だから基本的に投稿する時は10話位書き貯めておいて、一気に放出するのが良作を作る秘訣の一つだと思うんだ。
まあたまに書いた端から投稿するキチガイ染みた人や、クオリティ下げずに同じペースで書き上げるプロみたいな人もいるけど。
………で、なんでこんな言い訳紛いの事までしてこの話をしたとかと言うと。
自分、この話入れてストック5話までしか書いてないっす。そろそろ一話くらい更新しないとヤバイかなって思ってこの話ぶち込んでみたけど、この選択が後々に響くんじゃないかって滅茶苦茶恐れてます。
仮に修正することになったらごめんなさい。あと、忙しくて感想返せる余裕が無いです。ごめんなさい。感想はいつも電車の移動時間とかで楽しく見させてもらってます。ありがとうございます。やる気にも繋がっているので本当に感想くださる方には感謝です。
…………
あ、続きをどうぞ
暗い闇が広がっている。
────また死んじゃったのかしら? 貴女も懲りないわねぇ。
一寸先も見えない闇。
────え? 好きで死んじゃいないって? まあ、それはそうかもしれないけど………そうね。貴女も好きであんな体になったわけでもないものね。
でも私は言った筈よね? まだ彼処に手を出すべきでは無かった。私の忠告も聞かずに特攻した貴女がいけない。自業自得よ。
声だけが、聴こえる。
────まあ、良いんじゃないかしら? 肉体に縛られないこの世界でなら、貴女は昔のように力を行使できるわ。
────……貴女って頑固よねぇ。まあ、貴女がそう言うなら良いけどさ。でも、次に復活するのは相当遅いわよ? 多分、千年近く戻れないんじゃない?
闇が広がっている。
▽▽▽
「ここは、何処でしょうか……?」
見渡す限りの青空────ではなく、見渡す限りの土、土、土………
巨大な洞窟? それとも空が土色に染まってるのか?
まるで地底世界のような空間に私は一人いた。
と言うか、もしかしなくても私地底の世界にいない? なんか地面の所々から溶岩が流れているのが見える。おかしいよね? なんでぇ?
確か土蜘蛛辺りが地下に住んでる妖怪な筈だけど。間違えて彼等の巣に入り込んでしまったとか……いや、どんだけアイツ等巨大な穴掘ってんだよ。スゲェな土蜘蛛。
「うむむ……それにしても暑いですね……」
てか暑くね? いや、熱くね? 熱中症とかいうレベルじゃねーよ。気温高すぎじゃない? 高過ぎ君じゃない? 肌が火傷すんだけど………え、死ぬ。死ぬって。特に足の裏が凄く熱い気がする……
「……あちゃぁ!?」
うぉおおおおお!!!? 草履が燃えてる!? ちょまって!ここの岩盤熱せられ過ぎだろぅ!? ふ、服に、服に燃え移るぅぅ!!!
……
…………
………………
ゼーハーゼーハー……
アブにゃかった……まじ、焦った……。丁度良く熱から身を守る結界用の仙術が無ければ焼けて火だるまになるところだったよ…………。
てか、なんなんだよここは! ふざけんな! 起きて早々焼死とか何処の地獄世界だよ! こんなん、生活に支障をきたすわ!
はぁ……疲れた。ちょっと横になろ。はいそこ、起き抜けでまた寝るとかだらしない、なんて言わない。
うむむ。やっぱり空が土で覆われておるでおじゃ。地面も凡そ人が生活できる環境じゃないし。救いは、溶岩が露出して土の世界なのに明るいって所かな? それ以外にも空の土の至るところでなんか光ってるし。まあ、全体的に薄暗いのは変わり無いけどさ。
本当に何処だろう。私はこんな世界知らない。来たこともないし、そもそも来る方法も知らない。
どうやって私はここに来たんだ?
確か…………私は昨日、何時ものように宴会でお酒を飲んではオカンに抱きついて、お酒を飲みつつ馬鹿鬼二人を酔い潰して、あの子を愛でつつまたお酒を飲んで…………宴会が終わって自室に向かって、それから………どうしたんだ?
うーん……駄目だ。確かに自室にいた記憶はあるんだけど、その後の記憶が思い出せない。多分寝たんだろうけど、寝る前の記憶って意外と覚えて無いんだよねぇ。
でも、絶対外出してないのは確かだ。うん、これは間違いない。
ってぇーとぉ……アレですか? 私、誘拐されました?
