一匹狼のぼっちが箱庭に来るそうですよ?《リメイク版》   作:闇の竜

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YES!ウサギが呼びました!
問題視たちと箱庭の世界


八幡が手紙を開き、その次にきたの謎の浮遊感だった。

 

「わっ!」

 

「きゃぁ!」

 

「ヤハハハハハ‼︎」

 

『にゃぁぁぁぁ!』

 

「はぁ?っ⁈ちょっ!これは洒落にならねぇ‼︎」

 

「全くもって同意見だ‼︎」

 

八幡とアリスの他には短髪と長髪の少女、金髪の年上と思われる少年と猫がいた。

そして、八幡が下を見るとかなり下に湖があった。

 

(落下地点が湖で地面じゃないからどちらかというと安全だが、落ち方によっては死んじまう‼︎)

 

「アリス‼︎俺の背中に乗れ!」

 

「分かった‼︎」

 

そう言ってアリスは八幡の背に乗った。

その時、八幡の背中に出来た影が大きな翼の形を形成しながらゆっくりと空を羽ばたき始めた。

(よし、後は…)

八幡は両手の間に同じ様に影を作りそこから竜を作り出し一緒に落ちてきた三人と一匹を飲み込む。

そして軌道を地面の方にずらしつつ空気抵抗を利用しゆっくりと落ちる様にしながら、

 

「衝撃に備えとけ、アリス‼︎」

 

「あぁ‼︎」

 

「3 ・ 2 ・ 1 !」

 

ドスッ、と言う少し重い音を上げながら八幡とアリス、竜に飲み込まれた三人と一匹は地面に着地した。

 

「はぁ〜、最近ついてねぇ」

 

「全くだ」

 

そんな会話をしていると、

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

 

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

 

(石の中に呼び出されてもそれはそれで面倒だぞ)

 

「……。いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

 

長髪の少女も八幡と少し違うがほぼ同じことを思っていたようだ。

 

「俺は問題ない」

 

「そう。身勝手ね」

 

二人の男女はフン、と互いに鼻を鳴らしてそっぽを向く。

するともう一人の少女が、

 

「此処……どこだろう?」

 

「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえか?」

 

(巨大な蛇は見えなかったがな)

短髪の少女の呟きに少年が応える。

その少年の応えに八幡はそう心の中で思っていたらアリスが、

 

「八、腹減った」

 

「なぁ、少し待ってくれないか?」

 

「嫌だ」

 

「はぁ…分かったよ」

 

そう言って八幡は影からパンを5つくらい取り出しアリスに渡す。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」

 

「そうだけど、まずは”オマエ”って呼び方を訂正して。

––––私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」

 

「……春日部耀。以下同文」

 

「そう。よろしく春日部さん。次に、私達を助けてくれた目の腐ってる貴方は?」

 

「……」

 

「…おい、八呼ばれてるぞ」

 

「え?あ、あぁ悪い。俺は比企谷八幡だ。よろしく」

 

「よろしく比企谷君。それでさっきからずっと食べ物を食べている貴女は?」

 

「アリスだ。よろしく」

 

「よろしくアリスさん。最後に野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な

逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と容量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

 

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

心からケラケラと笑う逆廻十六夜。

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。

我関せず無関心を装う春日部耀。

無心にパンを食べているアリス。

三人を観察しながら怠そうに欠伸をする比企谷八幡。

 

そんな彼らを物陰から見ている人物は思う。

 

(うわぁ……なんか問題児ばっかりみたいですねぇ……若干一名様見覚えがあるような感じがしますが?)

