アイドルマスターシンデレラガールズ 疾走のR 作:ヒロ@美穂担当P
また、アニメ版のプロデューサー達も登場します。
6月のある日。
蓮は先輩プロデューサーである武内Pと共に、あるビルの会議室に来ていた。
そこには、お馴染みの765プロの赤羽根P、876プロの社長である石川実など、それぞれのプロダクションの主要人物達が待っていた。
「凄いですね・・・」
「蓮さんは初めてでしょう。こうやってプロダクションのプロデューサー達が集まってるのが」
「はい・・・」
これから行われるのは「765プロ」「876プロ」「346プロ」3つのプロダクション合同でのドームライブの打ち合わせなのだ。12月に計画されている大きなライブ。
765プロはお馴染み天海春香達「765PROALLSTARS」通称「765AS」に加えて「39プロジェクト」のアイドル達がメンバー。
876プロは伝説のアイドル「日高舞」の娘である日高愛、元人気ネットアイドルとして活動していた水谷絵理、765ASのメンバーの「秋月律子」のいとこである秋月涼の3人。
だが、346プロはメンバー選定が終わっていないという状態であった。何しろ人数が多い。
「『シンデレラプロジェクト』は決まっているのですが・・・。あと3つほどユニットで出せればと・・・」
武内Pが説明していく。『シンデレラプロジェクト』の1期生の時からプロデューサーをしているだけあり、このような場に慣れている。
結局、決定案を3日後に出す事になった。
武内Pが蓮に言う。
「蓮さん。あなたがユニットの選定をしてください」
「わかりました!」
とはいえ、ユニットの選定は大変である。
出すユニットは3つ。『シンデレラプロジェクト』のアイドルが入るユニットも出すとは聞いたが、悩ましい所だ。
だが、蓮は必ず美世を出してやりたいと思っていた。
ステージに立つ彼女の姿が亡きプロデューサーに届くように。
そう考え、蓮はメンバー表を見ていた・・・。
「まいったな・・・」
現在、蓮は完全に作業が止まってた。2つは何とか決めたが、肝心の美世のユニットがまだ決まってなかった。
決まったユニットは「フェアリーテイル*マイテイル」(藤原肇、小日向美穂)と「BRIGHT:LIGHTS」(鷺沢文香、橘ありす)。
どうしようかと悩む蓮。体を伸ばそうと席を立った蓮。その視界に二人のアイドルが映る。
「あっ」
決まった。そうと決まったら武内Pの元に行き、確認をとる。結果、無事に案は通り、346プロからのメンバーは決まった。その日の内に連絡を送った。これでライブに出るアイドルは決まった。
346プロのメンバーは『シンデレラプロジェクト』に加えて「フェアリーテイル*マイテイル」と「BRIGHT:LIGHTS」、そして「ウィンター・F・ドライバーズ」と決まった。「ウィンター・F・ドライバーズ」は鷹富士茄子、姫川友紀、そして美世の3人でのユニットだ。
蓮が来る前のプロデューサーが生きていた時に結成されたユニット。だが、美世が新人というのもあり、しばらくソロで活動していた。ここでこのユニットを起用する事になった。
夕方、アイドル達を集めてライブメンバーの発表を行う。
「まず、シンデレラプロジェクトの皆さん!」
「次に肇さんと美穂ちゃんの二人で『フェアリーテイル*マイテイル』!文香さんとありすちゃんで『BRIGHT:LIGHTS』!」
「最後に茄子さん、友紀さん、美世さんで『ウィンター・F・ドライバーズ』!」
「本番に向けてのレッスンを頑張ってください!僕からは以上です!」
次の日から本格的なレッスンが始まった。
ライブに出るアイドル達はいつもよりも多いレッスンに取り組んでいた。その中で1人、気合いの入り方が違うアイドルがいた。美世だ。
「初めてのライブ・・・!フルパワーでやるっ!」
他のアイドル達とレッスンしつつも、個人で空き時間に筋トレをしていた。自分の荷物の中には筋トレ用のダンベルやタオルなど、他のアイドル達とは明らかに異なる物だらけ。
「凄すぎだよ・・・」
「でも、熱心って事じゃないですか?私、美世ちゃんの姿勢、いいと思いますよ」
茄子と友紀が呆れと関心を口にする。
「だって二人はライブ出た事あるじゃない?あたしは初めてだから!二人に負けないライブにしたい!」
美世の熱意がひしひしと伝わる。
3週間後のある日、美世は完全なオフを貰った。美世はレッスンに加えて工場での仕事もしている。当然、働いてる時間はとんでもない量だ。見かねた武内Pに休まされたのである。親方にも休んでろと言われたからには大人しく休む。
オフとは言え、何も無いとなると暇だ。久しぶりにどこかにドライブしようにも最近ガソリンの価格が高く、変にガソリンを使うわけには行かなかった。
「うー・・・。暇だよ〜」
愛機GT-Rも整備したばかりでコンディション良好。やる事がない。
しょうがないので自主練をして過ごした。
