酒呑物語   作:ヘイ!タクシー!

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待たせたな






弱い鬼

悲報。ちょっと意識が飛んでたら完全武装してる人間達に滅茶苦茶睨まれてたでござる。

 

ヤバイわぁ………あの人達マジでキチガイだよ。ちょっと怒ったら逆ギレして睨んでくるんだもん。そりゃあ私達鬼は人間達に酷いことしてきたけどさぁ………それでも家族が殺されそうになったら怒るじゃん。人間だってそうじゃん。普通じゃん。そんな目の敵にしなくたって良いじゃん。

お前ら超短気かよ。あれだろ? 名前間違えて呼ばれたら滅茶苦茶キレる性格だろ?

怖いわぁ~。ここ百年で勢力を伸ばしてきた武士だか何だか知らないけどさぁ。そう言うの良くないと思うよ? まずはお互い冷静になって話し合おうよ。刀とかそんな危ないものこっちに向けないでさ。平和に会話した方がお姉さん良いと思うんだ、うん。

 

あ、駄目ですか。そうですか…………。

 

 

 

 

 

あああぁぁぁぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"殺さ"れ"る"ぅ"ぅ"ぅ"う"う"う"う"!!!!

 

「何故貴様は動ける………そこの鬼もそうだが、さっきまでのお前は神酒によって力を奪われていた筈。なのに何故そんな平然としていられるのだッ」

 

さっきまで刀を持って私に近付いて来ようとしてた危ないやつナンバー1の頼光が私に問いかける。

 

てかやっぱりあの酒に毒が入ってたんだね。いや、毒と言うか………アホみたいに強い酒か。私が一瞬意識を飛ばしてたくらい強いお酒だから、相当な物だろう。

 

「当たり前だ。私を誰だと思っている。鬼の首魁、酒呑童子だぞ?」

 

だけどさ。その酒の中身って、私が持ってる酒と同じやつでしょ? しかも美味しい飲み物で割られてるから滅茶苦茶薄くなってるし。

なんとなぁくだけど、いつもより力がみなぎってる気がする。

 

 

そうとわかれば彼等が言っていた、『その酒を飲むと力を得る』と言う弁も間違いではなかった。あの酒は私のような弱者が飲むと力が増す効力がある。元々弱い人間が薄まったあの酒を飲むのは全く問題ないのだろう。

 

ただその酒の力は私達にとっては毒だった。

あの酒は本当に猛毒だ。どんなに酒を飲んでも潰れることのない私が1滴で酔うほど。薄めた頼光達の酒でも皆が酔い潰れて動けなくなってる。現に私もちょっと酔ってるし。

 

ただ疑問なのは、なんで頼光達が酔ってないのかだけど………私の持ち物みたいに特殊な器でも使って酔わない対策でもしてるのかね? わからん。

 

それにしても、用意周到だよ。本当に。時間を掛けて私達を信用させ、最後に自分達に害のない毒を仕込む。しかも自分達の戦力を上げる二段構え。仮に酒が効かなかった者がいても、数人で囲えば勝てると踏んだのだろう。

 

今のように、ね。

 

 

 

格好つけて名推理を解いたみたいに言ってみたけど、結局状況変わんないんだよなぁ…………

 

あー、どうしよ。

 

「なるほど………最強の鬼と呼ばれるわけだ。言うだけのことはある。だが、この人数差にさしもの鬼も勝てるか?」

 

「それを決めるのはお前ではない。私だ」

 

「ふん。強気だな」

 

唯一の救いなのが、彼等が私の事を最強の鬼と思っていてくれている事くらいかな?

