タートルネックの黒インナー(5部特有のへそだし)にフード付きロングコートのフードを被り、紺のズボンに指貫グローブ、茶のブーツをはいています。
真正面から見ると目元位しか見えない変質者です。
さて、昨日の仕事が終わって今は朝。
今の状況を軽く説明しよう。とりあえずまだペッシはいない。つまり原作が始まるのはまだ先…のハズだ。言い切れないのは、この世界で過ごしてきた25年間で記憶も磨耗し、覚えてないからだ。覚えているのは、暗殺チームの覚悟を決めたときはペッシが居た…くらい、ジョジョの顔もボスの姿も覚えちゃいないのだ。
「仕方ない、か」
俺は立ちあがりアジトを出る。今日は非番なのだから、楽しまなくっちゃあいけない。息抜きってのは重要さ、それはこんな明日もどうかわからない仕事なら尚更な…。
さて、それじゃカフェで新聞でも読んで過ごそうかな。やることないし、昨日の暗殺の件がどれだけ大事になってるかも気になるしな…。
さて、今回の仕事ってのは実はあの署長だけがターゲットじゃあない。本当の目的は、麻薬の取引中に捕まったうちの…パッショーネの構成員を片付ける事だ。あの野郎、自分の刑期を短くするためにどうやら情報の一部を垂れ流したらしい。その事で組織はお冠、信用を失ったソイツは見事にターゲットになっちまったって訳だ。そして、署長が死んだ今がチャンス。俺達の仕事はソイツを殺すこと、それだけの簡単な仕事さ…。
そりゃあ流れた情報はどんな事なのかとか、流れちまった情報をどうするのかって所も気にはなるが…暗殺チームにそんなことは伝えられる訳もない、気にし過ぎるとこの業界では長くない。こういうことは気にしないのが一番だ。
ピロピロと軽快な音が鳴り、ポケットが振動する。どうやら電話のようだが…着信表示されているのはイルーゾォ、遊びにでも誘いにかけてきたのか。
俺は電話をとる。
「もしもし、俺だ。何かあったのか」
《あぁ、決行日が前倒しになった。今から動けるか?》
今から…左腕の時計を見る。昼前、11時頃か。特に予定はないし、問題は無さそうだな。
「問題ない、取りかかろう」
《頼んだぜ、この手の仕事はお前が一番早ェからな》
電話を切ったあと、俺は仕事の時の正装になる。タートルネックを口元まで上げ口を隠し、フードを被れば仕事モードだ。
それにしても、全くありがたい言葉に泣きそうになるね。俺は今憧れの人たち兼仲間に認められている…こんなに嬉しいことはない。
まぁそれはそれとして。
「キラー・バレット」
俺が小さく呟くと、俺の掌に大きめの蜂が二匹現れる。一方は大きさがスズメバチ位の大きさ、見た目は赤と黒。こいつが俺のスタンドの一部、キラービー。
もう一方がちょっと小さめの蜜蜂程度の大きさ、バレットビー。この二種類の蜂が俺のスタンド、俺の精神の具現化。憑依したせいか二種類に分かれたこのスタンドは、総勢500匹の群体型スタンドだ。
「刑務所まで飛べ」
今回飛ばすのはキラービー、こちらは強力な毒と顎をもつスタンドで集団で襲えば例え近距離パワー型のスタンドといえども対処できずに死に至る。なんつったって数が違ううえに一匹でも逃せば毒を食らう。流石に一発で即死はないが、二回以上食らえばかなりヤバイ。俺のスタンドの毒でもアナフィラキシーは起こっちまうし、そもそも毒もかなり強力だからな。
「そろそろか…?」
俺は刑務所へ歩いて行く。流石にスタンドを通して確認できる範囲は蜂なだけあって狭い、精々3mといった所までしか見えずそれ以上はボケる。スタンド越しの偵察は確実だが、遠すぎると見えにくいのだ。一度それで失敗してからはできるだけ直接確認するようにしている。
