アニメオリカ勢第二弾、相手が融合次元の人間なのでカレーデッキにしようとしたんですが玉葱がいなかったのでほぼまんま彼のデッキです。
≪お前は完璧な料理とやらを作ることが楽しいのか?
それとも、完璧な料理を作って喜ぶ人を見るのが楽しいのか?≫
彼にそう問われた時、僕は迷ってしまった。
≪前者ならお前は料理人じゃないな。≫
迷ってはならない問いを僕は即答できなかった。
彼と彼のお母さんが、僕の料理教室に来たとき、彼はあまりものの野菜の皮や切りくずを使って1品作ってしまった。
それが当時の僕は許せなかった。
僕の作った完璧な献立を侮辱されたと思い、彼に柄にもなく喧嘩を吹っ掛けた。
≪僕と勝負をしてもらう!もちろん料理でね。≫
もちろん、僕にもプライドがあったから何を作るかは彼に決めてもらった。
≪やれやれ、じゃあ・・・麻婆豆腐で≫
種目は麻婆豆腐、季節は夏だ。
うんと汗をかいて食べる麻婆豆腐は最高においしいだろう。
≪いいよ、僕の完璧な麻婆豆腐で、おもてなしてあげるよ!≫
ニンニク山椒、トウガラシ、長葱、ガラスープに叩いて作った豚ミンチ
僕の持てる全てを使って作った完璧な麻婆豆腐
そして、彼が作った麻婆豆腐はと言うと、肉味噌の乗った冷奴だった。
≪君、麻婆豆腐で勝負って言ったよね?≫
≪なにを言っている、ちゃ~んと麻婆豆腐さ。≫
≪えっ!?≫
彼の言っていたことは本当で、肉味噌にはガラスープの味がちゃんとついていたし、醤や葱の風味、山椒の爽やかな辛さを感じられた、冷たい麻婆豆腐と言えるものだった。
≪あら、美味しいわねこれ!≫
≪うん、作り方も見ていたけど簡単そうだし、私でも作れそう!≫
≪あまり辛くないから、汗とか気にしなくていいわねぇ~≫
≪冷たくていいから、作り置きも出来そう。≫
≪油もあんまり使ってないから、ヘルシーね。≫
≪そうそう、遊矢の作ったこれお酒にも合うのよ~≫
審査してもらった奥様方の声を聞いて確信した。
彼は審査してもらう人たちの好みそうなものを作ったのだと
結果は僕の負け、むきになって彼にデュエルで勝負を仕掛けたけど結果は惨敗
僕のプライドはボロボロになった。
その後に問われたのがあの質問だ。そして同時に思い出したのがパパの言っていた言葉
≪料理に完璧なんてない。
いや、あるとすれば食べる人のことを考えて、常に工夫し続ける事。≫
思い知らされた。
僕は完璧に固執するあまり、食べてくれる人のことを考えるのを怠ってしまっていたことに
それを気付かせてくれた彼、榊 遊矢に僕は感謝した。
≪ありがとう。
君のおかげで大切なことを思い出せたよ。≫
≪よせやい。
俺はただ麻婆豆腐が食べたかっただけだからな。≫
そのあと、僕らはなんとなく意気投合して、鉄平君を紹介してもらったり、料理のアイディアを交換したりして仲良くなった。
そして、いつもは彼が僕の舞台に上がってきてくれるけど、たまには僕が彼の舞台に上がってみようと思いこの大会へ参加した。
「うん、今日もバッチリだ。」
確認をして僕はスタジアムに向かう。
さぁ、僕の工夫を凝らした最高のレシピ(デッキ)で、最高のおもてなし(デュエル)をしよう!
柚子の試合が始まる前、飲み物を買ってくると母さんと修造さん、それとちびっこ3人が席を離れた間、何の因果か俺と素良が席番として残された。
「ねぇ、遊矢。」
「あぁ、何だ?」
「僕ね、妹がいるんだ。って言っても双子のだけど。
美宇っていうんだ。」
妹?それは・・・
「へぇ~じゃあ、その二重人格みたいなぶりっこは、可愛い妹に対抗するためか?」
「正解。ホント可愛い妹だったよ。」
だったか・・・
「美宇はちょっと体が弱くってさ。
パパもママも美宇に付ききりで、僕はそれに嫉妬して気づいたらこんなんになっちゃった。」
「でも、親にぶりっこしたところで意味はないんじゃないか?」
「ははっ、そうだね。うん。
だからかな?パパもママもわざとどっちかを構って、僕らを嫉妬させて遊んでいたような気がする。」
「ほぉ~それはそれは、素良の両親らしく、悪戯好きで意地の悪いことで
で、唐突にどうしたんだよ?こんな話するなんて。」
「うん、ごめん
でも、知ってほしかったんだ。本当の僕を・・・」
「・・・・・・」
「僕、ちょっと人に酔っちゃったから、外の空気吸って来るね。」
素良は諦めたような、仕方のないような、やるせない笑顔をして俺に背を向け立ち上がる。
「バイバイ・・・」
そう一言つぶやいた後はこちらに一度も振り替えることもなく、素良は去っていった。
観客席で戦闘をするわけにはいかない。
ここで素良を引き留めても、何故アカデミアの事を知っているのかと疑われるだけで、良い言い訳は思いつかない。
八方塞がり、追うことは出来ない。
「バイバイか・・・」
≪だから自分のデュエルを、どんな時でもショーだと言い張れたんだろうよ。≫
――そうだ、彼の
――だから、僕はあの人に憧れてエンタメデュエルを志すようになったんだ。
≪派手さだけで楽しませるんなら、それこそ花火やサーカスでも見に行けばいい話だ。
デュエルでやる必要はない。≫
――先生にも言われたよ。
――僕のエンタメは派手なだけだと、何のメッセージも伝わってこないと・・・
――そりゃそうさ、僕は僕のエンタメで笑顔になってくれる人がいたら、それでいいんだから
――でも・・・
≪俺はあの人を
人柄一流、デュエル三流の二流手品師だ。≫
――先生、貴方がデュエリストでないのなら、僕はいったい何なのですか?