最強(笑)の私が酒の力で倒れなかったのは彼等にしてみても誤算だったんでしょうね。私と華扇以外の皆が倒れているのに襲ってこないのがいい証拠だ。

 

いくら武装しようが最強の鬼に勝てるわけがないと彼等もわかっているのだろう。

 

 

…………まあ、ぶっちゃけ私の方が弱いですがね。

 

だって勝てるわけないじゃん。何あの武器類。何かすっごく嫌な気配するんですが。絶対あれ、対妖魔の物だって。斬られたら助からないやつだって。

 

ねえ、止めてよ。その刀を私に向けないでよ。めっちゃ恐いんだって。そんなもの置いてさ? 楽しくお喋りしようよ。そっちも会話を望んでるんでしょ?

考えてること、一緒。仲間。僕達、仲間。争い、良くない。仲良く、しよ。

 

 

「確かに今の状況は良くない……しかし、貴様がそのように悠長に喋っているのは失敗だったな」

 

そう思っていたけど、残念ながらそう都合良くいかないらしい。頼光さんったら現状を打開できる案を閃いてしまったみたいだわ。

 

頼光が周りのお供に目配せする。すると奴等はあろうことか勇儀や萃香達の首の真上に刀を添えた。

そして頼光自信も、持っていた刀の刃先を一番近くに倒れている透花に向ける。

 

「我等が貴様に殺されるなら、貴様の仲間も諸ともだ」

 

「ッ…………」

 

「鬼退治は出来なかったが、一矢報いることはできる。鬼の四天王3人に天狗の長を殺すことができれば、正義の為、人の為、目的は果たしたと言えるだろう」

 

まずい………まずいまずいまずい!!

ああ、本当に最悪だ。さっきよりもっと質の悪いことになった。そんな事されたらどうしようもできない。私に止める術がないから、力を失った彼女達は簡単に殺されてしまう。

そしたら華扇以外に誰も私を助けてくれる人が居なくなってしまう。

 

「私がそれを止められないとでも?」

 

「見くびるなよ。如何に最強の鬼だろうと、我等の武具は神から授けられた者だ。貴様が我等を殺す内に無力な鬼の一匹や二匹程度殺して見せるとも」

 

頼光は覚悟を決めた口調で宣言する。

他のお供達も同様だ。皆、死ぬ覚悟でここにいるのだろう。その目に、覚悟の炎が宿っている。

 

一番まずい展開だ。このままでは皆が死ぬ。

これでは勇儀達が回復する作戦もおじゃん。時間を稼げばもしかしたら彼女達の力も戻るんじゃないかと言う淡い期待が失われてしまう。

 

彼女達が殺されれば必然的に次は私が殺される。

 

それは駄目だ。それだけは駄目なのだ。そんな事を許してはいけない。

 

「どうやら、この鬼共は貴様にとって大切な者達らしい」

 

「………」

 

「図星のようだな」

 

考えろ酒呑。どうやれば生き残る事が出来る?

泣いて土下座し、謝って懇願するか。草履を舐めれば逃がしてくれるだろうか? それとも足の裏? クッ…………おっさんの足を舐めるとか嫌だけど、背に腹は変えられない。やれと言われたらやるしかないッ(使命感)

 

「当初の計画とは違うが…………それでも気分は良い。こうして、悔しがる鬼達の命を我等が握っているのだからな」

 

「何が、望みだ」

 

「当然、貴様等鬼の殲滅だ」

 

……彼等の意思は固そうだ。仮に私が土下座して足の裏どころか全身を舐め回して謝っても許してくれなさそう。

 

だけど、どうしよう。鬼の殲滅と言われてもそれは私も困る。それこそ私が今最も回避したい事だから。何とか妥協してくれませんかね?

…………無理そうだ。彼等の決意は堅いだろう。

 

 

チラリと右手に括られている瓢箪を見る。

これを………飲むか? いや、駄目だ。ただでさえ強いお酒なのだ。一舐めしただけで酔い、二舐めしたなら記憶すらも飛ぶ。そんな泥酔状態で、この複雑な状況をどうにか出来ると思えない。

万事休す。打つ手なし。終わった。

 

 

………て言うかそもそもさ。何で私達こんな恨み買われているんですかね? 何にも悪いことしてなくない? 私とか、特に私とか、何もしてないよ? そりゃぁ……お酒とか一度や二度じゃ済まないくらいやっちゃってるけどさ。でも、ここまで恨まれること絶対してないって。鬼違いじゃね? 冤罪だ!! 冤罪良くない!