いやぁ困っちゃうなぁ。確かにぃ? 私ってよく鬼の皆には美人だよ可愛いよって言われてるけどさぁ? でもぉ~、やっぱり勢い余って誘拐されてもぉ~(撫声)
………………はぁ、死にてぇー。
どうせ私は可愛くないですよ。よくお世辞で華扇とかに誉められるけど、所詮お世辞だから。てかむしろ怖がられてるから。部下達に言われたこと無いから。
あー、でも誘拐されたのはマジかも。なにせ私、一応妖怪の山の頭だからね。恨まれるようなことはしてないけど、それでも命を狙ってやって来る奴とか数えたらキリがない。自慢じゃないけど、寝首を掻かれそうになった数は多分私が一番だと思うくらいだしね!
うん。自分で言ってて悲しくなったわぁ。
……ひっぐ…………ぐすっ。ツラい……ツラいよぉ……。なんで誰もいないの? 華扇どこぉ? ぶっちゃけ一番怖いけど、それでも頼りになる勇儀はぁ? ヤンチャだけど、なんなかんだで優しい萃香がいない……。 癒しの透花を抱き締めたいのにできない…………。
「…………」
駄目だ。
私、皆がいないと何にも出来ない…………元から知ってたけど。
皆がいないとやる気も起きない陰気な野郎なんだ…………千と五百年も前から知ってたけど。
私は使えないゴミ屑なんだ…………当たり前のように知ってたけど。
…………卑屈だな、私。
「…………よっこいしょ」
取り敢えず暗いこと考えるのは一旦止めよ。まずは先に現状をどうにかしないと。大丈夫。私はあの子達と会う前は一人でやって来たんだから。何度も、一人でやって来たんだ。
長い間、ずっと一人で。
それこそ、数えられないくらい。
…………おりゅ? なんか、今変なこと考えてなかった? おかしいな………私が一人きりの状況なんて、今まで
まあ、いいか。
数え間違いでしょ。よくあるよくある。
それよりさっさとこの場から離れよう。なんか変なんだよねここ。見渡してみたところ、結構荒れてる感じなんだけど私のいる場所だけ整理されてるっていうか。
それに、私が今いた場所。木で出来た箱の中にいたんだけど…………まるで
うぇぇ……考えただけで気持ち悪い。なんで私ここで寝てたんだろ。マジで誰かが誘拐してここに移したんだとしたら洒落にならないから。ソレに気づかないくらい爆睡してたって事だから、本当に死んでたみたいに見えるじゃん。
早く離れよ。なんか、上に続いてる道があるし、行ってみようか。見た感じ地下の出口じゃ無さそうだけど………もしかしたら、誰かしら妖怪か人がいるかもしれない。
ああ…………暑い。日ノ本の真夏以上の暑さだ。ちょっと歩いただけで汗が凄く出てくる。いくら足下の熱を遮断できるって言ったって、気温自体はどうにも出来ないからね。
何処かで水分補給しないとだ。このままじゃ干からびちゃうや。
確かお酒が懐に……。
…………アレ? おかしいな………私の見間違いかな? なんか、お酒の入った陶器が全部粉々になってるように見えるんだけど。ヤバい、暑さで目がヤられたか?
ゴシゴシ(ノ_<。)
よしこれでどうだ(`・ω・´)
………うん。何度見ても、かつてお酒が入っていた物達の砕け散った残骸だけしかないや。
……
…………
………………
なしてぇ……。なして、お酒の入った入れ物が全部壊れてるのぉ……
誰だよ壊したやつ。悪質だろ。おかしいでしょ。なんで壊れてるのさ。私の秘蔵コレクションだよッ? これ全部集めるのに私がどれだけ苦労したと思ってるの!? そんなのありかよぉぉぉおおおおおお!!!!
