仮面ライダーレンゲル☘️マギカ   作:シュープリン

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グランドジオウの待機音がめちゃくちゃ素晴らしい件


第15話 青春スイッチ・オン!

 それから数時間後に、彼女は目を覚ました。彼女は、角無 舞花(かどなし まいか)と名乗ったが、愛矢と同様に、それ以外の事は全く覚えていなかった。

 

 記憶が無いまま目覚めて早々、自分が魔女だったと明かすのは酷なので、今は黙っている。だけど、いつかしっかりと明かすつもりだ。

 

 彼女には愛矢と同様に自分は政府から特命を受けた戦士で、鏡の中にいる怪物と戦っていて、その時保護したと伝えた。

 

 そして彼女は現在―、

 

 「おかわり!」

 

 「えっ?またぁ!?」

 

 こんな風にご飯を何杯も食べているこれで4杯目だ。

 

 「愛矢ちゃんのハンバーグ、凄く美味しいわよ!一口だけでご飯何口もいけるわ!」

 

 初めは記憶が無いことがショックで脱け殻のような状態になっていたのだが、ハンバーグを一口食べてから豹変し、クレシェンドのごとくどんどん元気になっていった。

 

 今は元気がトップギアだ。これだけ見ると、記憶喪失だと言うことも忘れてしまうほどに。

 

 「何かもう、すっごい元気だね」

 

 ぶしつけだと思いながら睦月はふと口にした。

 

 「だって本当に美味しいんだもん!こんなに美味しいモノなら嫌~な顔して食べるのは食材にも愛矢ちゃんにも失礼じゃない!」

 

 そしてハンバーグを一口頬張り言った。

 

 「それにしても、愛矢ちゃんも確か記憶喪失なのよね?なのにこんな美味しい料理作れるってどうやって学んだの?本?」

 

 舞花には、愛矢となぎさが記憶喪失だということは伝えてある。隠しても一緒に暮らしていけばいずれバレると思ったからだ。

 

 と言っても、彼女には二人は舞花と同じように鏡の中の怪物から救出した人達と言っているので騙してはいるのだが。

 

 「いや、本というよりは…う~ん、感覚でかな?体が覚えてるというか」

 

 「感覚!?凄っ!じゃあやっぱり記憶失くす前はコックだったとかかな?将来はレストラン開いてたり!」

 

 「いや、そこまでは…私より上手い人だってきっといるだろうし」

 

 「そんな事無いわよ!絶っっっっっ対繁盛すると思うわ」

 

 「それはなぎさも思うのです」

 

 横からなぎさが口を出した。

 

 「そうよね!あなた見る目あるわ!あなたならきっとグルメ評論家になれるわ!」

 

 そんなやり取りを見て、

 

 「まったく、賑やかだなぁ?こんな食卓はいつ以来だ?」

 

 と晴人は呟いた。

 

 「と言うかお前、今さらだけど何で俺んちで飯食ってんだよ?」

 

 「あ?んな事言っていいのか?眠ってる千翼をここまで運んでやったのは俺だぞ?飯位サービスしてくれたっていいだろ?女の子とはいえ結構重かったんだからな」

 

 「そうそう。晴人さんは私の恩人の一人なんだからご飯位誘わないと!」

 

 それを作ってるのが愛矢で、お金は睦月から出てる訳だが…

 

 「て、重いって何よ重いって!」

 

 そして突っ込みが遅い。

 

 「いいのよ。記憶を取り戻すのに栄養をたっぷり使うんだから」

 

 そんな感じで、その日の食卓はいつも以上に賑やかだった。舞花も、初めは記憶が無い事に戸惑ってたようだったが、何とか受け入れてるようだった。

 

 もちろん、完全に不安が取れた訳では無いだろうけど、元気になったのはよかった。

 

 「おかわり!」

 

 だけどもうちょっと食欲を抑えて欲しい。今月の食費が…。

 

 「睦月、俺もおかわり頼むぜ」

 

 お前はもう少し遠慮しろ。

 

 『デカい!広い!豪快!きらびやかなボディに熱い熱狂!新型テーマパーク・レント!好評営業中!』

 

 ふとテレビを見ると、明るいbgmと共にそんなcmが流れていた。屋内でもあらゆるスポーツが出来、老若男女問わず人気のある施設だった。

 

 そのcmを見たとき、舞花の目が一層キラキラした。

 

