遊戯王ARC-V Rーe:birth   作:深海の破壊大帝

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お久しぶりです。
今回は考察回、会話だけなのにえらくなってしまいました。
戦争観については私の考えなので、ご了承のほどを

新作遊戯王シリーズ『遊戯王SEVENS』の情報が出ましたね。
ぶちゃっけ設定だけ見ると、遊戯王である必要性があるのかと思ってますが、仲間内の遊びが大勢で楽しむゲームになっていくみたいな展開なんですかね?
まぁ、マグロを食っているようなパチモノみたいにならないことを祈ります。

PS.次回を書いていたら詰め込み過ぎて予告と合わなくなってきたので、次回の予告を変更しました。


旅人、その名はユーゴ

『激動のジュニアユース2回戦!

 最終試合を制したのは・・・遊勝塾の柊 柚子選手だー!!』

 

 夕暮れのスタジアムで巻き上がる歓声、それは一人の少女へと向けられている。

 

「ヘーイ!ユズ!!スバらしいデュエルでした!オメデトウございマース!!」

 

「うん!ありがとう!!」

 

「ワタシももっともっとベンキョして、強くなりマース!

 そうしたら、またデュエルをしましょー!!」

 

 民族衣装の少年ハリルは柚子に手を握って興奮気味にブンブンと振り回す。

 

「ええ、でも忘れないでね、私だってその時には今よりもっと強くなっているんだから!」

 

「OH!望むところデース!」

 

 笑い合う柚子とハリル

 ふと、柚子が観客席に目をやると、父の修造やタツヤ、アユ、フトシ等の塾の生徒達、権現坂や洋子もいて、自分へ手を振っていた。

 それは少女の当たり前の光景、きっと彼らは負けても手を振り、一緒に泣いてくれるだろう。

 そして、この後、彼らは自分と一緒に笑ってくれるだろう。だが

 

「あれ?遊矢?素良?」


『本日のプログラムはすべて終了となりました。

 この後、施設内の設備の点検を行いますので、お客様につきましては速やかに退館していただくよう、ご協力、お願いいたします。』

 

 放送の流れる少し前にスタジアムから出た遊矢は広場のベンチに腰かけていた。

 これから起こるであろうことを整理するために。

 

(素良が融合次元に戻った以上、明日にでもアカデミアが柚子を攫うために動き出すだろう。

 セレナのこともあるし、融合次元との接触は避けられない。

 

 赤馬零児はこのことを察知しているものと考えて、原作通りに進んで、明日の三回戦はバトルロイヤルになる可能性が大。

 カードにされるはずだったジュニアユース出場者はすでに全員敗退、地味に北斗も健在。

 ユースのイキり共は・・・零児の判断次第。

 

 仮面連中はどうにかなるとしても、一番の危険人物である紫キャベツと俺は戦えない。)

 

 知り過ぎているという事は、相手の行動を先読みできると言う事であるが、彼にとっては、それに頼りすぎると言うことは罠にはまることにつながる。

 すでにこの世界は彼の知る物語から逸脱をし始めているのだから。

 

(もし、アカデミアが攫う目的の侵入ではなく大挙しての侵略行為をしてきたら?

――守り切れるのか?

 

 未知夫たちがカードになる運命が変えられないどころか、被害が増大したら?

――どう責任を取ればいい?

 

 そもそも俺が負けたらどうなる?)

 

 運命の鎖が彼に巻き付いていく。

 不測の事態がないように最悪を想定していくために、その思考はどこまでも落ち込んでいく。

 地面を見つめる彼の隣に、誰かが腰かけた。

 

「顔色が悪いですわよ?我がマジェスティ・・・」

 

「ミエル・・・」

 

 フードつきのローブにいつものリンゴ型の水晶を片手に持った小柄な少女、方中 ミエルが彼に問いかけた。

 

「お悩みかしら?」

 

「まぁ、そんなところだ。」

 

「お労しや、ならばこの私めに打ち明けていただけないかしら?」

 

「あっ・・・いや・・・」

 

 遊矢は一瞬、ぶちまけてしまおうかと思ったが、それを飲み込む

 

「あら、私は何時だってマジェスティのことを思っていますのに、悩みの一つも打ち明けてくれないほど信用がないのですね・・・」

 

「い、いやそういうわけじゃ!?」

 

 遊矢の困った顔を見て、悲しく伏せていた少女の顔に一転して笑みが浮かぶ。

 

「そう、それですわ。

 マジェスティ、貴方は少しは信用した方がいいですわよ?

 貴方の周りにいる人たちと、貴方自身をね。」

 

「!?」

 

「人の一人が選び取った運命なんて、ちっぽけなものでしかない。

 でも、もしかしたらそれが世界を変える大きな力になるかもしれない。

 運命を選ぶのは貴方よ?私のマジェスティ。」

 

「はぁ~お前は本当に回りくどいな。」

 

「ふふ、だったら、率直に申し上げますわ。

 中央公園へ行ってみなさい、そこで運命は交差するわ。」

 

「はぁ?それってどういう、って、やっぱりもういないか・・・」

 

 遊矢が横に顔を向けるとミエルは姿を消していた。

 

「おーい、遊矢ー!!」

 

「柚子?」

 

「もう、こんなところに居た、ってあれ?素良は一緒じゃないの?