「…………ガクッ」
あまりの事実に打ちのめされた。項垂れるしかない。
ああ…………私のお酒ぇ……
「ちょいとそこのお姉さん」
「お酒……お酒ぇ………」
ふぇぇ……お酒ぇ……私の大切な、お酒ぇ……。
もう駄目だ。お酒が無いと生きていく気力すらなくなっちゃう……。私にとってお酒が全てなんだ。それを、何処の誰だか知らないけど……ちくせぅッ……
「お姉さんどうしたんだい? そんな踞って。聞いてるかい? お、ね、え、さ、ん!」
もう全てが嫌だ。死にたい。お酒が無い生活なんて死んでるのと同じだ。耐えられない。
ああ………私の秘蔵コレクション達。あれだけ貯めといて、飲んであげられなくてごめんよぉ。
「お姉さん!」
「ッ!?」
ぶへらっ!?
な、な、なななななんじゃい!? いきなり横っ腹をどつくでない! びっくりするじゃないか!
「ゲホッゲホッ………なんなんですか一体」
突然横から受けた衝撃に噎せる私。悪態を吐きながら、私の腹をどついてくれた正体を確かめるために振り向くと。
そこには、何やら面妖な少女が一人プンプン怒ったように立っていた。
「全く。こっちが親切に声かけてやったってのに無視とは酷いじゃないか」
「…………」
「また無視かい!?」
「ああ、いえ………ごめんなさい。ビックリしていたもので」
その少女は黒の下地に何やら緑の模様の入った奇妙な服装をしていた。今まで一度も見たことがないような服。明らかに日ノ本や大陸の者達が着ていた服とは違う……数回ほど見たことのある西の海の者達が着ていた服に近い。
深紅の髪を両サイドで編み込んであり、前髪は切り揃えられていて可愛らしい顔によく似合っている。
そして一番注目すべき点は彼女の頭の上に付いた耳だ。ぶっちゃけ、これを見て私が固まってしまった原因でもある。
なんと彼女、猫耳だ。ふさふさと柔らかそうな毛並みの猫耳が頭の上にちょこんと乗っているのだ。
可愛い。滅茶苦茶触りたい。
「失礼しました。先程までとても落ち込んでいたので……少し、周りを気にする余裕が無かったのです。気に障ったのなら謝ります」
「少しで済むレベルじゃなかった気がするけど………まあ、いいさ。あたいもそんな気にしてないしね!」
おお。中々懐の深い人物だ。見た目からして元気があると言うか、陽気な感じがする。表情もコロコロ変わって見ていて飽きないし、なにより愛嬌のある人懐っこい笑みが良い。顰めっ面と不細工な笑みしか出来ない私の顔とは大違いだ。
「それで、お姉さんはなんでこんな辺鄙な場所で落ち込んでいたんだい?」
「それが……私の持っていたお酒が全部無くなってて……それで、もう死のうかなって……」
「…………ふむふむ」
「…………」
「…………」
…………
……なんだろ。この間は。
「…………えっ? それだけ?」
「そうですが………」
なんで聞き返したの? とても重大事件でしょ。その反応おかしいって…………ちょ、待てや。なんだその顔は。聞かなきゃ良かったみたいな顔するなや。
「え、まじで? ホントに? ……うわぁ。本当なんだね………思ってた以上にしょうもなかった。心配して損したよ」
──は? キレそう。いやごめん。キレたわ。
「なんですって!? お酒は私にとって命みたいな物なんですよ!! とても重大な事なんです!!」
「へっ? ──わっ、にゃっ、にゃぁぁぁぁああああ! お、落ち着いて。揺さぶらないで!」
ふざけるな。何てことを言うんだこの猫耳娘! 人が凄く落ち込んでるって言うのにッ………。 お酒は私にとって命の次に大事なものなんだよ! なのにそんな事言うなんて酷い!!
私にはお酒しかないんだ! お酒が無きゃ! 生きて!! いけないッ!!!
…………客観的に見て質の悪い呑兵衛ですね。屑だわぁ、私。
猫っ娘ちゃんに不満をある程度ぶつけたら少しだけ元気が出たし、凄く冷静になれた。
同時に私のどうしようもなさに気付いて再び落ち込みかけたけど、それよりも前に、目の前で目をクルクル回している猫っ娘ちゃんがいたのでそれどころじゃなくなった。
「目がぁぁぁ…………」
「ご、ごめんなさい!」
マジ、申し訳ねぇ。
「にゃぁ………まだクラクラする……」
「本当にすみません……」
「まあ、あたいも悪かったさ。お酒の事で鬼相手に絡むもんじゃないからね。私がどうかしてたよ」
うむむ………本当に申し訳ない事をした。彼女は親切で私に話し掛けてきたと言うのに、ちょっと酷いこと言われたからって八つ当たりして………。いや、やっぱりお酒の事だし……怒るのは当然のことか?
