────トラック泊地─
普段は地下に隠されている出撃船渠、そこに立つのは戦艦大和
「ついにこの時が来ましたか。剣、リ級、お留守番は頼みましたよ」
「・・・」「マカセテオケ」
剣は目を閉じてほんの少し顔を下げている。何かを待っているかのようだ
「戦艦大和、出撃します!」
足元に水が流れ込みトラック泊地の妖精が操作するスポットライトに照らされながら艤装を装着する。戦艦大和は初めて作戦に身を投じた
「ほほう、了解した・・・さてと、俺も動くとしますかね。リ級、来い」
「ドウシタ?」
「お前の艤装の修復が完了した。まあ、修復と言うより新造に近いがな」
「私ノ装備ハ捨テタハズダロウ。残シテオイタノカ?」
「お前の船体は入渠で修理の時に改造を施した。歴史を弄くる為にな。後は一時的にも進出していた黒姫が隠し持ってきた兵装を取り付けるだけだ」
「何故私ニ装備ヲ返ス?裏切ルカモシレナイダロ」
「そう言ってるなら大丈夫だ。それにお前は『裏切れない』というか、今更裏切っておまえ・・・深海棲艦として戦えるのか?」
「・・・無理ダロウナ。今更戻ッテモ沈メラレルダロウ」
「ならいっそこっちで暴れようぜ!」
剣の中には最初から戦わないと言う選択肢は用意していないらしい
「・・・分カッタ」
「よし、なら早く艤装纏え」
剣が修復したリ級の艤装はほぼ日本製に換装されている
15cm三連装砲4基から20.3cm三連装砲3基に変更
魚雷兵装は剣が要らねえと早々に外した六連装酸素魚雷発射管2基。右舷、左舷に1基ずつ
12.7cm連装高角砲8基
25mm三連装機銃12基 25mm連装4基
機関はあまり壊れてないため修理し流用した。しかし電探は剣がパクったまま
「艤装の調子はどうだ?」
「悪クナイ」
「それで・・・こうなったらお前は重巡洋艦リ級ではない。それに呼びにくいからな。そうだな、と或る北陸の河川の名からとって手取辺りでいいか」
「手取・・・重巡洋艦手取か。気に入った」
「よし、じゃあ行くか・・・ミッドウェー沖に」
こうして二人も抜錨、大和とは別で一直線にミッドウェーを目指す
────空母機動艦隊─side十勝~島の岩礁~
我が空母機動艦隊はあの大和旗艦のミッドウェー攻略部隊とのランデブーポイントに待機していた。だが作戦に亀裂が生じてしまい合流出来ていない事態が発生した
「赤城さん、どうしますか」
「合流するために少数の艦だけ残して進撃しましょう。残るのは・・・金剛さん、吹雪さん、十勝さんでどうかしら」
「待ってくれないか赤城、これから襲撃するのは飛行場と、それについて来るであろう空母機動部隊だ。十勝を外したくはない。それにこの合流だけなら十勝は居なくても良いだろう」
「そうですか・・・分かりました。吹雪さん、金剛さん、よろしくお願いします」
「ブッキー、安心しなヨー」
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ミッドウェー沖に接近した赤城総旗艦の空母機動艦隊。
筑摩の水上偵察機がミッドウェーに居座る飛行場姫を発見し、これに先制攻撃を加える。だが第五航空戦隊の戦闘機だけは温存しておく。なんで史実があんななのかを考えれば当然の処置だ
赤戦《赤城制空隊隊長機より全戦闘機に通達する。敵の迎撃だ!攻撃隊を守り通せ!》
全戦《了解!》
戦いの火蓋は切られた