オリ主in暗殺チーム   作:乾燥したマシュマロ

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さぁさぁ遂に始まるかなァ?


蜂の啓蟄

 俺達が反逆を決意してはや2年。ソルベは意識不明の重体、ジェラートも片腕を失ったあの出来事から、気づけばもう2年が過ぎていた。どうでも良いことにはついぞ興味の湧かない俺だが、今回ばかりは色々と調べたりとなにかと入り用なものが多かった。

 

 まず、ソルベとジェラートはあの後親衛隊の奴等に一年ほど監視されていた。俺達もその間は下手な行動は起こせないので機を待った。どうにももどかしい時間を黙々と過ごして行き、漸く一年が経とうとしていた頃、ソルベとジェラートが俺達の下に戻ってきた。

 そこからはもう火の車だった。今更かき回すのもどうかと思うし、どうでもいいから細かいことは省くが、ソルベとジェラートの二人を匿いながらの極秘調査。無論のこと俺やイルーゾォ、ホルマジオ等の潜入しやすいメンバーでの調査になった。

 その間に他のメンバーで匿う場所を探してもらった。その結果各地のアジトの床下に小さな空間を作り上げ、そこにホルマジオの能力で過ごしてもらう事にした。この作戦は見つかりにくい上に食材の量や使用した水量から人数を割り出されないなど、バレにくさという点ではとてもいい作戦だ。

 ただ、ホルマジオが死ねば能力が解除されてしまうため、ホルマジオはボスへの反逆を起こしたときに戦闘への参加は事実上不可能となってしまった。ホルマジオの代わりの地区での調査は俺が担当する、これで主人公達と戦う相手…つまり、先鋒の役割は俺になったわけだ。

 

 そして、そうこうしている間にもう一年が過ぎた。それが今の俺達である。つい先程ボスの手がかりとして、娘の情報が手に入ったのだ。情報分析チームの奴を脅して入手しただけの価値はある情報だった、情報チームの一員を脅したということは組織を裏切ったと同義、これで糞みたいな情報しかなけりゃ皆喰いちぎっていたところだ。

 

 もっとも、そのチームの奴は今頃全身に毒が回り、生きたまま肉団子にされ死んでいるだろうがな。

 

 

「この『ボスの娘』の情報…どう思う?この資料によれば、スタンドまで関係しているらしいが」

 

 メローネが手に持っていた紙の束を机の上に投げ出す、それにともない皆も目を通していくが、正直全部嘘臭い。どうにも騙されている感じが抜けないのだ。

 

「どうするリーダー?俺達を嵌める罠かも知れねェし、そうじゃねーかもしれねェ…アンタが決めてくれ」

 

「ま、こんな上手い話はねぇと思うがな。どー考えたって罠だぜリゾット、あのボスが『娘』なんてバカみたいにデケェ情報を残すわけがないだろ」

 

「んな事ァどーでもいーんだよ、問題はよォー!ソルベとジェラートの仇を討つためにゃどんなことでもなりふり構っちゃ居られねーってことだぜッ!!」

 

「フム…だが、やはり血縁関係があるからといって『スタンド』も関係している…とは思えないな。スタンドは精神の具現化、血でどーのこーのなるもんじゃあない」

 

「今更そんな事言ったってしょうがね~だろ。問題は襲撃するタイミングさ、俺達ゃ今から個人で行動するんだろ?そりゃあ俺はソルベとジェラート、リゾットと一緒だがよォー。襲撃のタイミングってのは重要だぜ」

 

「襲撃は近くにいる奴からだろう、情報収集と共にやりゃあ一石二鳥だ。俺達のチームに〈仲間がいなけりゃ何もできません〉なんて事言う奴ァ一人もいねぇはずだからな」

 

「兄貴…。俺頑張りますぜ!」

 

 皆が皆自分の意見を言っていくなか、俺はこの先を考えていた。俺が戦うとしてどのくらいの傷を受ける?俺が勝てなければ俺達の道は同じになるかもしれない。これは罠か?確かボスの娘にもスタンドはあったはずだ。そしてなにより…ボスの娘の生まれ故郷に、ボスの正体に迫るなにかがあるはずだ、娘が引っ越したりしていなければ…だが。

 

「やはりお前達もそう思うか…エイブはどうだ?」

 

 リゾットの漆黒の目が俺を捉える。あの目は俺に問いかけているのだ、『お前は自信があるのか』、『お前は覚悟できたのか』と。

 

「罠だろうとなんだろうと…俺達はただ始末する。それだけだろう?それに…もしスタンド使いじゃなくとも、スタンド使いじゃないという情報は手に入る。損は無いと思うぜ」

 

 その目に俺はこう返す。『当たり前だ』とな。

 

 

 

 

 

 

 

 からっと晴れた晴天…とは言いがたい天気の中、俺はとある車を追っていた。追っている、というと相手が逃げているように聞こえるかもしれないが、別にそういうわけではない。ただ単に目標がその車に乗っている…というだけの下らない理由だ。

 

 始まりは、ホルマジオが言った一言。

 

「ポルポの葬式…1つだけ来ていないチームがあったぜ」

 

 俺達は、ボスの娘を匿っているチームを探すため、俺達の情報網を駆使してこのパッショーネのチーム全てを洗っていたのだ。情報を探すには、情報チームを襲ったことはまだバレていない今しかなかったのさ…めぼしい収穫はないままだったがな。

 だが、ホルマジオのこの一言で一気に情報が集まったのだ。来ていなかったチーム…それは、死んだポルポのお気に入りで新しく幹部に上がったブチャラティ!ブチャラティチームの奴等だ!

 ブチャラティがスタンド使いという情報も手に入った、それ以外のメンバーはわからなかったが。

 

 

 そろそろ仕事に入ろうか。目標は…あの少年、資料で散々読んだ、俺には嫌というほど見覚えがあるその姿…ッ!

 オレンジのバンダナのようなもので黒い癖のある黒い髪の毛を纏め、肩出しの服、それから…あれは、スカート?なんと言うのか…まぁ、どうでも良いことだろう。

 俺はあの少年を知っているぜ…情報通りだ!アイツは…アイツの名は『ナランチャ・ギルガ』!ブチャラティ率いるブチャラティチームの一員だッ!!

 

 

 

「よォーやく見つけたぜ…ナランチャ」

 

 

 

 さァーて、仕事の時間だ!




【啓蟄】・・・冬眠していた虫が動き出す時期のこと。

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