ある一人の悪に憑依した男が居た。その男は心の底まで悪を演じきり消え去った
そして男の行きつく先は再び悪であった。これはそんな悪が前世で授かった全ての力を所有し、世界を掻き乱す物語である。

ディズニー関連が解禁されたので
Fate/Zero Parallel Evilをリメイクしました

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何故アカメとロザパン書いてないのにこっち書いちゃったんだ


Fate/Nobody Remake

―――――此処は一体どこだ

 

 

 

 

 

そこには何も見えない、何も感じない、何も臭わない

 

何も無い。そう、言うなれば『闇』

 

 

 

果たしてこれは現実なのかさえも疑う

 

次第にこれが恐怖へと変わっていく

 

 

 

一刻も早くここから離れなければならない

 

これは思考や常識なんてものではない。言うなれば生まれついての行動や性質

 

これは『本能』

 

 

 

だが逃げるといってもどこへ?

 

ここは果てしない暗闇、逃げだせる場所はどこにあるというのだ。必死でもがいているが自分でも分からないでいる

 

それに自分は今もがいているのか?

 

 

 

自分の体は正常なのか?異常なのか?

 

そもそも自分の体というのがあるのか?

 

 

 

考えれば考えるほど深まっていく謎

 

だが考えている時間さえも自分にはあるのだろうか

 

ここへ留まってしまったらどうなっていくのか

 

 

 

 

 

分からない 

 

 

 

 

 

解らない 

 

 

 

 

 

わからない 

 

 

 

 

 

ワカラナイ

 

 

 

 

 

分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ分からない解らないわからないワカラナイ

 

 

 

 

 

行っては来たりとする考えに悩ませる

 

そう考えているとある二つの感情が大きくなっていく

 

 

 

それは『恐怖』と『困惑』

 

 

 

今まで何も感じなかったのに遠くから何かが迫ってくるというを感じる

 

しかし全てが闇に包まれている場所に迫ってくるという事に対して『恐怖』を抱くのは正しい

 

だがもう一つの感情である『困惑』とは一体何か

 

 

 

それは見えてしまった・・・・・・・という事に対しての感情だ

 

 

 

闇の中だというのに何かいることを感じ、さらには視界する事も出来てしまったのだ

 

 

 

何故こんな事が出来てしまったのか

 

いやそれ以前にアレは一体なんなんだ

 

助けを請う声も絶叫を上げる程の悲鳴すらも発せられない

 

だが分かってしまう。迫りくるソレは自分という存在を喰らい尽くし消し去ってしまうという事を

 

 

 

 

 

―――――助けて

 

 

 

 

 

闇の中、静寂の世界にて

 

その者の存在はゆっくりと消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……またあの夢か」

 

 

 

意識が覚醒し、今まで見ていたものが夢だと認識する

 

そして今見ている光景が現実であるという事も

 

 

 

小さなランプと取り付けられた窓から差し込む月明かりしか照らさない部屋。脇に高い酒にコップを被せていて置かれている丸型のテーブル。椅子に深く座り込み背中を預けている一人の老人

 

 

 

この老人の名は間桐臓硯

 

 

 

本名はマキリ・ゾォルケン

 

500年前の御三家の内の一つである『間桐』の当主であり、500年間生きていた怪物

 

使い魔の技法に関して優れた技法を持っているが、狡猾にして残忍、他者の苦しみを娯楽とする外道でもある

 

そんな彼が今一番に備えている事がある

 

 

 

それはこれから冬木で始まろうとする戦い『聖杯戦争』

 

万物の願いをかなえると言われる『聖杯』を求め七人のマスターと契約し従える七騎のサーヴァントによって行われる。六騎のサーヴァントを脱落させ最後に残った一組にのみが聖杯を手にいれられる

 

 

 

その戦いで己の理想を叶えようとしている臓硯もその一人

 

死を恐れるあまり『不老不死』を求め続けていた。それを聖杯で叶えようとしている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘗ての間桐臓硯…だったら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが臓硯は全く理想とは違う物を求めていた

 

それは到底理解できない物であり、果たして物といえる程の事だってありえる

 

ふつふつと湧き上がるような感情を彼はこう考える

 

 

 

『喜び』と『虚空』

 

 

 

