酒呑物語   作:ヘイ!タクシー!

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やめて!勇儀の怪力乱神を持つの程度の能力で思いっきり顔面を殴られたら、紙装甲しか持たない魔理沙の顔がザクロになっちゃう!

お願い、死なないで魔理沙!あんたが今ここで倒れたら、不殺の弾幕ごっこルールはどうなっちゃうの? 説得はまだ残ってる。弾幕ごっこになれば、勇儀に勝てるんだから!

次回、魔理沙死す。デュエルスタンバイ!



皆さん魔理沙の戦闘力予想ありがとうございました。お陰で感想が全て魔理沙殺される予想に変わってしまった……。
勇儀強過ぎだな………どうあっても魔理沙がルナティックモードじゃん。果たして魔理沙は真っ赤なザクロになってしまうのか………。

原作キャラ死亡タグ用意しなきゃだなー







ある日〜緑髪の女の子に〜出会った〜

 私は今、現状を把握しきれていない。

 

「あっ、お茶をいただけますか?」

 

 突然屋敷の前が騒がしくて道の方に目を向ければ、人間が鬼を千切っては投げ千切っては投げ。

 

「美味しいですね。これ、なんて名前のお菓子なんですか? 最近此方の世界に来たのでこっちの事は余り詳しくないんですよ…………」

 

 かと思えばその人間は見下ろしていた私に気付いて恐ろしい殺気を向けてきて。

 

「ふぅ…………ここから見る景色は綺麗ですね。あの二人が戦っているお陰で星が一杯飛び交ってます」

 

 勇儀が事を収めてくれるかと思ったら、意外や意外…………まさか、もう一人の人間が勇儀に勝負を挑むとは…………命知らずで無知な人間だ。

 

 だけどそれ以上に驚くべきことがある。それは…………

 

 

 

 

 

「よし、お菓子も食べ終わった事ですし……貴女、鬼って言う妖怪ですよね? 退治しちゃいますね?」

 

「貴女、横暴だってよく言われません?」

 

 私の部屋に突然窓から飛んで入って来たこの緑髪の少女が、私を殺そうとしていることである。

 

 アポイントメント無しの来訪。お菓子やお茶が欲しいと恐喝し、食ったら食ったで殺人予告。ぶっ飛んでやがる。

 これだから地底は…………

 

「じゃ、やりましょうか!!」

 

「待ってください、アホですか。そもそも貴女はどこから来た」

 

 うん。まずは落ち着いて話し合おうか。とりあえず自己紹介から。お菓子あげたでしょ? そんな、虫も殺さないような優しい笑顔で私を殺害しようとするんじゃねぇ! 恩を仇で返そうとするな恩知らず者ー!!

 

 

 

 

 

「それで…………早苗さんは地上から来たんでしたか。なんでまた人間の貴女がこんな地底の世界に?」

 

「実は地底側から地上側に悪霊達が流れているんです。その原因を突き止めて解決する為に私達が来たんですが…………」

 

「悪霊?」

 

 はて…………正直私はまだここの生活に詳しいわけではないのだけど、悪霊なんて地底に居ただろうか? まあ、彼等も結構な嫌われ者達だ。居ても不思議では無いのだけど……なぜ、地上に? 

 

「神様達のお知り合いである紫さんのお話では、元々地底は悪霊達を封印する役割があるそうなんですが…………何処かの方が封印を解いちゃったらしいんですよねー」

 

「へぇ……悪霊の話は初耳です。それと残念なのですが…………やはり、ここ旧都とは関係なさそうですね。悪霊なんて居ませんし、現に私が初めて知ったくらいなのですから」

 

 目的がここに無いことを告げると早苗ちゃんは悲しそうに項垂れた。心なしか髪飾りのカエルも落ち込んでるように見える。可愛いな。

 

 それにしても突然地底の天井に空いた穴に、まさかそんな事実が孕んでいたなんて驚きだ。それに、地底に悪霊が住んでいた事も。

 やはり地底は恐ろしい。そんな事実を聞いたからには益々地上への移住計画を早めなければならないじゃないか。

 