 おば様から、遊矢が捜しに行ったって聞いたんだけど?」

 

「・・・・・・素良は戻らない。」

 

「えっ?」

 

「急に故郷に戻るように言われたらしくてさ。

 顔を見ると辛気臭くなるから、黙っていくってさ。」

 

「えぇ!?そんな・・・せめて、大会が終わるまでは、どうにかならなかったの?」

 

「あぁ・・・どうにもならなかったみたいだ。

 柚子、すまないんだが、母さんたちにも言っておいてくれないか?」

 

「えっ、うん、それはいいけど、遊矢は?」

 

「ちょっとパック買ってくる。」

 

「えぇ~これからぁ~?まぁ、いいけど、遅くならないようにね?」

 

「分かってるよ・・・なぁ柚子?」

 

「ん?何?」

 

「素良がさ、次に会ったときとんでもない極悪人になっていたらどうする?」

 

「何よそれ?でも、そうね・・・とりあえず一発ぶん殴るわ!

 そんでもって、お説教して、反省させるの!友達なんだから当然でしょ?」

 

 あまりにもストロングな答えに遊矢は小さく噴き出す。

 

「ふっ、柚子らしい・・・

 あぁ、言い忘れていた、柚子二回戦突破おめでとう、戦うのを楽しみにしているよ。」

 

 薄く笑いながら掛けた遊矢のその言葉に、柚子は一瞬戸惑って

 

「!!・・・うん!!」

 

 花の様な笑顔を咲かせた。


 夜更けの舞網市、舞網チャンピオンシップが開かれていることもあり、8時を過ぎても街の中心部は騒がしい。

 その騒がしい町の中心に広がる公園は街灯が少ないこともあって、人気がない一角となっていた。

 そんな場所に眉間にしわを寄せた黒い少年が一人

 

≪私は勝手にアカデミアを抜け出してきたからな!追手が今にでも来るだろう≫

 

「アカデミアが・・・この世界に・・・」

 

 分っていたことだ。

 俺たちは赤馬 零児を見つけ出し、人質にして、アカデミアのプロフェッサーと呼ばれる赤馬 零王と交渉するために来たんだ。

 それはつまり、この世界の人々を戦火に巻き込む可能性があること・・・

 

「そうだ、分かっていたことだ。

 そして、アカデミアは遅かれ早かれ、この世界にも魔の手を伸ばしていたことだろう。だが・・・」

 

≪瑠璃?あ~たしか、ユーリがプロフェッサーの命令で連れて来たというのが、そんな名前だったような・・・

 私は会ったことはないが、中々強いと言っていたぞ!≫

 

 瑠璃を救うためだと息巻いていたが、俺は、俺たちは、引き金を引きかけていた。

 俺たちが最も忌むべきあの戦争の引き金を・・・

 

――ドゴオォォ!!

 

「!!?」


「あ~やっぱり、殆どエンタメイトか~」

 

 中央公園のベンチで買った8パックを開封したが、モンスターは案の定エンタメイトばかり。

 需要を考えれば当然のことだが、この世界には構築済みデッキや付録カードというものは基本的にない。

 モリンフェンやダーク・キメラ、ワイト等のコアなファンが付いているカードについては有志が信者獲得のため自費出版でカード付きの本を出していたりするがこれは例外だろう。

 金銭的にも変わっていてOCGではパックの値段は一律だったが、初心者用のスターターパックは安めでそれ以外が通常レート、復刻パックなどが高めの値段設定だ。

 

 パックの種類も豊富なのだが、元とはいえチャンピオンの使っていたシリーズの所為か、エンタメイトの入ったパックがやたらと多い。

 エンタメイトが入っているはずのない復刻パックやスターターパックなども買ってみるのだが、魔法、トラップカードばかり当たるか、単体じゃ役に立たないカードばかり当たるといった徹底ぶりだ。どうなっているんだ?

 

「にしても、中央公園か・・・」

 

 たしか、ここは素良とユートがデュエルして、正体をしゃべってしまった素良が強制送還された後、入れ替わりにユーゴが現れて、話を聞かないユートに業を煮やしたユーゴがデュエルを仕掛け、ユートが「デュエルで笑顔を・・・」と言い続ける背後霊になってしまう流れだったはず。

 

「でも、もう素良はいないしなぁ・・・」

 

 なのでユートがここに来るフラグもない筈

 

――ドゴオォォ!!

 

 何かがぶつかり合う音?交通事故?って!?