何故喜びの次に虚空が出てくるのか

 

それは彼だけが知っている。己の身に起こっている何かを

 

 

 

「っふふふ…こんな事を儂が思いふけるとは」

 

 

 

臓硯が笑みを零す

 

置いていた杖を突きながら立ち上がろうとすると玄関から扉が開くような音がする

 

臓硯は立ち上がるのを止め椅子に深く座り込み、こちらに向かっている者を待つ。向かってくる足音が徐々に大きくなり、遂に扉の前まで来ると開けられた

 

 

 

「……臓硯」

 

 

 

臓硯の前に現れたのは間桐雁夜

 

戸籍では彼は間桐臓硯の息子になっている。魔術の資質は優れていたが、間桐の魔術を嫌っている

 

その為11年前に家を出奔し、フリージャーナリストとして生計を立てていた。そんな彼が何故家に戻ってきたのか

 

 

 

「落伍者が よくおめおめと顔を出せた物よ」

 

 

 

「………」

 

 

 

「その面、もう二度と儂の前に晒すで無いと確かに申し付けた筈だがなぁ……雁夜」

 

 

 

「遠坂の次女を迎え入れたそうだな」

 

 

 

彼がここに戻ってきた理由

 

それは間桐家に養子にされた子『桜』の話を聞いたからである

 

桜は御三家の内の一つである『遠坂』の家で妹として生まれたのだ。魔術師としての才能もあり、将来有望であると言っても良かった

 

だが遠坂家では継げるのは一人だけという掟があり、その為姉である『凛』を家督を継ぐ事となった

 

残された桜は苦渋の選択という物もあり、間桐の養子に出された

 

だが雁夜は、自分が嫌っている間桐に養子で出した桜の父である『時臣』を強く恨んだ

 

 

 

「ふほほ。耳の早い」

 

 

 

「そんなにまでして間桐の血筋に魔術師の因子を残したいのか」

 

 

 

「それを詰るか…他でも無い貴様が、一体誰のせいでここまで間桐が零落したと思っておる」

 

 

 

臓硯は椅子から立ち上がり雁夜に歩み寄りながら話を続ける

 

 

 

「雁夜、お主が素直に家督を受け継ぎ、間桐の秘伝を継承しておればここまで事情は切迫せぬんだ。それを貴様という奴は…」

 

 

 

「茶番は止めろよ 吸血鬼」

 

 

 

臓硯の話を途中で打ち切るように雁夜は割って話をする

 

 

 

「あんたはあんた自身の不老不死を叶える為に聖杯を欲しているだけだろうが」

 

 

 

「ふっほっほっほ……お主、何を考えておる?」

 

 

 

「取引だ 臓硯」

 

 

 

雁夜はここで話を持ちかける

 

それは間桐に聖杯を持ち帰る代わりに桜を開放するようにという事だ。彼自身は間桐の血族という事も考え、間桐の執念は間桐の手で果たせばいいという事だ。関係のない桜には危害を加えさせない為にも

 

 

 

「馬鹿を云え」

 

 

 

しかし臓硯はその話を蹴る

 

当然といえば当然である。魔術から背を向けた雁夜には期待していない

 

さらにいえば僅か一年で サーヴァントのマスターになろうというのが無理な話だ

 

 

 

「今日の今日迄何の修行もして来なかった落伍者が何を言うか」

 

 

 

「……それを可能にする秘術があんたにはあるだろう」

 

 

 

話を蹴られたにも関わらず雁夜は引き下がらない

 

最初から蹴られるのは当然だと分かっている。だからこそ他の方法を用意していない筈がない

 

 

 

「俺に刻印蟲を植えつけろ」

 

 

 

「…雁夜 死ぬ気か?」

 

 

 

雁夜は元から命を投げ捨てる覚悟でいた

 

実力は無きに等しく、一年でマスターの資格を得る事はどんなに資質が優れていても不可能に近い

 

だがしかし刻印蟲を宿し、即席の魔術師になれば可能性はあるが、この方法で無理矢理での修業を1年間行えば、その代償はあまりに大き過ぎる

 

 

 

「それ程あの小娘が大切か?」

 

 

 

「…無関係の他人を巻き込んでたまるか」

 

 

 

「巻き込まずに済ますのが目的ならば…雁夜。いささか、遅過ぎたようじゃの?」

 