「……やっぱり、お姉さんも鬼なんだねぇ。酒の一言でここまで取り乱すなんて…………雰囲気が鬼のそれとは違うから、気付かなかったよ」
「ふむ…………貴女は私の同族を知っている様子。この世界には私以外にも鬼がいるのですね?」
「ありゃ。鬼のお姉さん新人さんかい? どうりで見ない顔だと思ったよ。妖怪の賢者もこんな場所に放り出すなんて、さてはお姉さん相当嫌われてるね」
? この猫っ娘ちゃんがさっきから何言ってるのか全然わからない。一人で納得してうんうん頷いてるし。新人? 嫌われもの? なんのこっちゃ。
「未だに要領を得ないのですが………もしよければ、ほんの少しで良いので貴女の知っている事を私に教えてくれませんか?」
「……お姉さん、本当に鬼っぽくないねぇ。喋り方も丁寧だし、なにより謙虚だ…………気に入ったよお姉さん。あたいがこの地底について教えて上げる!」
「ありがとうございます」
なにやら気に入られたらしい。腰を低くして尋ねただけでこの対応…………この娘、チョロイな。
まあ私としては教えて貰えるなら何でもいい。情報は大事だからね。頭の一つや二つ下げるくらいで貰えるならいくらでも頭下げちゃうさ。
でも、その前にだ。
「教えてくれるのはありがたいのですが………まずは場所を移しませんか? ここは暑くて………」
「ん? ああ、すっかり忘れてたよ。いいよ。この道を登ればさとり様にも会えるし一石二鳥だからね」
私は移動を提案した。
この場所は凄く熱いんだ。正直、干からびる一歩手前です。さっさと離れないと酒だけじゃなくて全身の水を失いかねない。
猫っ娘ちゃんに案内されながら、私は上へと繋がる道を登っていく。
「そういえば自己紹介がまだだったね。あたいはお燐っていうのさ。鬼のお姉さんの名前は?」
「私は酒呑と言います。呼び捨てで良いですよ」
「ふーん。酒呑って言うんだねぇ…………ん? その名前、どっかで……」
私の名前を聞いた後に、何かを思い出すように唸るお燐ちゃん。一瞬、妖怪の山の頭だとバレたのかと思って焦ったけど、流石にこんな地下深くにまでたかが妖怪の一組織ごときの存在が伝わっている筈が無いと意識を改める。
うんうん。知ってる筈無いさ。自意識過剰だから私。恥ずかしいよ? だから落ち着こう。私の首を狙う妖怪がいるかもしれないだとか、皆の影に隠れて虎の威を借る事が出来なくなったとか、守ってくれる存在が誰一人いなくなったとか…………そう言うマイナス的な思考は止めよう!
ガタガタガタガタ
お、おかしいな。冷や汗が止まらねえや。体の震えも治まらないし…………か、風邪かな?
「それにしても地底についてかぁ………何処から話したもんかねぇ。教えるってお姉さんに言っちゃったけど、あたい口下手なんだよ」
うんうん悩んだ様子で考え込むお燐ちゃん。彼女の様子を見て私は申し訳ない気持ちでいっぱいだ。なにせ、この世界の事について教えてくれと頼まれれば、誰だってどうやって教えれば良いかと悩むだろうから。
「ふむ…………なら、この地底には何か法律やルールと言ったものはありますか? 知らないところで何か粗相をしたり罪を犯してしまったりしたら嫌ですからね」
「ん~? そんなに怯えるような事はないよ。なにせここは地底だからね。『地上に出ない』以外はなんにもないさ」
? 変な決まりがあるもんだ。何故地上に出てはいけないのだろうか?
なんだろ。不安と言うべきか、物凄く怖いと言うべきか。
悪い予感しかしない。
「……それは何故ですか?」
「えー…………お姉さん。ホントになんにも知らないんだね。そんなの当たり前さ。この地底は地上で嫌われた者達ばかりが集まった場所だからさ」
はっ?
「だからって訳じゃないけど、地底では強さが全てさ。弱肉強食。弱さが悪ってね。それこそお姉さんが言うルールと言えば、『腕っぷしの強さ』がこの世界のルールだよ」