酒呑物語   作:ヘイ!タクシー!

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話が進んでいる様で全く進まない。
本当は二話連続投稿したかったのですが、流石に無理でした。これ以上待たせるのも申し訳ないと思ったので一話載せます。






合体! 魔理氵☆少

「ハッ!!」

 

 胸からお腹にかけて感じた激痛に私は目を見開いた。

 どうやら意識を失っていたらしい。何がなんだかわからないが、とりあえず身体が死ぬほど痛い事だけは確かである。

 

「酒呑! 起きたのか!! よ、良かったぁ………」

 

 ふと、私の顔を覗き込んでくる愛くるしい顔に私と同じ金髪の少女と目が合った。活発そうで、だけどなんだか泣かして虐めたくなる様な………あっといけない私の性癖が漏れるところだった。

 

 つまりそこには、最近まで甲斐甲斐しくお世話していた私の魔理沙がいた。

 

「本当に死んだと思ったんだぞ………私の家の前で腹に穴開けて血塗れで倒れてるなんて、心臓に悪いぜ……」

 

 心配した様な顔で私を見てくる魔理沙。目を潤ませ今にも泣きそうな彼女は、やはり見ていて飽きないなぁと邪な考えをさせてくれる。なんて酷い。

 

「魔理沙…………口調がまた崩れてますよ」

 

「あっ、ごめんなさい………」

 

「ふ、ふっ………少し、意地悪してしまいましたね。私も、それどころではありませんし………普段通りで、構いませんよ……」

 

 思わず胸に抱き寄せてメチャクチャ甘やかしたくなるのを我慢し、彼女の頭に手を乗せて優しくヨシヨシするのに止めた。

 毎回思うけど、なんでこの子いつも乱暴な口調で話すのだろうか? 確かに活発な見た目の魔理沙には合っているけれども、女の端くれとして、やっぱり可愛い子にはそう言った乱雑な様子を嗜めたくなるのだ。特に、普段は男前な彼女が私の前ではお淑やかで女の子らしく染まっていく事になんてなってみれば…………ぐふふ。考えただけでニヤけちゃうわ。

 少しずつで良い。少しずつ私色に染めよう。飴と鞭は使いよう……………私、重傷なのになんてくだらない考えをしているのだろうか。自分自身に呆れそう。でも止められない止まらない!! 

 

 そうやって邪な感情を膨らませながら頭を撫でていた私だが、少しだけ周りの様子が気になり目線だけ辺りを見回した。

 なにやら色々とゴチャついた部屋だった。恐らく料理器具にキノコや変な生き物が吊るされた台所の様な箇所や、所狭しと並べられた本が収まる棚に、何やら河童が作った様な機械や部品の数々。そして時折垣間見える女の子らしいぬいぐるみ。

 最後に、中央に置かれた絶対に料理で使わねーだろって思える巨大な鍋。

 

 うーん、カオスだな。

 

「ここは、何処なんでしょうか?」

 

「私の家だぜ。酒呑は玄関扉の前で倒れてたんだ。覚えてないのか?」

 

「ええ………逃げるので必死でしたので」

 

 そうか、ここは魔理沙の部屋か。なるほど………確かに魔法使いらしい部屋だろう。魔法使いらしい部屋ってなんだって言われたらおしまいだが、私の想像で魔女っぽい部屋がこんな感じだからなんか納得出来た。

 

 

 

「酒呑………こんな怪我して、一体何があったんだ?」

 

 うっ………。

 部屋を観察していたら魔理沙から怪我についての事情を聞かれてしまった。

 まあ、そりゃあ気になりますか。自分の家の前に瀕死の鬼が倒れていたら私だってなんかの事件を疑います。その事件に巻き込まれるんじゃないかと不安でいっぱいになります。

 

 ただ…………正直言い出し辛い。昔いた組織の元部下にあってセクハラしようとしたら、なんか殺され掛けたって………ダサくない? めちゃくちゃ恥ずかしい。せっかく魔理沙の前ではカッコいいお姉さんキャラでいこうと思ってるのにそんな事実話したら幻滅されちゃうよ。