 

 

「ッ!?爺、まさか…!!」

 

 

 

雁夜が臓硯に掴みかかろうとする

 

だがとっさに杖を顔に突きつけられて掴みかかれない

 

 

 

「慌てるな。別にとって食おうなんて事はしておらん」

 

 

 

「…本当だろうな?」

 

 

 

「信じるも信じまいもお主の勝手よ。だがそうだな」

 

 

 

今にも殺しにかかりそうな眼差しで睨みつける雁夜に対して余裕の笑みを浮かべる臓硯

 

突きつけていた杖を戻し顎に手を添えて考える

 

 

 

「今から出す条件を全て飲み込むなら考えてやらんでも無い」

 

 

 

「…無理じゃなければな」

 

 

 

「ふっふっふっふ。そんな難しいものではない。まず一つ目は、今日から一年間この家で食事と睡眠以外の時間を魔術師としての基礎を学べ。二つ目は、刻印蟲はお主がサーヴァントを召喚した後で植え付ける。これが条件じゃ」

 

 

 

臓硯が何かを要求する事を言い始めた時は、無理難題を言うと警戒していたがそれ程でもなかった

 

しかしそれが逆に雁夜にとって疑惑となった。一つ目に関しては聖杯戦争に備えて実力をつけるような事であるが問題は二つ目の事である

 

 

 

「分からないな。刻印蟲がない状態で俺がサーヴァントを召喚する事は出来ない筈だ」

 

 

 

「確かに貴様は程度の魔力ではサーヴァントを御しきれん。だが無理に刻印蟲を宿し魔術回路を補ったとしても何らからの影響で召喚に失敗でもしたら元も子もない。そこで儂が召喚の為の魔力を使う」

 

 

 

「…お前は一体、何を企んでいる」

 

 

 

分からなかった

 

雁夜の身を案じるだけじゃない、召喚の為に自らの魔力を提供する事も

 

どう考えても臓硯にはデメリットでしかない

 

 

 

「何をそこまで疑っている。これ程お主の見合った条件は他無いぞ?これで万が一 貴様が聖杯を手にするようならばお主の取引に応じよう。さて、どうする…?」

 

 

 

「二言は無いな… 間桐臓硯!」

 

 

 

「当然。その時は無論小娘は用済みじゃ……」

 

 

 

臓硯は用が済み部屋を出ていこうと雁夜の隣を素通りし部屋を出る

 

 

 

「だがこれだけは言っておくぞ…雁夜」

 

 

 

部屋を出る直前

 

扉のドアノブに手を添えた状態で振り向かず話しかける

 

 

 

「お主がどんな方法を用意ても超えられん壁というのがある事を忘れるな」

 

 

 

「壁…だと?」

 

 

 

「そう…遠坂という壁がな」

 

 

 

「ッ!?」

 

 

 

遠坂の名を聞くと雁夜の顔が強張る

 

その目には憎悪と嫉妬といった感情が渦巻いてる

 

 

 

「お主がどんなに無様に遠坂に牙を向くか、見物だな」

 

 

 

臓硯はそれだけを言い残し部屋を後にした

 

残された雁夜は立ち尽くし、両手を強く握りしめる

 

 

 

「時臣ぃ…!」

 

 

 

怒りの治まらない雁夜

 

握っている手から血が滴り出ていても力を弱めなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、内に何かが芽生え始めていることに気づかない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杖を突きながら自室に向かい廊下を歩いている臓硯

 

 

 

「雁夜よ。お主はまだ気づいていない」

 

 

 

不気味な笑みを零しさっきまでの事を思い返す

 

 

 

「魔術師としての資質なぞ下らないちっぽけな物ではない。それをお主以上に宿す者など居ない」

 

 

 

白目の部分が黒く、瞳が白いという目がさらに不気味さを増していく

 

だがこの時の臓硯の瞳は白ではなく黄金に染まっている

 

 

 

「中途半端にこちら側を知ろうとして自滅し、挙句の果てに儂に…いや、私にこんな空っぽの体を奪われた」

 

 

 

誰もいない廊下で一人語り続ける臓硯

 

果たしてこれが臓硯なのかも怪しくなってくる

 

 

 