「まあ、ゆっくりしていってください。もう少しすればここの世界をよく知る家族が帰ってくるので。彼女が居ればそんなのすぐ解決ですよ」

 

「あ、いえ。私は別にこの異変を解決するために来たんじゃないんですよ」

 

「え?」

 

「……あっ、これ言っちゃダメなんだった」

 

 なんかとんでもないカミングアウトされたぞ。事件の解決の為にきたんじゃない? だったらなんで来たの? 観光ですか? いや、この様子は絶対違うな。酒呑ちゃんの勘がそう言ってる。

 てか早苗ちゃんあからさまに視線逸らして誤魔化そうとするのな。可愛いか!! 可愛い!!

 

「えっと…………今のは無かったという事で」

 

「無理でしょう」

 

「あう……」

 

 天然だなこの子。私にはわかる。多分、考えるより先に口が出る子なんだろう。

 

「ふむ…………やはり、会ったばかりで私を信用できませんか」

 

「えっと……そうじゃなくてですねー………」

 

 おや頑なですな。そんな言いたくありませんかいそうですかい。

 正直、彼女が地底に来た真の目的なんてここから去ろうとしてる私にはどうでもいいけど、ここまで延ばされると逆に気になるな。でも、こうして彼女とお喋りするのは楽しいから強くは出れないし。

 そうだな…………ここは一つ私が大人な対応をしてやろう。

 

 

「そうですか…………でしたら、私の話を聞いてくださいませんか? 今、ちょっと困っている事があって…………」

 

「困ってる事、ですか?」

 

「そうなんです…………じつは────」

 

 相手を信用させるには己を曝け出せってな。

 

 私は彼女に昔の事や現状の事について話した。

 家族の事。生き別れた事。地底にはつい最近来たのだが、ひょんな事からここのお偉い役人的な職業を押し付けられて不安な事。移住したい事。そして、地底に住む者は地上には出られない事。

 

 私の野望はちょっと脚色して話した。流石に自堕落な生活したいなんて初対面の人には言えないからね恥ずかしい。

 でもとても家族が大事だってことはちゃんと伝えた。鬼の四天王なんて仰々しい名前で呼ばれている彼女達だけど、私にしてみれば掛け替えのない家族だから。命に代えても守りたい大事な家族。

 

 正直皆強すぎてあんまり心配してないけど、勇儀の例もある。地上に行きたいのも自分の命が懸ってるからって理由が殆どだけど、それでもまだ会えてない家族に会いたいんだ。

 

だから───

 

 

 

 

「なんて…………なんて酷い! 昔の人に妖怪に対しての情は無いんですか!! 掛け替えの無い家族を離れ離れにさせるなんて!!」

 

 ちょっと家族愛を語り過ぎちゃったわ。

 

 どうやら早苗ちゃんは他人から影響を受けやすいみたいだね。情に訴える話し方したらメチャクチャ私に対して親身になってくれたよ。対面時の横暴行為が嘘みたいだ。

 

 ちょっと脚色しすぎたか? まあ私は被害者なのでこれくらいは許されるだろう。

 

「人間は悪です! 居ない方が世の為です!!」

 

「貴女も人間でしょう? もう過ぎたことですから別に良いんですよ」

 

「む……酒呑さんがそう言うなら……」

 

 あれ? なんか私の言うこと嫌に素直に聞くな…………なんだこれ? 同情させるどころか、なんか早苗ちゃんに懐かれてない? 

 ええ…………いいの? 貴女さっきまで殺意満々だったじゃ無い。ころころ意見かわりすぎじゃ無い? 逆に怖いよ。それに親御さんとかいるって聞いたよ。心配しちゃうよ。こんなホイホイと知り合って間もない妖怪についてっちゃダメだよ。

 

 これはしょうがないなぁ…………仕方がないから早苗ちゃんが何処ぞの誰とも知らない鬼に連れてかれないよう、私が保護してあげちゃおうかなぁ〜? (ゲス顔)

 

 可愛い人間の女の子ゲットだぜ。勇儀は飼うこと許してくれるかな? 