 

「マジか・・・」


「イッチッチ・・・ったく、何だって、こんなモンが突っ立ってんだ!?ったくよ!!」

 

 いきなり、緑色の光が発生したと思えば、次の瞬間にはバイクが鉄の街灯にぶつかる事故が発生していた。

 そして事故の加害者は自分が公園内でバイクに乗っていることを棚に上げて、街灯に文句を言っている。

 しかも、街灯は完全に折れ曲がっているのに、バイクには一切傷が付いていない、乗り手にも怪我がないようだが、どれだけ頑丈なのだろうか?

 

「いや、お前は!?」

 

「ん?あっ!?オメェは!!ここであったが百年目!探したぜ!!」

 

 アカデミアの刺客のシンクロ使い!!

 まさかこれほど早くアカデミアが攻めてくるとは!?

 

「この前は余計な邪魔が入って、うやむやになっちまったが、1対1なら負けるわけがねぇ!

 さぁ!俺とデュエルだ!!

 今度こそぜってぇテメェをぶっ倒してやるぜ!!」

 

 この男、セレナではなく俺を狙って来たのか!?

 と言うことは俺たちがスタンダードにいることが、既にアカデミアにリークされているというのか!?

 そうなると、アカデミアの息のかかった人間がスタンダードに、いや、レオ・コーポレーション内にいるという事か!?

 

「くっ!?ならば、お前から聞き出すまで!!

 この世界にも、俺たちの世界にも、もう犠牲を出させはしない!!

 覚悟しろ!融合の手先め!!」

 

「何がユーゴーだ!俺はユーゴだ!間違えてんじゃねぇ!!」

 

「やはり融合!!」

 

「ユーゴだ!つってんだろうが!!」

『デュエルモード、オン!オートパイロット、スタンバイ!』

 

「融合の手先に負けるわけにはいかない!」

 

「だから!俺はユーゴだっつってんだろうが!!

 何度もユーゴー、ユーゴー言ってんじゃねぇ!!」


 う~わ~何だ、この阿呆な会話は・・・

 衝突音があった場所に来てみれば、白を基調としたヘルメットとライディングスーツを身に纏った少年『ユーゴ』と黒服の少年『ユート』が言い争いをしていた。

 茂みに隠れてその様子を見ているが、これは早く止めないと、ナストラルか、バナベルルートまっしぐらだ。

 

「あぁ!もう!頭来た!!俺から大事なもん、奪い取った上に俺の名前を何度も何度も間違えやがって!!」

 

「奪い取ったのは、お前らだ!!」

 

「うるせぇ!!話はテメェをぶっ倒してからだ!!」

 

 いや、先に話をしてくれ!!

 ユートも奪った発言で血が上って、ユーゴが名前の事だと言及したにもかかわらず気付いてないし

 ここはどうする、あいつらのデュエルを阻止する方法・・・

 

 まずは状況確認!

 何故かユーゴはライディングデュエルをしようとして、バイクをトバしている。

 それをユートが律儀に走って追いかけている。いや、止まって、やれ!!

 

 そういえば、走れないDホイーラーにターンは回ってこないって、超官が言っていたな・・・

 シンクロ次元のライディングデュエルにそのルールがあるかは知らないが、それならあのDホイールを止めさえすれば、このデュエルをおじゃんにできるはず。

 

 だが、初速ですでに60キロ以上出ているあのDホイールを止めることが出来るか?

 俺が前に出れば、避けられるか、正面衝突。怪我と言うか死ぬ!!

 ならば、横!横からの奇襲によって、搭乗者を引きずり落とす!

 加速し続けているあのDホイールを横から捉える確率は低いし、なまじ成功してもどっちも大怪我をする可能性もある・・・

 いや、迷っている暇は無い!諦めるな!何もごともチャレンジ!勇気を持って一歩踏み出せ!そう!!

 

「かっとビング(物理)だ!!俺えぇぇぇぇ!!」


「かっとビングだ!!俺えぇぇぇぇ!!」

 

「グフウウゥゥゥゥ!?」

 

 裂帛の気合いの入った妙な掛け声と共に、茂みから何者か飛び出し、バイクの男を飛び蹴りで蹴り飛ばす。

 

「がっ!!」

 

――ズガガガガガガッ!!

 

 バイクの男は近くの木にぶつかり、バランスを崩し転倒し数秒スライディングした後停止する。

 男は、どうやら木がクッションになったらしく、怪我らしい怪我はしてないように見える。

 そして、飛び蹴りを放った人物は見事に着地していた。

 

 白い制服に赤いシャツ、黄色いネクタイをたなびかせ、ぼさついた癖のある赤と緑の混じった髪が揺れている。君は!?

 

「榊 遊矢!?」

 

「ぐううぅぅ・・・痛テェ・・・なんだ?