『さぁ、お隣でLDSアナトリア校のハリル選手と、遊勝塾の柊 柚子選手の対決が行われている中、こちらも注目の対決です!
まずは霧隠料理スクール所属、天才料理人デュエリスト!茂古田 未知夫選手!!』
スポットライトが当てられた入場口から糸目の少年、茂古田 未知夫が悠々と歩き、観客たちに軽く手を振る。
――ミッチイイィィィィ!!
『対しますは、LDSブロードウェイ校からの参戦、デニス・マックフィールド選手!・・・おや?』
反対側の入場口から現れたのは朱色のパーマのかかったオレンジ色の髪をした長身の少年
だが、その姿は一回戦の時に見せた華麗なパフォーマンスをする派手好きの少年とはかけ離れた大人しい、どこか落ち込んでいる様にも見える姿
散々、とんでもないパフォーマンスをするデュエリスト達に慣れたニコは逆に呆気にとられてしまった。
「どうしたんだい?元気なさそうだけど?」
未知夫も一回戦での彼のパフォーマンスを見ていたので訝しんだ。
「あ、うん、なんでもないよ・・・」
「そうかい?」
いまだに訝しんだままである未知夫と同様のニコであったが、このままであれ、それは選手個人の問題であろうと考え、司会者という立場上進行を進める。
『ふむ・・・では、そろそろ始めさせてもらいましょう!
アクションフィールドオン!フィールド魔法、マジカル・ブロードウェイ!!」
リアル・ソリッドビジョンシステムが起動し、薄暗くなったスタジアムが煌びやかな電飾やネオンに彩られたビル街へと変化する。
「ここは・・・!!」
『さぁ、戦いの舞台はアクションデュエルのパイオニア、榊 遊勝の最も得意としたブロードウェイフィールド!
アクションデュエルの新たな時代を担う、御二人がこの場でどんなデュエルを見せてくれるのか!
では、参りましょう!戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!』
「「地を駆け、宙を舞い、モンスターと共にフィールド内を駆け巡る。」」
『これぞ、デュエルの最強進化系!アクショーン!』
『『
「先攻は僕からみたいだね。
僕はマジックカード、食券乱用を発動
デッキから
僕はデッキから
さらに
僕は今、手札に加えたレベル6のプリンセス・プリンをデッキに戻し2枚ドロー
もう一枚、マジックカード、九字切りの呪符を発動
このカードは1ターンに1度、手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、レベル9モンスターを墓地へ送り、デッキから2枚ドローする。
食券乱用の効果で手札に加えたレベル9、クイーン・オムレツを墓地へ送り2枚ドロー
ふふ、なかなかいい仕込が出来そうだよ。手札からトーチ・ゴーレムを君の場に特殊召喚。」
「!?僕のフィールドに!?」
トーチ・ゴーレム ATK3000
デニスのフィールドに現れる顔や頭に当たる部位がない丸鋸や鎖が生えた生気と言うものを感じさせない無機質な鋼の巨人
代わりに未知夫のフィールドにはトーチ・ゴーレムを縮めた様な2体のトークンが並ぶ
トーチトークン ATK0
トーチトークン ATK0
「トーチ・ゴーレムは僕の場にトーチトークンを2体攻撃表示で特殊召喚する事によって、相手の場に特殊召喚出来る。
代わりに僕はこのターン、通常召喚することは出来なくなるけどね。
さて、これで仕込みはバッチリ、僕はマジックカード、インスタント・クッキングを発動
相手の場に居るモンスターのレベルの合計以下のレベルを持つ
トーチ・ゴーレムのレベルは8、よって僕はレベル8以下の
まずは軽食でもいかがかな?お出でませ!レベル8、
ナイト・ナポリタン「ナポー!」
ATK300
ナイト・ナポリタン「ナポー!」
ATK300
プリンセス・プリン「プリンプリーン。」
ATK300
フォークを構え、皿を背負ったギリギリ人型に見えるように盛られたナポリタンパスタとデザートスプーンを持った可愛らしい顔の付いたプリンアラモード
余りにもファンシーなモンスター達に対し無機質なトーチトークンが完全に浮いている。
「僕はカードを1枚伏せ、ターンエンド。
さぁ、御持て成しの準備はバッチリだ。とくと味わってくれたまえ!」
『茂古田選手、先攻で3体もの高レベルモンスターを展開!
