萃香のオリ展開です。主人公じゃないんで端折りながら彼女の人生に焦点当ててます。
やっぱ主人公視点じゃ無いと書きづらいですね。酒呑は基本その日の筆者の心情をそのまま代弁してるんでスラスラ書けるんですけど。
私は産まれた時から最強だった。
有と無の狭間から産まれた鬼。0と1を司る鬼。密と疎を操る鬼。鬼の名を伊吹山の萃香。
いつのまにかその名を背負い存在していた私。突然生まれたのか、伊吹山に住む妖怪達は私の妖気を求めて連日襲ってきた。
生まれて間もない私には妖怪とは未知の存在だ。何故襲ってくるのか。そもそもお前達は何なのか。それすらわかっていない。
でも恐怖は無かった。あるのは、未知に対する感情の昂りだけ。
私は感情の昂りのままに妖怪達を殺した。無意識にこれが正解だと思ったから。
「な、なんなんだコイツはッ………生まれたばかりなのに、同じ妖怪なのに、こんな強い筈が」
「あはは!! 妖怪! お前や私のような存在を妖怪と言うのか!! それにしては私とお前は似ていないがな!」
「ひっ! た、助けくれ……」
「お礼に私も教えてやる! 私の名は萃香! お前をこれから殺す妖怪の名だよ!」
最初の頃は様々な物が未知に溢れていて面白かった。山にいる生き物と同じ形なのに、大きさは全く違って私との意思疎通も出来る奴。見たこともない形をした奴。
よく見かける小さい生き物は虫や獣と言うらしい。同じ形なのに大きいのは大体妖怪。見たことなくて大きいのも大体妖怪。
そしてどんな妖怪にも、明確に他の生き物とは違う妖気と呼ばれるオーラがあった。妖気の量が多ければ多い程その妖怪は強い。つまり妖気が多い程、そいつと戦うのが面白いと言うことだ。
命のやり取り。楽しくて楽しくて仕方がない。何故かわからないが、私は戦いと言うものに快楽を見い出したのだ。
虫や獣などの山にいる小さい生き物共は私を怖がって何もしてこない。だから、唯一私の命を奪おうと襲ってくる妖怪達は私にとって感情の昂りを満たす大切な存在だった。だから、私は襲ってくる妖怪達に敬意を持って全力で殺し返した。
だが、無知だった私はやり過ぎたのだ。無闇に殺し過ぎた。結果、当然のように妖怪達もまた私を怖がって近付かなくなってしまう。
「おい! 逃げるな!」
「「「ひぃぃぃ!!!」」」
逃げるアイツらを叩きのめしても、反撃すらしてこない。
違う、こうじゃない。私が求めていたのは、闘争だ。こんなつまらない事を望んではいない。
私の願望はしかし誰にも届かない。
私は強過ぎたのだ。今までどんな攻撃にも死を覚えた事は無い。どんな奴も一撃で殺してしまっていた。
あまりにもかけ離れた私の強さ。それが私の楽しみを奪い取っていたのだ。
つまらない。私はそれが耐えられなかった。もっと私を楽しませてくれ。気分が高揚するあのワクワク感を私に味合わせてくれ。
感情の赴くままに私は山を出た。山を出れば他の妖怪がまだまだ沢山いたからだ。また私をワクワクさせてくれると思ったから。
でも、私を満足させてくれる妖怪は居なかった。能力を使うまでもない。私の拳に耐えることすら出来ず、出会った奴ら皆が死んでしまう。
「飽きた」
妖怪達の屍の上で、私はそう独り言ちた。
ワクワクしない。面白くない。明確に何が面白くないのか私にもわからないが、面白くないのだから仕方がない。
私は退屈になった。
しかし死んでしまいそうなほどの退屈に比べたら、妖怪共を殺す行為はまだマシだった。逃げる妖怪達を殺すのも暇つぶし程度にはなった。本当に面白くはなかったが。
なし崩し的に、私は妖怪を殺していった。その度に妖怪達に私の噂が広まるのか恐れる者ばかりになっていく。そうするとまた私は面白くなくなる。
気付けば私は、自分と同じくらい強い何者かとの出会いを求めるようになった。
私に怯えず、逃げず、そして私と戦っても死なない……そんな強い奴を、
そうやって山の周りを転々としていた時、私はとある集落を見つけた。そこに住む者達を見て、私はまた感情が高揚した。
その集落には、私と同じ姿の存在が多数いたのだ。違いは角が付いていない事と、妖気を一切感じない事くらいだったが、そもそも身体の大小違いや胸の膨らみの有無など様々だったのでどうでもいいことだ。
私と同じ存在かもしれない。私を満足させてくれる奴がいるかもしれない。私は歓喜に震え、その者達と話し合いそして殺し合う為に意気揚々と集落に向かった。
その者達が人間と呼ばれる、根本から私とは全く違う生物だと知ったのはそれからすぐ後だったが。
「やあやあそこのお前! ここはなんだ! お前達はなんなんだ!」
「あっ? なんだこのガキ………ッ!? お前、角付きか!」