 って、ええぇぇぇっ!?リンを攫ったヤツが増えたたぁぁぁ!?」

 

 あの男、わき腹に飛び蹴りが直撃したのに元気だな・・・凄い生命力だ。

 ヘルメットが取れて、素顔が明らかになったが、その顔は俺とよく似ている。

 違いは瞳の色が青い事や、髪の後ろが青く前髪だけが金髪で、その髪が緩くカールしている独特の髪型だ。

 

「・・・バナナ?」

 

 確かにそう見える。

 

「バナナじゃねぇ!!ユーゴだ!!まさか、双子かぁ!?」

 

 このやり取り、昼間もしたような気がする・・・

 

「生憎そこの黒いのと兄弟だった覚えはないな。

 で、事故かと思って駆けつけてみれば、夜の公園でバイクを乗り回す不良少年がいたわけだが、どういう状況だ?」

 

 黒いの・・・確かに俺の服は黒ずくめだが・・・

 

「惚けんじゃねぇ!!テメェらのどっちかがリンを攫って行ったんだろうが!!

 って、あああぁぁぁぁ!!俺とリンのDホイールが!!?

 テメェ!!リンだけじゃなく、俺たちのDホイールまで!!」

 

「そのDホイールについては謝るが、生憎と俺は誰かを攫った覚えはないし、リンって言う名前の知り合いもいないなぁ。」

 

「何ぃ?だったらやっぱり、そっちの黒いのか!!」

 

「ふざけるな!!俺たちの仲間を・・・瑠璃を攫ったのはお前たち融合次元の仕業だろ!!」

 

「だああぁぁぁぁ!!ユーゴーじゃねぇ!!ユーゴだ!!何度言ったらわかるんだ!!」

 

「やはり、融合の手先!!」

 

「だから俺はユーゴだ!!」

 

「お前ら、わざとやっているのか?」

 

『『!?』』

 

 底冷えするような気迫に、俺とバイクの男は口を閉ざし、その発生元を見る。

 そこには真紅の瞳を滾らせ、見るだけで怒っているという事が分かる榊 遊矢が居た。

 

「はぁ~まず、そこの白いの、そこの黒いのから融合の手先だとか言われていたが心当たりは?」

 

「い、いえ!まったくございません!」

 

「じゃあ、あの言い争いになった理由は?人さらい以外のことで。」

 

「そ、それは・・・そこの奴が俺の名前を何度も間違えるから・・・」

 

 えっ?名前?

 

「そうか・・・黒いの、こいつの固有の名前が『ユーゴ』と言う事であって、融合の使者とかではないと言っているが、反論は?」

 

「あ・・・え、と・・・」

 

 出来るわけがない、その事については俺の完全な勘違いだ。

 

「つまり、そこの黒いのは白いのが自分はユーゴだと自分の名前を名乗っていたのを、自分は融合だと、所属を名乗っていたと勘違いしたわけだな?馬鹿じゃねぇの?」

 

「ぐうぅ・・・」

 

「それと白いの、いや、めんどくせぇからユーゴでいいな?

 お前の言うリンという人物を攫った奴の顔は見たのか?」

 

「お、おう!忘れもしねぇぜ!だって、ソイツは俺と同じ顔をしてたんだからよ!

 世界に同じ顔がそう何人もいて堪るかってんだ!!」

 

「すでにここに三人居るような気がするが・・・

 で、俺はそんな覚えはないわけだが、黒いのはどうだ?

 お前はさっき、瑠璃を攫われたと言っていたが?」

 

「そうだ、融合の、アカデミアの手先に俺の仲間で、親友の妹である瑠璃は攫われた。

 俺と同じ顔をしたアカデミアの奴に!!」

 

 忘れるものか!あの人を馬鹿にしたようなにやけた顔を!!

 

「ふ~む、と言うことは2人は互いに俺も含めて自分と同じ顔をした奴に、知り合いが攫われたと

 で、顔以外に何か心当たりはあるか?」

 

「それなら名前が分かっている!ユーリと言う融合次元のアカデミアのデュエリストだ!」

 

 そいつと友達だと言っていたセレナから聞いたんだから間違いない。攫うように指示したのは赤馬 零王らしいが

 

「へぇ~融合次元とか、アカデミアとかはわからないが、名前が分かっているのか・・・

 顔以外に特徴は?」

 

「紫色の髪をしていて、特徴的な眉をしている。そう、おかめ面のような形だ。」

 

「あぁ、そういえば一瞬見えたあいつのにやけヅラ、目の色が紫だったような・・・

 って、黒と赤!?まさか俺、違う奴に喧嘩ふっかけていたのか!?」

 

「紫に、にやけ面・・・もしかして、リンと言う人物は、こんな顔をしていなかったか?」

 

 俺は胸から写真を取り出し、ユーゴに見せる。

 まだ、エクシーズ次元が平和だったころ、隼と瑠璃と一緒に撮った写真だ。

 赤馬 零児が言う、赤馬 零王の計画に必要なシンクロ次元の少女とはもしかして・・・

 

「あぁ!!なんでお前がリンの写真を!!