軽食と言うにはパスタ2皿、デザート付は少々重いと思いますが、この布陣をデニス選手は崩すことが出来るのかー!!』
「僕のターン、ドロー
僕は
トリック・クラウン「ヘヘッ!」
ATK1600
「1名様ごらいてーん!ここで、僕はRCMナイト・ナポリタンの効果発動
相手がモンスターを召喚、特殊召喚した時、自身を手札に戻すことでそのモンスターを破壊する。たんとお上がりませ!満腹全席!!」
片手逆立ちをするピエロ、トリック・クラウンの口に自分をドンドン食べさせるナイト・ナポリタン。
いつしかトリック・クラウンの腹は丸々と膨らみ、終いには破裂してしまった。
「あ・・・トリック・クラウンの効果発動
1ターンに1度、このカードが墓地へ送られた場合、
僕はトリック・クラウン自身を守備表示で特殊召喚。」
トリック・クラウン「ヘヘッ!」
DEF1600→0
ATK1200→0
「その後、自分は1000ポイントのダメージを受けるけど、この効果に対して手札の
自分にダメージを与えるマジック、トラップ、モンスター効果が発動した時、発生するダメージを0にして自身を特殊召喚する。」
トリック・クラウンが手に持つロッドがデニスに向かって、放たれるとそれを食らって、マントを付けた爆弾ともいうような見た目のモンスターが現れる。
フレイム・イーター ATK1200
「一名様ごあんなーい!2体目のナイト・ナポリタンの効果発動、そのモンスターも破壊させてもらうよ!」
「その前に、フレイム・イーターの効果発動
このモンスターが召喚、特殊召喚に成功した時、お互いのプレイヤーに500ポイントのダメージを与える。
でも、僕は手札の2体目のフレイム・イーターを特殊召喚する事で、僕へのダメージを0にする。」
「またまた一名様ご来てーん!!
プリンセス・プリンもナイト・ナポリタンと同じく、自身を手札に戻すことで相手がモンスターの召喚、特殊召喚に成功した時、そのモンスターを破壊することが出来る。
よって、そのフレイム・イーターも破壊させてもらうよ。満腹全席!」
デニスのフィールドに現れた2体のフレイム・イーターの口に次々と自身を食べさせるナイト・ナポリタンとプリンセス・プリン
最終的に押し込めるようにして無理やり食わせ、未知夫の手札に戻って行ったが、2体のフレイム・イーターは巨大な爆弾となってしまっていた。
「でも、召喚された時点で君への2体分のフレイム・イーターのダメージは確定している。
僕は一体分だけどね。」
LP4000→3500
「うわっ!」
LP4000→3500→3000
破裂したフレイム・イーターの中から火の粉が飛び散り、未知夫とデニスを焦がす。
――あぁ!ミッチー!?
「・・・さぁ、これでFinishだ。君のくれたモンスターでね!
トーチ・ゴーレムでトーチトークンにこうげ」
「残念だけどそうはいかないよ!
トラップ発動、スウィッチ・ヒーロー、お互いのフィールドのモンスターの数が同じ場合、そのモンスターのコントロールを全て入れ替える!」
「なっ!?」
2人の間のフィールドの下から何故か、中華の食卓テーブルの回転台の様なモノが現れ、2人のモンスターが回転テーブルに乗り入れ替わる。
『おっと、ここでまさに大逆転!
フレイム・イーターは自身の効果により除外されてしまいましたので、デニス選手は手札3枚を失った上に、墓地もモンスターなし、フィールドには攻守0のトークン2体のみと言う窮地に立たされてしまったー!!』
――ミッチーすごーい!!
――もっとすごいの見せてー!!
未知夫の一挙一動に観客たちは湧き、声援を送る。
「くっ!だったら!!」
デニスは宙に浮かんでいるフープを鉄棒の様に使い高く舞いアクションカードを手に入れる。
それを見ていた未知夫も、何かあると思いアクションカードを手に入れるために動く
「僕は速攻魔法、手札断殺を発動させて、手札のアクションカードと
「でも、その効果は僕にも及ぶ、アクションカードをいただきまして!
このカードとプリンセス・プリンを捨て僕も2枚ドロー。」
「僕はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ。」
「では、僕のターンだね。ドロー
僕はマジックカード、トレード・インを発動
その効果により、手札のレベル8モンスター、
もう1枚マジックカード、おろかな副葬を発動
デッキからマジック、トラップカードを1枚墓地に送るよ。
僕はデッキから永続トラップ、食罪庫を墓地に送る。
ここでさらにマジックカード発動だ。
発動させるのは再びトレード・イン、よってナイト・ナポリタンを墓地に送り2枚ドローだ。
よし、じゃあそろそろ、メインディッシュを楽しんでもらおうかな?」
「!?」
「マジックカード、ブーギートラップ
手札を2枚捨てることで自分の墓地のトラップカード1枚を自分フィールド上にセットする。
僕は
さぁ、これで仕込みは出来た!
