けものフレンズR 足跡を辿って   作:ナンコツ

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第三話 ちくりん Aパート

 こうやをぬけ、草木の生える平原を走るジャパリバイク。運転するともえちゃん、サイドカーに乗るイエイヌちゃん、タンデムシートに乗るゴマちゃんことG・ロードランナーちゃん、そしてハンドルに乗るボス達四人は新天地に足をふみいれたようです。

 

「ベイビー。ソロソロ、竹林地帯ノ“アヅアエン”ニトウチャクスルヨ。」

「ちくりん?」

「竹ガ、イッパイ生エテイル所ダヨ。子ネコチャンノスケッチノ一ツハ、キットココサ。」

 

 ボスの言葉を聞いたイエイヌちゃんは、さっそくスケッチブックを開き、スケッチをさがします。

 

「竹って、みきまでぜーんぶ緑色の木のことだよね?」

「ソウダヨ。ジョウ緑性ノ多年生植物デ、種類ニモヨルケド、ワズカ数カ月デ立派ナ竹ニ成長スルヨ。アマリニ成長ガ早スギテ、アットイウ間ニ周リガ竹ダラケにナルカラ、他ノ種ヲクチクシヤスイノガ、今日ノオ昼ヨリモ悩マシイ点サ。」

「お昼はジャパリパンにしようぜー。」

「みどり、みどり……あっ、これですよともえさん!」

 

 イエイヌちゃんはもんだいのスケッチをともえちゃんに見せます。たしかに、竹林にすべり台やブランコのような遊具がおかれ、ベンチでだれかがねているスケッチがあります。葉っぱ以外も全て緑なので間ちがいありません。

 

「おー、これかぁ。ねてるフレンズがかかれてるから気にはなってたんだよねー。」

「着いたら遊びましょう、ともえさん!」

「へん!そんなヒマねーだろ?」

 

 わくわくしながらしっぽをふるイエイヌちゃんとはちがい、ゴマちゃんはふきげんです。それもむりはないかもしれません。なにせ、プロングホーンちゃんから引きはなされてむりやりに連れてこられてしまったのですから……。

 

「ご、ごめんって。反省してるから~。」

「もしつまんないとこだったら、帰るからな。」

「あっ、竹ってひょっとしてあれですか?」

 

 イエイヌちゃんが前方を指さします。その先には、うっそうとしげった竹竹竹。竹のジャングル、竹のみっしゅう地帯が広がっています。

 

「なんだかこわいね~。」

「ビビったんならもどってもいいんじゃねーか?」

「でも、あそこにきっと記おくの手がかりがあるはずだし……。それにかわいいフレンズだっているかもしれないし!だいじょーぶだいじょーぶ!」

「マカセテ。今度ハボクガ、ササット道アンナイヲシテ……。」

 

 とボスが言いかけたところで、サングラスの奥がぴかぴかと赤く点めつします。なにごとかと思う間もなく、バイクはゆっくりとスピードを落としていきます。

 

「パワーダウン……パワーダウン……。バッテリー充電ノタメニ、テイ車ヲスイショウ……バッテリー充電ノタメニ、テイ車ヲスイショウ……。」

「えぇ~!?ここで!?」

「バッテリーってなんだよ?」

「バイクを動かすエネルギーみたいなのだよ。これがなくなると止まっちゃうの!」

「マジ!?じゃあ、フツーに足であそこを歩き回んの?」

 

 ゴマちゃんはあせりながらチラリと遠くのアヅアエンを見やります。遠くからでも見える竹は近づくごとに大きくなっていきます。それはまるで緑の大きなかいぶつを思い起こさせ、竹林の間からのぞく道はその口のよう。たしかにともえちゃんが“こわい”と思うのもむりからぬ話です。

 

「なんか……こわくなってきた……。」

「だ、だいじょーぶ……だよね?」

「心配いりません!ともえさん達はわたしがおまもりしますから!」

「マカセテ。ボクノアンナイニシタガエバ、マヨウコトハナイヨ。」

 

 イエイヌちゃんはむねを張ってせんげんし、ボスもサングラスを光らせながら自信マンマンに言い切ります。

 

「し、しんじていいんだよな?」

「わたしは……い、イエイヌちゃんとラッキーさんをしんじるよ!ゴマちゃんも、しんじよ?ねっ!?」

「ともえのこえ、ふるえてるぞ……。」

 

 どうしても不安の消えない二人。おねがいだから動いて……という思いもむなしく、ジャパリバイクは竹林のすぐそばで止まってしまい、おきざりにせざるをえなくなってしまいました。ボスが言うには、このバイクは自動で充電を行ってくれるため、4時間も待てばまた元気に走り回れるそうです。

 四人は不安なきもちをおさえつつ、アヅアエンへと入っていきます。そこにはどんな出会いがまっているのでしょうか……。

 

 