「全ては偶然か?……否、全ては必然なのだ。桜が養子に出されたの事もお前が自らを命を差し出す事も又、必然だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いずれ来る時にお前は私にとって――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから一年という歳月が流れる

 

雁夜はひたすらに魔術師としての基礎を頭の中に叩き込んだ。食事や睡眠を十分に取ってはいるが、焦るあまりその時間さえも削り、修行を続けた。無理な修行をするにつれて顔色が優れず痩せこけるような顔になっていく

 

 

 

そして聖杯戦争が行われる一週間前

 

雁夜の努力は報われたのだ

 

 

 

「やったぞ。遂に!」

 

 

 

右手の甲を掴みながら喜びの声を上げる

 

そこには三画の紋様が刻まれていた。それは『令呪』

 

サーヴァントに対する3つの絶対的な命令権であり、同時に聖杯からマスターとして資格を得られたである

 

つまりこの一年間で雁夜は自分自身の力だけで得られたのだ

 

 

 

「これで聖杯戦争に出られる」

 

 

 

「ほぉ…ギリギリ間に合ったではないか」

 

 

 

そこへ雁夜の様子を見に臓硯が部屋を訪れる

 

 

 

「聖杯に選ばれたという事は貴様もそれなりの術師として認められたという事か。一先ずは褒めて遣わすぞ雁夜」

 

 

 

「お前に褒められても虫唾が走るだけだ」

 

 

 

「はっはっはっは。そう邪険にしてはいるが、刻印蟲を植え付けた状態で今のように修行をしていたらどんなに無様で惨たらしい姿になっていたのか…そのことに関しては感謝してもらいたいぞ?」

 

 

 

「…っち!」

 

 

 

臓硯の言っていることは正しい

 

もしも雁夜が刻印蟲を宿した状態で今までの修行をしていたらどうなっていたのか。想像するだけで身の毛がよだつ程だ

 

 

 

「さて、お主のマスターとして資格を得た褒美として相応しい触媒を用意した。父の親切に無にするでないぞ?」

 

 

 

「それだけを言いに来たのか。だったらさっさと部屋から出ていけ!」

 

 

 

「ふっふっふ。そう怒鳴らんともすぐに出て行くさ。今宵はサーヴァントを召喚してもらう……蟲蔵に先に行っているぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「召喚の呪文は 覚えてきたであろうな?」

 

 

 

「あぁ」

 

 

 

「…いいじゃろう」

 

 

 

真夜中の一室

 

そこは一切の光さえも差し込まない蟲蔵

 

僅かな光だけが照らされている。そこにいるのは臓硯と雁夜だけが居り、二人の間にた血で書かれた魔法陣と英霊を召喚する為の触媒が置かれていた。そう、サーヴァント召喚の為の儀式だ

 

 

 

「だがその途中に、もう二節 別の詠唱を差し挟んでもらう」

 

 

 

「…どういう事だ」

 

 

 

ここで臓硯はある要求を雁夜に告げる

 

 

 

「何 単純な事じゃよ…雁夜、おぬしの魔術師としての格は他のマスターどもに比べれば些か以上に劣るのでな。サーヴァントの基礎能力にも影響しよう……いくら儂の魔力を利用してもそこだけは無理だ」

 

 

 

サーヴァントのステータスは魔力と魔術師の技量や経験で決まる

 

だが雁夜はこの一年間でマスターとして資格を得ていても所詮は付け焼刃の魔術師。どんなに強いサーヴァントを呼び出したとしても劣化してしまうのだ。そこで臓硯はある方法を考えた

 

 

 

「ならばサーヴァントのクラスによる補正で、パラメータそのものを底上げしてやらねばなるまいて…」

 

 

 

「パラメータの底上げだと?」

 

 

 

「そうだ。今回呼び出すサーヴァントには『狂化』の属性を付加してもらうかの」

 

 

 

「狂化だと…まさか呼び出すサーヴァントは」

 

 

 

「無論、バーサーカーだ」

 

 

 

これを聞いた瞬間、雁夜の頭に血が上り始める

 

七騎のサーヴァントは『セイバー』『アーチャー』『ランサー』『ライダー』『キャスター』『バーサーカー』『アサシン』と割り当てられる七つクラス。特に三騎士と呼ばれている強力なクラスとされているのが『セイバー』『アーチャー』『ランサー』である

