仮面ライダーレンゲル☘️マギカ   作:シュープリン

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読者の皆様、お久しぶりです。

2020年初更新です。

これからも不定期更新になるかもですが、決して途中で更新を止める事はしないので、気長に待っていただけたら幸いです。

質問・感想等にもできるだけ応えていきたいと考えています。

2020年もよろしくお願いします。


第28話 カガワ☆レポート

 「はぁぁ!」

 

 仮面ライダータイガー東條悟(とうじょう さとる)は、デストバイザーで頭にシルクハットを被ったコウモリの形をしている紙状の使い魔を切り裂いた。

 

 「東條君、仲村君、あそこに通路が!」

 

 オルタナティブ・ゼロ―香川英行(かがわ ひでゆき)―がタイガと自分にそっくりの疑似ライダー、オルタナティブ―仲村創(なかむら はじめ)―にそう呼び掛け、三人でアーチをくぐった。

 

 「なっ…」

 

 その先には、今まで三人が戦ってきた紙状の使い魔、そしてその中央には目を閉じて静かに涙を流している絵が描かれた大きな立方体があった。目はサイコロのように1~6個と面によって数がバラバラだった。

 

 「あの貝殻のヤツの事を考えると、恐らくあの箱が"10の怪物"だ。行くぞ、東條君、仲村君」

 

 「「はい!」」

 

 タイガは早速カードを一枚デストバイザーの中に入れた。

 

 『STRIKE VENT』

 

 タイガは両腕に巨大な鉤爪―デストクロー―を取り付けた。

 

 『SWORD VENT』 『SWORD VENT』

 

 オルタナティブとオルタナティブ・ゼロもスラッシュダガーを召還した。

 

 「行くぞ!」

 

 オルタナティブ・ゼロの掛け声と共に三人は魔女へ向かっていった。

 

 途中使い魔が立ちふさがったが、それを全て一撃で薙ぎ払った。

 

 「この怪物は大して強くない。このまま一気に行くぜ!」

 

 「待て!仲村君!」

 

 オルタナティブは使い魔を飛び越えるとスラッシュダガーを縦に構えて切り裂こうとした。

 

 「"',.#/:")・~b-」

 

 すると、今まで閉じていた目が開き、そこから黒い煙が吹き出した。

 

 「仲村君!」

 

 その煙がオルタナティブを包んでいき、真っ暗な場所に目玉だけが浮かんでいるという不思議な空間が出来上がった。その空間によって、オルタナティブの意識は少しずつ吸い込まれ、吸い込まれ―

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 気が付くと仲村は、神崎士郎の研究室にいた。今日は、詳しくは聞かされていないが何かの実験をするということで部屋に沢山の鏡が持ち込まれていた。

 

 鏡から突然、コウモリのモンスター、ダークウイングが現れた。神崎士郎を除く研究員は皆慌てて逃げ惑った。

 

 「あああああああああああああ!!!!!」

 

 そのモンスターに研究室仲間の一人だった小川恵里(おがわ えり)が襲われた。彼女は、今まで聞いたことがない程の悲痛な叫びを上げて、そのまま意識を失った。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 『FREEZE VENT』

 

 タイガはデストバイザーに一枚のカードをセットした。すると、魔女の箱形の体の動きが徐々に鈍くなり、そのまま氷っていく。オルタナティブを包んでいた黒い煙も薄くなり、彼はその場に倒れ込んだ。

 

 「東條君、仲村君を頼む!」

 

 『FINAL VENT』

 

 完全に動きが止まったのを見計らってオルタナティブ・ゼロはカードをセットした。

 

 どこからともなくコオロギ型のミラーモンスター、サイコローグが現れ、それが1台のバイクへと変形した。オルタナティブはそれに乗り、高速でスピンしながら魔女へ突っ込んで行った。

 

 バイクによって生み出された風は竜巻になり、その風とバイクの勢いによって魔女の体に風穴が開けられた。

 