次の日、レッスンをしていた美世に1本の電話が届く。
相手はなんとレイナ。突然電話をかけてきたレイナに驚きながら電話に出る。
「ごめんねー、美世ちゃん」
「レイナさん、どうしたんですか?」
「美世ちゃん最近首都高行ってる?」
「いえ・・・。最近忙しくて・・・」
「よかった・・・」
「なんかあったんですか?」
「実はね、最近首都高で妙な集団がいるの。チャージャーに乗ってるんだけど・・・複数で囲んで事故らせるの・・・」
「えっ!?」
「私も見たわ・・・。前を走ってたインプを小突いてね・・・。幸いインプのドライバーは無事だったけど、出会ったら危ないわ。気をつけてね」
レイナの話の内容に驚く美世。なんて事をするんだ。
でも、今はレッスンが大事だ。意識を切り替えダンスレッスンに取り組む。
「美世さん、お疲れ様です」
「蓮君かー。そっちはどうなの?」
「こっちも大変です。曲の選択や演出の打ち合わせで頭がパンクしそうです・・・」
「でも、一番大変なのは美世さん達アイドルです。僕がこんな所で弱音を吐いたら皆さんが心配してしまう・・・。アイドルに心配される様な事になったらプロデューサー失格ですから」
「ま、どっちもそれぞれ大変かー」
「美世さんこれから上がりですか?」
「うん。蓮君も?」
「はい。武内さんが後はやるって」
「久しぶりに行ってみる?」
「ええ。行きましょうか」
「おや、原田美世とプロデューサーの・・・」
「小日向蓮です。貴音さん」
「あら、蓮君と原田ちゃん」
いつものパーキングエリアで貴音と歌織と出会った蓮と美世。
聞いてみれば、美世達と同じく、レッスンの帰りだったそうだ。
歌織が聞いてくる。
「これから流そうと思ってたんですけどどうですか?」
「いいですね。僕達も同じ目的でした」
パーキングエリアを後にするZと964、そしてR34とFD。4台は湾岸方面に向かう。
「あれ?蓮君のFDなにか変わった?動きが違うっていうか・・・」
一般車をすり抜ける蓮のFDの動きが前に一緒に走った時の動きと違う事に気づいた美世。
若干、アンダー気味の挙動。だが、旋回後の安定感は前と比べると向上しているのである。
「蓮君のFDあのままでもいいはずだけど・・・」
美世の疑問が答えになるのは次の瞬間だった。
蓮のFDの後ろに黒い車が見えた。その黒い車こそ、レイナが言っていたチャージャーだったのだ。
「うそ・・・!まずい!」
蓮のFDを狙ってるようだ。このままでは蓮が危ない。美世はペースダウンしチャージャーに近づく。蓮にハンドサインで「前に出て」と伝えて蓮のFDを前に出す。
自分が囮になり、蓮達を逃がそうとする。下手すれば自分が危ない。
「来るなら来たら?」そう言うかの様にR34はチャージャーを引っ張る。
だが、チャージャーは美世のR34を軽く追い抜いた。600馬力近い美世のR34を置いて行けるほどの大出力持ち。こうなると蓮達の元にチャージャーが追いつくのは時間の問題。が、ここで美世はもう2台車を見る。
「まだいた・・・!?」
なんと、先行してる蓮達の前に美世の前を走る黒いチャージャーと全く同じチャージャーがいた。しかも2台。蓮だけでなく、貴音や歌織もピンチだ。
「どうしたら・・・!」
美世はステアリングに付けられたNOS噴射スイッチを押し込む。NOSが噴射され、瞬間的にパワーを引き上げてチャージャーに並ぶ。だが、チャージャーがレーンチェンジ。美世のR34にぶつかりそうになる。ギリギリ回避し、美世は蓮達の元に急ぐ。
「このままじゃ・・・!」
歌織が焦る。後ろの
すると、蓮のFDが歌織の前に現れる。前の2台を追い抜こうとしてる。蓮は歌織達からチャージャーを離そうとしてるのだ。だが、パワーが違う。FDはチャージャーに食いつけない。
その時、チャージャーが下がり蓮のFDに接触した。超高速域で接触され、蓮のFDは体勢が崩れる。
「あ・・・」
蓮のFDはコントロール不能になり、スピン。そのまま150m以上移動した。
けたたましいスキール音を響かせながらようやくFDは停止。奇跡的に、FDは接触した時の傷以外に損害はなかった。
「はぁ・・・!はーっ」
蓮は死を覚悟した。300kmクラスのスピードでの破錠は即クラッシュに繋がる。こうして今自分が生きてるのが奇跡だった。蓮はその後、離脱した。
スピンするFDを見て美世は背筋に悪寒が走る。蓮が死ぬーーー。
いやだ。もう居なくならないでよ・・・。
相当な距離を移動したFDが止まり、ほぼ無傷で健在だったのを確認して一安心した美世。その瞬間、美世は目の前のチャージャーに怒りを覚える。
「許さない・・・っ!」
同時にR34を加速させる。このままだと貴音と歌織も・・・。
最悪の結果を避けるため、チャージャーに向かって行く。
「おいおい、正気か?この800馬力のチャージャーにケンカを売るのか?」
「いいから、やるぞ」
「へいへい!」