 

「貴様等は勘違いしていないか? 鬼の殲滅………大層な話だが、私達が一体貴様等に何をしたと言うのだ。私は今まで貴様達の顔を一度も見たことも、恨みを買った覚えもない。何処かの鬼と勘違いしてやいないか?」

 

「ふざけるな! 貴様等以外に誰が………何の理由で周辺の村や里を襲い、あまつさえ皆殺しにすると言うのだ!!」

 

 

「……なるほど。つまり、復讐か」

 

ああ、はいはい。復讐ね。金時だっけ? そんなに怒らないでよ、怖いなぁ………。

 

 

それにしても復讐かぁ。村里や街を襲い、人々を殺したねぇ…………

 

うーん…………

 

 

 

うん。それは…………アレだ。滅茶苦茶心当たりあるって言うか、最近聞いたことあるわ、ソレ。

ていうかぶっちゃけ、私達のせいだわ。ゴメン。

 

いや、私は何もやってないよ? てか華扇や透花はもちろん、勇儀や萃香だって人拐いこそしてるけどちゃんと無事に返してるし。取り返しに来た勇気ある人間達も無事とはいかないけど殺してはいない。

 

だから、私達が一番悪い訳ではないんだけど………

でもなぁ…………やっぱり、駄目だよなぁ。悪いよな。だってやってるやってない関係なく、私がこの妖怪の山の頭領なんだもん。被害者から見れば、私が率先して命令してると思われてる筈だし。

 

どう考えても、責任は私にあるよねぇ……

 

 

とうとう、来ちゃったかぁ。私の監督不行届きと言うか、来るべき時が来てしまったと言うか………。

ああ、なんだろ。いざ、来るとわかっていた事が来たとなると、怖いものだね。人の感情とは恐いものだ。それは、昔からわかっていた事だろうに。

 

 

「理解した。確かにそれは私のせいだ。私の管理不備が産んだ悲劇だ…………認めよう。責任は確かに私にある。貴様等に恨まれることも理解した。」

 

「………」

 

「だが、尚問おうではないか。貴様等が刃を向けている相手はその者達ではない筈だ。何せ、人間達への被害は四天王は関与していない」

 

そう言って私は立ち上がった。

頼光達の握る手に力を籠る。それをすかさず手で制し、何もしない仕草をしてからとある鬼達の下へ足を運んだ。

 

酔い潰れて暢気に寝ている鬼共。強面で私よりも圧倒的にドデカイ身体を投げ捨てて倒れている。

そんな鬼達を軽く見下ろしてから、一体の足首を持ち、そのまま軽く彼等の方に乱雑に放り投げた。

 

「ここ最近人間達への被害を出しているのはその鬼と、私の近くで転がっている鬼達だ」

 

コイツ等が犯人だと告げて、近くで倒れている鬼達を指差す。信じられないものを見る目で誰かに見られた気がしたが関係ない。

どうせいる必要の無い鬼達だ。

 

「先日に里を襲った者達はコイツ等だ。また、他の人間達への無体も殆どコイツ等が行っている。どうだ? 勘違いに気付いてくれただろうか」

 

まるで捨て石のように鬼達を売ったが、私の言っていることは本当だ。私は、人間達を殺した犯人をしっかりと覚えていたのだから。

 

私は妖怪の山に住む皆の意思を尊重するが、それでも私達の害になりそうな者には容赦しない。今回の事件を引き起こした原因のコイツ等が勝手に行動してきたせいで私達に被害が被ったというのなら、私は平気で仲間だった同族も敵に売ろう。

 

家族を守るためなら私は容赦しない。

 

「煮るなり焼くなり好きにするがいい。代わりに、その四人を解放しろ。そうすれば私はお前達に危害を加えない」

 