ブーギートラップの効果で伏せたカードはそのターンで使える、永続トラップ、食罪庫発動!!」
煌びやかな街中にいきなりデンと現れる腕の様な取っ手の付いた丸っとしたポットか冷蔵庫の様なモノ
前面につけられた扉が開くとこのターンに、墓地へ置かれたCMたちがその中へと入ってゆく
「このカードの発動時、このターン墓地へ送られた
そして、この効果で重ねられたカードの枚数だけ、デッキから
「なっ!?」
「このターンに墓地へ送られたのはCMタマゴングとナイト・ナポリタンが2体ずつ、よって僕はデッキから
「いっきに4枚も・・・」
「さて、もうひと手間と行こうか!
クイーン・オムレツを墓地に送ってマジックカード、九字切りの呪符を発動、さらに2枚ドローだ。」
新たに引いたカードを見て未知夫はほくそ笑んだ。
「最高のカードが来た。
僕のとっておきのレシピを披露しよう!永続魔法、ワンダー・レシピ!
このカードは1ターンに1度、自分フィールド上に食罪庫がある場合、その下に重ねられたカードの枚数まで手札の
食罪庫に重ねられたカードは4枚、たっぷり食材でボリューミーなおもてなしをさせてもらうよ!
ワンダー・レシピの効果で
クイーン・オムレツ「オム~」
ATK300
ナイト・ナポリタン「ナポー!」
ATK300
プリンセス・プリン「プリ~ン」
ATK300
未知夫の場に現れる黄金に輝くふわふわのオムレツ、赤くも色とりどりの野菜の入ったナポリタン、きらきらと可愛らしくトッピングされたプリンアラモードが並ぶ
――ミッチーのセットメニューよ!
――あぁ~ん、カロリーが気になっちゃうけど、おいしそ~
――なんだかお腹が空いてきちゃうわ~
「おっと、お代は前払いでお願いするよ。
ワンダー・レシピは、このカードの効果で特殊召喚したモンスター1体に付き300ポイントのダメージを与える。
三体分のお代、ライフでお支払い願おうか!」
3体のモンスターに刻まれた紋章が輝き、デニスに向けて光弾が発射される。
「Oh!?」
LP3500→2600
「さすがに、もうダメージカットは出来ないようだね。
ここでナイト・ナポリタンとプリンセス・プリンの効果をクイーン・オムレツを対象に発動
この2体の攻撃権をこのターン放棄することで、クイーン・オムレツの攻撃力を倍加する。もっとおいしくなーれ!」
クイーン・オムレツ ATK300→600→1200
クイーン・オムレツにナイト・ナポリタンが瑞々しいフレッシュトマトで作られたトマトソースをかけ、プリンセス・プリンが生クリームたっぷりのホワイトソースをかける。
二色のソースに彩られたクイーン・オムレツは煌びやかなブロードウェイにも負けない輝きを放つ
(前のターンにトーチトークンを守備表示にすることが出来たのにしてないし、伏せカードがトラップなのは確実
でも、彼のデュエルスタイル的に破壊系の可能性は少ないかな?
攻撃妨害系なら、さっき手に入れたこのアクションカードでどうにかなるか・・・)
「よし、トーチ・ゴーレムでトーチトークンに攻撃だ!」
「甘いよ!僕はトラップカード、ダブルマジックアームバインドを発動
自分フィールドのモンスター2体をリリースし、相手の表側表示モンスター2体のコントロールを自分のエンドフェイズまで得る。
よってトーチトークンを2体リリースし、君の
2体のトーチトークンが2本のマジックアームへと変貌し、クイーン・オムレツとプリンセス・プリンをデニスのフィールドへと連れ去る。
「ごめんね。僕は少食だからMaindishとDessertだけ、頂くよ。」
(トーチ・ゴーレムじゃなくてプリンセス・プリンのコントロールを?
次のターンの召喚妨害を防ぐためかな?でも、逃がさないよ。)
「残念だけど、お残しはいけないなぁ~
アクションマジック、イリュージョン・ファイヤー発動
自分フィールドのモンスター1体を選択し、このターンそのモンスター以外攻撃できなくなる代わりに、そのモンスターは自分フィールドの他のモンスターの数まで攻撃できる!
よって、トーチ・ゴーレムはこのターン2回の攻撃が可能だ!」
「おっと、それはまずいね。
じゃあもう一枚トラップカード、マジカルシルクハット発動!
このカードは相手バトルフェイズ中に発動でき、デッキからマジック、トラップカードを2枚選び、そのカードを攻守0の通常モンスター扱いで、自分のモンスターゾーンのモンスター1体と合わせシャッフルし、裏側表示でセットするよ。
僕はプリンセス・プリンとデッキから永続トラップ、マジシャンズ・プロテクションと装備魔法、黒いペンダントをシャッフルしてセットだ。」
プリンセス・プリンにハテナマークの描かれた巨大なシルクハットが被せられ、そのシルクハットが3つに分裂する。
「むっ、だったら、まずはトーチ・ゴーレムでクイーン・オムレツに攻撃させてもらうよ。」
無機質な巨人トーチ・ゴーレムの拳がソースで着飾ったクイーン・オムレツに叩き込まれ、デニスに向かってソースと卵がぶちまけられるが、その前に星の描かれたとんがり帽子と緑色のマントを着た人形が現れ、そのすべてを自分で被る。
「ふぅ、危なかった。
バトルフェイズ中に手札のこのカードを墓地へ送ることで、このターンの戦闘ダメージを1度だけ0にする。」
「だったら、右のシルクハットに攻撃だ!」
トーチ・ゴーレムの拳が今度はシルクハットへと叩き込まれるが、その中に入っていたのは黒い石のはめ込まれたペンダント
「うっ、黒いペンダントはフィールドから墓地へ送られた時、相手に500ポイントのダメージを与える。ハズレみたいだね」
「おっと、それは違うな、大ハズレさ!
