仮面ライダーレンゲル☘️マギカ   作:シュープリン

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 キーン キーン キーン

 仮面ライダータイガの契約モンスターだったデストワイルダーは、自身の飢えを満たすために一人の男に狙いを定めた。

 坊主頭で強面の男性だった。

 狙いの鏡に近づいてくる。

 もう少し もう少し もう少し

 そして――、

 坊主頭の男性、戸塚の名前が謎の行方不明事件の被害者リストに追加されたのだった。



第31話 心離つ愛

 「うぉおりゃ!」

 

 睦月はレンゲルラウザーを振り下ろした。頭に直撃し、ゼブラアンデッドはよろける。

 

 睦月は無言で二枚のカードを取り出した。

 

 『5 BITE』 『6 BLIZZARD』

 『ブリザードクラッシュ』

 

 「はぁぁ!」

 

 氷の脚に挟み込まれるように蹴られ、アンデッドは爆発し、腰のバックルが開かれた。

 

 レンゲルはカードを投げ込み、アンデッドを封印した。

 

 「よし、行こう」

 

 傍らで見ていたなぎさと舞花にそう呼び掛けた。愛矢が連れ去られてから既に二日が経過していた。晴人がいた屋敷には手掛かりになるようなものは無かった。あの屋敷も、睦月達を誘き寄せるために用意したモノだったのだ。しかし、後に調べたところ、あの屋敷は高見沢グループが所有していたことが分かり、仮面ライダーベルデ=高見沢逸郎の力が大きく関わっている事は明らかだった。そこで睦月達は、高見沢グループが所有している物件を手当たり次第に探すローラー作戦に打って出た。先ほどまで戦っていたゼブラアンデッドとはその道中偶然出くわしたモノだった。もちろん散らばったアンデッドの事も気がかりだが、それ以上に心配だったのは愛矢の無事だ。しかしここ二日、特にこれと言ったモノは見つかっていなく、次第に焦りが浮かんでいた。

 

 「!」

 

 その時、何かの気配を感じた。それは魔女の気配に似ているが、それとは幾分か弱い気配だった。

 

 「睦月!それは使い魔の気配よ!気を付けて!」

 

 すると、周囲の空間が変化していった。複数の段差が入り乱れてる空間で、そこを小学生くらいの大きさで見た目カンガルーの子供の姿をし、右目が極端に大きいのが特徴の歪なぬいぐるみのようなモノがちょろちょろと走り回っていた。

 

 「あれが使い魔か」

 

 『♧Open Up』

 

 「さっさと片付けるぞ」

 

 レンゲルに変身した睦月はラウザーを持つと使い魔に向かって一目散に駆けだした。

 

 「――――なんだ!?」

 

 しかし、目の前に突然岩の壁が現れ、睦月の行く手を阻んだ。

 

 「使い魔は殺すんじゃねぇよ。せっかくの魔女への手掛かりが無くなるだろ?」

 

 「!」

 

 声のする方向へ振り返ると、そこにはオルタナティブ・ゼロ、ガイ、インペラーに変身した晴人、芝浦、佐野の姿があった。ガイがウィッチバイザーに岩の魔女のグリーフシードをセットし、岩の壁を作り出したのだった。

 

 「晴人…やっと見つけた!」

 

 睦月は前置きなくラウザーを振り下ろした。

 

 『SWORD VENT』

 

 晴人はそれをスラッシュダガーで軽々と受け止めながら、

 

 「佐野、お前はあの使い魔を追え。俺たちはこいつらの相手をする」

 

 「了解」

 

 と、的確な指示を出した。 

 

 既に結界は消えていたが、佐野は気配を頼りに後を追った。

 

 「さて…」

 

 ここで晴人は睦月に向かい合った。

 

 「いきなり攻撃なんて酷いじゃねぇか。一緒に戦った仲だろ?」

 

 「黙れ!愛矢はどうした?無事なんだろうな!?返せ!」

 

 「そう殺気立つなよ。別に殺しちゃいねぇよ!」

 

 「よ」の合図で晴人はスラッシュダガーで競り押した。

 

 「やっぱ力じゃ向こうが上か」

 

 『ABSORB QUEEN』『FUSION JUCK』

 

 「うおおおおおお!」

 

 「ガァ!」

 

 レンゲルの大きな拳をオルタナティブは咄嗟にスラッシュダガーでガードしようとしたが、完全には抑えられず後ろに後退した。

 