 しかも楽しそうにしやがって!つーか、こっちののっぽは誰だ?」

 

 やっぱりか・・・

 

「ユーゴ、話の流れからして、この写真の人物は黒いのが言っている瑠璃だろう?」

 

「あっ、そっか。」

 

「黒いのはやめてくれ、俺はユートだ。

 彼女は黒咲 瑠璃、俺の親友の妹でアカデミアのユーリと言う、俺たちによく似た顔つきの奴に誘拐された。

 アカデミアの最高権力者、プロフェッサーの命令でな。

 リンと言う人物を攫ったのも、同一の奴だろう。」

 

「なにー!?それは本当か!?」

 

「あぁ、アカデミアから抜け出してきた少女が、プロフェッサーの命令で瑠璃を連れ去ったと言っていたからな。理由は同じだろう。」

 

 零児の予測通り、理由は分からないが赤馬 零王は各次元の同じ顔をした少女を集めているのだろう。

 彼女たちが関わるリバイバル・ゼロと言う計画とは、一体なんだ?

 

「なぁ、ソイツと会わせてくれ!リンは無事なのか!?」

 

「いや、その少女はアカデミアで箱入りとして育てられていたらしく、何も知らないらしい。

 アカデミアが戦争を起こしていることも知らなかったからな。」

 

「うぅ・・・そうか・・・リン、無事でいてくれよ・・・」

 

 Dホイールと呼ばれたバイクの前で、ユーゴが泣き崩れる。

 そうか、彼にとってもリンと言う少女は大事な人だったみたいだな・・・それなのに、俺は・・・

 

「なぁ?さっきから融合次元だとか、アカデミアだとか、戦争だとか、付いていけないんだが?

 そのアカデミアと言う組織に属している、俺たちによく似た顔のユーリとか言う奴が連続誘拐事件を起こしていることは分かったが。」

 

 榊 遊矢が質問してくる。

 確かに、彼にとってはかかわりのない話だ。

 いや、瑠璃とセレナとリン、3人の少女が同じ顔をしているのなら、同じく同じ顔をしている柊 柚子を狙ってくる可能性が高い。だったら・・・

 

「・・・榊 遊矢、実を言うと俺はこの世界の人間じゃない。

 エクシーズ次元と言う、別の世界からやってきた。」

 

「別の世界?」

 

「あぁ、そこのユーゴも同じだと思う。俺たちとはまた別の次元だと思うが」

 

「へっ?俺?そういえば、ここ何処だ?シティじゃねぇみてぇだが・・・」

 

「シティね・・・なんとかシティって呼ばれている街は数あれど、シティだけで通じるような場所は俺の記憶にはないな。」

 

「あぁ、おそらく彼はシンクロ次元から来たんだろう。」

 

「融合、シンクロ、エクシーズか・・・デュエルモンスターズのエクストラデッキから召喚される種類のカードの名前だな。」

 

「あぁ、この世界はスタンダードと呼ばれ、合わせて4つの次元が存在しているらしい。

 そして、その内の一つ、融合次元のアカデミアと言う組織が、俺たちの世界、エクシーズ次元に侵略戦争を仕掛けて来た。

 文字通り、融合召喚を使ってな・・・」

 

「デュエルモンスターズを使って戦争か・・・

 リアルソリッドビジョンシステムを軍事利用されるという懸念があったが、実際にそれをやった奴がいるとはな。それも別世界で。」

 

 デュエルモンスターズの軍事利用、それを聞いて心穏やかではないだろう。

 彼は本物のデュエリストだ。カードを愛し、デュエルを愛し、楽しんでいる彼からすれば、これ以上ない侮辱だろう。

 

「君は、信じてくれるのか?こんな荒唐無稽な話を?」

 

「12次元宇宙論とか、24次元宇宙論とか宇宙5分前誕生説とかいろいろ言われているんだ。4つ程度で驚かないよ。

 それに俺は、精霊とかを信じるタイプでね。」

 

 デュエルモンスターズの精霊の話か・・・懐かしいな、瑠璃が楽しそうに話を聞かせてくれた。

 

「う~ん、そういえば、融合とか、エクシーズとかって何なんだ?

 エクストラデッキがどうのこうの言っていたが、エクストラってシンクロモンスターのカードを置いておく場所だろ?」

 

「簡単に言うとメインデッキに入るカード以外の特殊な召喚法を使って呼び出すモンスター達の大雑把な種類だ。

 ユーゴが言っているシンクロは一般的にチューナーとそれ以外のモンスターを墓地に送って、そのモンスター達のレベルを足した合計と同じレベルを持つ、カード枠が白いモンスターを呼びだす召喚法。

 

 エクシーズはフィールド上の同じレベルのモンスターのカードを何枚か重ね合わせて、さらにその上に黒枠のモンスターカードを重ねることで呼び出す召喚法。

 

 融合は融合効果を持つカードを使って、何処からか2体以上のモンスターを墓地送りにして、紫色のカード枠のモンスターをフィールドに呼び出す召喚法だ。

 まぁ、カード効果によっては墓地から除外するとかデッキに戻すとか、例外は一番多いだろうけど。」

 