 こわごわとしながら先へ進んでいく四人。先頭はボス、後ろはイエイヌちゃん。ともえちゃんとゴマちゃんは、イエイヌちゃんの後ろをふるえながら歩きます。

 竹林は森林ほどじめじめした感じはありませんし、葉っぱが細長いせいか日当たりもそこまで悪くありません。しかし、行けども行けども竹しか見えず、先にすすんでいるのかもどっているのかはっきりしません。

 

「すごいなイエイヌ……。よくビビらずに歩けるよ。」

「わたしもこわいですけど……お二人がいてくれるから、だいじょうぶです。」

「イエイヌちゃんがいてくれてよかったよ~……。ねえ、ラッキーさん。本当にこの道で合ってるの?」

「……。」

 

 すると、ボスはなぜかピタリと止まり、何もしゃべらなくなりました。

 

「どうしたの、ボス?」

「くんくん……。」

 

 ボスのようすをあやしく思ったイエイヌちゃんは、周りのニオイを注意ぶかくかぎます。

 

「ともえさん……。ここ、さっきも通った道です。さっきかいだニオイがします。」

「えぇ~!?じゃあ、おんなじとこぐるぐる回ってたってのかよ~!?」

「ケンサクチュウ……ケンサクチュウ……。」

 

 サングラスごしでもボスのあせりが伝わってきます。どうやら、彼のあんないも間ちがいがあったようです。こうなってはあまりアテにならないかもしれません。

 

「どうしますか?わたしがニオイをたどれば、なんとかもどれるかもしれませんけど。」

「い、一度もどって、でなおすってのもありじゃねーか?」

「でも、ここまでけっこう歩いてきたし……今さらもどるのもなぁ……。」

 

 なやむともえちゃん。そこへ、上からがさがさとなにやら音が聞こえます。

 

「ともえさん!上からなにか聞こえます!」

「鳥か!?」

「サルか!?」

「セルリアンカ!?」

「いや……?」

 

 それは、ひときわ大きな音を立ててとびおりてきました。果たしてそれはてきか?それともみかたか?

 

「レッサーパンダです!」

 

 ポーズを取ってさっそうとあらわれたのは、白い耳に茶色いしっぽ、白い毛のまじった茶色のかみ、黒い長そでシャツに黒のホットパンツと黒タイツを着こんだフレンズ。ほにゅう綱ネコ目レッサーパンダ科レッサーパンダ属のレッサーパンダちゃんです。

 心細い中あらわれたフレンズにこうふんしたのは、もちろんともえちゃん。

 

「わ~、フレンズだー!めっちゃ絵になる~!」

 

 ともえちゃんはなりふりかまわず、レッサーパンダちゃんに飛びつきます。

 

「ひっ!た、食べないで~!」

「た、食べないよ。ごめんねいきなりだきついて。あやまるからそんなに泣かないで。」

 

 いきなり飛びつかれたレッサーパンダちゃんは、すっかりおびえて泣いてしまいます。

 

「レッサーパンダハ、木登リガトクイナンダ。スルドイツメヲ使ッテ、サカサマニナッテ木ヲオリルノモワケナイヨ。クマネコトイウベツ名ノトオリ、クマノヨウナ5本指ノ手デ、キヨウニ物ヲツカメルヨ。」

「ひぃ~!ボスがしゃべったぁ~!」

「そりゃボスがしゃべったらこわいよな~。」

「ごめんね、ごめんね、レッサーパンダちゃん……。」

 

 なんどもあやまって話どころではないともえちゃんをイエイヌちゃんがなだめつつ、ゴマちゃんが代わって話をします。

 

「おちついたらでいいけど、ちょっといい?あのさ、ちょっと道にまよっちゃってさ~。この先の道、知らない?」 

「ひくっ……。こ、この辺りのことならだいたいは……。」

「そっか。ならおれ達、こういうところを探してるんだけど。」

 

 そういって、ゴマちゃんはともえちゃんからスケッチブックを貸してもらい、竹林のページをレッサーパンダちゃんに見せます。

 

「ああ……。これ、ジャイアントパンダちゃんですね……。たまにいっしょに遊んでもらいます。」

「知ってるんだね!なら、あんないしてもらえるとうれしいんだけど。」

「だ、だいじょうぶです!あんないできます!おまかせください!えっと……。」

「あたしはともえ。よろしくね。」

「わたしはイエイヌです。よろしくお願いします。」

「そして、ロードランナー様もなっ。」

 

 三人は自信をとりもどした泣き虫のレッサーパンダちゃんに、道あんないをおねがいします。

 と言っても、こんな泣き虫にちゃんとあんないできるのかとちょっぴり不安はありました。しかしそれはきゆうに終わりました。分かれ道でも彼女はおちついてニオイをかぎながら道をえらび、先へすすんでゆきます。

 

「レッサーパンダハ、キュウカクハアマリヨクナイケド、コウモンノマワリノシュウセンガ発達シテイテ、オスハコレヲコスリツケタリ、フンベンデナワバリヲマーキングスルンダ。ヒョットシタラ、オ気ニ入リノ場所ニ、ツバヲツケテイタノカモシレナイネ。」

