魔法科高校の神童生   作:RAUL85

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EPISODE10:風紀委員会、始動

 

時刻は夜9:00。いつもの俺ならば、グータラしてるかランニングに行ってるか、さもなければ夜のお仕事に行ってる時間。

余談だけど、夜のお仕事っていう言葉の響きってエr(ゴッ!

 

「いった!なにすんのさ!」

 

「隼人が変なこと考えてるのがいけないんでしょー?」

 

反論はできない。とはいえ、妄想はしてないけどね……ホントだよ?

さて、今現在なにをしているのかと言うと……

 

「あ、見つけたよ」

 

「じゃあ、潰しましょうか」

 

「えいっ」

 

先日、俺が壊滅させたブランシュ工作班のデータを端末上で虱潰しに消していってるところです。

でも完全に消すことは不可能だからねー、ま、世間一般の人の目に留まらない程度になればいいんだよ。

 

「あー……まったく面倒くさいわねー」

 

「激しく同意するよ」

 

ただでさえ機械が苦手なのに、こんなハッキングじみた作業……まだ姉さんの威力劇薬並み親子丼の方がマシだよ。………マシ、かな?

そういえば、威力劇薬並みの親子丼って、なんか劇薬で親子の仲引き裂いてない?あれ、もしかして無理心中?ドロドロの昼ドr(ゴッ!

 

「ってー!?」

 

「手を止めない!」

 

刀の形状をしたCADで俺をどつきながらも端末のキーボードをカタカタカタカタ打っていく我が姉。なーんであんなタイピング速いのかなー?

そういえば、レオがこの間達也も凄いって言ってたっけな?今度教わってみよっと。

 

「んー!これで、粗方終わりかなっ、と!」

 

最後の、っと!に合わせてEnterキーをカタッと押した姉さんは思い切り伸びをした。

 

「お疲れ、姉さん」

 

「ええ、隼人もね」

 

互いに労いながら、俺は手早く端末の電源を落とす。そして立ち上がった。

 

「んぁ、ねむ……」

 

長時間端末の画面を見続けたせいか、まだこの時間帯にも関わらず眠気が襲ってきていた。

 

「あんた、昨日も無理してたんだから今日はゆっくり寝たほうがいいわよ?」

 

「んむぅ……」

 

姉さんの言ってることはごもっともだ。是非とも俺もそうしたい。

けど、まだこのあとにやらなきゃいけないことがあるんだよなー。

 

「やることが終わったら寝るよ」

 

「そう?寝れなかったから呼びなさい?寝かしてあげるから」

 

「どうせ、鳩尾にズドンでしょ」

 

「バレた?」

 

楽しそうに笑う姉さんに苦笑いを漏らし、俺はドアを開けた。

 

「んじゃ、おやすみ姉さん」

 

「ええ、おやすみ隼人」

 

おだやかな笑みを浮かべる姉さんに背を向け、俺は部屋を出た。

 

 

 

 

 

☆★☆★

 

 

 

 

姉さんと別れてから、洗面所で頭をスッキリさせた俺は、現在自室でテレビ電話を繋げていた。

 

「うん……そうだね、相変わらず分からず仕舞いだよ」

 

『そうだよな…オレも、独自に探っているんだが、解明には程遠い』

 

「もしかしたら、既存の魔法の概念とは別として考えたほうがいいのかもしれないよ」

 

『ああ。ここまで来ると、その可能性も視野に入れなければならなくなってくるな』

 

「……と、なると、古式魔法を調べてみるのが妥当かな?」

 

『古式魔法か……ふむ、隼人の自然現象発生魔法と関係のありそうな、精霊魔法から調べてみるとするよ』

 

「ありがとう、俺もある程度は調べてみるから」

 

『ああ、頼む。っと、それはそうと隼人、スバルから聞いたぞ。魔法科高校に新入生中二位で入ったんだってな、凄いじゃないか』

 

「な、なんで姉さんがそれを知ってるんだ?」

 

『まあ、いいじゃないか。スバルだぞ?』

 

「まあ、確かに」

 

『それはさておき。よく頑張った隼人にはご褒美としてなにかお土産を買ってきてあげよう。なにかリクエストはあるか?』

 

「ん、ありがとう。でもなー、あんまこれといったものはないんだよね。だから任せるよ」

 

『わかった。じゃあな隼人、スバルにも宜しく言っといてくれ』

 

「うん、じゃあね父さん(・・・)

 

『ああ、おやすみ』

 

以上。今日のお勤めしゅうりょー!

 

「はー、眠い眠い。寝よ」

 

父さんとの電話を終えた俺は、容赦無く襲いかかってくる眠気に抗うことができずに、早々にベッドに入って電気を消した。

 

「あ、そういえばエイミィからメール来てたっけ」

 

返信しとかなきゃなー、明日ドヤされるのも嫌だしね。

端末を開いてエイミィにメールで返信したあと、俺は今度こそ深いまどろみの中に意識を落とした。

 

 

 

 

 

☆★☆★

 

 

 

 

 

翌日、朝起きると、

My sister is cooking now.だった。

 

「朝っぱらからデストロイヤーを撒き散らさないでくれぇぇぇぇ!!」

 

そんな感じに叫びながら、ああ、今日も長く辛く、そして面倒な一日になることを確信する俺であった。くすん。

 

 

 

 

 

 

☆★☆★

 

 

 

 

授業は終わり、放課後。

 