「私は伊吹山に住む鬼、伊吹萃香さ!! さあ、私と同じ姿をする者達! 殺し合おう!!」
村に入って人間に声を掛ければ、私はまた襲われた。それは良い。私の期待通りだった。
その後に、私に向かってきた奴らが私どころか、私が殺してきた妖怪達にすら殺されるんじゃないかと思うほど弱かった事が最悪だった。
妖怪と違って貧弱な人間達は武器を持って私を殺そうとしたさ。だけど、弱かった。無抵抗でいても私の身体に一切怪我を負わせられないほど人間達は無力な存在だった。
それが私には面白くなかった。
少し腕を払えば、突風が人間達を吹き飛ばす。少し小突けば砂みたいに粉々になる。
私は、その時から人間に興味を失った。これならまだ妖怪を殺している方がマシだ。歯応えの欠片もない。
私はまた退屈になった。
それでも私は私と言う存在を真正面から受け止めてくれる奴を、私を楽しませてくれる奴を探した。諦めきれなくて、妖怪や偶に人間達を手当たり次第に狩る行為を続けた。
そうして進み続けて進み続けて………私は何も無い海に出た。
見渡す限りの青、青、青。空と同じ青色が果てしなく広がっている。全てを埋め尽くすその壮大な色に…………
私は失望した。
「ふざけるな!!」
自暴自棄になって海を叩いた。その瞬間、私の視界からある程度の水が消える。しかしそれもすぐに別の海の水が流れ込み、再び私の視界を青で満たした。
「ふざけんなぁああ!!!」
それがムカついて、私はまた拳で海を吹き飛ばす。また海は戻る。叩く。戻る。
こんなに暴れても海は抵抗すら見せない。ただ私の拳に吹き飛ばされ、しばらくすると戻って来てゆらゆらと波が揺れて動くだけになる。
この先に何があるのだろうか。ここと同じ陸地か。それとも本当に何も無いのか。そして仮に陸地があったとして、そこに行った私は何が得られる?
また楽しいことを探しに行って、結局なくて絶望するだけなんじゃないか。
気づけば私はかつて生まれた地である伊吹山に帰って来ていた。
「…………」
失望した。絶望した。世界に、私の強さに。
他にも探せば面白い事があるんじゃないか。突き進んだ私がそんな希望を抱かなくなるには十分な出来事だった。
私が生まれてから日が空を跨いだ回数は1万を超えていた。生まれてから数日でこの山を出て行った私は、久々に帰って来て周りの風景がかなり変わっている事に気付き、ようやく長い年月を実感したのだ。
そんな長い年月を掛けて探したのに、結局私は一度も満足できなかった。満足に近い事があったのは、この山で最初に襲われたあの時だけ。そうして山から出れば、私の中で何も変わらなかった。何一つ得られなかった。
私は不貞寝した。そこらの土の上に、そこらの木の上に、岩の上に、妖怪の骸の山の上に、人間達が住む村の上に。
様々な場所で不貞寝してやった。
不貞寝してから100年が経った。
私の中でしょうもない知識ばかりが増えていく。元々旅をしていた頃から沢山のことを知る機会はあったが、正直私を満たしてくれる物は何もない。
この100年で私は同族に会った事もあった。が、期待はしていなかったが正直肩透かしだ。妖怪の中でも鬼は上位と呼ばれる存在らしいが全然強く無い。結局他の有象無象と同じだ。
何やらお酒なる飲み物を好むそうだが、私には当て嵌まらないだろう。
そう思っていた私に転機が訪れた。
それはある日のことだ。伊吹山に陶器の様な入れ物を後生大事に抱えた人間達が入って来た。とは言えそれは私にとっていつもの光景だ。物珍しい物でもない。
ただその時の私は何となくその中身が気になった。それは本当に偶々だった。なにせ、退屈だったこの100年で人間の村にある物全てを見て食べて壊して来た私だ。結局得られるものが無かった私は、人間が持つ物に興味を失った。
でも、偶々気になった私はその人間達を襲いその中身を見てみる事にした。
中には水の様な液体が入っていた。ただ少し違うのは、それがツンと鼻を刺激する香りがしたことだ。一瞬毒かと疑ったが、私は別に毒で死ぬ事はない。あるとすればマズくて気分が悪くなるだけ。
退屈だった私はその水に興味が湧き、飲んでみる事にした。
そして私の世界は壊された。
何があったのか覚えていない。自分がどうなっていたのかわからない。
ただ、気付けば私の目の前には塵と化した砂漠みたいな景色があった。
「ひひっ」
私が飲んだのはお酒だった。殆どの村で作る事はなく、大きな村でも滅多に見ることができない。だから私はお酒という物がどう言う物か見たこともなくて、それを知らずに一気に飲み干した。
結論から言えば私は酔ったのだろう。ベロベロに酔っ払い、能力を暴走させて伊吹山の周りの森を全て塵、言わば『踈』にしてしまった。
「ひひひひははははははははひひひはひははは!!!! あははははははははははははははは!!!!」