 

 これは………やはり事実の隠蔽をしなければな。

 

「……実は先程、昔私がいた組織に出向いていたんです。多分知ってると思いますが、妖怪の山って組織名です」

 

「お、知ってるぜ。文屋とか椛とか天狗達が支配してる山だろ? へぇ、昔は酒呑もいたんだな」

 

「私の心は今もそこにいるつもりなんですがね………そう思っていた私はやはり古い妖怪なのでしょう……」

 

 私はあくまで被害者ヅラで魔理沙に語り掛ける事にした。自分は無実だと、何も悪くないと弁明する言葉を頭の中でメチャクチャ考え始める。

 まるで何か良からぬことがあったかの様に、神妙な面持ちで。かつ、悲壮感を漂わせる様に。

 

 

「はっきり言います。恐らく私は妖怪の山の誰かに命を狙われています。それが一部の者かどうかは分かりませんが………私達鬼をよく思わない相当上の妖怪か。最低でも幹部の者がいるかもしれません」

 

 それっぽ〜い陰謀論を取り敢えず魔理沙に告げる事にしたのだった。

 

 ちなみに恐らく〜とか、かもしれない〜とか使ってるから嘘吐いているわけじゃないよ? 断言したら嘘だけど、もしかしたらそんな事があるかもしれないよね〜的な? 希望的観測論を取り敢えず言ってみただけだから。だから私は嘘をついてないし、事実無根かもしれない発言に罪悪感を覚えることもありますん!! 

 

「私にこの傷を負わせたのは白狼天狗の者でした。しかし、私の記憶では白狼天狗はそこまで高い地位にいた覚えはありません。実際、今はどうなのでしょうか?」

 

「いや、多分変わりは無いんだぜ。確か哨戒? って言ったか。見回りして、山に入った奴等を追い出す事に力を入れてる筈だ。」

 

「なるほど………尚更おかしいですね。彼女達は命令に忠実な筈です。本来ならこの様な独断専行はしない。なのに、なんの警告もなく突然襲いかかって来た…………もしかしたら、その者は私を殺す様命令されたのかもしれません。実際私も身内とあって油断してヤラレてしまいましたから」

 

 実際は私の邪な視線に気付いて普通に危険人物として認知されたからの可能性が高いけど………それはそれで危険な輩は排除って命令されてたら、上の誰かが私(危険な輩)を狙っているって意味にも取れるな。うん、間違った事は言っていない。

 

「昔支配していた鬼が戻って来たから、自分達の地位が危うくなるのを恐れてって事か………確かに陰湿な天狗が考えそうなことだな」

 

 おお………なんか適当にでっち上げた話だったけど、言ってみるもんだね。魔理沙もなんかウンウン唸りながら私の言葉を自分の頭に落とし込んで納得し始めている。これは堕ちたわ。チョロすぎる。魔理沙が怖い変態に騙されて誘拐されないか私、心配だよ……………えっ? つい最近、詐欺紛いのマッチポンプで純粋な少女を洗脳した危険な思想を持つ変態がいたって? なにそれ。そんなヤバい奴がいるの? 怖ぁ……。

 

 まあそれは置いておこう。後で気をつける様言えばいいし。それより私のダサい行いが魔理沙にバレる事は防げたわけだし、後は彼女に今の私の事を黙っておいてもらって、この話が周りに広がらなければ全て解決だ。

 

「ですから魔理沙…………私が殺されそうになった事を、そして私が貴女に匿ってもらってる事を内緒にしておいてもらえませんか?」

 

「ん? それは、敵を欺く為にか?」

 

「そうです。この地において、私は誰が味方で誰が敵なのか現状わかりません。ならば情報は出来るだけ敵側に伝えない様にしなくては………貴女への負担が重くなる事は重々承知しています。本当に申し訳ない。ですが……私は今孤立無援です。貴女だけが頼りなんです。だから、どうか………私を助けてくれませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 もしかしなくても、私はヒモの才能を持っているのかもしれない。

 