 「分かった。分かったよ!お前らにとっておきの情報をくれてやる」

 

 レンゲルの力に圧倒されたから話すというような雰囲気の話し方では無かった。楽しそうな、これから面白い事が始まるよと前置きするような話し方だった。

 

 「さぁ、ちょっと来い。挨拶しろ」

 

 晴人の声に促されて物陰から"誰か"が出てきた。

 

 「なっ…!」

 

 その姿に睦月は度肝を抜いた。

 

 「えっ…?」

 

 「どういう…事?」

 

 晴人はニヤっと笑うと言った。

 

 「紹介しよう。パラディの新しいメンバーであり俺の秘書を勤める事になった新星、徳山愛矢だ」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 佐野は、使い魔の発する魔力反応を頼りに順調に追跡していた。適当に動いている雰囲気ではない。本体である魔女の元に帰っている可能性が高かった。

 

 「はぁぁ!」

 

 「! ぐわぁ!!」

 

 いきなり、後ろから何者かに斬られ、インペラーは地面に前のめりになって倒れた。

 

 「ハハハハハ…見つけたぜ、ライダーをよ!」

 

 そこには、全身紫の蛇のような姿が特徴の仮面ライダー王蛇の姿があった。手にはベノサーベルを握っている。

 

 「別のライダーだと…?」

 

 「ほら、早く俺と遊ぼうぜ!!」

 

 「くっ…!」

 

 『SPIN VENT』

 

 振り下ろされたベノサーベルをインペラーはガゼルスタッブで受け止める。

 

 「ったく、どういうつもりだ!?ライダーバトルは中止のはずだろ!!?」

 

 「知らねぇなぁ。そんなの。早く俺を楽しませろぉぉ!!」

 

 「があ!!」

 

 腰を思い切り蹴られ、地面に転がる。

 

 「おっらぁぁ!」

 

 ベノサーベルを横に転がって躱し、急いでカードをセットした。

 

 『ADBENT』

 

 メガゼールを召還し、王蛇の猛攻をモンスターの体当たりで防いだ。

 

 「何なんだよ、一体!?」

 

 キーン キーン キーン

 

 「マジかよ…」

 

 さらに近くにあった鏡からデストワイルダーが飛び出してきた。

 

 「グゥ!!」

 

 デストワイルダーの爪による重い攻撃でインペラーの体は横に弾き飛ばされた。

 

 「この野郎!」

 

 逆上したインペラーはガゼルスタッブを突き出した。それを右手の爪で防ぐと、左手の爪で切り裂いた。

 

 「がぁぁ!」

 

 「グォォォ…」

 

 止めを刺そうとしたとき、デストワイルダーにメガゼールの体がぶつかった。王蛇の攻撃に吹っ飛ばされたのだ。

 

 それによってデストワイルダーは狙いを変え、王蛇に爪を立てた。

 

 王蛇はそれを軽々と躱すと、

 

 「ふん、面白い。決めたぜ、お前も来い!」

 

 そう言って、契約のカードを掲げた。

 

 「あれは…契約のカード…!」

 

 インペラーが驚いてる間に契約のカードにデストワイルダーの絵が描かれた。

 

 ベノスネーカー、ボルキャンサー、デストワイルダー。こうして彼は三体のモンスターと契約した。

 

 「フン!」

 

 王蛇はデッキからカードを一枚取り出して、ベノバイザーにセットした。

 

 『UNITE VENT』

 

 ベノスネーカーがデストワイルダーに重なるようにして融合していった。さらにその二体のモンスターをボルキャンサーが覆いかぶさるようにして一体化した。

 

 デストワイルダーの爪とベノスネーカーの毒、ボルキャンサーの硬い鎧を持った一体のモンスターが生まれた。キメラモンスター・ジェノサイダー。

 

 ジェノサイダーは毒の塊を吐き出した。

 

 「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 それが大爆発を起こし、メガゼールは爆発四散した。

 

 「フン!」

 

 誰もいなくなったのを見て、王蛇はその場を離れた。

 

 

 

 

 




 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…」

 インペラーはギリギリ、鏡の中へ入ることでジェノサイダーの攻撃の直撃を避けた。

 「オイオイ、こりゃあヤベェヤツが来たな」

 使い魔の魔力は、完全に消え去っていた。


続く
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