書いてて思ったんですけど、原作や他の作者さんと内容が被ってるんですよね。もう少ししたらオリジナル展開入れれるのに
書いてないですけどオリヒロは二人を予定していて、一人は完全オリジナル、もう一人は他作品のヒロインから私が選んだ数人にアンケートで票を入れてもらいたいです。あとがきにアンケ設置します。
数秒、或いは数分か。もしかしたらもっと長かったかもしれない。
両手で顔を庇い、目をギュッと閉じていた俺は、周囲を見渡す。
目に飛び込んできたのは巨大な壁画。縦横10メートル程の壁画には、後光を背負った金髪の人物が描かれており、背景の草原や海を包み込むように両手を広げている。美しい壁画だが、何故だろう。薄ら寒さを感じて無意識に目を逸らした。
どうやら俺たちは美しい光沢を放つ滑らかな白い石造りの建築物の中の巨大な広間に集まっているようだ。周りには周囲を呆然と見渡しているクラスメイトが居た。あの時教室にいた全員が転送されたようだ。
そこで、右腕を誰かに掴まれていることに気づいた。直前まで隣で弁当を食べていた雫だ。彼女が俺の右腕を抱え込んでいるので雫の豊かなあれががが。
「雫……離してくれねぇ?」
「あ、ご、ごめん//」
声を掛けると、自分が何をしているのか気づいたようで、慌てて俺の右腕を解放する。
それを確認してから、俺はこの状況を説明できるであろう台座の周囲を取り囲む者達に視線を向ける。
この広間にいるのは俺たちだけでなく、少なくとも30人近くの人々が、両手を胸の前で組んで祈りを捧げるように跪いているのだ。
彼らは皆白地に金の刺繍が施された法衣のようなものを纏い、傍らに錫杖らしき物を置いている。
その中から特に豪奢で煌びやかな衣装を纏い、30センチ位の烏帽子を被った70代位の老人が進み出て来た。もっとも、老人と呼ぶには纏う覇気が強すぎるので、50代と言われても違和感は感じないが。
彼は手に持った錫杖をシャラシャラと鳴らしながら、外見によく合う深みのある落ち着いた声音で話し始めた。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと言う者。以後、よろしくお願い致しますぞ」
そう言って、老人は好々爺然とした微笑を浮かべた。そして、こんな場所では落ち着くことも出来ないだろうと、混乱冷めやらぬ生徒達を促し、落ち着ける場所―いくつもの長テーブルと椅子が置かれた別の広間へと誘った。
この部屋も先ほどの広間と同じように、煌びやかな作りだった。芸術に素人な俺が見てもそう思えるのだ。聖教教会の権威がわかるだろう。
イシュタルの手前、上座に近い方に愛ちゃんとクソ之河達幼馴染4人が座り、後はその取り巻き順に適当に座っていく。雫に前のほうに連れていかれかけたが、クソ之河のほうを見て嫌そうな顔をしたので、諦めてくれた。今はハジメと一緒に最後尾に座っている。
ここに案内されている間、誰も騒がなかったのは、未だ現実に認識が追い付いていないからだろう。イシュタルが事情を説明すると言ったことや、カリスマレベルMaxのクソ之河が落ち着かせたことも関係しているだろう。教師の仕事を取られた愛ちゃんが涙目だったのはここだけの話。
生徒全員が着席するのと同時にカートを押してガチのメイドさんたちが登場し、全員に飲み物を置いていく。彼女たちにクラス男子の大半が釘付けになるのを見た女子の視線は氷河期だった。
俺も自分の傍に来たメイドさんを見て驚愕した。まず何よりも目を引くのは雫より大きい2つのお山。金髪巨乳美人メイド。雫のクールさと白崎の儚さの中間ぐらい。要するにかなりレベルの高い美人である。彼女は俺の顔を見ると、微笑んだ。うん、このメイドさん欲しい。
その考えが分かったわけではないだろうが、彼女は他のメイドと違い、俺の椅子の斜め後ろに静かに立った。え、なにこれ?