だけどそんな事がどうでも良くなるほどに私は歓喜に震えたのだ。あまり覚えてはいなかったが、それでもお酒を飲んだ時の美味さ、そしてふつふつと湧き上がる高揚感。飲めば飲む程感じるワクワクとした気持ちを思い出して私は酔いしれた。
「もっとだ! もっと私にこれを寄越せ!!!」
またあの時みたいに楽しくなりたい。またあのお酒を飲みたい。
私は唯一の生き甲斐を見つけた。
「オラ、酒をよこしなぁ! ヒック」
「で、出た! 酒呑みの童だ! 角付きがまた酔って襲いに来たぞッ!!」
「煩いなぁ。ヒック。大体私は酒呑みでも角付きでもない! 伊吹山に住む伊吹萃香だ!! いい加減名前を覚えろ!!」
私は明確な目的を持って村を襲う様になった。酒を奪う。その為だけに村を襲った。お酒こそが私の心を満たしてくれる物だから。だから私は殺すのではなく奪う事で村を襲い続けた。
ただ村が抱えるお酒には限界があった。別に製造が大変だと言うわけではない。時間は掛かるがそこまで労力を強いられる物ではないからだ。
では何故か。それは、この地にいる豊穣の神に大量の酒を供物として捧げているからだそうだ。
嗜好品としての価値以外意味のないお酒を何故大量に作り出していた理由が明らかになった。お酒を捧げれば捧げるだけ、村の周りの土地が豊かになるのだからそうするだろう。だから、彼等は殺されたとしてもソレをずっと隠していた。
「頼みます。酒呑みの鬼殿………我々の備蓄にもうお酒はありません。献上品を神に捧げなければこの土地はたちまち困窮し、お酒も作れなくなる。それは貴方様も困るでしょう?」
「伊吹萃香だっつてんだろー……」
襲い続けて数日。村長が私に命懸けで頼み込んできた。
確かにお酒が飲めなくなるのは困る。しかし、私は我慢なんてしたくない。なぜなら、酔っているこの状態から醒めた時、私はまた世界に絶望してしまうから。
「なら私がその神にとって変わってやるよぉ。私は密と疎を操る。この土地の豊穣なんて周りから掻き集めてやるさ」
そして私は村人を脅し、この地に住む神の神殿に向かった。
神、と呼ばれるだけあって強いのかと少し期待したが駄目だ。多少私相手にも食い下がったが、私がちょっと本気を出せば跡形もなく消滅した。やはり、意味のない期待はする物ではない。取り立てて挙げる事もなく、面白みも何もなかった。
しかし良い事もあった。その神を瞬殺して神殿を漁っていた時に大量のお酒を見付けたのだ。
どうやらここに住んでいた神は大量のお酒を飲まずに後生大事に溜め込んでいた様だ。お酒は飲む為にあるのにこんなにも蓄えているなんて馬鹿な奴だと思う反面、溜めてくれたお陰で私は暫くお酒に困ることがないのでありがたいと言うのもある。
そして思わぬ副産物があったのもまた事実。
神がまだ地上から離れていなかった神代の時代。神殺しは禁忌とも呼べる。私の噂は各地に広がり、その日から神の尖兵共が私を襲う様になった。
とは言え、だ。神の尖兵は私の命を脅かすには全くの実力不足。幾らそこらの妖怪より圧倒的に強いとは言え、まあ私の暇つぶし程度になるくらいのものだ。
少し尖兵共を遣して来た神がどう言った存在か興味があって、この間に退屈凌ぎに殺しに行ったが退屈なのは変わらない。
やはり唯一私を癒してくれるのはお酒だけ。
この頃の私は喧嘩をただ己が相手を蹂躙する事としか思ってはおらず、旅に出て強い奴や他に楽しい事を探しに行こうとか、そんな希望に満ちた事は一切思っていなかった。
唯一私が好きなお酒を飲む事はこの地で出来ていたし、また旅に出て絶望するくらいならこの地でお酒を飲みながら腐っていった方が良い。
「おーい。今日も来たぞー。ヒック………オラ! 酒を寄越せ!」
「出た!? 酒呑みの童だ!! 皆避難しろ!!」
「伊吹萃香だって………まあいいや。お前達人間は私を恐れて酒を渡せばいいんだから」
相変わらず私はお酒を飲み、近隣の村を襲いつつ土地の豊穣をその地に集めていた。
楽しいと思えるのは酒に酔っている時だけ。世界になんの期待もしていない。私はそう結論付けた。
「酒呑みを名乗る鬼の童がいると聞いてみれば、成る程。噂は当てにならないものね」
だから、私と同じかそれ以上の力を持った妖怪が現れた時、私の認識は徹底的に壊されたのだ。
現れたその妖怪の名は八雲紫。スキマ妖怪を名乗る、馬鹿馬鹿しい程に強くて馬鹿馬鹿しい程に私と馬が合う後の親友だ。
アイツと命のやりとりをして初めて喧嘩というものを知った。初めて闘いの面白さを知った。初めて命の危機に陥る事で世界の凄さを知った。
三日三晩なんてゆうに超えるほどの時間、アイツと殺し合った。紫は辟易していたが私はとても楽しかったのだ。なにせ私を超える生物が初めて目の前に現れたのだ。楽しくない筈がない。
