仮面ライダーレンゲル☘️マギカ   作:シュープリン

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仮面ライダーエターナルがジオウに出演と聞いて驚いてます。

本当ジオウってサプライズ上手いわ。

劇場版ライダーが全員出演する感じなのかな?


このまま語っていたいけど前書きが長くなると本末転倒なのでここまでにしておきます。

レンゲル19話、どうぞご覧ください


第19話 もう何もかも怖い

 「キャァァァァァァァァ!!!!!」

 

 小夜の悲鳴が辺りに響いた。普通の女の子がいきなり二体のモンスターを相手にするのは無理があったのだ。

 

 しかし、彼女が悲鳴を上げた事によって一瞬だけギガゼールの気が小夜に逸れた。それによってラウザーを抑えてた槍が緩み、その隙に睦月は蹴り上げて自由になった。

 

 「小夜!」

 

 睦月は急いで起き上がって2枚のカードをスラッシュした。

 

『♧6 BLIZZARD』 『♧3 SCREW』

『ブリザードゲイル』

 

 睦月は右手から冷気を出し、メガゼールとマガゼールを凍らせた。

 

 「睦月さん!後ろ!」

 

 愛矢の声に睦月は背後で槍を振り下ろそうとしてたギガゼールに気付き、ラウザーで防いだ。

 

 「もうお前に付き合ってる暇は無いんだよ」

 

 ラウザーで槍を払い、一度蹴り上げて後退させた。

 

 『♧4 RUSH』

 

 そして渾身の力を込めたラウザーで何度もギガゼールの体を叩き、最後は思い切り突いてギガゼールの体は爆発四散した。

 

 「晴人!」

 

 「了解」

 

 ギガゼールの爆発に気を取られた隙に剣での一撃を加えた。そして、なぎさ、愛矢、千翼の三人がいる所に一気に移動した。

 

 「お前ら、俺に捕まれ!」

 

 「は、はい!」

 

 睦月もまた小夜の所に駆け寄り、

 

 「小夜!」

 

 小夜は差し伸べられた睦月の手をつかんだ。

 

 「行かせるかよ!」

 

 佐野はガゼルスタッブを構え、睦月らの元へ突進していった。

 

『♧9 SMOG』

 

 睦月はラウザーから煙幕を噴出させた。

 

 「何!?グッ!」

 

 佐野はその煙に包まれた。そこから抜け出た時には睦月たちの姿は無かった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「ごめんなさい!」

 

 家に戻ると小夜は頭を下げた。

 

 「勝手に変身して、しかも、全然睦月さんみたいに戦えなくて・・・」

 

 「いや、お前は悪くない。あの状況では仕方なかった。それどころかお前が変身してなかったらなぎさ達はただじゃすまなかった」

 

 「そうよ。むしろ変身出来なかった私に問題があったわけだし」

 

 舞花が口をはさんだ。顔は笑顔だったが、どこか無理をしているような、如何にも作り笑いだというような表情をしていた。

 

 「戦いについてだったら大丈夫!次からは私が変身すれば問題ない!」

 

 睦月は晴人と顔を見合わせた。

 

 「舞花、言いにくいんだがそれは無理だ。事態はお前が思ってる以上に複雑でな」

 

 「どういうこと?」

 

 ここで晴人が口を開いた。

 

 「実はな、以前俺と睦月でベルトを交換して変身しようとしたことがあったんだが、できなかったんだ」

 

 「えっ・・・」

 

 「このバックルは、一度誰かによって巻かれると、それ以外の人間では変身できないようになってるらしいんだ」

 

 「・・・」

 

 「もうこのバックルは小夜しか変身できない。まだハートのデッキは残っているがバックルが無い以上意味は無い。ま、これからは俺と睦月と小夜で戦うしかないってことだ」

 

 「おい晴人、勝手に決めんなよ!彼女たちは戦いには巻き込みたくない。その思いは今も変わってないんだからよ」

 

 「つっても、人手が足りないのは事実だろ?さっきの戦闘でもそうだったし。まぁ俺たちと比べたら微力だが、魔女やライダー相手にはライダーしか効果無いんだからいないよりはましだろ」

 

 「晴人!そういう言い方」

 

 「そうよ。無理よ」

 

 異様に冷たい声が聞こえて来た。舞花だった。

 

 「無理に決まってるわよ。普段からうじうじしてるような人が戦うだなんて無理に決まってるわよ。さっきだって、ただ銃をバンバン撃ってただけで全然攻撃出来て無かったし。あ~あ、やっぱり、私が変身するべきだったのよ。あの時変身出来なかったのは、最大の失敗だったわ」

 

 「ちょっと舞花!そんな言い方」

 

 「いいの」

 

 舞花に反論しようとした愛矢を小夜が止めた。

 

 「舞花さんの言う通りよ。私、皆よりも運動神経悪いし、要領も悪いし頭も良く無いし。あの時変身したのは間違いだったのよ」

 

 「それは違うのです!小夜がいなかったら、皆あの化け物に襲われていたのです!大変なことになっていたのです!」

 