しかし、俺にはそれを考える時間はなかった。上座のほうに座っていた雫のほうから強烈な寒気が襲ってきたからだ。「ちょ、なんでそんな怖い顔になってるの、雫ちゃん?!榊君のことなら後から問い詰めればいいから今は落ち着いて?!」とかいう会話は絶対に聞こえない。聞こえないったら聞こえないのだ。だからハジメ、そんな顔をするな。
全員に飲み物が行き渡ったのを確認すると、イシュタルがこの世界の現状、俺たちを呼んだ理由を話し始めた。
要約するとこう。
この世界には人族、魔人族、獣人族が暮らしている。この中で人族と魔人族は長年に渡って戦争をしていた。そしたらココ最近魔人族が勢力を拡大してきて人族大ピンチ!そしたら信仰神のエヒト様が勇者召喚するって言った!よし皆でお祈りしよう!んでその場面に都合よく俺達が召喚された。だから勇者様、この世界を救って!
って事らしい。
考えうる中で最悪では無かったことに安堵する。1番最悪なのは彼らが俺たちを戦闘奴隷として利用することだ。
だからといって進んで闘おうとも思わない。戦争するってことは魔人族―――人を殺すという事だ。殺し合い1つした事の無い俺たちが本物の戦争を経験すれば、最悪心が壊れる。看過できる訳が無い。しかし、それより問題点がある。この世界の大半がエヒト神を信仰しているのだ。拒否れば最悪右も左も分からない状態で放り出されるのだ。これが1番ヤバい。
そんな中猛然と抗議する人が居た。担任の愛ちゃんだ。
「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」
彼女は今年で25歳になる社会科の教師。本人は威厳のある教師を目指しているらしいがどう見ても小動物である。だが、彼女は大人であるために、現状のマズさを誰よりもわかっている。
俺も愛ちゃんの言葉でイシュタルが渋るのを望んだが、そんな淡い希望は即座に打ち砕かれた。
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状不可能です」
最悪だ。これ戦争参加断ったらマジで国外追放されかねん。だからと言って軽々しく参加しますとも言えねぇ……。あれ、これ詰んでね?
「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!?呼べたのなら帰せるでしょう!?」
「先ほど言ったように、あなた方を召還したのはエヒト様です。我々があの場にいたのは、単に勇者様方を出迎えるためと、エヒト様への祈りを捧げるため。人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんので。あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様のご意思次第ということですな」
「そ、そんな……」
愛ちゃんが脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。周りの生徒も口々に不満を漏らし始める。
「嘘だろ?帰れないってなんだよ!」
「いやよ!何でもいいから帰してよ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ!ふざけんなよ!」
誰もが狼狽える中、イシュタルは何を言うでもなく、その様子を眺めていた。しかし、その瞳の奥には俺たちに対する侮蔑が込められているように思えた。「神に選ばれておいてどうして喜べないのか」と考えているのかもしれない。
誰もが希望を求めていた時だ。勇者(笑)がこの場に誕生した。
クソ之河は立ち上がってテーブルをバンッと叩いた。全員の視線を集めるとクソ之河は口を開いた。
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人たちが滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してもらえるかもしれない。……イシュタルさん?どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
クソ之河は無駄にイケメンスマイルで思いを述べる。吐き気がする。戦争が人と人の殺し合いであることすら失念し、自分と同じ人間を救うことしか考えていない。魔人族を魔獣と同列視している事がよく分かる。あぁ全く、あいつの度を過ぎた正義感にはおぞましさしか感じない。なんの為に愛ちゃんが俺達の戦争参加をさせまいとしたのか。そこに気づかない時点で勇者じゃない。
しかし、ここで奴の無駄なカリスマが発揮される。