 「ねぇ、今の!行きたい!凄く行きたい!」

 

 「えっ あっ、でも確かこの近くにも支店が出来たって言ってたっけなぁ?」

 

 「じゃあ決定!行きましょうね!」

 

 「いや、おい!」

 

 しかしその時はなぎさと愛矢も多少興味を持ったようだったので、まぁいいかと思った。

 

 舞花がここに馴染むのにも―もう必要ないとも思うが―ぴったりの場所だし、何か思い出すかもしれないからだ。

 

 それにしても―と、睦月は思った。

 

 彼女の魔女が出たのは廃校になった体育館だった。そして、性格を見る限り明らかにアクティブ系の女子だ。もしかしたら彼女は何かのスポーツ選手だったのではないだろうか。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 日曜日。舞花のリクエストで、睦月となぎさ、愛矢、舞花、そして晴人はレントへ出掛けた。

 

 「あの、何で晴人も一緒にいるの?」

 

 「俺も興味あったからな。いい機会だと思ったからだ。安心しろよ。自分の分の代金はちゃんと払うからよ」

 

 それしなかったらそもそも連れてきて無いわ!と、睦月は思った。

 

 そんな事を話している間に目的の施設へとたどり着いた。

 

 「さぁ、おもいっきり遊ぶわよ!」

 

 舞花の宣言と共に5人は中に入った。そして、睦月の考えが正しかった事が明らかになった。

 

~ボウリング~

 spair!

 「ヨシッ!」

 

 strike!

 「ウッキャァァァ~!」

 

 「おいおい、マジか」

 

 「今の所全部スペアかストライクなのです」

 

 「あの子ってもしかしてボウリングの選手だった…とか?」

 

~バッティングセンター~

 「最初に言っておく。私はホームランを打つ!」

 

 カキーン!

 

 「ウッキャァァァ~!」

 

 「本当に…打っちゃった…」

 

~テニス~

 パコーン!パコーン!パコーン!

 

 「(いいラリーだ。これなら…)」

 

 「愛矢、待たせたわね。行くわよ!私の必殺技!スペシャルショット!」

 

 ダーン!

 

 睦月は風を感じた。

 

 「イヤッタァァァァァァ!愛矢、ハイタッチ!」

 

 パァン!

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「さて、次はどこ行く?」

 

 5人は今、施設内にあったレストランでお昼休憩を取っていた。

 

 「凄いな、まだ遊び足りないのか」

 

 晴人は感心したように言った。

 

 「舞花は本当に凄いのです!ボウリングも野球もテニスも、全部大活躍だったじゃないですか!?」

 

 「うーん、何かね~、愛矢と同じで、体が覚えていたぽいのよねぇ。私ってもしかして、オリンピックの選手とかだったりして!」

 

 舞花はいたずらぽく笑った。

 

 「さて次は~、これね!」

 

 こうして次に来たのはバレーボールコートだった。

 

 舞花と晴人チーム、睦月となぎさ、愛矢のチームに分かれた。

 

 「先行は俺だ!」

 

 睦月はそう言ってボールを高く上げて、サーブをした。

 

 「よっと!おぉ!?」

 

 晴人はレシーブしたが、うっかりコートの後ろの方へボールを流してしまった。

 

 「任せて!」

 

 舞花は素早く動いて、そのままレシーブし、相手のコートにボールを送る。

 

 「えぇ!?」

 

 まさか返されるとは思わなかった睦月はギリギリの所でレシーブ。それは再び千翼のコートに返された。

 

 そして舞花はジャンプして、

 

 「これで、終わりよ!」

 

 舞花はそのままアタックした。そのスピードに対応できず、ボールは睦月のチームのコートに落ちた。

 

 「やったぁぁぁぁ!1ポイント!」

 

 「マジかよ…」

 

 そこからはあっという間だった。レシーブは正確な位置に全て持っていったし、ブロックは鉄壁、そしてアタックは適格だし何よりそれを受けたボールは比べ物にならないくらい速くなる。

 

 今までの事から、バレーボールも舞花は凄いプレイをすると思っていたが、それを遥かに上回る振る舞いを見せた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「ふぅ~、いい汗かいた~!」

 

 時刻は20時を少し回った所。5人は帰りの電車の中にいた。

 

 「まさか午後からずっとバレーをやらされる事になるとは思わなかったぜ」

 