「へぇ~そういえば、ユートが使ったあの黒いドラゴン、アレがエクシーズモンスターってわけか・・・」

 

 なるほど、分かりやすい説明だ。講師をしているという話は伊達じゃないらしいな。

 

「そうだ、俺の世界の人々はみんなエクシーズ召喚を使っていた。

 だが、それは決して、兵器などではなかった。

 俺たちのデュエルは、みんなが笑顔で楽しむためのもの。

 そう、あの日、アカデミアが襲い掛かってきた日までは・・・」

 

 思い出されるのは忌々しい記憶。

 暗雲と共に現れた奴らは、俺たちの世界を、街を、炎と共に戦場に変えた。

 

「ハートランドには笑顔が溢れていたんだ・・・

 だが、奴らは人間を次々にカードに変えていった・・・」

 

「カードに変える?」

 

「そうだ、奴らはデュエルで負けた相手をカードに変える。

 だがそれだけではなく、無抵抗な者も容赦なくカードに変えていった。老人や赤ん坊もな・・・」

 

「チッ!そんなヒデェ奴らに、リンは・・・」

 

「・・・で、そんな戦争中の世界から、ユート君は何をしにこの世界に来た?

 警告か?それともレジスタンス活動のための戦力が欲しくて、わざわざ勧誘にでも来たか?」

 

「俺は、俺たちは、この世界にアカデミアに対して人質になりそうな人物がいることを知り、奴らの技術を解析し、この世界に来た。」

 

「この世界にアカデミアに繋がる人物がいると?」

 

「繋がる、と言うよりは、アカデミアのトップがこの世界の出身者だ。

 元レオ・コーポレーション社長、赤馬 零王、それが今の、アカデミアの最高権力者、プロフェッサーの正体だ。」

 

 榊 遊矢は目を細め、少し考えるそぶりを見せる。

 

「解せない話だな。

 数年前に行方不明になった赤馬 零王が、別の世界にわたって、さらに別の世界に戦争を仕掛けているなんて・・・何が目的なんだ?」

 

「それは分からない。

 息子である赤馬 零児に接触し分かったことは、瑠璃たちによく似た少女を何故か攫っていることと、リバイバル・ゼロという計画名だけだ。」

 

「はん!考えるまでもねぇ、直接乗り込んで、その赤馬零王って奴をぶっ倒せばいいんだろ?簡単な話じゃねぇか!」

 

「ユーゴ、相手は世界規模の軍隊だぞ?

 その本拠地を強襲したところで、近衛の奴らに邪魔されるに決まっている。」

 

「うっ!?そうか・・・」

 

「で、ユート、戦争はいつごろから始まって、今どういう状況になっている?

 降伏して終戦になったか?それとも拮抗して冷戦状態に突入したか?」

 

「いや、始まりは1年ほど前、奴らは最初の様な大々的な侵攻はやめたが、部隊を残し、人間狩りを続けている。

 今は俺たちレジスタンスが、生き残りを匿いながら、交戦を続けている状態だ。」

 

 そうだ、俺たちは滅ぼされてなどいない!

 奴らを倒し、再びハートランドに笑顔を取り戻して見せる!

 

「それはなおさら解せないな。」

 

「何だと?」

 

「下世話な話になってしまって申し訳ないが、戦争は最大のビジネスだ。

 融合次元が、どういう状況なのかわからないが、エクシーズ次元に対し何を求めているか、これがわからない。」

 

「どういう事だよ?」

 

「まず戦争の種類としてあげられるのが3つ

 1つは新たな統治者及び統治形態を選定するための革命戦争、

 現状に不満があるから、より良い群れのボスを決めるための戦争だな。

 まずこれは内戦になるから、次元戦争の理由として除外。

 

 2つ目は宗教、民族間で起こる戦争だ。

 これは違う思想の相手を脅威または恐怖したが故に起こる戦争だ。

 まぁ、大雑把に言うと、自分たちのコミュニティが脅かされないように戦力を削っておこうってわけだが、エクシーズ次元には次元移動するような技術力はあったか?」

 

「いや、街の清掃用のロボットはあったが、そんな技術はないし、リアルソリッドビジョンや次元移動の技術は奴らのディスクを解析したものだ。

 ブラックボックスが多すぎて、完全ではなかったらしいが。」

 

 だから融合次元に直接乗り込むことは出来なかった。

 無謀すぎる策だが、隼も俺も直接乗り込めるようなら、真っ先に瑠璃の救出に向かっている。

 