 魔女は爆発し、そのまま消滅。結界も消えた。後にはグリーフシードだけが残された。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「大丈夫ですか?仲村君?」

 

 「はい、ご迷惑おかけしてすいません」

 

 フラフラしてる仲村を担いで、三人は清明院大学の香川研究室に戻った。

 

 「あの"怪物"に襲われた時―」

 

 椅子に座って落ち着いた時、仲村はポツリと言った。

 

 「俺の中で、あの記憶が甦って来たんです。神崎士郎が、コウモリの怪物を呼び出した日の記憶が」

 

 「と言うことは、あの"怪物"にはトラウマとなった記憶を呼び覚ます能力があったのかもな」

 

 パソコンに今日の戦闘の様子を記録していた香川は顔を上げて言った。その側には、先ほどの魔女のグリーフシードが置かれている。

 

 「神崎士郎からライダーバトルの中止の呼び掛けがあって以来、私たちは"怪物"を積極的に探し、これまでに三体の"怪物"を確認した。一体目は、貝殻のような見た目をしたもの、二体目は本体までは行かなかったが、手下がカンガルーのような見た目をしたもの、そして三体目が先ほどのヤツで、初めて倒す事が出来た」

 

 そう言って東條と仲村にグリーフシードを見せた。

 

 「これはその時、ヤツが落としていったモノだ。これが何なのかは分からんが、恐らく、他の"怪物"もこれと似たようなモノを持っていると思われる」

 

 二人は頷いた。

 

 「それはともかく、東條君。君はこれまで戦った"怪物"に共通点があったことに気付いたかね?」

 

 「共通点…ですか?」

 

 東條は考えを巡らせた。強いて言えば、モンスター以上に異様な見た目をしていること位だが、そんな感覚的な共通点ではないだろう。しかし、能力も強さもバラバラ。他にこれといったものは無いように思えるがー、

 

 「手下が大勢いる…とかですか?」

 

 「確かにそれもある。それも私が言いたい事の一つだが、一番言いたいことは違う」

 

 「では一体何が…」

 

 仲村も食い込んできた。

 

 「あの"怪物"が皆、独自の空間を持っているという点だ。そしてその空間は、我々ライダーにしか見えない」

 

 東條と仲村は、カンガルーの"怪物"と退治した時、そこに囚われてた人は全く"怪物"が見えてなかった事を思い出した。

 

 「そして、その空間は、"怪物"と一心同体であり、それを守る様に手下がいた」

 

 香川はそこで一呼吸置いた。ここからが伝えたい事だ。

 

 「この構造、私たちは既に何度も目にしている構造なのだが、どこのことか分かるかね?」

 

 そこまで言われて、二人は香川の言おうとしていることに気付いた。二人の顔を見て、香川も満足そうに頷いた。

 

 「どうやら、気がついたようだね。そう、ミラーワールドだ」

 

 神崎士郎は、元々清明院大学の出身で、香川のいる研究室の近くでミラーワールドの研究をしていた。ある日香川は、たまたまミラーワールドについて書かれた論文を目にし、ミラーワールドの存在を知った。以来、研究員の東條悟、そして神崎士郎と同じ研究室にいた仲村創と共にミラーワールドを閉じる方法を模索していた。

 

 その結果、ミラーワールドと神崎士郎の妹、神崎優衣が連動していることを突き止め、彼女の命を奪えばミラーワールドも無くなると知った。そう、これが、"怪物"の作る空間と酷似しているのだ。

 

 「おまけに、ミラーワールドにいるモンスターも、"怪物"の兵士の役割と似ている」

 

 香川はさらに付け加えた。つまり、"怪物"と"侵入者"が現れた事とミラーワールドは無関係では無い。

 

 「私たちはずっと、ミラーワールドを閉じる方法を探していて、ミラーワールドとはそもそも何なのか。この疑問については深く考えなかった。しかし、もしかしたら今回の異変で、この謎にも迫れるかもしれない。私はそう考えている」

 

 「待ってください、先生」

 

 ここで東條は香川の考えていることが完全に理解できた。ミラーワールドと同様に現実とは隔絶された空間を持つモノが10も現れた。ミラーワールドの様なモノが突発的にいくつも現れるとは考えにくい。

 

 「もしかして、この異変って…」

 

 

 ガシャーン!