ここで墓地の
自分の墓地にこのカード以外の
「何だって!?」
未知夫はすかさず、近くに浮いているフープを使い、高く舞いアクションカードを入手する。
「さぁ、華々しく、爆ぜろ。」
――パッチン!
デニスの指パッチンに合わせ、砕けた黒いペンダントの残骸は花火の様に華麗に爆ぜた。
「アクションマジック、加速!
効果ダメージを1度だけ無効にする!スティルツ・シューターのダメージは無効だ。うっ!!」
LP3000→2500
未知夫のいた空中で爆ぜた花火だが、未知夫は加速の力でその場から離脱、だが躱しきれずに火花を少し被った。
――あぁん、ミッチー!!
――デュエルでもすごいわ、あの大ダメージを回避するなんて!!
――ガンバレー!ミッチー!!
「・・・さぁ、ここからどうするんだい?」
――なぜだ、負けているのは彼の方なのに、なんで彼に歓声が上がるんだ?
「やるねキミ、僕はこれでターンエンドだよ。」
「エンドフェイズの前にバトルフェイズ終了時にマジカルシルクハットの効果でセットされたダミーは破壊される。
そして、マジシャンズ・プロテクションがフィールドから墓地へ送られたことで効果発動
僕の墓地から魔法使い族モンスターを1体特殊召喚するよ。
戻っておいで、
ダメージ・ジャグラー「ベェー!」
ATK1500
「そうはさせないよ。
ナイト・ナポリタンの効果発動、満腹全席!」
ジャグラー人形の口にナポリタンが詰め込まれ、その腹が膨らみ破裂する。
このデュエルが始まって何度も見た光景、だがこれでデニスのターンが始まる前に未知夫のフィールドからすべての
「これでやっとまともにモンスターを出せるよ。
僕のターン、ドロー
僕はマジックカード、モンスターゲートを発動
自分フィールド上のモンスター1体をリリースして、通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、そのモンスターを特殊召喚する。それ以外のカードは全て墓地に送る。
僕は伏せている
おいで、チョコ・マジシャン・ガール!」
ピンクのハートに黄金の蝙蝠の翼が生えた飾りがその翼をパタパタと羽ばたかせ、デニスの下に飛来すると、ボンっという煙とともに露出の多い青い魔導服を着た蝙蝠の羽根の生えた少女が現れる。
チョコ・マジシャン・ガール「じゃ~ん!」
ATK1600
「さて、ここでダメージ・ジャグラーのさらなる効果と行こうか!
墓地のダメージ・ジャグラーを除外して効果発動
このカードを除外し、デッキからダメージ・ジャグラー以外の
僕は2体目の
そして、ここで彼女の効果を使おうとしようか、チョコ・マジシャン・ガールは1ターンに1度、手札から魔法使い族モンスターを1体捨てることで自分はデッキから1枚ドローする。
よってこの手札に加えたスティルツ・シューターを捨てて1枚ドローだ。
Wao!今日の僕はツイてるな~
ハットトリッカー ATK1100
現れたのは三又になったとんがり帽子と緑色のマントにオレンジのサングラスに手袋、とそれだけのモンスター。身に着けている人物などなく、衣類のみが組み合わさって浮いているようだ。
「さて、バトルと行こうか!」
「えっ!?」
「ハットトリッカーでトリッククラウンを攻撃!」
ハットトリッカーの手袋だけが飛んでいきトリッククラウンにデコピンをかます。
トリッククラウンはそれを受けるとわざとらしく倒れながら破壊された。
「此処で墓地へ送られたトリッククラウンの効果発動
墓地から
さぁお帰り!
トリッククラウン「へっ!」
DEF1200→0
ATK1600→0
「でも、その効果を使ったら君は1000ポイントのダメージを受けるんだよね?」
「いいや、ここでMiracleMagicだ!」
デニスのフィールドに現れたトリッククラウンが持っている杖を上に回転させながら投げ飛ばすと、それは炎を帯びて火球となりデニスへ落ちようとするが、ハットトリッカーがその火球をマントで包み、その中身を更に上へ放り投げると大輪の花が咲く
――バンッ!バンッ!バンッ!
ハットトリッカー C0→1
「ハットトリッカーは自分への効果ダメージが発生した時、このカードにカウンターを置くことでそのダメージを0にできるんだ。」
――わ~綺麗ね~
――華やかだわ~
「ふふん、じゃあそろそろ、僕のデュエルの主役にご登場願おうかな!
僕はレベル4のハットトリッカーとトリッククラウンでオーバーレイネットワークを構築!」
2体のモンスターが混沌の渦へと身を投げると、その中から1本と杖が天空へと投げられる。
「Show must go on!