「ほ~う、じゃあ、理由としては薄そうだな、無視していればいいんだから

 で、3つ目は侵略戦争だ。

 生物的に言うと住処が小さくなった、または追われた、資源が枯渇したために起こる戦争

 星一個を資源にできると言えば魅力的に感じるが、人足となる現地民を過剰に攻撃しているのが気になる。

 酷いこと言えば、飽和状態の自分たちを減らすなんて目的もあるだろうけど、それにしては気が長すぎる。世界1つが飽和するほど人口があるとも思えない。

 ゆえに、この次元戦争で奴らが何を以て得としているのか分らない。

 加えて、誘拐事件を起こしていることが何に繋がるのか意図が見えない。」

 

 ふむ、確かに言われてみれば、よく分からないな。

 今までそんなこと考えたこともなかったが、瑠璃たちを誘拐することと、戦争を起こすことに何の関連性があるのかつながりが見えないな。

 

「抜け出してきた少女曰く、アカデミアはすべての次元を統一し、世界を一つにして理想郷を作るのが目的らしいが・・・」

 

 そのことを言った瞬間、榊 遊矢はそれを鼻で笑った

 

「はっ、よくあるプロパガンダだな。

 それに、誘拐するにしても、人をカードにするなんて滅茶苦茶なことが出来るんだ。

 カードにしてから誘拐した方が理にかなっている。」

 

 !!それは!?

 

「なんだ?わざわざ、誘拐するという手法に疑問を持たなかったのか?

 それに、技術の流出が起きていることや、わざわざデュエルをしてカードにしていることも気になる。

 無抵抗の人をカードにしているなら、特にその装置はデュエルの勝敗に関係してなさそうだし。」

 

 !?たしかに、この装置はデュエルの勝敗に関係はしていない!?

 くっ!一方的に蹂躙される可能性があったという事か!?

 

「あぁ!!もう、ついていけねぇぜ!!俺、頭使うの苦手なんだよ!!」

 

「そう嘆くなユーゴ、行きつく結果もデュエルする理由もわからないが、相手側が何を求めているのかは見えてきた。」

 

「なに!?それはなんだ!?」

 

 それが分かれば、戦争を止められるかもしれない!

 だが、次に紡がれた言葉は残酷なものだった。

 

「誘拐された少女と、カード化された人間だ。」

 

「なん、だと・・・」

 

「戦争において、技術の流出は最も避けなければならないことだ。

 それを犯し、負けている側に流出させているなら、わざと流出させて泥沼化させるのが目的と考えた方がいいだろう。

 そうすれば、2つの次元の人々をカードに変えることが出来る。

 ユートも仲間内を疑った方がいいかもな?

 トンデモ技術を解析なんて、早々できることじゃないから、レジスタンス内にスパイがいて、わざと技術を流した可能性がある。」

 

 そ、そんな・・・俺たちの戦いが、敵の策の内だというのか!?

 

「それに、こんな作戦に賛同してくれる奴なんて普通いないから、さっきのプロパガンダを踏まえると、アカデミアの兵士たちも体よく利用されている可能性が高いな。」

 

 そう言えば、セレナはアカデミアはプロフェッサーの絶対支配だと言っていた、なら!?

 

「この戦争に全体的な利益は見えない、むしろ損をしている。

 なら、個人的なことで起っている可能性が高い、ならだれの目的か、分かるだろ?」

 

「赤馬 零王・・・」

 

「その通り、何をしでかす気なのかは、さっぱりわからないけどな。

 はた迷惑な事には違いない。

 で、話は変わるがユーゴ、シンクロ次元でここ5年くらいで、変わったことはないか?」

 

「えっ5年!?う~ん、あ~たしか、セキュリティの長官が変わってから、エライ取り締まりがキツくなったんだよな~何か関係あるのか?」

 

「いやさ、エクシーズと融合で目的が達成できなかった場合、こことシンクロにも侵攻する可能性があるからな。

 おそらく、そのセキリュティとか言うのの内部にアカデミアのスパイが紛れ込んでいる可能性はある。

 もちろん、ここスタンダードにもな。」

 

「なにー!?前にも増してコモンズを目の仇にしやがると思ったら、そういうカラクリだったのか!?

 リンだけじゃなくて、そこまでするなんて、ぜってえゆるせねぇぜ!アカデミアアァァ!!」

 

 確かに許せない。だが、今の話からするとアカデミアもまた、赤馬 零王に利用されているだけ、俺は誰も傷ついてほしくはない。だが・・・

 

「・・・遊矢、聞いてほしい。

 アカデミアから抜け出した少女が居ると言ったな?」

 

「あぁ。」

 

「その少女はセレナと言うのだが、瑠璃、そしてリンとよく似た顔をした少女なんだ。

 そして、彼女たちは君の仲間の柊 柚子にもよく似ている。」

 

「つまり、セレナを追ってアカデミアがこの世界に来て、柚子も攫われる可能性があると言いたいのか?」

 

 あぁ、君は本当に聡明だな。

 

「あぁ、俺は彼女を、瑠璃を守ることが出来なかった・・・

 だから、君はどうか守り抜いてくれ。」

 

 これは世界とか、赤馬 零王の計画とかは関係ない、俺の願い。

 孤児の俺や隼たちと違い、彼らには親が居る。暖かな場所がある。

 そんな彼らを復讐者にはしたくない。

 

「一介のデュエリストに無茶を言うなぁ~

 この一件は俺のポケットには大きすぎる。」

 

「もちろん、俺も協力する。

 この街を戦場などにさせない!」

 

「おう!だったら俺もやるぜ!リンを攫った奴らの好きにはさせねぇ!