結局痛み分けと言う不本意な形で殺し合いは終わってしまったが、唯一私に怯える事なく気兼ね無い様子で話してくれる友が出来たので満足した。
さて、喧嘩して友達ができた。となればやる事は一つしかない。私の好きなお酒の付き合いだ。私の好きな物を知って欲しい。私をもっと知って、そしてお前の事を私に教えてくれ。
私は紫との出会いに有頂天になっていた。
「へー。紫はそんな昔から生きてたんだねー。道理で強い訳だ」
「そう言う貴女も強いわよ。生まれてまだ100か200程度の鬼が、ここまで力があるなんて思いもしなかったわ」
どうやら私は日の本に結構知れ渡っていたらしい。この地を支配していた神達が一柱も残さず消滅したのだ。しかもそれをやったのが生まれてまだ間もない鬼。
神としてはそこまで強くない土地神ではあるが、それでも生きた年が万を超えた強い神だ。いくら鬼とは言え、そこらの妖怪に殺される事はありえないのだ。
私としては暇潰し程度に殺した神だったので本当にどうでも良かったが、それのお陰で紫とこうして出会えたのでその神に感謝してやらなくもなかった。殺してしまったけど。
「私も人の事は言えないけど、貴女も大概ね。ここまで妖怪の種族として壊れた存在は初めてよ」
「ほーん。まあ確かに他の鬼とは違うってわかってたけどさぁ………そんなに違うかい?」
「違うわよ。こんな複雑怪奇で、歪んでいる鬼は初めてだわ。だって貴女、私に対して怒らないし嫌わないじゃない」
「あん? ………別に普通だろそんな事」
「普通じゃないから言ってるのです。過去に会った鬼なんてね。初対面の私に態度が気に入らないとか言ってすぐ襲ってきて────」
紫は長く生きていた分、私の知らないことを沢山知っていた。それは私にとって興味ある話だったり、つまらない話だったり。ただ私は紫の話を聞いているのが好きだった。
紫との出会いは私を形作る上で必要なファクターだ。転換期とも言えるだろう。もし紫に会わなかったら、今の私はいないと断言できる。
何故なら紫と戦い、そして話を聞いて初めて私は外に希望を持てた。この山から出れば楽しい事が数え切れない程あるのだと教えられた。
「よし紫ぃ! 私を面白い所に連れてってくれよ!」
「私が………ですか? 貴女と違って私は忙しいのだけど……」
「いいじゃないか! 私とお前の仲だろう!」
「まだ会って数日じゃない………はぁ。わかりましたわ」
紫と会って数日。山に引き篭もっていた私は漸く決心がついた。これから紫に沢山の楽しい場所へ連れて行って貰えるのかと思うとワクワクした。
私は腐っていたのだ。たかが100か200年そこらで世界を知った気でいた。それが何と浅はかで、そして女々しい事か。
伊吹萃香とはなんて的外れな考えで絶望していたのだろう。
それに気付いた時、私は生まれ変わったのだ。ただの世間知らずな小鬼から、真の鬼に。
だから、私は伊吹山を出る。もう二度とこの山に帰ってくるつもりは無い。世界は広いのだと教えられた私は、過去に過ぎないこの場所に戻るつもりはない。
その為、私はこの場所に心残りを残す事はしなかった。ああすれば良かった。こうすれば良かったなんて過去に縋り付くような女々しい鬼になりたくなかった。
身辺整理の為に私は結局手付かずになっていた金品財宝を奪った村に返しに行った。
「ヒィッ!!? 皆逃げろぉ!! 角付きが……童子が山から降りてきたぞぉおおお!!!」
「酒好きなアイツだ! また酒を呑みながら、俺達の村に略奪に来たんだ!!」
私が村に行けば阿鼻叫喚。当たり前というか、散々好き勝手やってきたのだ。誰も私と真正面から相対する奴はいない。この地を豊かにしたのは私だと言うのに、なんとも薄情な奴等だ。
そう思っても、切っ掛けはこの村のお陰なのも事実。私はなんだかんだこの村に恩義を感じている。
「酒呑みの童子だ!!!」
それは酒を手に入れて以来呼ばれるようになった、村人達は怯える恐怖の代名詞。
私はその名を聞いてニヤリと笑った。
「そうさ! 私は酒に救われ、酒によって唯一無二の盟友と出会い生まれ変わった新たな鬼!!」
私は昔の自分を捨てる為に今の名を捨てた。
「私の名前は酒呑童子!! 酒をこよなく愛す鬼の名だ!!」
旅に出た。紫に連れられ様々な物を見た。
それは強い妖怪は言わずもがな、この世の荘厳な神秘であったり、人間社会の高度な文明であったり。そして意外だったのが、闘い以外に興味が無いと思っていた私が何と人間の文明にのめり込んだ事だ。
と言っても私が面白いと思ったのは奴等の策謀であったが。集団においての戦争の策略、政の策略、果ては物造りの策略。