マンションの屋上まで行き、懐から双眼鏡を取り出す。刑務所の鉄格子がよォーく見えるところまでだ。そして…捉えた。ターゲットと俺のスタンド、距離は殆どない。今回飛ばしたのは総勢10匹のキラービー、殺すには充分すぎる数だ。今か今かと鉄格子の外で待つ姿は小さいながらも狩人そのもの、俺ならこんなスタンドには襲われたくないね…俺の精神の表れなんだからそんな事言うのはお門違いなんだろうがな。っとと、そんな話はどうでも良い。今はさっさとターゲットを殺らねば。
「殺れ」
俺の合図とほぼ同時に、俺のキラー・バレットがターゲットに襲いかかる。無論只の下っ端構成員がスタンドを見えるハズも無く、全身を刺されて訳もわからぬまま全身をクジラのように腫れ上がらせて事切れた。我ながら、かなりエグい能力だと思う。流石に主人公の仲間のアイツ…名前は忘れたが、アイツほどじゃあないがね。
とにかく、今は連絡しよう。
「イルーゾォ、俺だ」
《おぉ、お疲れさん。流石最年長、仕事が早ェ》
茶化す様に言ってくるイルーゾォ。なんだか腹が立つ言い方に聞こえるが、単に皮肉っているだけで褒めてはいる。本人に悪気は…無い、多分。
「褒めてるのか馬鹿にしてるのか…まあいい、帰投する」
それだけ言って電話を切る。何か言いたそうにしていたが無視だ無視。別に年齢の話でぶちギレたとかそんなんじゃあない。ないったらない、ほんとだぞ?
「切りやがったぜあの野郎ォ」
ニヤけながらチームの方を見る。アイツは年齢の割りにかなり若く見えるんだがそれを本人が自覚してねェんだ、それどころかイジると途端にむすっとしやがるんだからまァ面白い。
「テメェが年齢の話振るからだろうがタコ!」
「おい、ペッシの話どうすんだァ!?」
ホルマジオは半笑い、ギアッチョがキレて俺に突っかかってくる。アイツの事だ、帰ってきて話すでも構わんだろう。そうしていたらリーダーが部屋に帰ってきた、どうやら騒ぎを聞き付けてシャワーから戻ってきたようだ。
「…どうした」
「リーダー…何にも問題はないさ、イルーゾォがエイブをおちょくっただけだよ」
メローネが笑いながらリーダーへ説明する。アイツの年齢イジりは最早チーム中では見慣れた光景なんだが…新入りが戸惑ってるな、プロシュートが世話役らしいが…アイツにできるのかァ?
「おいペッシ、今から帰ってくるヤツが俺達チームの最年長だぜ。仕事に対しては真面目な堅物だがそれ以外では抜けてる野郎だ」
プロシュートの説明に頷く俺達。そりゃあ誰だってそういうだろうよ、ビデで顔洗ったりビデで
「そ、それは…なんというか、変わった人なんスね」
「そんなに気張る必要のある人間じゃあない。楽にすればいい」
リーダーの言葉に皆また頷く。確かにおかしな行動をとるアイツだが、信頼できる仲間であることもまた確かだ。
さぁて、早く帰って来やがれってんだ。反応が楽しみで待ちきれないぜ。
ペッシ加入編。まだまだマンモーニなペッシ君、チームの凄みにたじたじです。
いやぁ…それにしても初投稿であんな時間帯にもかかわらず感想ありがとうございました。励みになります。
主人公のスタンドパラメータおいときますね
スタンド名「キラー・バレット」
破壊力:D
スピード:A
射程距離:A
持続力:B
精密動作性:C
成長性:E
スズメバチのような「キラービー」と蜜蜂のような「バレットビー」の二つからなるスタンド。キラービーは猛毒と強靭な顎による近接攻撃、バレットビーは弾丸の様に打ち出され相手の体に潜り込みながら肉を喰らい毒を注入する。
性質上手加減の難しいスタンドで、拷問などには向かない。
追記
誤字報告頂いたのですが、この場合は毒殺なのでキラービーであってます。バレットビーは弾丸のように打ち出すスタンドなので…。
誤字報告ありがとうございました!