 ぶっ倒して、必ずリンを救い出す!!」

 

「あぁ、俺も瑠璃を必ず救い出す!!」

 

「よし、じゃあ、同盟成立だな。」

 

 俺たち3人は手を重ねる。

 違う世界で生まれた者同士だが、大切な人を守りたい気持ちは一緒だ。

 そのために、明日を乗り越えなければな。

 

「そういえば、ユーゴはどうやって、ここに来たんだ?」

 

「あぁ?俺も良く分っかんねぇけど、このカードがいきなり――」

 

「「!?」」

 

 ユーゴがいきなり、桃色の光に包まれて消えた!?この光は!?


 ユートとユーゴが光に包まれて消えた。と言うことは・・・

 

――遊~矢ー!!

 

「やっぱりか。」

 

「あっ!遊矢、やっぱりここに居た!

 もう、素良が居なくなったこと、おばさまたちに説明するの大変だったんだから!

 それに、こんな遅くまで遊矢がそばにいないんじゃ・・・おばさまを寂しがらせないでよ?」

 

「あぁ、ごめん。ちょっと気の合う連中と話し込んでたんだ。」

 

「へぇ~遊矢と気の合うなんて珍しい・・・」

 

「おい、それはどういう意味だよ?」

 

「そういう意味よ。」

 

 はぁ~ちょっと傷つくなぁ~にしても、明日か・・・

 紫キャベツと戦うわけにはいかないし、あいつへの対策は柚子の腕輪の力を利用するしかないが、今の感じだと2、300メーターくらいが圏内みたいだな。

 近くとも遠くともいえない微妙な距離だが、デニスの事もあるしどうするかな・・・


 薄暗い室内を不気味な緑色の光が照らしだす。

 玉座に座り込む軍服の様な服装の男、赤馬 零王の前にひざまずく小柄な少年、紫雲院 素良

 彼に新たな命令が下される。

 

「君にはもう一度、スタンダードに行ってもらう。」

 

「はい。」

 

「ただし、今度は単独ではない。

 彼らと共に行ってもらう。」

 

 門が開かれ、次々と入ってくる青い軍服に奇妙な仮面を纏った者たち

 その人数、実に48人

 

「!?オベリスクフォース!?それに、この人数は!?」

 

「そうだ、現在いるオベリスクフォース全てを招集した。」

 

(アカデミア内でもトップクラスのデュエリストを集めたとされるエリート集団。

 プロフェッサーのお抱え部隊が全員なんてどんな任務を。)

 

「そして、君にはこのカードを授けよう。」

 

 柱の陰から姿を現す、研究員らしき男

 その男が持つカードを受け取った素良の目が驚愕に見開かれる。

 

「こ、このカードは!?」

 

「君の記憶をもとに作ったカードだ。

 さぁ、君に新たな任務を授けよう、彼らと、そのカードを使い『榊 遊矢』を抹殺するのだ!!」

 

「!!?ど、どうしてそんなことを!?」

 

「彼はこの世界にとって確実に脅威になる存在だ!今のうちに排除せねばならぬ。

 諸君!この任務は世界の存亡をかけての戦いと思え!

 絶対にあの悪魔を!榊遊矢を抹殺するのだー!!」

 

――ハイッ!!

 

「・・・・・・はい・・・」

 

 オベリスクフォースが姿勢を正し、声を揃えてその命を受ける。

 そして、素良も苦しそうな顔を一瞬して返事をし、退出する。

 その場に残ったのは、赤馬 零王ともう一人

 

「なんだか面白そうなことが始まりそうだね。

 あぁ~あ、僕もあっちに入りたかったなぁ~」

 

 紫の髪に紫の軍服に赤いマントをした少年

 

「駄目だ、君にはセレナと最後のピースを連れてきてもらう。」

 

「もうセレナってば、ずるいなぁ~僕ももっと遊びたいのに~」

 

「これは遊びではない!分かってくれるね?『ユーリ』」




 心を取り戻してゆく少年、そして、今を生きる少年
 過去を乗り越え勝利をつかむのはどちらか?
 だが、幼き魂のぶつかり合いの裏で、邪悪な陰謀が動き出す。
 次回 遊戯王ARC-V Rーe:birth
 『瞳に映る赤き火(前編)タツヤのマシンワールド』

「CC」カード群の効果について

  • 制作したものをそのまま使用
  • 後付け効果を削除
  • メインに入るカードの後付け効果のみを削除
  • EXのカードのみをアニメ寄りにして使用
  • 完全にアニメカードそのまま

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