裏切り、陰謀……見ていて面白い。弱者が強者を陥れる様や、常に相手より上をいこうと他者を蹴落とす、強者が野望に手を伸ばそうと色々汚い事をする物まで。私から見れば全て面白い。そう言う考えがあるのかと感心させられた。
思っていた以上に世界は広く、それでいて不思議に満ちていたのだ。だからこそ、私は紫に常々感謝した。
こんな楽しい事を私に教えてくれてありがとう。お前のおかげで私は生まれ変わった。
今思えば、紫はよく私に付き合ってくれたと思う。アイツは暇な私と違って何かの野望を胸に秘めていた。時々私から離れて音信不通になるとは言え、それでも私の約束をちゃんと聞いてくれた。
「だって鬼に約束しちゃったんだもの。約束を破れば何をされるかわかったものではないわ」
「私は別に気にしないけどな。あ、でも確かに盟友のお前から約束を破られたら……流石に悲しいかもな」
「────」
その時の紫の表情はこれ以上無いほど面白かったな。いつもの余裕そうな顔からポカンとしたアホヅラになったのだ。面白くないわけがない。
そんな会話をした翌日。私は紫と離れた。
元々私との約束は楽しませて欲しいと言う物だ。色々なところに連れられて様々な妖怪と知り合った。私との約束を十分に満たしてくれたのだ。約束は終わった。
それから暫くは各地を転々としながら強そうな奴を探しては酒を飲む事に明け暮れた。その間もどんどん酒呑童子と言う名は広まっていく。そうすると紫みたいに強い奴らがその名を聞いて私に会いに来るのだ。喧嘩に事欠かない。
因みに幼名でも名はまあまあ轟いていたらしいが、紫曰く気にならなかったそうだ。じゃあなんで私に会いに来たのかと言うと、『酒呑みを名乗る鬼の童』と言う噂が気になって来たのだとか。
紫の話では『酒呑鬼』と言う鬼は昔から有名らしい。鬼神やら、最強の鬼やら、そう言った表現の言葉はありふれた物らしいが『酒呑』を名乗る鬼は過去例外無く一匹の鬼だけらしい。
かつて戦いと酒の神として讃えられ、天の暴君とも呼ばれたその鬼。天界で何をやらかしたのか地上に落とされたものの、その鬼は暴虐なまま世界を支配し、月に単騎で喧嘩を売りに行った鬼の始祖。
昔を知る者ほど、その名は畏怖される物なのだとか。
その話を聞いた頃は正直どうでも良かった。酒呑童子の名前には誇りがあったし、そう言った経緯で私の名が強者を呼び寄せるなら好都合だった。
過去の私じゃない『酒呑』某に頼っている様で気分は良くなかったが、出会った奴に私と言う存在を植え付ければいい。
そう気楽に思っていた。当時の私はその名に誇りこそあれど、その名にどんな意味かあるのか知らなかったのだ。
何百年経った後か。ある時妙な噂を聞いた。
なんでも、『酒呑童子』を名乗る輩が『鬼の勇儀』なる者を倒して配下に加えて、破竹の勢いで日の本を支配しようとしている。
そんな、私には身に覚えの無い噂だ。
曰く、月の光に輝く長い黄金の髪を持ち。曰く、額から生えた立派な角を持つ。ここまで聞いた時は、私に負けたその勇儀某が己の体面を守ろうと根も葉もない噂を流しているのかと思った。
まあその後に、曰くその酒呑童子は誰もを魅了する妖艶な美女、と聞いてなんの当て付けだと喋っていた妖怪を思わず殺してしまったが。
こう見えて私も自分の体には多少なりとも思うところがあるんだ。考えてみろ。紫と何年も一緒にいて、知り合った物からは大抵比べられるのだ。とある馬鹿者には紫と鬼の間で出来た子供か、なんて言われる始末。
どうでもいい話。
私はその話を聞いても特に気にしたつもりは無い。私の誇りを使って暴れることは正直ウザったいが、その辺に飛んでいるハエを態々叩き落とすなんて事をする程今は切羽詰まっていない。
たかが日の本、たかが一つの島を支配しようなんてその妖怪の程度が知れる。紫の様な、空に輝く一つの星を相手にするくらいの気概でもなけりゃぁ私は興味を持たないさ。
そう思っていたんだけどな。
「そんな、馬鹿な………」
目の前には妖怪の山と呼ばれる一つの集団がいた。無限に生み出される私の分身達を相手に、その集団は一つの巨大な生き物みたいに私達を蹂躙する。
「なんなんだ………お前は……」
腐っても私の分身、小鬼だ。そこらの木っ端妖怪共に殺される程甘くはない。強い鬼や天狗達にやられるのはわかる。が、河童や土蜘蛛、獣妖怪共に圧倒される程私の分身達は弱くない。
なのに、一匹一匹が一騎当千の如く私の分身達を蹂躙する。
「お前は一体何者なんだ!!」
だけど私が驚いたのはそんな些細な事では無いのだ。味方に力を与える能力だってある。そう言う妖怪だっている。
でも、お前は違うだろう。お前はおかしいだろう。
一体、その瓢箪に入った妖気は何なんだ?