 

召喚しておいてなんだが……彼らが協力する姿は、客観的に想像出来そうにない。その人物は陰鬱そうに重たくため息を吐くのだった。

 

***

 

十六夜は苛立ちながら、

 

「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。

この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」

 

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

 

「……。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

 

「いや、お前も人のこと言えないだろ」

 

(全くです)

 

物陰から見る人物はこっそりツッコミを入れた。

 

ふと十六夜がため息混じりに呟く。

 

「–––––仕方がねえな。こうなったら、そこに隠れているやつにでも話を聞くか?」

 

四人の視線が物陰から見る人物に集まる。

 

「なんだ、貴方も気づいていたの?」

 

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?お前らも気づいてたんだろう?」

 

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

 

「……まぁ、気配隠しきれてないしな」

 

「同じく」

 

と八幡は耀の方を向いて言った。

 

「……へぇ?面白いなお前」

 

そう軽薄そうに言う十六夜の目は笑っていない。

三人は理不尽な招集を受けた腹いせに殺気の籠もった冷ややかな視線を物陰から見ていた人物に向ける。

かく言う八幡とアリスも三人程ではないがかなりイライラした視線を向ける。

視線を向けられ物陰から見ていた人物はやや怯んだ。

 

「や、やだなぁ御五人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んでしまいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

「……」

 

「ぇ、黒…ウサギ?」

 

三人は断り八幡は黙った。

しかしアリスは黒ウサギを見て驚いていた。

 

「え、うそ……アリス?」

 

黒うさぎも目を大きく開き驚愕していた。

理由としてはアリスは昔、これから説明が入るが黒ウサギが入っているコミュニティにいたからだ。

 

(うそ…です、だってアリスと〇〇はあの時先生と一緒に外界に追い出されたはず……)

 

アリスがいたことに考えを巡らせながら半ば放心している––––と、その時に八幡と何か思いながら、耀は不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、黒いウサ耳を根っこから鷲掴み、

 

「そら」

 

「えい」

 

「フギャ!」

 

力いっぱい引っ張た。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どう言う了見ですか‼︎」

 

「好奇心の為せる業」

 

「自由にも程があります!」

 

「……なぁ黒ウサギとやら、アリスを見て理由は知らんが干渉に浸るより今は説明をしてくれ」

 

「あ、すみません……」

 

と八幡が黒うさぎに対して話していたら、

 

「へえ?このウザ耳って本物なのか?」

 

今度は十六夜が右から掴んで引っ張る。

 

「……。じゃあ私も」

 

「ちょ、ちょっと待––––!」

 

飛鳥が左から。

左右に力いっぱい引っ張られた黒ウサギは、言葉にならない悲鳴を上げ、その絶叫は近隣に木霊した。

ちなみにアリスは黒ウサギの様に放心状態になっていたので八幡が立ち直らせていた。

 

***

 

「–––––あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」

 

「いいからさっさと進めろ」

 

黒ウサギが半ば本気の涙を瞳に浮かばせながらも、話を聞いてもらえる状況を作ること成功した。八幡を含めた四人は話を聞くだけ聞こうと言う程度には耳を傾けている。

黒ウサギは気を取り戻りて咳払いをし、両手を広げて、

 

「それではいいですか、御五人様。定例文で言いますよ?言いますよ?さあ、言います!ようこそ、”箱庭の世界”へ!

我々は御四人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと召喚しました!」

 

「ギフトゲーム?」

 

「そうです!既に気がついていらっしゃんでしょうが、御四人様は皆、普通の人間ではございません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその”恩恵”を用いて競いあう為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に作られたステージなのでございますよ!」

 

両手を広げて箱庭をアピールする黒ウサギ。飛鳥が質問のために挙手をする。

 

「まず初歩的な質問からしていい?貴女の言う”我々”とは貴女を含めた誰かなの?」

 

「YES!異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活をするにあたって、数多とある”コミュニティ”に必ず属していただきます♪」

 

「嫌だね」

 

「属していただきます!そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの”主催者”が提示した商品をゲットできるというとってもシンプルな構造となっております」

 

「……“主催者”って誰?」

 

「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試す為の試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます。特徴として、前者は自由参加が多いですが”主催者”が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。しかし、

見返りは大きいです。”主催者”次第ですが、新たな”恩恵”を手にすることも夢ではありません。後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗北すればそれらはすべて”主催者”のコミュニティに寄贈されるシステムです」

 

「後者は結構俗物ね……チップには何を?」

 