 「えへへ、ごめんね、晴人。何か楽しくってさぁ、止められなかったのよねぇ」

 

 初戦は晴人と舞花チームの圧勝。それからチームを変えたりして何度もやったが、舞花のチームが全戦全勝という結果に終わった。

 

 「なぎさは、楽しかったから全然良かったのです」

 

 「そうね。私も。それにしても舞花さんのバレーの腕は相当ね。他のも凄かったけど、これはそれ以上だったわ」

 

 「フフっ、ま、私に掛かればこんなもんよ!きっと、記憶失くす前はバレーの選手だったのかもねぇ!サイン貰うなら今のうちよ!」

 

 舞花が鼻高々に言った時だった。

 

 「ん?」

 

 舞花が耳に手を当てて首を傾げた。

 

 「どした?」

 

 睦月がそれとなく聞いた。

 

 「睦月は感じない?この音。電車?さっきまで聞こえてたかしら?何か頭に直接響いてくるような」

 

 睦月はハッとして辺りを見渡した。なぎさと愛矢も同じく聞こえているようだった。

 

 「睦月さん、これって・・・」

 

 それと同時に電車が駅に着いた。

 

 キーン、キーン、キーン、キーン…

 

 睦月、そして晴人にもようやく聞こえた。

 

 「ごめん、皆先に帰ってて!」

 

 睦月は急いでそういうと晴人と共にその駅に降りた。

 

 「この音、恐らくこの駅の近く・・こっちだ!睦月!」

 

 駅から少し離れた所にある暗い路地、見るとそこにスーツを着たサラリーマンが一人歩いていた。

 

 キーン、キーン、キーン、キーン…

 

 その音と共に、路地にあったカーブミラーから一匹のモンスターが飛び出してきた。

 

 「危ない!」

 

 睦月はとっさにその男性を突き飛ばした。危機一髪、モンスターから一撃を食らわれることは無かった。

 

 「うわ、うわぁぁぁぁ!!」

 

 「早く逃げろ!」

 

 その男性は泡を食ったように逃げ出した。

 

 そのモンスターは頭に黒いトサカを生やしたシマウマのような風貌のモンスターだった。しかし、睦月が以前あったモノとは違い、全体はくすんだブロンズ色で、手首には剣ではなく、盾のようなものが付いていた。

 

 ミラーモンスター、ゼブラスカルブロンズ

 

 「行くぞ晴人!」

 

 「了解」

 

 「「変身!!」」

 

 『♧Open Up』 『♤Turn Up』

 

 それぞれレンゲル、ブレイドに変身し、ラウザーを構えて特攻した。

 

 睦月はレンゲルラウザーをぶつけた。それはゼブラスカルの盾で防がれる。しかし、今回は二対一だ。すかさず晴人が盾の隙間から蹴りを入れ、モンスターは後ずさった。

 

 すかさず睦月はレンゲルラウザーで突いた。さらに二発、三発と連続で攻撃を入れていく。

 

 「よし、このままとどm」

 

 そう言った時、新たなモンスターが二体鏡から飛び出してきた。

 

 「なっ!」

 

 突然の不意打ちに二人は打撃を食らってしまう。

 

 両者共にガゼルのような風貌をしているが一方は紫と黒を基調とした色合いで、頭にはドリル状の角、手には二股に分かれたドリルの槍を持っていた。

 

 ミラーモンスター、ギガゼール

 

 もう一方は、金色を基調とした色合いで頭には刀刃状の角、手には二股に分かれたモリのような武器を持っていた。

 

 ミラーモンスター、メガゼール

 

 二匹はそれぞれ睦月と晴人に襲い掛かって来た。ドリルとモリ、二人はラウザーで何とか受けた。

 

 「何だ!こいつらは!」

 

 「まさか追加のが出てくるとはな、だけど!」

 

 晴人は一瞬の隙をついてメガゼールを蹴り上げた。

 

 睦月もまた、レンゲルラウザーのリーチを利用し大きく上へ受け流すと、無防備になった懐へラウザーを打ち付けた。

 

 「所詮不意打ちしかできねぇような奴は俺らの敵じゃねぇよ」

 

 『♤5 KICK』 『♤6 THUNDER』

 『ライトニングブラスト』

 

 『♧5 BITE』 『♧6 BLIZZARD』

『ブリザードクラッシュ』

 