「はっ。いくら自分の分身を増やそうが数を揃えようが、本物の百鬼夜行には敵わないさ。これが本物の大将の器だよ」
「貴女の敗因は、酒呑を侮ったことね」
「この鬼の気持ちも少しはわかるがな。我ら鴉天狗を集団で圧倒する組織がいたなど夢にも思わなんだ」
私に迫る3人の妖怪。片やその力を神と比較された鬼、片や鬼として異色な叡智を携えた鬼、片や天狗の長と恐れられた鴉天狗。
到底、誰かの下に従う様な輩ではない。一人一人が組織の頭となって好き勝手生き、他を蹂躙する存在であるはずだ。一人一人が私と比較しても問題無い程には力がある。
事実、この世の理すらも覆す力が無限の膂力を持つと呼ばれた私の力を押し返す。疎となった私をその叡智が逃がさない。囚われる事の無くなった私を圧倒的速さで翻弄する。
そんな輩達が誰かに付き従っている。
何の力も無い、一見雑魚にしか見えない鬼に。
奴の名は酒呑。部下に用意された王の椅子に座って私が抗うのをただ見下した様に見つめるその存在。その身体の内にある物は何もなく。干からびた砂浜の様に欠片も妖力など見当たらない。
しかし、私だからこそわかる。奴の手に持つ瓢箪。その中にある量るのも馬鹿らしくなる程に内蔵された妖力を。
あれはもう一つの世界と言っていい。酒呑と言う鬼の妖力だけが詰まった星だ。生物の枠組みから外れなければ釣り合いは取れない。私が世界中の妖気を幾ら掻き集めた所で超えるのは無理だと断言できる。出会った誰よりも、あの八雲紫すらも妖力だけなら軽く数百倍は上回るだろう馬鹿みたいに規格外な量。何せ、あの瓢箪から無造作に漏れ出した妖力のみで配下の妖怪達に多大なる恩恵を齎しているのだから、その規格外な力がありありとわかってしまう。
それは決して良いことでは無いのに。
アイツが私達の戦闘を肴に酒を呑む。一瞬、僅かな妖気が彼女に宿ったかと思うと、本当に酒で出来たかの様にその妖気は瓢箪の内に流れ落ちる。
鬼一匹分の中々の妖力。しかしそれすらも大海に一滴の水を落としたかの様な物でしか無い。
あの瓢箪は封印だ。いや、封印なんて生易しい物ではない。呪いであり、奴を死へと蝕む災害と言っても差し支えない。何故なら妖怪としての本質を、身体にある妖気全てを奪い取ってしまうなんて封印でも何でもないからだ。
じゃああの瓢箪が酒呑を名乗る鬼の女を操っている本体なのかと言われればそうではない。操っているならその体には妖気が残る。しかしあの女の身体は空っぽだ。
あんな、抵抗すらもなく身体の妖気が取り出されてしまうなんて。妖怪の身体を持っているのに、妖気が無い。それは妖怪として成り立っていない。
身体が弱体化するどころじゃないぞ。鬼だろうが何だろうが、そんな事をすれば普通妖怪なら死んでしまう。
奴は何で生きている? 何故生きていられる?