 

 東條が何か言いかけた時、ドアを蹴破る音が。入口を見てみるとそこにはー

 

 「お久しぶりで~す、香川先・生」

 

 「君は…剣持君!?」

 

 それと同時に鏡から無数のギガゼールとマガゼールが現れた。

 

 「「ギャァァァァァァァァァァァァァァ!!!」」

 

 「東條君!仲村君!」

 

 ゴチャグチャベチャグチャ

 

 聞きたくない程の不快な音と共に、二人の体はモンスターの体の前で消えた。

 

 「ぐっ!」

 

 香川も、モンスターに続いてやってきたベルデによって体を取り抑えられる。

 

 「何を…剣持君…」

 

 「突然の訪問、大変失礼しました。先生。本当はもっと後の訪問になるつもりだったんですが、予定が変わりまして。私は残念ですよ。あなたならミラーワールドについてもっと調べてくれると思ってましたし、東條君も、もっと面白い動きをしてくれると期待してましたから」

 

 そう言うと、晴人は仮面ライダータイガのデッキを砕いた。

 

 「君の…目的は何だ?」

 

 「これですよ」

 

 そう言って、香川の目の前に先ほどまで自身が変身していたオルタナティブ・ゼロのデッキを掲げた。

 

 「作ってくれたことには感謝してますが、これは元々私が考案したアイデアです。だから返して欲しくて参上した次第で」

 

 「何故、今さらそれを…! 君は…まさか、本当にあれを…」

 

 「さぁ、どうでしょう?」

 

 ベルデは合図すると、今まで透明になって潜んでいたバイオグリーザが舌を香川に伸ばした。そしてあっという間に絡みつかせるとそのままモンスターの口の中に運ばれた。突然の事で、香川はほとんど悲鳴を上げなかった。

 

 「これで良かったのか?」

 

 「あぁ、ブレイドに変身できなくなった以上、こいつをすぐに手に入れるしか無かった。先生にはミラーワールドと魔女の関係についてもっと調べていてほしかったが、ま、魔女を一体倒していたようだし、これで良しとするよ…お?」

 

 香川のパソコンを弄っていた晴人は、あるページで目が止まった。

 

 「これは…」

 

 論文を一瞥すると、晴人はニヤリと笑った。

 

 「これは凄い。期待以上だ。やっぱ天才だよ。先生は。まさか魔女とミラーワールドについてここまで調べていたなんて!」

 

 晴人はすぐに論文をコピー、ついでに印刷もした。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「よう、佐野君、無事終わったかい?」

 

 「鏡の中から侵入して取って来るだけだぞ?こんなの失敗するわけないだろ!」

 

 そう言ってかざして見せたのはハートのデッキだった。睦月が持っていたハートの9と元々無かったハートの2を除く全11枚が入っている。

 

 「待たなくて良かったのか?あいつらを待ち伏せて襲撃するって聞いてたが」

 

 「そのつもりだったが予定が変わった」

 

 晴人は自分の机を指差した。

 

 「ブレイドのベルトがやられて再起不能、そしてギャレンも死んだ。これらのカードをスラッシュできるヤツが睦月だけになっちまった。不本意だが、あいつには念のためまだ生きててもらわなきゃ困る」

 

 そして晴人は皆に見せるように香川研究室からの戦利品を見せた。

 

 「だけど、それ以外は順調、いや、それ以上だ」

 

 それは、オルタナティブ・ゼロのデッキ、グリーフシード、そしてレポートだった。

 

 「芝、あれのテストはどうだった?」

 

 「バッチリだよ。問題ない」

 

 「ならすぐ行こう。作戦を次に進める。いよいよ本格的に始まるぞ、願いを無数に叶える事ができる、俺たちの楽園作りが」




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