「ほら酒呑。ご飯だぜ────起きれないから食べさせてくれって? 猫舌だからフーフーも? ………まったく、お前は甘えんぼさんだな」

 

「身体も拭かないとだよな。起こすとき、ちょっと痛いかもしれないけど我慢してくれ………………あっ、痛かったか!? ご、ごめん。次はもっとゆっくりするから許してくれ………怒ってない? そっか、良かった……」

 

「さて、夜も遅いし私も寝るか………何処で寝るのかって? そりゃぁ床だ。ベッドは一つしかないからな…………一緒に寝ようって、お前お子ちゃまかよ。まったくしょうがないなぁ………」

 

 魔理沙がめちゃ甲斐甲斐しい。メチャクチャ甘やかしてくれる。

 

 ていうか、魔理沙。きみ、片脚無いんだよね? いくら傷が塞がっているって言っても君も重傷の患者なんだからそんなに動いたら駄目だよ。いや、魔法で浮くからヘーキって………うーん。確かに家で生活する分には支障無さそうだけど、いくらなんでも私の世話までしなくて良いんだよ? いや、私も甘えてるから言えた義理じゃ無いんだけど。凄く罪悪感が……。

 

 隣で眠る魔理沙の頭を撫でながら、私はしばし思考に耽る事にした。

 今日魔理沙の生活を見て思った事は、やはり片脚が無いと不便そうだと言う事だ。片足が無いせいで重心が傾いているのか、魔法で浮いているにもかかわらずふらふらしている。

 一応、これでも落ち着いた方ではあるのだ。まだ全身の包帯が取れていない時は立ち上がる事すらままならず、加えて脚の幻肢痛に魔理沙はずっと苦しんでいた。

 幻肢痛については荒療治として、魔理沙に『()()()()()()()()()()()()()()()()()事で意識を変えさせて症状を無くさせたが、身体はそうはいかない。

 むしろ本人は片脚の状態が慣れていると思い込んでしまったが為に、随分と危なっかしい。早急になんとかしてあげなければならない。

 

 

 

 次の日、傷もだいぶ癒えて動けるようになったので、私は改めて魔理沙と向き合い、改めて感謝の言葉を告げた。

 

「さて、魔理沙。先日は色々とゴタゴタしてしまい、感謝の言葉を告げられませんでしたが…………改めてお礼を言わせてください。目的の一つである地上への復帰は貴女と早苗のお陰で達成できました。それにお世話までしていただいて……本当にありがとうございます」

 

「いや、そんなっ! 私も酒呑にはお世話になったし!」

 

「それでも、です。私は貴女に大きな恩を貰いました」

 

 そこでその恩を返す為にも提案があると前置きして、彼女にその話を告げる。

 

 

 

「あの博麗霊夢を超える程の力はまだ無理ですが………貴女の長年の悲願である、その失われた脚を治す事は可能です」

 

 どうしますか? と尋ねれば、魔理沙は狐につままれたような顔を浮かべた。

 

 失われた脚を治す。それは難しいようでいて、条件が揃えば意外とそこまで難しい事ではない。なにせ私は妖怪であり、かつ仙道を極めた至高の鬼であるから。例え起こす奇跡が華扇の何万分の一以下でありショボかろうとも、私はそんな華扇の師匠である。

 力が無くとも、用いる技術は多岐に渡る。

 

 まあ、前提条件としてくっ付ける脚が無いと出来ないんですけどね。いきなり脚を生やすとかそんなトカゲの尻尾みたいな真似出来ませんよ? なんせ私、沢山術は持ってても起こる結果が『え? それ術使わないで鬼の力で解決した方が良くない?』なんて師匠からは良く言われたくらいだから、さっ! 

 

「ほ、ホントなのか酒呑!? 私の脚が治るのか!」

 

「はい。ただ以前の様には直ぐに動かせないかもしれませんし、拒絶反応が出たりしないとも限りません。これに懲りたら、普段の様な乱雑な行いは止めましょう。例えば、まずはその口調などから変えていきましょうか」

 

「うっ………わ、わかりました……だぜ」

 

「ふふっ。そんなに落ち込まないでください。私と2人っきりの時だけでいいので、ね?」

 

 私が悪戯っぽくそう言えば、魔理沙はコクリと頷いた。

 

 よっしゃ! そうなりゃぁ、魔理沙の為にもいっちょ奇跡起こしたるか! 