 

「早苗さんは、何か悩みとか無いんですか?」

 

「えっ…………私、ですか?」

 

「ええ。妖怪だろうが人間だろうが、神様だろうが。皆、誰しも悩みはあるでしょう…………。貴女は優しい子です。でも、優しくて誠実な子ほど一人で抱え込んでしまう」

 

「酒呑さん…………」

 

 さあ君のターンだ。私は腹を割って話したよ。君も洗いざらいぶち撒けちゃいなさい。ここに来た本当の理由とか、とかとか。

 じゃないと私、気になって夜も眠れません! 昼寝はするけど! 

 

「…………酒呑さんって不思議な人ですね。妖怪の人なのにとても暖かい」

 

「そうですか? まあ私は昔、鬼神と言う鬼の神として人間の方達から祀られた事もありますからね。純粋な妖怪ってわけじゃないのかも」

 

「なんですかそれー」

 

 はいここで実体験込みの小意気なジョーク! 和やかな会話で相手から事情を引き出す秘訣だよ! ちょっと真剣な話ほどユーモアを忘れてはいけないッ。

 

 でも…………思い出してみれば懐かしいね。私も大陸にいた頃は神としてブイブイ言わせてた時期もあったからね。結局、めちゃくちゃ似てる他の鬼との勘違いだったけど。でも百年くらいはその里を繁栄させたからちゃんと使命は果たした。

 

 そのせいで華扇の的外れとも言えない勘違いを否定できなかったのが辛かったんだけど。

 

 

「…………わたしも」

 

「ん?」

 

 おっ、なんだ。話す気になりましたかい? 

 

「私も酒呑さんの気持ち、ちょっとわかります」

 

 …………おや? おやおや…………これは、もしかして。

 

 

「私も元々は幻想郷の外にいた人間なんです。こっちに引っ越して来たのも最近で…………最初は未知の世界だ、わーいって思ってましたけど……もし、諏訪子様や神奈子様が居なかったら。お母さんやお父さん達のように居なくなってたらって思ったら不安で…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キタ───(゚∀゚)─── !!

 

 これは堕ちた!! 堕ちたな!! 

 まさかのここに来た理由よりも重そうな身の上話が来ちゃったよ!! やふ──! 正直私の話は結構盛ってるところあったから申し訳なくて仕方がないぜ! 変なテンションになっちゃったよ! 

 

「一人だと、私はこの世界に独りなんだって勘違いしちゃいそうになるんです。外の世界と幻想郷は全く常識が違くて…………一緒に来た霊夢さんと魔理沙さんと仲良くしてるんですが、やっぱりちょっとズレがあるんです」

 

 霊夢と魔理沙ってのは、一緒にいたあの二人のことかな? どっちが霊夢ちゃんでどっちが魔理沙ちゃんなんだろう? わからん。わからんけど最初に見た早苗ちゃんと同じ変な巫女姿の女の子は確かに常識無さそうだわ。大量の鬼相手に無双しながら、こっちに意識向けてくるとか化物やん。

 もう一人も大概だろうね。今も勇儀と戦ってる箒に乗った女の子も頭おかしいよ。まあ流石にあの勇儀相手には苦戦してるようだけど。てかむしろ苦戦で済んでる方が意味わかんないけどね。

 あんな二人に囲まれてたら、そりゃあ常識に差が出てくるでしょう。いや、この子も初対面で殺そうとしてきたから大概だけど。

 

「頑張って二人と合わせようとしても上手くいかないんです……本当だったら貴女ともあの二人のように会って早々弾幕ごっこをしなければならなかったのに」

 

 あ、違った。おそらくだけど話的にその二人の入れ知恵っぽいわ。

 止めろよ! こんな頭緩くて良い子そうな女の子に変な常識教えるなよ! 