天空の奇術師よ。華麗に舞台を駆け巡れ!エクシーズ召喚!」
杖の両端から光のロープが天に向かって張られ、ブランコのようになると、一人でに揺れ始め、いつの間にか輝く人型が疎の足場に現れる。
「現れろ、ランク4!
トラピーズ・マジシャン「アハハハハハハッ!」
ATK2500 ORU2
ブランコに片手でつかまりながらポーズを決め、その光のヴェールを脱いで現れたのは仮面をつけマントを羽織った白い道化師
「よし!」
デニスはトラピーズ・マジシャンの下へと跳び、その腕をつかみともに観客たちへとアピールをする。
「YhAaaaaaaa!Foooooooooooo!!」
笑いながら空中ブランコで芸をするトラピーズ・マジシャン、そして、デニス
2人の軌跡の後には虹色の光がキラキラとこぼれ、派手で美しい華やかなブロードウェイにはぴったりと言える。
そう、かつての栄華、そして今では忌むべき人、エンタメデュエリストの榊 遊勝のように
『なんとゴージャスな召喚でしょうか!』
「へえぇ~綺麗だね。」
「だろ?でも彼は美しいだけじゃないのさ。
トラピーズ・マジシャンが居る限り彼の攻撃力以下のダメージは全て0になる。」
「つまりそのモンスターが居るかぎり、2500以下のダメージは通らないっていう事だね。」
「その通り、さぁ、君も魅せてくれよ。ターンエンドだ。」
「あぁ、たっぷりと味あわせてあげるよ。
僕のターン、ドロー!
よし、僕はマジックカード、マジック・プランターを発動
このカードは自分フィールド上の永続トラップカード1枚を墓地に送ることでデッキから2枚ドローする。
僕は食罪庫を墓地へ送り2枚ドローだ
さらにマジックカード、貪欲な壺を発動
墓地のモンスターカードを5枚選択し、デッキに戻してシャッフルし、2枚ドローする。
僕は墓地のクイーン・オムレツ3枚とナイト・ナポリタン2枚をデッキに戻して2枚ドロー
さらにもう一つ!マジックカード、食券乱用を発動
デッキからクイーン・オムレツを2枚手札に加える。」
『茂古田選手、怒濤のマジックカード連打!一気に手札を6枚まで増やした!』
「でも、食券乱用で手札に加えたカードはこのターン、召喚も特殊召喚も出来ないんだろ?」
「その通り!でもそこはひと工夫
僕は手札のモンスターカード3枚、
モンタージュ・ドラゴン「ギャオオオォォォォォ!!」
現れたのは顔のない筋肉質な3つ首のドラゴン
細身の体には不釣り合いなほど、大きな腕、その割には頼りない翼など、どこかちぐはぐな印象を受ける。
「このモンスターの攻撃力はこのカードを特殊召喚するときに送ったモンスターのレベルの合計の300倍だよ。
クイーン・オムレツはレベル9、ナイト・ナポリタンはレベル8、よってレベル合計は26!」
モンタージュ・ドラゴン ATK7800
「Wao!まさか、トラピーズ・マジシャンのダメージ制限を易々と超えてくるとはね。」
「おっと、驚くのはまだ早いよ。
僕はザ・カリキュレーターを通常召喚。」
ザ・カリキュレーター ATK?
続き現れたのはレジ打ち機をそのままロボットにしたようなモンスター、顔の表示板にはすでに「×300」の文字が表示されて居る。
「また攻撃力が決まって無いモンスター?」
「そう、このモンスターの攻撃力はフィールドに居るモンスターのレベル合計によって決まる。
モンスタージュ・ドラゴンとトーチ・ゴーレムは共にレベル8、そしてザ・カリキュレーター自身は2、レベル合計は18、攻撃力はその300倍さ。よって」
ザ・カリキュレーターが胸のキーボードでレベルを算出し打ち込んでいき=が入力され、表示板に浮かぶ文字は5400
ザ・カリキュレーター ATK?→5400
『なんと茂古田選手!ここで戦略が一変!!ものすごい攻撃力のモンスターを連続召喚だー!!』
――すごいわー!ミッチー!!
「では行こうか!バトル!
モンタージュ・ドラゴンでトラピーズ・マジシャンに攻撃だ!」
攻撃の為に動き出すモンタージュ・ドラゴンに合わせるようにトラピーズ・マジシャンは、フープを使いマジカル・ブロードウェイの中を翔ける。
そして、途中で見つけたアクションカードをデニスへと投げ渡す。
「OHっと、これは・・・そうか、だったら、ここでトラピーズ・マジシャンの効果発動!
オーバーレイユニットを一つ使い、このターン、フィールド上のモンスター1体を2回攻撃できるようにする。
僕はこの効果をモンタージュ・ドラゴンへ向けて使う!」
「なんだって!?」
トラピーズ・マジシャンは周囲を回っていたオーバーレイユニットの一つをモンタージュ・ドラゴンへ向けて蹴り飛ばす。
「とっ同時にアクションマジック、バトル・チェンジを発動。
モンスター1体の攻撃対象を変更する。
モンタージュ・ドラゴンにはチョコ・マジシャン・ガールと戦ってもらうよ!」
えぇ~っというリアクションをするチョコ・マジシャン・ガール、その攻撃力の差は明らかなため仕方がない。
なので、彼女は墓地から代役を引っ張ってくることにした。
「チョコ・マジシャン・ガールが攻撃対象にされたことにより効果発動!