「…………その話が、信じられるとでも? そもそもその鬼達こそが全く関係ない鬼で、貴様が我等を騙している可能性がある」

 

「こればっかりは信じてもらうしかないなぁ……鬼は嘘を吐かない。それは本当だ。」

 

私はこう見えて意外と冷酷で残忍なのだ。でなければこうして2000年以上の時を生きてはいないさ。

だから例え捨て石だろうと生け贄であろうと、私は見捨てる。必要の為に平気で仲間を見捨てる。

その覚悟だけは昔からあった。

 

「だが、どうしても信じてもらえないのなら仕方ない………」

 

「ッ………来るか」

 

絶対に避けられない二択の選択を迫られた時、私はいつも考えている優先順位に従って二択のどちらかを取る。

勇儀や萃香辺りは強欲で強いからその場合は強引に二択とも取るのだろうけど、私は弱いからね。

 

 

だから、家族と自分の命を天秤に掛けた時。

 

 

 

 

 

「私の首を貴様等にやる。そうすれば信じてくれるだろう?」

 

私は、家族のためなら命を捨てる覚悟が出来ている。

 

 

 

「なにっ?」

 

「な、何を言ってるの酒呑!?」

 

私の言葉に今まで一つも表情を崩さなかった頼光が驚きで顔を歪めた。

それだけじゃない。私の無事を見て抵抗を止めて今まで静観していた華扇や、聞いているどころじゃないだろうに、妖怪として力を失って辛そうにしている皆が驚いている。

 

まあ、私を知っている皆なら驚きは尚更だろう。だって、私はいつも臆病で自信が無く、自己保身に走る最低な鬼だから。

こんな風に誰かのために命を投げ捨てるなんて行為、私がする筈がない。

 

「私の命をくれてやる。だから………信じてくれないだろうか? こうして文字通り命を懸けて訴えているのだ。人間達への被害については鬼の四天王と鴉天狗の長は関与していない」

 

でも、私は皆が好きだからね。皆に生きていて欲しいから、私は行動できる。

 

弱小妖怪だからこそ。ちっぽけな存在だからこそ、簡単に命を懸けられる。

 

「………俄には信じられん……鬼の頭領と謡われた貴様が、まさかこんな呆気なく……」

 

「それくらい、貴様等が刃を向けている皆は私にとって大事な家族なのだ。家族を守るためなら私の命程度、一つや二つ……いくらでもくれてやる…………だから頼む」

 

私はそう言って頭を下げた。

許しを請うように、助けを求めるように。無様に額を擦り付けて、必死で頼む。

 

「皆を解放してくれ。この通りだ」

 

止めてと誰かが叫んだ。卑怯な者達に屈するなと呻き声が聞こえた。そんな姿望んでいないと掠れた声が鼓膜を震わせた。湿った声で私の名前が呼ばれたような気がした。

 

それでも土下座を止めない私に、誰かが足音を大きく鳴らして近付いてくる。

そして、床に付けた私の頭が勢い良く踏まれた。衝撃で視界が瞬く。

 

「ふざけるな」

 

呪詛のように重く低い声が踏まれる私の頭の上から響いた。

後頭部と額の痛みを忘れさせるほど、暗く冷たい声だ。

 

「今さら、都合が良すぎないか? そんな詭弁、許せると思ってるのか? 我等が受けた報いが、悲劇が、悔しさが…………それだけで収まると思っているのか!!」

 

空気を震わせる怒りの声とは裏腹に、何故か胸を締め付けるような儚くて脆い泣き声のようだ。

 

「その足を退けろ人間!!」

 

「行かせん!」

 

遠くで華扇達が争っている様子が聞こえる。

 

頭が痛い。額を切ったのがわかる。人間の大人一人分の重さが頭に乗っているせいか、頭蓋からミシミシと音が出てる。

 

「わたしは、ただ家族を守りたいだけ、だっ」

 

「何が家族だ! その家族を殺してきたのが貴様等だろうに!」

 