 

「もし、神様達が一緒に居なかったらと思うと…………そう思ったらいつも二人に頼ってばかりで。だから今回は勇気を出して神様達から離れてみたんですが、やっぱり一人だとちょっと不安なんです」

 

「早苗さん…………」

 

 そうでしょうそうでしょう、不安でしょう。そりゃあ会って間もない私にこんな簡単に身の上を話すくらいなんだから、メチャクチャ不安でしょう。わかります。地底は怖いですもんね。鬼とかいっぱいいるし。私も毎日が恐怖です。

 

 ごめんね。厚かましくて頭のおかしい危険な子だなんて思って。そうじゃなかったんだね。やっぱり慣れない土地で一人だと不安になっちゃう可愛い女の子だったんだね。

 あれ? でもこの子、ナチュラルに部屋の窓から押し掛けてきたような…………しかもお菓子とお茶を強請って…………

 

 うん。ズレてるのは多分元からだわ。

 

「早苗さん」

 

「はい? えっ…………あの?」

 

 でも良いじゃないか。多少こちらの人と感性がズレていたとは言え、それは人間の話。個性豊かな私達妖怪に比べたら些細な違いでしかない。むしろ、そんな人とは少し違う天然なところがむしろ可愛らしい。

 

 彼女は、自分が受け入れられないことを恐れているのかもしれない。新しくなった環境に自分だけ取り残されるのが怖いのかもしれない。だから彼女は親元を離れて、友達になれるかもしれない二人と仲良くするために彼女達について来たのだろう。

正直、私はまだ彼女の人となりを知ってるわけじゃないから想像の域を出ないけど、彼女が不安がっているのがわかる。

 

 自分らしさを抑えて周りに合わせるよう努力する。

 それはなんと人間らしく、それでいて美徳であるのだろう。

 

 でも彼女はわかっていない。いや、幻想郷と言う場所は行ったことが無いからわからないけど、それでも話に聞いた妖怪が蔓延る理想郷なのだとしたら。

 

 個性しかない妖怪の世界では、個性こそが美徳なのだ。

 というか、他者に合わせるなんて気にしてたらキリがない。種族だって違うし、価値観や強さだって個体差がある。それこそ個性ばかり揃った話の聞かないあの家族達と私は長く付き合ってなんか居られないさ。

 

 不安なら受け入れればいい。

 人も妖怪も本来なら大差なんて無い。人も個性だ。鬼との違いも角があるか無いかの差だろう? 

 

 

「酒呑……さん?」

 

「貴女は頑張り屋さんです。立派です。慣れない環境にやって来て、仕方が無いからと腐る事なく一人立ちしようと努力する…………親元から離れてこんな危険な世界にまで足を踏み入れた。誇っていい」

 

 彼女の華奢で小さい身体を包み込む。私の両腕にすっぽりと収まる早苗ちゃん。よしよしと頭を撫でて、私の温もりが伝わるよういっそう心掛けて彼女に触れる。

 

「私と友達になりましょう? 私は他の人間と違うことに悩む、そんな健気な貴女が気に入りました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲホッ…………痛ッッ……たぁ……」

 

『魔理沙!? 大丈夫なの!?』

 

「余計なお世話だぜ…………って啖呵切れれば良かったんだがなぁ……」

 

 建物が軒並み倒壊した旧都の道の真ん中で、ボロ切れのように倒れる血塗れの魔理沙の姿があった。

 

 怪我自体こそ見た目ほど酷いわけではない。しかし彼女の箒は根元から折れ、両足は捻挫か骨折したのか酷く腫れてまともに起き上がるのは無理だろう。

 お気に入りの帽子は戦闘の余波で吹き飛んだのか何処にも見当たらず、彼女の周りには無残に引き千切られた西洋風の人形が散らばっていた。

 

「動けない……」

 

『クッ…………私の人形達が』

 

『化物ね…………魔理沙に掛けた魔法の護りも、アリスの自動防御人形も全部壊された。まさか、レミィ並の妖怪がこんな地下の奥底で燻っていたなんて』

 

 地面に落ちているヒビの入った陰陽玉から苦虫を噛み潰したような声が響いた。萃香の声ではない。

 陰陽玉の通信先で、先程まで魔理沙にサポートをしていた彼女の知り合いであるパチュリー・ノーレッジ。そしてその横で焦った様子のアリス・マーガトロイドである。

 