「よっす、達也」

 

「ああ、隼人か」

 

俺は招集がかかったため風紀委員の本部を訪れていた。なんか、昨日見たときより凄い綺麗に片付いているんだけど。

 

「座ろっか」

 

「ああ」

 

本部に渡辺委員長が入ってきたのを確認して、俺と達也は向かいの席に座った。その後、先輩たちがゾロゾロと入ってきたことで、室内の人数が9人になった。これで全員かな?そう思って委員長を見ると、徐に立ち上がった。やっぱり、全員だったんだね。

 

「そのままで聞いてくれ。今年もまた、あのバカ騒ぎの一週間がやって来た。風紀委員にとっては新年度最初の山場になる。この中には去年、調子に乗って大騒ぎした者も、それを鎮めようとして更に騒ぎを大きくしてくれた者もいるが、今年こそは処分者を出さずに済むよう、気を引き締めて当たってもらいたい。いいか、くれぐれも風紀委員自らが率先して騒ぎを起こすような真似はするなよ」

 

あはは、なんかみんな首すくめちゃってるよ。ま、俺は美術部に行くつもりだからそんなことないと思うけど。

 

「今年は幸い、卒業生分の補充が間に合った。紹介しよう。立て」

 

おっと不意打ちですか、委員長。

そう思いつつも、予想はできてたことだなら俺も達也も自然に立ち上がることができた。

 

「1ーBの九十九隼人と1ーEの司波達也だ。今日から早速、パトロールに加わってもらう」

 

渡辺委員長が達也を紹介したときにざわめきが生じたのは、まあ、達也が二科生だからなんだろうな。さすがに、規制する側だから『ウィード』とかの差別用語は聞こえなかったけどね。

 

「誰と組ませるんですか?」

 

手を挙げてそう発言したのは、ナントカ田という二年生だった。う、名前が覚えられない。

 

「前回も説明した通り、部員争奪週間は各自単独で巡回する。新入りであっても例外じゃない」

 

「役に立つんですか」

 

あはは、うわー、達也めんどくさいからって渡辺委員長に丸投げしたよ。

 

「ああ、心配するな。二人とも使えるヤツだ。司波も九十九も、腕前はこの目で見ているからな」

 

「じゃあ構いません」

 

あの先輩、感じ悪いなー。あまり関わらないようにしよ。

 

「他に言いたいことのあるヤツはいるか?」

 

うわ、渡辺委員長ずいぶんと喧嘩腰だな。まあでも、異論を唱える人もいないから、これが普通なのかな。

 

「これより、最終打ち合わせを行う。巡回要領については前回まで打ち合わせの通り。今更反対意見はないと思うが?」

 

怖いねー。今んとこ反発する人はいないみたいだけど、いつか爆発しそうだな。あ、でも渡辺委員長には勝てないか。

 

「よろしい。では早速行動に移ってくれ。レコーダーを忘れるなよ。司波、九十九については私から説明する。他の者は、出動!」

 

と、渡辺委員長が声を上げたと思ったら、全員が一斉に立ち上がり、握り拳を左胸に叩きつけた。

まるで、軍隊みたいだ。敬礼らしいね。

そうこうしてる内に、渡辺委員長と俺、達也を除く先輩たちは続々と本部を出て行った。途中、二人の先輩が達也に声をかけてたけど、仲良くなるの早いなあ。

 

「まずこれを渡しておこう」

 

そう言って渡されたのは、腕章と薄型のビデオレコードだった。

 

「レコーダーは胸ポケットに入れておけ。ちょうどレンズ部分が外に出る大きさになっている。スイッチは右側面のボタンだ」

 

言われた通り、ブレザーの胸ポケットに入れてみると、ちょうどうまい具合に撮影できるようになっていた。

 

「今後、巡回のときは常にそのレコーダーを携帯すること。違反行為を見つけたらすぐにスイッチを入れろ。ただし、撮影を意識することはない。風紀委員の証言は原則としてそのまま証拠に採用される。念の為、くらいに考えてくれればいい」

 

俺たちの返事を待って、渡辺委員長は携帯端末を出させた。

 

「委員会用の通信コードを送信するぞ……よし、確認してくれ」

 

ん、ちゃんと来てたね。

 

「報告の際は必ずこのコードを使用すること。こちらから指示のある際も、このコードを使うから必ず確認しろ。最後はCADについてだ。風紀委員はCADの学内携行を許可されている。使用についても、いちいち誰かの指示を仰ぐ必要はない。だが、不正使用が判明した場合は委員会除名の上、一般生徒より厳重な罰が課せられる。一昨年はそれで退学になったヤツもいるからな。甘く考えないことだ」

 

んー、こりゃ一応気をつけたほうがいいかな。さて、説明は終わりみたいだし、行こうか。

 

「じゃ、俺は行きますね」

 

「ああ、くれぐれもサボるんじゃないぞ」

 

なにか質問がありそうな達也は置いて、さっそく行こうとした途端に渡辺委員長に釘を刺されてしまった。

 

「もちろんですよ。俺が、サボるとでも思ってらっしゃるんですか?」

 

「そういうことは、相手の目を見て言うことだな」

 

「あ、ははは。まあ、頑張れるだけ頑張ってキマス」

 

「ああ、期待しているぞ」

 

「サボるなよ」

 

「達也まで……」

 

苦笑いを漏らして、俺は委員会本部から退室した。

さあ、始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーto be continuedーー

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