 「それはそれよ。でも、変身しなきゃ絶対にダメだった訳じゃないでしょ?それこそ、石とか投げて気を引くとかするだけでも良かったんだから」

 

 そして小夜は言った。

 

 「本当に、ごめんなさい」

 

 部屋に何とも言えない沈黙が走った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 晴人は早々に帰った。その後、寝るまでの間特に会話もすることなく淡々と時間が過ぎた。昼間の楽しかった時間が嘘のようだった。

 

 「小夜、ちょっといいか?」

 

 なぎさや愛矢が寝静まった頃、睦月は小夜を呼びに部屋へ行った―小夜が住むようになってから、5人でアパートの一室で眠るのはさすがに狭いという話になり舞花と小夜は隣の部屋に移った―。彼女と出会ってからまだ半月弱だが、このような状況になると夜眠れないでいることを睦月は知っていた。

 

 小夜を部屋に入れ、ココアを出した。

 

 「眠れてないんじゃないかと思ってな」

 

 「ありがとうございます」

 

 そして小夜の隣に腰かけると睦月は言った。

 

 「夕方に舞花が言ってたことはあまり気にするなよ。あいつは、自分が変身出来なかった事にショックを受けて嫉妬しただけなんだから」

 

 「だけど―」

 

 そこで小夜は言葉を詰まらせ、ただテーブルの一点を見つめながら言った。

 

 「舞花さんの言ってることは正しいです。私、舞花さんみたいに運動ができるわけじゃないし、頭も悪いし、何の取柄もないのに変身しちゃって・・・。それで結局怖くて動けなくなって、迷惑かけて、ダメダメですよね。これなら舞花さんが戦った方がよっぽどいいって思います」

 

 「それでも、変身したのはお前だし、皆を守ったのはお前だ」

 

 「でも結局あの後迷惑掛けちゃって、最低です、私」

 

 「迷惑かけた、か。お前っていつも自分の事そう思っているよな。本当にそうか?」

 

 「えっ?」

 

 「俺はそうは思わない。あの時、お前は勇気を振り絞って怪物の前に立って変身した。そのお陰で、なぎさちゃん達は怪我一つしないで済んだ」

 

 「だけど―」

 

 「セミの怪物との戦いだってそうだ。あの鳴き声で体が思うように動かないって時でも、舞花を助けようと動いたじゃないか。あの時のお前は、誰よりもヒーローで、仮面ライダーだった」

 

 小夜は目を見開いた。

 

 「お前は何も取柄は無いって言ってたけど、小夜には誰にも負けない取柄はあるんだよ。小夜は、誰よりも優しいんだ。誰かが傷つきそうになったら、どんなことをしてでも助けようとする。優しくて、ここぞという時に勇気が出る。それがお前のいい所なんだよ」

 

 「だけど、優しいだけじゃ戦えない」

 

 「誰が戦えなんて言ったんだよ?戦いたくなければ別に戦わなくてもいいんだぜ?言っただろ?最後のバックルは置物でいいって」

 

 「でも、それじゃあ―」

 

 「それならそれで俺たちがもっと強くなればいいだけだ。もうあんなミスはしないように。もっと腕を磨いて、全員を助けられるように」

 

 小夜はここで初めて顔を上げた。

 

 「睦月さんは、怖くないんですか?」

 

 「何言ってんだよ。怖いに決まってるだろ?精進証明の殺し合いだ。少しでも気を抜けば死ぬ。そんなモノは俺だって嫌だよ」

 

 「・・・・・・・・・・・・・」

 

 「だからこそ、そんな思いを皆にはしてほしく無いと思ってる。俺が舞花が戦おうとしてるのを反対したのもそれが理由だ。戦いは遊びじゃない。もしも、戦いに負けて、死ぬようなことがあればと考えると、それは俺が死ぬこと以上に怖いんだよ。だから、俺は戦うし、同時に小夜達には戦ってほしくないって思うんだ。だから、なぎさちゃんや舞花は元気のままでいてくれればいいし、愛矢は好きなことをしてくれればいい。そして小夜はその優しいさで皆を包みこんでくれれば俺は満足なんだよ」

 

 そして睦月は微笑んで続けた。

 

 「小夜は優しいから、ライダーになれる素質はある。だけどだからと言って、俺からは無理に戦えとは言わない。これは自分の意志で決めてほしい。それでもしも戦うことを選んだら、俺がしっかりサポートするから」

 

 「はい、ありがとうございます」

 

 ここでようやく小夜に少し笑顔が戻った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 午前三時。皆が寝ているだろう時間を見計らい、舞花は睦月の部屋にこっそり入った。そして机の引き出しから早々にハートのデッキを見つけると、他のあらゆる場所を隈なく探した。

 

 「(睦月は、バックルは3つしか無いって言ったけど、カードデッキが4つある以上、絶対にもう一つあるはずなんだ。それを見つければ―)」

 

 あまり大きな音を立てると、睦月が起きてしまう。舞花は静かに、だけど正確に部屋のあちこちを探した。

 

 そして、引き出しという引き出しを全て開け、箱や入れ物の中身を全て探し、どこにもないと感じ始めた時だった。

 

