていた。

「すごい・・・!この色なの!」

「色々工夫入れてみました!」

「ありがとう蓮君!」

「この色の名前決めてあるので言っていいですか?」

「もちろん!」

「『ライドオンレッド』です」

「ライドオンレッド・・・。どういう意味?」

「突然ですけど、僕が来る前にプロデューサーさんがいたんですよね?」

蓮から発せられた言葉に驚く美世。

そうだ。蓮君は死んだプロデューサーの代わり。思い出したくなかった事が今出てくる。なぜ。

「なんで・・・プロデューサーが?」

「僕は詳しい事はわからないんですけどそのプロデューサーさんが美世さんにアイドルにならないかって言ったんですよね?プロデューサーさんがトップアイドルにするって言っていたんですよね」

忘れるわけがない。あの日の事を。プロデューサーがあたしをスカウトしたあの日を・・・。

「プロデューサーさんは美世さんをトップアイドルにさせたいとしてたはずです。でも・・・事故で亡くなってしまったんですよね。ステージで輝く美世さんを見届る事ができなかった。でも、美世さんが好きな『車』ならいつもそばにいれると思ったんです。最高の舞台(ステージ)で輝いてる美世さんを見届けられるって!」

プロデューサーが見れなかったあたしの姿。輝いてるあたしを見せる事がプロデューサーへのできる事なのか。

あたしの憧れがあの日見た赤いクルマ(GT-R)ならあたしが小さい頃のあたしの様に誰かの憧れになるんだ。

美世の頬を涙が伝う。美世は人前では泣かないようにしてた。蓮の言う通りだ。アイドルになった自分を一番近くで見ているのはプロデューサーだ。でも最後までいてやれなかった。自分を変えたのはプロデューサーだ。

変われなかった自分の代わりに変われ。

そう言うプロデューサーの声が聞こえた気がした。

「プロデューサーの想いを背負う・・・」

「うん、わかってる。あたし、変わる!」

泣きながらも強い決意の表情を浮かべる美世。絶対トップアイドルになるという決意を胸に・・・。

 

 

 

一週間後、オフを使って美世はGT-Rのチューニングをしていた。アイドルとしても、まして社会人としても失格の行為である公道を非現実的な速度で走るために。だが、彼女は止まらない。もうひとつの夢であるレーサーという夢を追い続けるために。

 

PM11:35。

美世の家のガレージ内。LEDライトが真紅のGT-Rと美世を照らす。真紅のGT-Rのカーボンボンネットを閉じる。買ってから少しづつチューンを重ねてきた愛機。そして今はプロデューサーの想いを背負う物でもある。首都高で輝く驚異のチューンドカー。

スパルコのフルバケットシートに身を預け、4点式ハーネスでしっかりと体を固定。自らが車と一体になる感覚。美世の目は鋭かった。

 

 

同じ頃、蓮も自身のRX-7に乗っていた。走りだけを求めた愛機FDを走らせて戦場(首都高)に向かう。

 

 

二人が輝くステージでの一般人から見たらなんの意味もなく無意味な称号。「首都高最速」を争う物語が幕を開ける。

 

 

 

 

 




いやーシリアスを書くのが難しい・・・。そんな言ってたらこの先さらにきついと思うと・・・。
例によってネタの解説です。
・蓮の出身地
これは私の住んでる所です。美穂と親戚という関係上二人の出身地は離れてるとしています。
・美世が受けたオーディション
美世のメモリアルコミュ4の内容です。ロータリーエンジンのモノマネもここ発です。実際やったらどういう感じになるんでしょうか・・・
・GT-Rの色
ソニックシルバーから塗り替えられてますが、この作業はワイルドスピードX2冒頭でブライアンがGT-Rを塗り替える作業その物と思っていいです。
「ライドオンレッド」はデレステでの美世のSSR「ライドオンステージ 原田美世」が元ネタになっています。
・プロデューサーの「変われ」
少し違いますが、これはガ〇ダムOOのロックオン(ニール)のセリフのオマージュです。ニール兄さん死んだのは悲しい・・・。

読んでみてどうでしたか?引き続き、感想、評価、誤字脱字の指摘お待ちしております。
山形の芋煮美味いですよ〜(宣伝)
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