 二人は魔理沙達をサポートする為に八雲紫によって呼ばれた者達だ。三人が地底に出発する前にそれぞれが守りの結界と身代わり兼サポートにも役立つ人形を憑かせていた。

 

 二人のサポートは万全だった。幻想郷でも類稀なる力を持つ魔法使いであり、『動かない大図書館』と呼ばれるパチュリーと『七色の人形遣い』の異名を持つアリスの二人が、それぞれの分野で最高の補助を彼女達に施したつもりだ。

 

 重ねて魔理沙には付きっきりでサポートをしていた。

 それが今のような結果。それら全てを正面から破られて、魔理沙はボロ雑巾のように地面に伏している。

 

 いや…………むしろこのくらいで済んでいる方が奇跡と言えるかもしれない。

 なにせ魔理沙の相手はあの星熊勇儀なのだから。彼女相手に人の形を残している事がもう偉業と言えるだろう。

 

「初めてだよ。私と正面からぶつかってここまで粘った人間は。鬼でも私相手に10秒立っていられたら英雄視されるってのに…………傷付けられたのは鬼以外だと天魔とやり合った以来かな」

 

 私が勝者だと言わんばかりに魔理沙を見下ろす勇儀。

 そんな彼女は魔理沙以上に傷を負っていた。身体の至る所に火傷を負い、肩や腹の肉が抉れ、着ている服は魔理沙以上に血で赤く染まっている。

 

 人間ならまず重傷だ。しかし、鬼の中でも圧倒的に生命力の優れた勇儀にとってこのくらい全く問題ではない。どころか既に治りかけている箇所すらある。

 いくら皮膚が焦されようが、肉の皮が持っていかれようが、所詮薄皮一枚程度の怪我。彼女の命には一生届かない。

 

「あぐっ…………この、肉体お化けめ。弾幕ごっこなら負けないってのに」

 

「あー……そういえば上では今そんな遊びが流行ってるんだってな。私は興味ないけどね。喧嘩ってのは拳でやるもんだよ。まぁ、確かにその遊びでやってたらお前さんの勝ちだったろうな。恨むなら、私の邪魔をして本気にさせた自分を恨みな」

 

 その戦いは圧倒的な蹂躙だった。  

 弾幕ごっこで培った魔理沙の戦闘技術は一級品だ。火力の高い魔法に、逃げ場を与えない弾幕技術、箒を利用した高速移動と回避力。並の妖怪なら相手にならないだろうし、大妖怪と呼ばれる存在とも僅かであるが渡り合える。

 

 そんな魔理沙だからこそ勇儀は最悪の相性だった。

 鬼の肉体に物を言わせた勇儀の戦い方。回避の難しい磨かれた技術だろうが追尾の魔法だろうが関係ない。いくら攻撃を浴びせられようが問題ない。当たるなら避けなければいい。

 魔理沙が放つ魔法の嵐の中、勇儀は平然とその中を突っ切り彼女へと襲い掛かった。何度も何度も。その一撃が当たるまで何度も。

 

「昔の私ならお前さんを気に入っただろうけど…………悪いな。随分前から私は人間が大っ嫌いなんだ」

 

「はっ…………動けない相手にトドメを刺すなんてな……酷い奴だぜ」

 

「ああそうだな。私の信条に反するよ。でも、殺すって決めてんだ」

 

 これまでも幾度も命を絶ってきたその拳を勇儀は高く挙げ。

 

「母さんが殺された、あの時からな」

 

 魔理沙の顔面に振り下ろし。

 

 

「ちくしょう────」

 

 

 

 

 

 

 どちゅり。

 

 肉の潰れる音と共に、勇儀の顔に飛び散った鮮血と肉片が付着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「母さんが殺されたあの時からな」(シリアス)

その頃酒呑「早苗たんゲットぉ〜(゚∀゚)」


魔理沙、戦闘シーンもカットされて出番少なかったのにこの仕打ち………作者は何の恨みがあるんだろう?

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