「ゲホッ……くそ…」
長い闘争の末、奴の前に私は跪いていた。勇儀を押し除け、天魔の妨害を捌き、華扇を一時的に無効化し………漸く酒呑の前に辿り着いた時には私は既に満身創痍。指の一本すら動かすのがやっと。
立つことすらままならず、私は敵の目の前で倒れ伏す事しか出来ない、
「こんな……ところで……」
死ぬのは怖くない。私は出会った数々の妖怪や同族から鬼としてあるまじき異端と呼ばれて来たが、鬼の気概が無いわけではない。むしろ戦いの果てに死ねるなら本望だ。それが裏切りであれ、策略であれ、憤る事はあるとしてもやはりそれを最後は認めて天晴れと叫びながら潔く死ぬ。
それが、酒呑童子と名乗った時から私が決めた己のルールだ。結局は受け入れてやる。意固地になれば、それは昔の私に戻ってしまうから。
だから私はこの集団に挑んだ。一対多数相手だろうと、どんな搦手の戦略があろうと、どんな汚い手を使われようと関係ない。敵が持つ全てを真正面から叩き潰す。
楽しいからやるのだ。だから、全力でやった結果負けるのも満足だ。
でも、悔しいとは思う。結局、目の前の私と同じ名を名乗る鬼に何も出来なかった。何も無いはずの雑魚なのか、それともその名に相応しい鬼なのか。初めて目にした時に感じた未知の期待を、その深淵を、私は何一つ知ることが出来なかった。
どんなに悔しかろうと、それでも私は諦めるしか無い。
せめてもの私の戦った証として、身体に残る最後の力を振り絞る。能力を限界まで使用し、目の前の鬼に全力で放とうとした。
もし私の思う通りの強さなら、一矢報いる所かきっと歯牙にも掛けられない一撃にしかならないだろう。それでも良いと、私は満足に逝こうした。
「こんな幼いのに、よくやりますね。貴女の名は何なのでしょうか?」
立ち上がろうとした直後、頭上からそんな呑気な声が聞こえて来た。
その言葉に私の身体は何かに押さえ付けられたかの様に動かなくなる。いや、違う。私が強制的に静止を掛けたのだ。
「何度も……言った筈、だ。私の名前は、酒呑童────」
「それは貴女本来の名では無いでしょう? 仮に貴女が酒呑みの名を持つのなら、貴女が引き起こした数々の畏れが全て私に集う筈がない」
その言葉を聞いて、私の頭は真っ白になった。
いや、違う。むしろ彼女の言っている言葉が私の頭の中でストンと収まった。だからこそ、私の脳内がその事実に掻き乱されたのだ。
「何を………」
「もうわかっているのでしょう? 私の前で名を名乗る違和感に」
違和感と奴は言う。名を告げる違和感。そんな物ある筈ないのに。
「名は体を表すと言いますが、幾らでも変える事はできます。しかし、だからこそ本質は変えられない」
まるで駄目な弟子に教鞭を執る師のように、この女は私を説く。
「『酒呑』。酒を『飲む』のではなく、『呑む』………貴女の能力は確かに近いのでしょう。しかし、本質は『萃』。集めたり薄くするのが貴女の真骨頂ならば、『酒呑』は相応しくない』
私は短絡的だが、考えない訳ではない。
酒呑を名乗る鬼に酒呑童子と名乗る。その矛盾に。明確なる矛盾をわかっていたんだ。
もっと言えば、何故私が酒呑童子だと名乗っていたのか心の底では理解していたんだ。だけど、私の理性に思考することを阻止されていたのだ。よく考えれば気付くことを、私の理性が阻止していた。
「わかっているのに、気付いていないだけです」
私は、酒呑童子と言う名で日の本を暴れ回った。なのに、一向に自分の存在認識が曖昧なままだった。
酒呑童子の名は確かに知れ渡っていた。何処に行っても酒呑童子の噂で持ちきりだった。恐ろしい鬼の代名詞とはまさにその名前だった。
しかしそれとは別に。私の前にやって来る妖怪達はいつも私をその酒呑童子と扱っていなかった気がする。
酒呑を名乗る鬼の童子がいる。幾ら暴れ回ろうが。人や妖怪、神を殺そうが。噂になったのは酒呑を名乗る鬼の童。
あれだけの噂を私は轟かせていた。行く先々で酒呑童子と言う正体不明の恐ろしい鬼がいるとは噂になっていたのに………私が酒呑童子だとは一度も思われた事は無かった。一度も酒呑童子と認識されたことが無かった。
私が酒呑童子になった事は一度も無かったのだ。
「そうか………」
私は既に負けていたんだ。ずっと昔から。
『酒呑』と言う名を名乗り出したあの時から、私はその名に負けていた。その名に取り込まれていた。
なんて滑稽な事か。勝ち続けた為に、自分が大き過ぎたと過信したが故に、世界に失望していたあの頃の私は………世界に挑み続けていた真っ最中だったのだ。必死に私と言う個の存在を護ろうとしていた。なのに勝手に失望して、抗う気力も次第に失せていき、最後にその名の魔性に取り込まれた。
取り込まれれば後は養分だ。私がやった行い全てが酒呑に還る。私は貢献するだけ。そこに鬼の誇りなんて物は無い。
「ははっ………」
私を満足させる奴がいない? 私は何をとち狂った事を言っていたのだろう。お前は小さな籠の中に大切に保護されていただけだったんだ。それなのに私は幼児の様に癇癪を起こしてあの山を見捨てた。故郷を、伊吹山を捨てた。
失望していたと思っていたのは私ではなく、身勝手な私をあの山が失望したのだ。
だから、あんなにも誇っていた昔の名を、私は簡単に捨てられた。捨ててしまうことが出来た。伊吹の名を与えられた私だと言うのに。私は伊吹を殺したのだ。
「情けないなぁ、私は」
それに気付いて、私は自己を嫌悪した。この死の間際になって漸く気付くなんて、なんと滑稽で愚かな事か。自分の馬鹿さ加減に恥ずかしくて思わず死んでしまいそうだ。
なるほど。『名を知る者達』が『酒呑』に異常なほど敏感だったのか分かった気がする。名前だけでこれなのだ。
ましてや妖力の上限すらわからず今尚溜まり続ける規格外の瓢箪と、妖気の一欠片も無いのにその上で構成された無色透明の存在すら許されない不可能な身体。
全てが異常。その存在どころか名前すら馬鹿げている。利点も欠点も振れ幅が突出し過ぎ。少しは他の妖怪と足並みを揃えようとか思わないのだろうか?