 自棄になってハートのデッキが仕舞われていた机の下を見てみると、机と窓のわずかな隙間。そこに何かが引っかかっているのが見えた。腕を伸ばして何とかそれを取り出した。それは、黒と金を基調としたスタイリッシュな作りでバックルと同様にカードが差し込めるようになっていた。見た目からして、バックルと同じ系統の物であることは明確だった。

 

 「あった・・・!」

 

 舞花はそれとハートのカードデッキを持って、そっと外に出た。

 

 舞花が持っていたそれは、バックルとは違い、左腕に付けるようだったが、変身できればそれで良いと特に気にしないで左腕に付けた。そして、睦月たちと同様にハートのAをセットすると左腕を構えて言った。

 

 「変身!」

 

 しかし、何も起こらなかった。変身するときに見える光のゲート(オリハルコンエレメント)も出ない。

 

 「ま、まぁいいわ。今回はベルトじゃないからね。きっと他のカードを差すのよ。えーっと次は…」

 

 その時、舞花はハートの2のカードが見当たらない事に気付いた。まさか、落とした?けど、せっかく変身アイテムのようなものとカードを手に入れたので、カード一枚を探す為だけに睦月が眠っている場所へ戻りたくなかった。仕方なくハートの2は諦め、ハートの3を差した。

 

 「変身!」

 

 それでも何も起こらない。

 

 4、5、6、7、8、9、10…

 

 どれを差しても同じだった。

 

 「はぁ…これ、変身アイテムじゃ無いのかしら?」

 

 残ったのはJ、Q、Kだけ。

 

 Jを差した。何も起こらない。

 

 「も~う!次!」

 

 舞花はやけくそ気味にQのカードを差した。

 

 『♡ABSORB QUEEN』

 

 「!やった!反応があっt…!!!!」

 

 舞花が喜んだその瞬間。全身の細胞が硬直するのを感じた。まるで高電圧の雷を浴びたような感覚。痛みは無いが、何も感じない。風が肌に触れる感覚も、虫の鳴き声も。

 

 そして、舞花の意識は途絶えた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「調査?」

 

 「あぁ、あのライダーの始末よりも、それと一緒にいた少女4人について調べることを優先しろとの事だ」

 

 「あ~もう何なんだよあいつは!俺の時はほっとけって言ってた癖に今度は倒せ、って言って、次はその仲間かよ」

 

 そばで聞いていた芝が呆れるように言った。

 

 「お前の時はあいつらの事を嘗めきっていたからと言っただろ。まさかあいつが魔女を倒せるほどの実力者だとは思わなかった。だから後々の事を考えて対処することにしただけだ。しかし、あいつらが何者なのかも分からないまま倒すよりもあのライダーのルーツを探れば、今後の動きの参考になるかもしれない。その取っ掛かりとして彼女らに目を付けた。それだけだ」

 

 「それで?調査って具体的にどうすんだよ?」

 

 芝と高見沢との言い争いは見たくないので、佐野が本題に戻させた。

 

 「聞くところによると、あの少女の内の一人は仮面ライダーに変身したそうじゃないか。そいつの戦いの様子を記録して欲しい。後で芝に解析して貰う」

 

 「おいこら!勝手に決めんな!そもそも、俺はあんたらが頼んだ"あれ"の開発で忙しいんだよ」

 

 「いいからやれ。できないのか?」

 

 高見沢は四の五の言わせない口調だった。

 

 「特別報酬は付けろよ」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「ここは…?」

 

 目が覚めると、そこには見慣れない景色があった。時空を越えてやって来たから見慣れないものが多いとかではない。自分の最後の記憶と一致しないのだ。

 

 「(確か私はカリスに封印されたはず)」

 

 そしてそれ以上に違和感があるのが自分の体だ。思うように動かせない。だけど心地いい。そんな矛盾の感覚。

 

 まるで体が入れ替わってしまったような…。

 

 側にあるアパートの窓が姿見になっている。それで自分の姿を確認すると唖然とした。私は、私の姿をしていなかった。入れ替わっているという考えはある意味で当たっていたのだ。

 

 だとするとこの感覚の正体は…。

 

 ふと左腕を見ると、見慣れない腕輪が巻かれていた。そして、中には何も描かれていないラウズカード。

 

 「フフフフ…」

 

 ふと笑いが込み上げた。

 

 「フフフフフフ…」

 

 笑いは止まらなかった。そうか、そういうことか。まさかこんなことがあろうとは。自分の今の体の状況、腕輪と空のラウズカード。全てではないけどある程度の状況を把握した彼女はただただ面白くて笑った。

 

 これは奇跡に近かった。彼女の体でなければ起こらなかった芸当。反則。今だけは運命に感謝しかない。もしこれが一万年前のバトルファイトだったら統制者はどう判断するだろう?

 

 闇夜の中、彼女はしばらく笑い続けた。

 

 今ここに、ハートのカテゴリーQ、オーキッドアンデッドが復活した。

 

 

続く




気が付くと通算UAが3000を突破したことに驚感無量です。

本当にありがとうございます。

一人でも読者がいる限り私は書き続けますので、これからも応援のほどをよろしくお願いい致します。
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