 二人はカードをスラッシュし、それぞれ構えて大きくジャンプし、晴人はメガゼール、睦月はギガゼールを蹴った。

 

 二体は大きく吹っ飛び爆発四散した。

 

 「さて、後はシマウマ・・っていない!?」

 

 「チッ!逃げたか・・」

 

 そう言って、晴人は変身解除しようとした時、

 

 「ん?」

 

 「これは・・?」

 

 二人は奇妙な違和感を感じた。別に耳鳴りがあるわけでも、視覚に変化があったわけでもない。何か異様な、言葉では言い表せない違和感だ。まるで―、

 

 「この感じ・・・」

 

 「あぁ、魔女の結界に入った時に似てるな」

 

 「近くにいるのか?」

 

 睦月がそう言った直後だった。

 

 「!?消えた?」

 

 「こっちも感じなくなった。何だったんだ?今のは・・」

 

 「近くに魔女がいるのかもしれない。探してみよう!」

 

 しかし、魔女が見つかることは無かった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「はぁ、やっぱりモンスターだけじゃダメか」

 

 先ほどまで睦月と晴人がモンスターと戦っていた場所の近く、その鏡の世界に茶色の筋肉を思わせる装甲、そしてうずまきに似た模様の顔と、そこから生えるドリル状の角が特徴の仮面ライダーインペラ―はいた。

 

 「まさか怪物を追ってた時に例の“侵入者”が現れたのは想定外だった。急だったとは言え、モンスターだけってのは少し舐めてたかな。ま、次遭った時に戦えばいいか」

 

 それにしても―、とインペラーは思った。

 

 「さっきまであった妙な感覚。あれが神崎士郎の言っていた“化け物”だとすると、急に消えたってのは、もしかして、戦ったやつがいるのか?」

 

 そう思った時、先ほど逃げたゼブラスカルが襲い掛かって来た。

 

 「うわっと!」

 

 インペラーはとっさに避けた。

 

 「もう、危ないなぁ」

 

 彼は毒づきながらバックルからカードを一枚取り出して、右足に付いていたガゼルバイザーに入れた。

 

『SPIN VENT』

 

 右腕にガゼルスタッブが付けられた。彼はそれをモンスターに思い切り突き飛ばした。

 

 「さっさと終わらせるよ」

 

『FINAL VENT』

 

 すると、どこから現れたのかギガゼールとメガゼールを含む大量のレイヨウ型モンスターが撥ねながら接近してきた。その先にモンスターがいてもお構いなしにその行進は止めることはなく、ギガゼールなどのゼール軍団の脚が、腕が、角が次々にゼブラスカルに当たっていく。その攻撃にゼブラスカルは完全に身動きが取れなくなった。

 

 最後はインペラーが同様に撥ねながら飛んできて、両腕で肩を抑えるとゼブラスカルの顎に思い切り膝蹴りを食らわせ、空中で爆発四散した。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 インペラーがいる位置から少し離れた場所へ、3人のライダーが鏡から飛び込んできた。

 

 一人は銀に青いラインが所々に入った装甲をしているライダー、タイガ。そしてあとの二人は、全身黒ずくめで覆われたライダー、オルタナティブとオルタナティブ・ゼロだ。

 

 「くそ、まさかあれがあそこまで強いとは!」

 

 「あれが“10の怪物”ってことで間違いなさそうですね、先生」

 

 「あぁ、だが、あそこまで強いとは思っていなかった。あれは明らかにモンスターよりも強い」

 

 「ミラーワールドに逃げられたのは本当に奇跡ですよ」

 

 「君が鏡を見つけてくれたおかげだ。感謝するぞ。仲村君」

 

 「しかし、これではあまりにも骨折り損でしたね」

 

 「いや、そうでもないぞ、東條君。お陰で私の中に色々な疑問が生まれたよ。戦わなければ生まれなかった疑問がな」

 

 「疑問・・・とは?」

 

 東條と呼ばれた男は首をひねった。

 

 「例えば、私たちが避難したこのミラーワールド、そこに何故あの化け物は追ってこないのか、とかだ」

 

 

続く




<キャラクタープロフィール④>
角無 舞花(かどなし まいか)

年齢:17歳
血液型:O型
身長:159.1cm
体重:53.1kg
好きな食べ物:ハンバーグ
将来の夢:バレーボール選手
趣味:体を動かすこと
好きな場所:ショッピングモール
好きなモノ:ボール
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