 いやー、本当なら早く治してあげたかったんだけど地底では出来なかったからねー。仙術は基本的に自然の力とか色々借りないと出来ないから、あの旧地獄世界だと力が足りないんだよ。

 それに偶然なのか、私がここまで逃げてきたおかげで地脈の流れが魔理沙の家に繋がってくれたし、条件は揃ってる。

 

 というわけで始めますか。酒呑の、『〜ドキッ! 四肢が捥げちゃった。でも大丈夫! 誰でも簡単、三分で出来る四肢のくっ付け方〜』をな。

 はい、材料として保存しておいた魔理沙の片脚と、霊符、龍脈、そして最も重要な“水龍の逆鱗“と“水龍の心臓“を用意します。

 まず逆鱗を裏っ返しにして裏面全体に接着用の霊符を貼っていきます。次に魔理沙の片脚の表面に龍の逆鱗を付けて、離れない様に霊符を周りに貼っていきます。今回は太腿から千切れているので、逆鱗は膝小僧部分に貼り付けましょう。

 

「魔理沙。包帯を解いて傷口部分を私に向けてください」

 

「わ、わかったぜ………」

 

 助手の魔理沙くんに患部の包帯を解いていて貰っている間に、私は龍脈を引っ張って来ましょう。とは言っても、昨日私がここの近くまで地脈を引いていた様なので特に時間も苦労も掛からない。人差し指をちょいちょいって曲げて地脈のエネルギー………つまり龍脈を操り、この真下に龍穴を作る。

 この工程こそが最も重要な事なんだよ。地底だと龍脈が流れて無かったから、そもそも龍穴を作る事ができなかった………。龍穴は龍脈が噴き出す出口。大地のエネルギーが湧き出す間欠泉の様な物だ。この穴を作らなければ龍脈を取り出せない。そしてエネルギーが無ければ術を発動させる為の媒体が足りないのだ。

 

 その理屈だとなんでお前や華扇は普段から術を発動できてるんだって言うと思うけど、それは簡単な事である。私達は妖怪………それも、災害の化身とも言われた鬼である。私達の身体や妖気は自然エネルギーに近いものである。だから龍脈無しで仙術が使える。

 ………んで、私は妖気が極端に少ないのか何なのかで使えないから、仕方な〜く周りに漂ってる薄っっっすいエネルギーで補っているわけだ。あと高度な術を使うときは勿体無いけど酒も媒体にしてる。本当に勿体無いけど。

 

 閑話休題。

 龍脈が溢れ出てるこの龍穴の場に限り、私は今華扇以上の仙術が使えると言うわけである。ヨッ! 酒呑ちゃんカッコいい!! 

 

「魔理沙。コレを傷口に当てて押さえ付けていてください」

 

「うぇぇ………なんだこの気持ち悪いの……」

 

 魔理沙に龍の心臓を渡して、太腿と脚の間にくっ付けて抑えてて貰って…………あ! 忘れてた! 

 

「いけないいけない。媒体のお酒を………」

 

 お酒を…………────

 

 

 

「………酒呑? どうしたんだ?」

 

「……………いえ、なんでも……ありません」

 

 ────ヤバい。肝心なことを忘れてた。これから使う仙術にはお酒が必要だったのだ。それも『栄え』が宿った良質な(栄え水)が。

 

「………」

 

 う、う〜ん………これはしくじった。酒呑ちゃん、珍しく凡ミスした。

 一昨日の宴の日、私は持っていたお酒全てを大盤振る舞いしてしまったのだ。コツコツと集めた秘蔵の酒も全部。

 やっちゃったなぁ………でも、ここまで来て魔理沙に『実はお酒が無くて脚治せませんでした〜。お酒持ってくるまで待っててクレメンス!!』なんて言えるはず無いし………。

 