ああそうだ。これは私の責任だ。止められる立場にいながら、人に害為すことを咎めなかった私の責任だ。いつかこんなことが起こるんじゃないかと危惧しながら、それでも我が身可愛さで現状に甘えた私のせい。

 

許されないことだろう。それでも、私は受け入れることのできない未来を防ぐために、こうして頭を下げて頼むことしか出来なかった。

 

「お願い……します! どうか、皆だけはッ………」

 

「ここまでしておいて何様のつもりだ! 一族全て、末代にまでその罪は消えることが無いほどの事をしておきながら!!」

 

「お願い、しますッ……!」

 

「……どれだけ重い罪かわかっていないのか? なんなら見せ付けてやろうか。貴様の目の前でこの鬼達をこ―――」

 

何かが割れる音がした。

 

嘆き喚く男の声が、突然途切れる。

直後に私の頭にのし掛かっていた足が離れ、そのまま一歩二歩と退がる音。

 

先程までの勢いとは裏腹に、いきなり静かになった彼に疑問を感じて顔を上げた。

 

「ッ」

 

男は………いや、周りにいる頼光達すらも何かを恐れた様子で此方を見ていた。

 

一瞬、私の後ろに何かあるのかと首を向けそうになるが慌ててそれを抑え込む。今は彼等に僅かでも隙を見せる訳にはいかない。

 

畳み掛けるならここしかないと本能が叫ぶ。

 

「……鬼に二言はない。原因の鬼と、元凶の私は素直に殺される。二度と妖怪の山が人里や都に被害も与えないと誓う」

 

「ッ……」

 

「だから貴様等も約束しろ! 私が死ぬ代わりに、他の者達には手を出さないと。嘘偽りなく、ここで誓え!」

 

もう意地だった。何とか皆を助けなければならないという意地で、痛む頭を無視し、額から流れている血を振り払い…………震えそうになる身体を全力で押さえ付けた。

 

「……いいだろう。貴様の話が本当なら……貴様の首を跳ねることが出来たなら、我等は潔くこの場から去ろう。本当ならな……」

 

「くどい!! 我等鬼に、横道はないッ! …………例えどんなに卑劣で卑怯な行いをされようと、鬼の前にあるのはただの一本道。曲がっていようとも、遠回りしようとも、そこには一本の道しか無いんだよ!」

 

恐怖を吹き飛ばすように大声で叫ぶ。目尻に溜まる涙を勢いで誤魔化し、ただ啖呵を切る。

 

 

怖くないわけないのだ。恐ろしくないわけないのだ。

いくらふざけようと、いくら長生きしようと、いくら人生に満足しようと。いくら家族のためを想おうと。

 

死ぬことが怖くないわけ無い。皆と会えなくなることが苦しくないわけが無い。

 

もっと生きたかった。もっと楽しみたかった。浴びるほどお酒を飲みたかったし、美味しいものを沢山食べたかった。

もっと皆と一緒に居たかった。

 

でも、仕方がないじゃないか。所詮、私は弱くて非力な雑魚鬼。天邪鬼程度の力しかない。そんな私が家族を守るために出きることなんて、自分の命を懸けるくらいしかない。

 

「さあ来い人間!! それとも、今更怖じ気づいたか!? 貴様等の覚悟はそんなものか!!?」

 

身に余る地位を与えられ、度々命を狙われ、部下の尻拭いで殺される。

こんな意味のわからない死に方なんてあんまりじゃないか

 

でも私は泣かない。泣いてやるものか。だって泣いたら………皆に余計な思いをさせてしまうから。

 

「ふはっ………」

 

笑え。

 

「はははっ」

 

笑ってやれ。

全てを。

 

「あはははははは、ははははははは!!!」

 

 

迫る凶刃。

 

それが私の首を断ち切ったとき、私は………。

 

 

 

 

私は…………

 

 

 

 

私は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは何処ですか?」

 

空を地面で覆われた大地に、私は一人立っていた。

 

 




おっし! 一章終了です!


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