絶望の表情だった生徒達が活気と冷静さを取り戻し始めたのだ。奴を見る目はキラキラと輝いており、まさに希望を見つけたという表情だ。女子生徒の半数以上は熱っぽい視線を送っている。
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」
「龍太郎……」
「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」
「雫……」
「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
「香織……」
いつものメンバーがクソ之河に賛同する。もっとも、雫は俺の方を見ながら言っていたが…………何で?後は当然の流れというようにクラスメイト達が賛同していく。愛ちゃんはオロオロと「ダメですよ~」と涙目で訴えているがクソ之河の作った流れの前では無力だった。
結局、全員で戦争に参加することになってしまった。きっと、クラスの奴らは本当の意味で戦争をするということがどういうことか理解してはいないだろう。崩れそうな精神を守るための一種の現実逃避とも言えるかもしれない。これは後で一言クソ野郎に言っておく必要があるかもしれない。
俺はそんなことを考えながらそれとなくイシュタルを観察した。彼は実に満足そうな笑みを浮かべている。恐らくイシュタルは如何にも勇者っぽいクソ之河を観察し、どの言葉に、どんな話に反応するのか確かめていたのだろう。
正義感の強いクソ之河が人間族の悲劇を語られた時の反応は実に分かりやすかった。分かりづらくしたのだろうが、嬉しさが隠せていなかった。その後は、ことさら魔人族の冷酷非情さ、残酷さを強調するように話していた。おそらく、イシュタルは見抜いたのだ。この集団の中で誰が一番影響力を持っているのか。まぁ奴は見た目から正義感を持っていそうだからな。
世界的宗教のトップなら当然なのだろうが、人の性格を見抜き、操ることに長けているようだ。今後は要注意だな。
これから行う宴の準備があるということで、イシュタルが席を外すらしい。クソ之河に一言言っておくなら教会関係者のいない今だろう。
「皆、大変だろうけど、俺たちが力を合わせればこの世界の人たちを助けられるはずだ。だから、俺に付いてきてくれないか?」
クソ之河の言葉に皆がうなずいていき、最後尾に座っていた俺とハジメにクラス中の視線が来る。ハジメはどう答えるか迷っているようなので、先に言いたいことを言わせてもらおう。
「悪いけど、俺は戦争参加に反対だ」
「な、何を言っているんだ、榊。この世界の人たちは今苦しんでいるんだ。助けるべきだろう!」
「いやいや、お前が何言ってんだよ。どうしてお前はこの世界をよく知らないのに助けようだなんて言うんだ?」
「何でって……イシュタルさんが言っていたじゃないか!魔人族のせいで世界が大変だって!だから俺は彼らを見捨てておけない!
「相変わらずのご都合主義だな。あの爺さんから聞いた話だけで魔人族が悪だと断定するのは早計なんじゃないか?」
「イシュタルさんが間違っているって言うのか?」
「別に必ずしもあの爺さんが間違ってるわけじゃねぇ。ただ実際に見てもいないのに魔人族が悪だと決めつけなくてもいいんじゃねぇのか?」
「それは戦いながら追追見ていけばいいじゃないか!」
「まぁそれでもいいが……俺が言いたいのは本当に戦争に参加する気があるのかってことだ」
「何を言ってるんだ。その話しならさっきイシュタルさんがいる時にしたじゃないか」
クラスの奴らもポカーンって顔してやがる。未だに俺の言わんとしていることに気付いていないらしい。
「おいおい……戦争って人と人の殺し合いのことだぜ?何でそれを進んでやろうとしてるのか俺には理解できねぇな」
周りの奴らが「あっ!」と今更思い出したような声を出す。どうやら今の自分たちがどれだけ愚かな行動をしようとしていたのか理解したらしい。中には顔を青ざめさせる女子もいる。
「それは安直すぎないか?戦争が必ずしも殺し合いってわけじゃないだろう。おかしなことを言って皆を困らせるのはやめてくれ」
「おかしなことじゃないだろう?どころか、爺の話を信じて戦争に参加しようとするお前が皆を困らせてるんじゃないか?そもそもあの狂信sy-----」
そこで俺とクソ之河との口論は終わりを告げた。歓迎会の準備を行っていたイシュタルが戻ってきたからだ。そして勝手にクソ之河が受け答えをしたため、もれなく俺たちは全員で戦争に参加することになってしまった。
