艦隊これくしょん~巨竜達の咆哮~   作:超甲形巡洋艦

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遅れてすいませんなんでもしませんから許して…


ソロモンの異常

~トラック泊地~

「変だった?ですか?」

 

「ああ、黒姫は何か感じなかったか?」

 

どうにもソロモンに対する違和感を捨てきれない剣、剣は大戦中のほとんどソロモンで戦って来た

 

「そう言われましても」

 

「何かこう、呼ばれる感じがしたのさ」

 

「呼ばれる・・・ですか?」

 

剣も上手く伝えられない

 

「あぁ呼ばれるって表現には語弊があるな。引き寄せられる感覚だ」

 

「お兄様無断でソロモンに出撃しようとして大和さんに良く止められられているじゃないですか」

 

そうである。3日に1回はソロモンに無断出撃しようとして大和に阻止されている

そしてその結果説得力が無くなっているのだ

 

「まあ、そんな感じがするのだ」

 

「ふーん、あれ?どうしたんですの?技術妖精さん?」

 

来たのは剣についてきた技術師の妖精さんだ

 

「クロヒメサン、オハナシガ」

 

「はい?」

 

妖精さんの話によると剣と手取以外の艦の装甲が不審な損傷を負ってたらしい。最初は戦闘の損傷かと思われていたらしいが、戦闘詳報との照合で砲撃や雷撃の傷では無いことが分かった。更なる解析で急激な温度変化で起こる現象に似ているらしいが

 

「お兄様の言う異常とこの謎の損傷・・・関係があるのかも知れないですわ」

 

剣は大家長官が使っていた一人用の皮張りソファーに腰かけて考え始める

 

「・・・手取が無事なのはなんとなく・・・それでも俺・・・世界の異物なら黒姫・・・ソロモン・・・そして本来の・・・吹雪・・・駄目だ、材料が少なすぎる。少なくとも手取に話を聞く必要があるな」

 

「手取さんなら先に大和さんとラバウルに進出してしまいましたわね」

 

「あいつに聞かないと分からないことが多すぎるんだよなぁ。聞いてもわからないかもしれないけど」

 

今のトラック泊地にいるのは輸送船団襲撃で損傷した鳥海、天龍、夕張と二人だけだった

 

「まあ、ラバウルに行ったら答えは出るだろう。今は鳥海の出渠を待ってラバウルに行かなきゃな」

 

─数日後 ラバウル泊地────

手取に数日前に聞いたことを全て話した剣、そうしたら別の任務でソロモン近海に出撃していた駆逐艦吹雪にもある異常が見られたらしく、大和や他の姉妹にも話をしていた。今は取り敢えず手取から話を聞いている

 

「結論から言わせて貰おう。私が無事だったのは深海棲艦だからだ」

 

「確かに貴様は深海棲艦だが、それなら何故剣と吹雪はなにもない?」

 

長門の疑問、手取は元深海棲艦だから影響を受けない。なら何故この二艦は無事なのだ?長門は特に共通点を見いだせない

 

「正直私にも分からないことが多い。と言うかほとんどわからないんだ。姫や鬼なら分かるかもしれないが」

 

「だが、何故艦娘が損傷を受けるかは大体分かる」

 

「ほう、何故だ?俺が損傷しない理由もそこにあるやもしれん」

 

「剣、貴様が原因だ」

 

「へ?」剣

「なんだと!?」長門

「なんですって?」大和

「お兄様が?」黒姫

「え?」大淀

「なに?」鞍馬

「なんでですか?」十勝

 

「剣がソロモンの深海棲艦を壊滅に追い込んだ事があっただろう」

 

手取の話を要約すると

・深海棲艦は大抵魂と怨念を混ぜ混ぜした物である

・怨念はエネルギーのようなものである

・しかし怨念は一ヶ所に大量に貯まるとまずい

・深海棲艦として存在する分には魂に固定、消費されているので問題ない

・怨念は深海棲艦が消費したり自然に消えたりする

・普通の砲雷撃で沈める分には浄化の意味合いもあるので問題ない

・剣が極短期間でソロモンと言う一ヶ所にその怨念を貯めすぎてしまった。しかも消費先も無い

・その結果色々間に合わずエネルギーが氾濫、外部に悪影響を出している

・しかし深海棲艦にとっては怨念は餌、多少感情が昂りやすいだけ。こんな影響があるのは艦娘くらい

・海に大穴が開くくらいなら問題ないし人為的?にできるがここまで影響があるとその元凶を沈めるだけでは解決しない

・解決方法は知らない下手すればずっとこのまま、もしくは広がる可能性もある

 

 

「「「「「・・・」」」」」

 

ここいにる全艦が思った。原因の大半が剣にあると

 

「いやー、ここまで大事になるとは思わなかったわ」

 

「「「「「気楽に言うな!」」」」」

 

全員が全員口を揃えて叫んだ

 

「まあ、そこにある怨念が何らかの形で消費か浄化されればもとに戻ると思うが」

 

「疑問があるんだがいいか?」

 

長門が疑問視する。元深海棲艦とはいえ詳しすぎないかと

 

「なぜそこまで詳しい?」

 

「私はリ級タイプの中では好奇心が強い個体でな。少しばかり調べていた」

 

「そうか」 

 

長門の中では手取はあまり信じられない。剣の管理下とはいえ(その剣も信用していないが)

 

「でもなんで俺は大丈夫だったんだ?・・・なあ手取、さっき深海棲艦は損傷受けないって言ってたよな」

 

「ああ」

 

「俺さ、無断でお前が持ってた電探パクったじゃん?」

 

「そうだな」

 

回りの顔が剣、貴様は何をやっていると言う顔になる

 

「もしかしてその電探が稼働してたから怨念が消費されたとか?」

 

「十分考えられる」

 

「成る程・・・そして剣、後で臨時執務室に来い。話がある」※スルーされます

 

しかし吹雪がなぜ無事なのかは以前としてはっきりしなかった。

 

「しかしな、このままでは進展が無いぞ」

 

「失礼すんで~」

 

会議室の扉が開かれ入ってきたのは軽空母の龍驤

 

「伝え忘れたことがあんねん」

 

「なんだ?」

 

「実は吹雪がな、出撃中に『大丈夫だよ』みたいな事言っとたっん思い出してん」

 

「・・・・・・・・・分かったかもしれん。吹雪が大丈夫な理由が」

 

「なんだと?」

 

「恐らくこの異常の中核には吹雪に限りなく近い深海棲艦がいると思われる」

 

「なるほど、確かに艤装が似通った艦の目撃、撃破例は確認されているから十分にあり得るな」

 

「更に迎えられるだろうな。吹雪なら」

 

会議は進む


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