 

 

 

今回雁夜が呼び出すバーサーカーとは狂戦士の英霊

 

 

 

破壊に特化しているクラスだが、理性が失われ魔力消費量が膨大というのがデメリット

 

基礎しか学ばず魔力量もそれ程多くない雁夜にとって相性は最悪な物。歴代バーサーカーのマスターの敗退は全て魔力切れによる自滅である

 

 

 

「ふざけるな!俺の魔力じゃバーサーカーを従う事なんて」

 

 

 

「もう後戻りは出来んぞ。それともあの小娘を見捨てるか?」

 

 

 

「臓硯…!」

 

 

 

雁夜は今までの愚行や甘い考えをした事を心の底から後悔した

 

やはり頼むべきでは無かった…こんな化け物に頼むのは…

 

 

 

「さぁ…どうする?」

 

 

 

「……くっ!」

 

 

 

雁夜に残された道…それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「始めろ……臓硯」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその時がやってくる

 

 

 

 

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。

 

降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

 

 

詠唱を始める

 

その行為が如何に自分の身を滅ぼしかねない事を

 

 

 

「閉じよみたせ。閉じよみたせ。閉じよみたせ。閉じよみたせ。閉じよみたせ。

 

繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」

 

 

 

だがそれでも成し遂げなければならない

 

誰よりも大切な存在を守るためにも

 

 

 

「告げる。

 

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

 

 

 

この命が尽きようとも構わない

 

それが自分の決めた覚悟なのだからだと言い聞かせる

 

 

 

「誓いを此処に。

 

我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」

 

 

 

魔法陣から光が発するとそこから風圧のような物が襲い掛かる

 

臓硯の魔力を使っているため自分に掛かってくる負荷が大きくなっていく。あまりの事に雁夜は少しずつ後退していく

 

 

 

「どうした雁夜。貴様はその程度で根を上げるか」

 

 

 

「黙れ!」

 

 

 

召喚を見守っていた臓硯の嫌味に苛立つ

 

だが強気の言葉とは裏腹にどんどんと押されていく

 

 

 

「やはり貴様程度にマスターは無理じゃったか。所詮は魔術から背を向けた者が他人の力を借りても結果は同じ」

 

 

 

突きつけられる現実

 

それが雁夜の心の中まで突き刺さっていく

 

 

 

「ぐぅ…!」

 

 

 

「ほれ雁夜。悔やむ暇があるなら召喚して見せたらどうだ……まぁ無理な話じゃがな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――俺じゃ不可能だっていうのか

 

 

 

心に潜む何かが雁夜を気持ちを掻き立たせる

 

それが一体何なのかは知らない

 

 

 

「貴様では何も出来ん。それが今の貴様だ」

 

 

 

――――何も出来ずに終わるっていうのか

 

 

 

「貴様では遠坂を倒すどころか、あの小娘さえ救えん!」

 

 

 

――――俺が桜を救えないだと?

 

 

 

「己の無力に怒るがいい!」

 

 

 

――――怒りだと?

 

 

 

「怒りを力とするのだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――怒りを……『力』に

 

 

 

 

 

――――俺は何為にこうしてるんだ?

 

 

 

 

 

――――桜を守るために?

 

 

 

 

 

――――それもある。だがそれよりもあるじゃないのか?

 

 

 

 

 

――――そうだ。これが…『怒り』だ

 

 

 

 

 

――――誰にだって?…決まってるじゃないか!

 

 

 

 

 

「時臣……時臣ィイイイイイイ!!」

 

 

 

突然と雁夜が叫びを上げる

 

体中に黒い影のような物が吹き出される

 

 

 

「うぅああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 

雁夜の体から出た黒い物は怒りが頂点に達すると迸るほどの勢いで吹き出す

 

それまで魔法陣の風圧に押されていたが、徐々に近づいていく

 

 

 

「されど汝は

 

その眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者!!」

 

 

 

怒りのままに途中までだった詠唱を続ける

 

吹き出した黒い物は蟲蔵の中を覆っていき、唯一無い場所は魔法陣と周辺に居る雁夜と臓硯の場所のみ

 