チャージャーを運転する男達は後ろの紅いR34が迫るのを眺めていた。このチャージャーにケンカを売るとはいい度胸だ。
「カブせるぞーーっ」
美世の視界は黒いチャージャーのボディで埋まる。ぶつかる・・・。
そうぼんやり思いながら美世は考えていた。なんでこうなった。なぜこうしてくる。なぜ向かってくる。なぜ・・・。
「なぜ蓮君を殺そうとした・・・?」
その瞬間、美世の脳内にはガラスが砕けるようなイメージが浮かぶ。パリンと音がして、割れたガラスが散らばる・・・。
その時美世に変化が起きた。美世の瞳から光が消える。そして、美世の感じる物が変わって見える。まるで未来が見えるーーー。
美世はアクセルを踏み込む。目の前は被せてきたチャージャー。だが美世は一歩も引かず、むしろ突っ込んでいった。突っ込んできたR34に怯み、男達は回避行動を取る。だが、バラバラに動いたため、お互いが接触。クラッシュだ。
クラッシュし道を塞ごうとする、チャージャーを避ける美世。1台目のチャージャーを回避。だが、かなりのスピードが出てる。その途端にリアタイヤが滑り出す。さっきの蓮のFDのようになる。歌織達はそう思った。
だが、美世は最小限の修正だけで車をスライドさせ続ける。そして残った2台を、リアウイングが壁に接触するギリギリまで近づいてドリフトで回避したのだ。
「・・・!?」
「なにあれ・・・」
歌織と貴音もチャージャーを避け、この場を後にした・・・。
この後、美世は歌織達に質問されるが何も答えれなかった。だが、美世自身もあの感覚は初めて感じる物であった。
次の日、この事を蓮に話すが蓮もどういう事なのか知りたそうだった。あれは一体何だ。そこに1人のアイドルが現れる。
「にゃはー、ガソリンの匂いがするー」
「お、志希ちゃん。・・・あたしそんなガソリンの匂いする?」
一ノ瀬志希。海外に留学するも、レベルの低さから「つまんない」の一言で帰国し高校に通う本人は「ふつーのJK」と言う天才少女。
志希なら何かわかるかもと思い、美世はその時の事を話した。
「・・・なるほどー。それはいわゆる特殊能力って言った方がいいかもね」
「特殊能力?」
「あたしが海外にいた時に聞いたけどね。人の感情・・・。簡単に言うと『怒り』や『悲しみ』が高まると『ソレ』が現れるって」
言われてみると、確かにあの時美世は蓮を殺そうとしたチャージャーの男達に対しての『怒り』があった。
「『ソレ』が発現すると脳への情報伝達を行う組織が変化するんだー。その影響で情報処理能力や判断速度、空間認識能力がフツーの時より遥かに上がるんだってー!」
「えぇ・・・?」
「でも、『ソレ』は本当にあるのか疑問視されてたんだー。何しろ、あまりにも『ソレ』が起きなかったからね。実験中『ソレ』らしき兆候はあったけど、あまりにも非現実的な事言ってたからね。信じられなかったんだよ。あたしも信じてなかったし!」
「何で志希ちゃんは『ソレ』を学ばなかったの?」
「あたしはあくまで薬品とかに詳しいだけだよ。ヒトの体の仕組みとか知っても使えないしー。薬品は楽しいからね!」
すっごいいい笑顔で薬品が楽しいと言う志希に軽く引きながら美世は聞く。
「つまり、あたしは特殊能力を持ってる・・・?」
「うーん、そーいう事じゃない?」
「なんて名前なの?『ソレ』って」
「実在するか怪しい物だから名前はついてなかったよ。あ!じゃー、あたしが名前つけていい!?」
「いいけど・・・」
「じゃあガラスが砕けるようなイメージって事で『ブレイク』!」
「そのままだなぁ・・・」
「それ以外何あるのさ?」
「・・・ないね」
クリスマスライブまで残り5ヶ月。
遅くなってしまった・・・。
ネタ解説も見てどうぞ!
・蓮の先輩
アニメ版「シンデレラガールズ」でのアニメオリジナルプロデューサー、通称「武内P」が蓮の先輩です。ここではアニメ本編終了後という設定で登場します。普段はシンデレラプロジェクト2期生を担当しています。
・ユニットの選択
「フェアリーテイル*マイテイル」と「BRIGHT:LIGHTS」、そして「ウィンター・F・ドライバーズ」となってますが、「ウィンター・F・ドライバーズ」以外はぶっちゃけ趣味です。「ウィンター・F・ドライバーズ」は私がモバマスをやってる中で美世のユニットって言ったらコレってなるユニットです。ユニットの中では美世のみボイスがないです。ボイス付いて(懇願)
・「ブレイク」
モバマスではアイドルの能力を特定の物に変化させるという特殊な強化であり、ここでは美世が発現した特殊能力として登場します。簡単に言うと「ガンダムSEED」の「SEED」みたいな物(要するに種割れ)。絵にすると美世の目からハイライトが消えます。そして能力が上がる!って思ってくれればいいです。
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