墓地のチョコ・マジシャン・ガール以外の魔法使い族モンスター1体を特殊召喚し、攻撃対象をそのモンスターに移し替え、攻撃してきたモンスターの攻撃力を半分にする。
またまた出番だよ!
トリッククラウン「へへっ、へ!?」
DEF1200
モンタージュ・ドラゴン ATK7800→3900
また出番かと意気揚々に出て来たトリッククラウンだったが、バトルさせられそうになっているのは半分になってもなお強力なドラゴン
一介のピエロには荷が重いとデニスに泣き顔を見せる。
「では、彼ばかりに仕事させてないで、僕も動こうかな!っと!!」
トラピーズ・マジシャンが再び空中ブランコを作り上げ、デニスはトラピーズ・マジシャンと共に大きく宙を舞う。
そして、ビルの窓に張り付いていたカードをそのまま発動させる。
「アクションマジック、イリュージョン・ダンス!
フィールドのモンスターはすべて守備表示になる!」
トラピーズ・マジシャン ATK2500→DEF2000
チョコ・マジシャン・ガール ATK1600→DEF1000
モンタージュ・ドラゴン ATK3900→DEF0
ザ・カリキュレーター ATK5400→DEF0
トーチ・ゴーレム ATK3000→DEF300
発動させたカードの効果で、何故か踊り出すモンスター達
ノリノリで踊るデニスのモンスター達に比べて、未知夫のモンスター達は首や手を適当に動かしているだけでステップも何もありはしない。
ただ、巨大なトーチ・ゴーレムが足踏みをしているので、フィールドが無駄に揺れている。
「う~ん、全て守備表示になってしまったのなら仕方ないか・・・
バトルフェイズは終了するよ。」
「ふふ、It’s Showtime!!」
――バーンッ!!
バトルフェイズが終了した瞬間、モンタージュ・ドラゴンがいきなり爆散した。
「な!?」
「ごめんね。トラピーズ・マジシャンの効果を受けたモンスターはバトルフェイズ終了時に破壊されてしまうんだ。
そして、イリュージョン・ダンスの効果も切れて表示形式が変わったモンスターも元に戻る。」
トラピーズ・マジシャン DEF2000→ATK2500
チョコ・マジシャン・ガール DEF1000→ATK1600
ザ・カリキュレーター DEF0→ATK5400→3000
トーチ・ゴーレム DEF300→ATK3000
「やるね。僕はカードを1枚伏せてターンエンドだ。」
「じゃあ、僕のターンだ、ドロー
うん、いいカードだ。僕はマジックカード、強欲で金満な壺を発動
自分のメインフェイズ1開始時に、自分のエクストラデッキから3枚または6枚、裏側表示で除外することで3枚に付き1枚ドローする。
その代り、このターン僕はこれ以降カード効果でドローできない。
僕は6枚のカードを除外して2枚ドロー。
永続魔法、バリア・バブルを発動させてトラピーズ・マジシャンの効果を自身に対して発動
これでトラピーズ・マジシャンは2回攻撃できるようになった。」
「でも、攻撃力は僕のモンスター達の方が断然上だよ?」
「それは・・・あのカードを取ってから言ってもらおうか。」
デニスが見つめる先には、流れるネオン文字に連動して動いているアクションカード
デニスはそれをトリッククラウンとチョコ・マジシャン・ガールによる人間トランポリンで高くジャンプして取り、トラピーズ・マジシャンがすかさず、デニスの腕をつかみ安全に下に降ろす。
「やった、これで大逆転だ!アクションマジック、バイアタック
モンスター1体の攻撃を2倍にするよ、よってトラピーズ・マジシャンの攻撃力は5000にパワーアップ!」
トラピーズ・マジシャン「アハハハハハ!!」
ATK2500→5000 ORU1→0
「バトルだ!トラピーズ・マジシャンでザ・カリキュレーターを攻撃!」
キラキラと光の粒を溢しながら、ブランコで勢いをつけた飛び蹴りをザ・カリキュレーターに向けて放つ
「ザ・カリキュレーターを攻撃したのは間違いだったね!
トラップカード、ギブ&テイク!相手のフィールドに僕の墓地のモンスターを1体、守備表示で特殊召喚し、自分フィールド上のモンスター1体のレベルをエンドフェイズまで特殊召喚したモンスターのレベル分アップさせる。
僕は君の場に
クイーン・オムレツ DEF300
ザ・カリキュレーター LV2→11
ATK3000→5700
高速で打たれたキーボードによって表示値が変化したザ・カリキュレーターはその手に雷を灯して、トラピーズ・マジシャンを迎撃する。
だがトラピーズ・マジシャンの周りに泡の様なモノが現れ電気を霧散させると、ザ・カリキュレーターの拳を利用して再び、空中ブランコに戻って行った。
「どういうことだい?」
「Ah!永続魔法、バリア・バブルの効果さ
1ターンに1度、
そして、これで本当にとどめさ
速攻魔法、旗鼓堂々!