 仕方ない。ここは右手にぶら下がってるお酒でも使おう。魔理沙の為だし、流石に勿体ないとか言ってらんないよね。私と同じ年月を歩んできたんだから “栄え“ も十分集まってるでしょ! なぁ相棒!! 年月経てば集まるかなんて知らんけどさ! てかこの間は役に立たなかったんだから、今回は役に立てよ。

 

 と言うわけで、お猪口に一杯分を私の大事なお酒を…………くっ、なんて良い匂いなんだ! の、飲みてぇ! これ一杯で私は甘美な味と酔いを楽しめると言うのに………くそっ! 魔理沙の為だ! 

 

 私は懐からサングラスを取り出して目に掛けて、術を行使し始めた。

 

「えっ、なにそのメガ」

 

「────仙法・尸解術『過活性』」

 

「うわっ!? なんだこれ! 私の足が熱い!! それに眩しい!!」

 

 龍脈のエネルギーを魔理沙と脚に叩き込んでいき、生物としての活性を促す。すると彼女の脚が発光し、龍の心臓が鼓動を開始し始める。

 うん、気持ち悪い。

 

「………地仙術『因果の楔』」

 

 見た目が気持ち悪いのを我慢して術を唱え続ける。すると、龍の心臓から迫り出すように肉が生え、魔理沙の脚を包み込み始めた。

 

「ひぁっ!? しゅ、酒呑!? なんだこれ!! あぐっ、ぁぁあああああ!!!」

 

 まるで彼女の脚を取り込むように、侵食する様に増え続ける肉が魔理沙の脚を覆っていく。魔理沙の悲鳴が部屋中に響き渡り、それを聞いた私の額にも冷や汗が伝う。

 な、なんて気持ち悪い光景だ。いや、予想はしていたけど改めてそう思わざるを得ない。

 

 今、魔理沙の脚は活性化された龍の心臓によって取り込まれ始めている。龍脈を叩き込んだせいだ。生命力の高過ぎる龍は心臓一つでも生き続ける。ただ、心臓一つしか無い為に新たな外皮を得ようと必死なのだ。言わば暴走状態。

 

 このまま放置すると脚がくっ付くどころか魔理沙の身体が龍の心臓に取り込まれてしまう。なのでそれを抑え込む為に新しい仙術が必要になってくる。

 

 私はお猪口一杯に入った酒を膨れ上がる肉の塊に回しかけるように振るった。

 

「鬼仙術『鬼龍の宝印』」

 

 本日最高潮の発光である。眩しすぎて暗視越しなのに目を瞑ってしまいそうだ。マジでグラサン掛けておいて良かったー………。

 ピカァーが、ビカァァアアアア!!! ってくらいに光り続けた魔理沙の脚。その発光が収まり始めると、出来上がったソレが露わになる。

 

「お、おお………」

 

 思わず私は感嘆の声を漏らしながら、掛けてたグラサンを外して観察する。

 くっ付いた魔理沙の脚。それはまるで白魚の様に白く美しく、ちょっとエロティックな太腿だった。何がエロいかと言うと、千切れていた部分に龍が巻き付いた線画の刺青が刻まれていたのだ。ちなみに、なんか知らないけど魔理沙の目から光が失われているのもポイントである。所謂レイプ目ってやつか…………イケナイ気持ちになっちゃうな。

 ちょっと魔理沙の様子に興奮しながらもう一度魔理沙の足に目を向ける。太腿がちゃんとくっ付いたのはわかったけど、他に問題が無いとも限らないからね。もう一度注意深く────

 

 私はここでとある事に気付いた。

 龍の逆鱗は流れに反る様に生えている。だから逆立つ様に鱗が伸び、鋭利な先端が天に向いている。膝に付いたその逆鱗は多少違和感はあるだろうが仕方のない事なのだ。

 しかし…………何故か膝部分に貼った龍の逆鱗が無くなっていて。鬼の角みたいなトンガリが膝小僧から反るように飛び出している。

 

 

 

 …………はて、なんだろうかこのトンガリは。

 

 

 

 

 

 


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