私とて沢山の強者から異端の鬼と言われて来たが、それでもあんなに壊れていないと断言できる。
「それに比べて、本当にふざけた奴だなお前は」
「心外です。私は別にふざけているつもりはありませんよ。常に真剣です」
私を名で呑み込もうとしていた癖によく言う。いや、助言して来たくらいだからそこに関しては無意識でやっていたのか? 尚更質が悪い。
ああ、しかし。しかしである。
目の前の奴になら殺されてもいいと思っていたが、それに気付いたからにはやはりこのまま終わるのは許せない。負け続けて終わるのは嫌だ。屈服したままなんて嫌だ。今までずっと掌の上で阿呆みたいに踊っていた癖に、何も残せず負けて死ぬ自分に嫌気が差す。
だって、今まさに
「伊吹萃香だ」
それにそう思った時には、私は自分の名を告げていた。
「成る程。その名が貴女の本当の名前なのですね」
「………ああ、そうさ。忘れていたよ。ずっと忘れていた。私はこの名がとても好きだったんだ。何で忘れていたんだろうな」
今思えば、紫はずっと私に申し訳なさそうにしていた。ずっと何かを言いたそうにして、それでも私の顔を見て、苦痛に満ちた表情を何度もしていた。
自分のせいだと思ったのだろうか。酒呑みの鬼を名乗る切っ掛けを私に与えてしまったことに。成る程。そう考えれば紫が酷く私に協力的だったのも納得がいく。そうでなければ、この世の胡散臭さを濃縮して形作った様なアイツがあんな素直に協力する筈が無い。
親友にまで世話を掛けさせるなんて、本当に私はみっともない奴だった。
「なあ、酒呑」
「何でしょうか」
だから、私は変わらなければならない。負け続けた私を、
何より、負けっ放しは私の性に合わないだろう? そんなの私じゃない。
「お前の妖怪の山に私を入れてくれ」
目の前の鬼に勝たないと気が済まない。どんな事をしてでも、それが例えば生き延びる為にそいつの軍門に下ろうと、私は勝ってやる。じゃなきゃ、こんなにも痴呆だったまま生きてきた私を許すことが出来ない。このまま馬鹿みたいに死ぬなんて、後悔して死んでも死に切れない。
勝たなければ、私は本当の意味で伊吹萃香と名乗る事を許せない。
酒呑。今はまだお前の下だ。負けを認めよう。軍門に下ろう。私はまだお前に勝てない。私は弱者だ。自分の名を捨てて取り込まれた中途半端な鬼だ。
でも、私はいつかお前に勝つ。強者となってもう一度お前の前に立ってやる。それがどんな卑怯な手であれ、どんなに鬼として間違っていようとも、私はお前に勝つ。
そうなって初めて私は『伊吹萃香』の名を誇りにしよう。この名に報いる為に、私は『鬼の四天王・伊吹童子』に成り下がろう。
差し当たってまずは普段から飲みっ放しだった酒でも断とうか。勿論、好きなのだから宴の席では飲むけども。それでも『酒呑み』は暫く控えないとな。
だから。
だから酒呑。
だから。だから。
私は認めない。あんな結末を認めてやるものか。
脳内
「酒呑!!やはり戻ってくると思ってたぞ!さあ、もう一度……もう一度お前と!!」
現実
「しゅ「ウチの早苗によくもぉぉぉぉおおおおおおお!!!!」あうっ」
……
「しゅて「ふざけんじゃ無いわよ!!」………なんで霊夢?」
………
「しゅてん「どうやら本物の様ですね」 紫ぃい!!」
…………
「………酒呑「よし、宴じゃー!お酒は何が用意されてるのかなー…………あ、居たんですね萃香。久しぶりです」」
「…………ああ………本当に久しぶりだ(泣)」