「ふ~ん、ツバまでつけてなわばり主張するのか~。」

「つ、つけてません!わたしにだけわかるニオイがあるんです!」

 

 レッサーパンダちゃんはなみだ声で、しっぽをぶんぶんふりながら主張します。フレンズになってもなにかしらのニオイをつける方法があり、それでつけたニオイをたどった……ということにしておきましょう。

 ともあれ、レッサーパンダちゃんのおかげで四人は遊具のある広場にたどりつくことができました。

 竹のすべり台、竹のジャングルジム、竹のベンチ、タイヤのついたブランコには……。

 

「ん?だれかいるよ?」

「あっ、じゃ、ジャイアントパンダちゃん!?」

 

 レッサーパンダちゃんがブランコでねているフレンズに近づきます。そのフレンズは白と黒のセーラー服を着こみ、黒い耳と白いかみに黒いしっぽが生えています。白と黒……そう、彼女こそほにゅう綱ネコ目クマ科ジャイアントパンダ属のジャイアントパンダちゃんです。

 ジャイアントパンダちゃんはクサリのブランコに吊り下げられたタイヤで丸くなってねむっているようです。スケッチにかかれたねている子はきっとこの子です。

 

「ジャイアントパンダちゃん、お客さんよ。」

「え~?お客さん~?」

 

 ジャイアントパンダちゃんはネボケまなこで周りを見まわします。するとそこには、見なれない三人のフレンズとサングラスをかけたボスがいるではありませんか。

 

「あら~、こんにちは~。」

「はじめまして!あたしともえ!あなたもとってもかわいいフレンズだね!」

「わたしはイエイヌともうします。」

「ロードランナー様もよろしくなっ。」

「これはごていねいに~……。わたしはジャイアントパンダともうします。何もおかまいできませんがわたし、ちょっとベンチのほうでねますので、こちらでご自由に遊んでいってください。」

 

 というと、ジャイアントパンダちゃんはそそくさとベンチに向かって歩きます。そしてベンチにのっかると……。

 

「ではおやすみなさい~……。」

「ね、ねないでよぉ~。いっしょに遊ぼうよ~。」

「ごめんね~。もう少ししたら遊ぼ~……。」

 

 なんと、またねむりについてしまいました。しかもレッサーパンダちゃんがたのんでいるのに、です。彼女はねぶそくのフレンズなのでしょうか?

 

「こいついつもこうなの?」

「はい……。ジャイアントパンダちゃんはいつも、ねては食べてまたねて……をくりかえしてるんですよ。」

「ラッキーさん、ジャイアントパンダちゃんってそんなにぐ~たらなの?」

「ジャイアントパンダハ、一日ノホトンドヲ食事ニツイヤシ、他ハスイミンニツイヤシテイルヨ。一日ニ食ベル竹ノ量ハ、15kgイジョウト言ワレテイルンダ。」

「竹って力つくの?」

「竹カラエラレルエネルギー量ハ、少ナイヨ。オマケニ、モトモトハ肉食動物ダッタカラ、消化モウマクイカナイヨ。ダカラ、ジャイアントパンダハ、アマリ動クコトガデキナインダ。イツデモ彼ラハ、バッテリー切レノバイクサ。」

「ならお肉を食べればいいのに……。」

「ソレデモ肉ヨリナニヨリ、竹ヲユウセンシテ食ベルヨ。理由ハフメイダヨ。」

「なぞの多いフレンズさんなんですね……。」

 

 イエイヌちゃんもジャイアントパンダちゃんのなぞの生たいにきょうみを持ったようです。ジャイアントパンダちゃんに近づいてはくんくんとニオイをかいでいます。

 

「動物だったころは竹を食べていたそうです。でも今はジャパリまんを食べてるんです。」

「食べるものが変わっても動かないのか。なんでだろう……?」

 

 ゴマちゃんは、ジャイアントパンダちゃんのねすがたをまじまじとながめ、かんさつしています。それでもジャイアントパンダちゃんは動きません。

 

「じゃあ、どういう時に遊んでくれるの?」

「たまたま起きている時に声をかけると遊んでくれます。けど、わたしが帰るとすぐまたねちゃいます。いちどねちゃうとなかなか起きてくれなくて……。」

「そんなぁ……。じゃあ、せっかくだからスケッチでもしながら起きるのをまとっか。」

 

 スケッチのためにまずともえちゃんは、公園のぜんたいを見ようと少しきょりをとります。しかしその時、ともえちゃんははたと立ち止まってしまいました。

 

「……。」

 

 ともえちゃんに一体、何があったというのでしょうか?

 

 

 

続く




動物のパンダとレッサーパンダかわいい。資料を見ていて改めて思いました。
放置すると自動充電するバイクが明らかにオーバーテクノロジーな感じですが、部屋に入っただけで充電できるスマホが研究中らしいですし、なにより一時間の充電で悪路でもガンガン走れるバスがある世界なのでこれもありかなと。
まあ大目に見てください。
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