自分の墓地の装備魔法をフィールド上のモンスター1体に装備させる。
僕は墓地の流星の弓―シールをトラピーズ・マジシャンに装備
攻撃力を1000ポイントダウンさせ、ダイレクトアタックできるようになる!」
トラピーズ・マジシャン「アハハハハ!!」
ATK5000→4000
「モンスターゲートで墓地に送られたカードか!?」
「Exactly!その通りだ!
行って、トラピーズ・マジシャンでダイレクトアタック!」
トラピーズ・マジシャン「ハハハハハッ!!」――ビュン!!
空中ブランコの上に器用に立つトラピーズ・マジシャンが装飾のされた白磁の弓から矢を射れば、その矢は星の様な光を蓄え飛んでいき、未知夫に刺さる寸前に弾けてキラキラとした星が舞う
「ふぅ~僕の負けか・・・」
LP2500→0
『夜空に美しい勝利の花を咲かせたのは、LDSブロードウェイ校エクシーズコースのデニス・マックフィールド選手だー!!』
――ワアアアァァァ!!
観客たちは歓声を上げる、また、面白いデュエルを見れることを願って
負けた未知夫の分も戦ってくれることを信じて、彼に歓声を送る。
――あぁ、やっぱり先生のデュエルは間違いじゃない。
――僕のデュエルで、こんなにも笑顔になってくれる人たちがいる。
――簡単な事だったんだ。
だが
――僕が勝ったんだから、間違いなんかじゃなかったんだ。
彼はその思いを理解していない。理解できない。
――ピッピッピッ
――ん?メッセージ?
――Wao、なんて素敵な任務なんだ!これも運命かな?
彼は笑顔の仮面の下でほくそ笑む、それは破滅を告げるメッセージだというのに
――榊 遊矢、君の間違いを僕が正してあげよう
――先生は正しいんだって、僕が証明してあげる。
――だって、僕は強いんだから。
「紫雲院 素良の記憶解析終わりました。」
「うむ、ご苦労。」
薄暗い玉座の間、そこにただ一つある王座に座る中年の男
ひざまずく研究員らしき男を労い、渡されたデータを空中スクリーンに表示させて確認する。
そうして、目に留まったのは一人の少女の姿
「おぉ!!ついに見つけた!これで!!」
歓喜に打ち震える男だが、研究員の男は申し訳なさそうに進言する。
「プ、プロフェッサー、申し訳ないのですが・・・それより先をご覧になってください。」
「先?」
『儀式召喚!大地の力宿る戒めの竜、オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン!!』
『シンクロ召喚!星紡ぐ戦の竜、オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン!』
『エクシーズ召喚!全てを凍てつかせる永久の竜、オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!』
『揺れろペンデュラム、異界へ繋がる扉を開け!ペンデュラム召喚!レベル7、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!』
『融合召喚!雷の力帯びし竜、オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン!』
「な、なんだと・・・」
「この者の名は榊 遊矢、4人目の少女にも近しい人物の様で、彼女の保護をする際に多大な・・・プロフェッサー?」
「四天の竜が・・・独自に進化を遂げたのか!?このままではあの悪魔が・・・」
「あ、あのプロフェッサー?」
明らかに普通ではない男の様子に、研究員は訝しむが
「君は、もう下がってよい。」
「は、はい?」
「下がっていろと言ったのだ!!」
「はい!失礼いたします!!」
逃げるように玉座の間から出てゆく研究員
男は全身の力が抜けたかのように王座に腰を落とす。
「なんという事だ・・・4人目ばかりか、セレナが向かってしまったスタンダードでまさか、こんな・・・」
「おやおや、どうされましたかな?貴方らしくもない。」
玉座の影からぬるりと現れた不健康そうな男が、凶気を感じさせる笑みで中年の男に話しかける。
「ドクトル・・・オベリスクフォースを全員、召集せよ。」
「はぁ?オベリスクフォースを全員?
貴方、前までスタンダードは敵じゃないと申されていたではないですか?
少女2人連れてくるだけなら10人ばかり送れば十分でございましょう?」
「それはユーリにやってもらう。
オベリスクフォースはこの少年、榊 遊矢を全力で以て倒すのだ!」
「おやおや、たかがスタンダードの小僧一人なんぞにそんな・・・」
「これは世界の存亡がかかっているのだ!早く、オベリスクフォースを召集せよ!!」
血走った眼を見開く男にドクトルはあきれ果てて仕方なしに、返事を返す。
「やれやれ、仕方ないですな。
では、オベリスクフォース48人全てを召集いたしましょう。」
「そうだ、あの悪魔の復活は絶対阻止しなければならん!
榊 遊矢を必ずや抹殺するのだー!!」
バナナ!?バナ、バナナ!?
バナナじゃねェ!ユーゴだ!!
やはり融合か!!
だー!!融合でもねェ!!ユーゴだって言ってんだろうが!!
次回 遊戯王ARC-V Rーe:birth
『旅人、その名はユーゴ』
やはり融合か!!
だから融合じゃなくて、ユーゴだって言ってんだろうが!!
天然とバカで無限ループしている、いい加減止めるか・・・
「CC」カード群の効果について
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制作したものをそのまま使用
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後付け効果を削除
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メインに入るカードの後付け効果のみを削除
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EXのカードのみをアニメ寄りにして使用
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完全にアニメカードそのまま