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戦争参加を決めた以上、俺たちは戦いの術を学ばなければならない。なので、俺たちはこれから訓練のできる場所に行かなければならない。
今の俺たちは聖教教会本山がある神山の麓のハイリヒ王国に行くらしい。
イシュタルに先導されて柵に囲まれた円形の大きな白い台座に乗り、イシュタルの詠唱によって起動したそれで地上へと向かう。
全く手の込んだ演出である。雲海を抜けて天界から降りて来る【神の使徒】そのままだ。完全に仕組まれたようである。
王宮に着くと、俺たちは真っ直ぐに玉座の間に案内された。
教会に負けないくらい煌びやかな内装の廊下を歩く。道中、騎士っぽい装備を身につけた者や文官らしき者、メイド等の使用人とすれ違うのだが、皆一様に期待に満ちた、あるいは畏敬の念に満ちた眼差しを向けて来る。俺たちが何者か、ある程度知っているようだ。もしかしたら教会の狂信者どもが振れ回ったのかも知れない。いずれにせよ、期待されているのだ。こうなってくるとクソ之河の暴走が止まらないかもしれない。
俺とハジメは最後尾を付いていった。因みに、さっきのメイドさんはなぜか俺に付いてきてます。クラス全員から嫉妬の視線をもらい、雫からは寒気のする視線を向けられています。
美しい意匠の凝らされた巨大な両開きの扉の前に到着すると、その扉の両サイドで直立不動の姿勢をとっていた兵士二人がイシュタルと勇者一行が来たことを大声で告げ、中の返事も待たず扉を開け放った。
イシュタルは、それが当然というように悠々と扉を通る。クソ之河や俺等一部の者を除いて生徒達は恐る恐るといった感じで扉を潜った。
扉を潜った先には、真っ直ぐ延びたレッドカーペットと、その奥の中央に豪奢ごうしゃな椅子--玉座があった。玉座の前で覇気と威厳を纏った初老の男が立ち上がって待っている。おいおいまじかよ、この国では教会関係者のほうが上位にいるのかよ。
国王の隣には王妃と思われる女性、その更に隣には十歳前後の金髪碧眼の美少年、十四、五歳の同じく金髪碧眼の美少女が控えていた。更に、レッドカーペットの両サイドには左側に甲冑や軍服らしき衣装を纏った者達が、右側には文官らしき者達がざっと三十人以上並んで佇んでいる。
玉座の手前に着くと、イシュタルは俺達をそこに止め置き、自分は国王の隣へと進んだ。
おもむろに手を差し出すと国王は恭しくその手を取り、軽く触れない程度のキスをした。これで、国を動かすのが〝神〟であることがはっきりとした。
そこからはただの自己紹介だ。国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアというらしい。金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという。後は、騎士団長や宰相等、高い地位にある者の紹介がなされた。ちなみに、途中、美少年の目が白崎に吸い寄せられていたので白崎の魅力は異世界でも通用するようである。
その後は、晩餐会が開かれ異世界料理を堪能した。見た目は地球の洋食とほとんど変わらなかった。たまにピンク色のソースや虹色に輝く飲み物が出てきたりしたが非常に美味だった。食事中、雫はクソ之河が何を言っても無視を続け、俺の隣に座っていた。そして、俺付きになったメイドさん(アリスさんと言うらしい)が俺用の料理を持ってくるたびに無表情になり、二人の間には火花が散っていた。二人に挟まれた俺が助けを求めてハジメのほうを見るも、ハジメは距離を取り、視界に入れなかった。アイツ後でシバく。
王子がしきりに白崎に話しかけていたのをクラスの男子がやきもきしながら見ているという状況もあった。
王宮では、生徒全員の衣食住が保障されている旨と訓練における教官達の紹介もなされた。教官達は現役の騎士団や宮廷魔法師から選ばれたようだ。いずれ来る戦争に備え親睦を深めておけということだろう。
晩餐が終わり解散になると、各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。天蓋付きベッドに愕然としたのは俺だけではないはずだ。
アリスさんが部屋に入ってこようとしたのを雫が止め、数分ほど話し合っていたが、二人で雫の部屋に行ってO★HA★NA★SIするらしい。
二人が部屋に戻った後、疲れていた俺はベッドに潜り込んで意識を手放した。
読了ありがとうございます。アンケへの協力お願いします。
※アンケはオリ主が奈落に落ちて次の話あたりで終了します。
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