「それも様々ですね。金品・土地・利権・名誉・人間……

そしてギフトを賭けあうことも可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑む事も可能でしょう。

ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然–––––ご自身の才能も失われるのであしからず」

 

愛嬌たっぷりの笑顔に黒い影を見せる黒ウサギ。

 

「?」

 

それに対して八幡は不信感を感じた。

そして、挑発的な声音で飛鳥が問う。

 

「そう。なら最後にもう一つだけ質問させてもらってもいいかしら?」

 

「どうぞどうぞ♪」

 

「ゲームそのものはどうやったら始められるの?」

 

「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければOK!商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加していってくださいな」

 

飛鳥は黒ウサギの発言に片眉をピクリとあげる。

 

「……つまり『ギフトゲーム』とはこの世界の法そのもの、と考えてもいいのかしら?」

 

お?と驚く黒ウサギ。

八幡はその話の間に入り、

 

「いや、多分だがこの世界でも元いた世界のように禁止されていることがあると思う。例えば強盗や窃盗、誘拐なんかな、

それに、商店があるなら金品での商売自体もあるはずだ。

そして、『ギフトゲーム』は商品なんかの景品を手に入れられるが多分それは勝者が一方的になるものだと考えたんだがどうだ黒ウサギ?」

 

と言い黒ウサギに問う。

 

「ほぼほぼそのとうりです‼︎飛鳥さんの言ったことは八割中二割が間違いでした。比企谷さんが言ったように我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。

ギフトを用いた犯罪などもってのほか!そんな不逞な輩は悉く処罰します–––––が、しかし!『ギフトゲーム』の本質は全く逆!ここも比企谷さんが言っていたような感じで、一方の勝者だけが全てを手にするシステムです。店頭に置かれている商品も、店側が提示したゲームをクリアすればタダで手にすることも可能だということですね」

 

「そう、中々野蛮ね」

 

「ごもっとも。しかし”主催者”は全て自己責任でゲームを開催しております。つまり奪われるのが嫌な腰ぬけは初めからゲームに参加したければいいだけの話でございます」

 

黒ウサギは一通りの説明を終えたのか、一枚の封書を取り出した。

 

「さて。皆さんの召喚を依頼して黒ウサギには、箱庭の世界における全ての質問に答える義務がございます。が、それら全てを語るには少々お時間かかるでしょう。新たな同士候補である皆さんを何時までも野外に出しておくのは忍びない。ここから先は我らのコミュニティでお話をさせていただきたいのですが……よろしいです?」

 

「待てよ。まだ俺が質問してないだろ」

 

「俺も個人的な事だが質問をしてない」

 

静聴していた十六夜が威圧的な声を上げて立つ。

 

「……どういった質問です?ルールですか?ゲームそのものですか?」

 

「そんなものはどうでもいい。腹の底からどうでもいいぜ、黒ウサギ。ここでオマエに向かってルールを問いただしたところで何かが変わるわけじゃねえんだ。世界のルールを変えようとするのは革命家の仕事であって、プレイヤーの仕事じゃねえ。

俺が聞きたいのはたった一つ、手紙に書いてあったことだけだ」

 

 

十六夜は視線を黒ウサギから外し、他の三人を見まわし、巨大な天幕によって覆われた都市に向ける。

彼は何もかもを見下すような視線で一言、

 

「この世界は……面白いか?」

 

「じゃあ俺もいいか?この世界は俺という存在を必要とし認めてくれるか?」

 

(八……)

 

「–––––」

 

アリスは悲しそうな目をしながら八幡を見つめ、他の二人は無言で返事を待つ。

彼らを読んだ手紙にはこう書かれていた。

 

『家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い』と。

それに見合うだけの催し物があるのかどうかこそ、四人いや、

三人にとって重要なことだった。

 

「–––––YES。比企谷さんの質問の意味はあまりわかりませんが、コミュニティで共に戦う大切な仲間というかであれば存在意義のない人はいません。そして何より『ギフトゲーム』は人を超えた者たちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」

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