そして呼びかけに応えたのか、魔法陣の光が強く発すると雁夜から吹き出した物とは違った黒々とした闇の気配を纏うフルプレートを装着した大男が姿を表した

 

 

 

「成功…したのか?」

 

 

 

雁夜は英霊を召喚することが出来た

 

目の前にいる存在からくる禍々しい気配が肌を突き刺していくのを感じる

 

 

 

「そうだ。お主はやり遂げたのだ」

 

 

 

無事に召喚を終えた雁夜の元に近づく臓硯

だが雁夜は一瞬だけ臓硯から何か禍々しく、バーサーカーとは違う何かに気づく

そして、その手には灰色の剣のようなものが握られている事にも

だがその剣は形が変わっており、その先端には水色の眼球が付いていた

 

 

「さぁ次は

 

 

 

 

 

 

 

儂等の番だ…雁夜」

 

 

 

そう言って臓硯は剣の刃を自分に向け、体に突き刺した

 

 

 

「なに!?」

 

 

 

臓硯の突然の行動に驚く雁夜

しかし、それだけでは終わらなかった

剣が突き刺さった部分から光が漏れ、そこから光輝く球体が出てきた

 

「この時を待っていた」

 

そう言って臓硯は、出てきた球体を見て語る

突き刺した剣は消え、自分の体が光りだす

 

「脆弱な蟲の傀儡を捨て、闇に染まった若く強い器を手に入れようとな」

 

臓硯の体が徐々に崩れていく。そこから無数の虫が飛び回っていくが、その虫も粒子となって消える

突然の事に雁夜は頭が追いつけず混乱する

 

 

「さぁ共に祝おうではないか雁夜よ。お前と私の生誕に」

 

 

そう言って臓硯は、雁夜に視線を向け

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        「お前の闇が我が器となるのだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

臓硯の叫びと共に勢いよく飛んでいく球体

球体は雁夜の体に入り込む

 

 

「ぐぁ……ああぁぁ…」

 

 

球体が入り込み、胸を押さえ蹲る雁夜

それを見た臓硯は、満足した顔をしながら粒子となって消えていった

 

 

「………」

 

 

先ほどまで苦しんでいた雁夜。しかし何事もなかったかのように立ち上がる

だが変化はあった。黒い頭髪が銀色に変わり、瞳も金色になっていた

雰囲気もさっきまでとは違い落ち着いていた

 

 

「心は闇に帰った」

 

 

雁夜とは違う声の主

そこから圧とも呼べるような一つの言葉

 

 

「世界は闇に始まり、闇に終わる。それは世界が違えど、変わりはしない」

 

 

右手の甲に刻まれた令呪を撫でる

 

 

「あらゆる心は、闇に帰るべきなのだよ」

 

 

「Gaaaaaaaaa!!」

 

 

 

その時、召喚されたバーサーカーが雁夜だった者に襲い掛かった

だがしかし

 

 

「遅い」

 

 

「Gaaa!?」

 

 

バーサーカーのメットを掴み、そのまま力任せに地面に叩きつける

その衝撃によりメットを中心に地面にクレーターが出来る

 

 

「自我を奪われた狂いし英霊よ。お前は何を想い、何がしたい?」

 

 

「Aaaaaaaaaa!!…Gaaaaaaaaaaa!!」

 

 

「応えられぬか。ならば」

 

 

雁夜だった者は抗い続けるバーサーカーのメットを掴む力を強くする

するとバーサーカーの全身に纏っていた闇が散っていく

 

 

「Aaa…aa」

 

 

「っふん!」

 

 

「Gaa!?…っがは」

 

 

その瞬間

鎧が凍結し、バーサーカーがそのまま硬直する

メットが半分に割れ、その素顔を晒す。顔も半分凍結し、瞳を動かすので精一杯だ

 

 

「そのままでいろ。時期にお前に相応しい狂化をくれてやろう」

 

 

そう言うとバーサーカーの周りに闇が吹き出し、体を徐々に飲み込んでいった

 

 

「お前には大いに役立ってもらうぞ。これから起こる戦いに向けてな」

 

 

雁夜だった者は,吹き出した闇と共に一瞬にして消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本来いるはずのない者が体現したこの時

 

運ぶはずのない命を動き始める

 




誰でもいいです。この続きを書いてほしい!

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