ことの序でのように転生を果たした兵藤一誠!
其れとは別に、唐突に始まった烏丸と金髪美少女3名との同棲生活については一切触れられないのであった!
遅れてしまって申し訳ございません
新しい話を思いついてしまって筆が一切進みませんでした
なお、件の新しい話とやらも進捗状況は一切の不動
心機一転。タイトルとあらすじを変えて仕切り直そうかと思います
「――下手人の名前はバルパー・ガリレイ。聖堂教会の所有する6本のエクスカリバーのうちの5本、
「なんですって!?」
聖堂教会からの伝達として現れた少女たち兼回収人、その片割れの青髪メッシュの科白に驚愕の声を上げるのは駒王町の管理人リアス・グレモリー。
しかし、そんな会話を交わした現場では、然程の動揺をも誘えていない。
語った彼女らも同様なのか、どうにも意味違いに静まり返った会話の『間』に、ちらり。
オカルト研究部の部室隅にて執り行われている、妙な茶番へと視線を向けた。
「――ふむ。この鼻孔を擽る爽やかな香り、舌に残る微かな苦み。冥界産ダージリンのファーストフラッシュ、更にゴールデンティップスも少量とはいえ含んでいるな、僅かだが甘みも感じる。日本の水道水が紅茶に適しているとはいえ、土地土地に適したゴールデンルールは一朝一夕に呑み込むことも難しい。此処に来て日も浅いであろうに、良い茶を淹れる。恐れ入ったぞ、perfectだグレイシア」
「グレイフィアです」
本来ならばヒュパッと擬音の出るくらいに指先で示すことで『感謝の極み』と返すのが筋なのであろうが、銀髪メイドは其処まで乗れない名を改める。
というかエセ英国人みたいな真似をして紅茶評論してるこの色黒白髪はなんなのか――ああ師匠も英国人だから経験則としては間違ってはいないのか。
さておき。
無駄に堂に入った関係性で紅茶を嗜む烏丸イソラと、言葉遣いはどうあれ控えの振る舞いで脇に従っているグレイフィア・ルキフグス。
そんなふたりを、というか使者らに気を遣わずにしずしずと銀髪メイド(@爆乳)が紅茶を淹れ始めたことで傍観していた周囲なのであったが、そんな中で真っ先にツッコミを入れたのは――、
「いやいやいや! 何してんすかアンタ!? っていうかなんで居るんすか!?」
何故か、(先日死して蘇った)兵藤一誠その人であった。
「……いきなり怒鳴り出して、どうしたんですか先輩」
「不思議そうな顔すんなよお前も!? っていうか、今あっちシリアスな空気じゃん!? 何してんのお前!?」
「アフタヌーンティーを嗜んでいますが」
「そういうこと訊いているんじゃねえんだよォォォ!!!」
無駄に、勢いと熱がある。
進撃の巨人の奇行種染みた貌で空中に向けてツッコミを入れる人生ゲームに負け続けた高校生のように、なにか『運命的なモノ』に突き動かされている感が凄い男子高校生が此処にいた。
「えぇ……? じゃあなんなんすかぁ、先日路地裏で脳漿と眼球と
「俺そんなんなってたの!? 手間かけさせたねゴメンね!?」
「まあ肉体自体はアーシアの神器で直したんで、力抜けた水袋背負うくらいの労力だった程度なんであんまり気にしてませんけどねぇ」
「ほんと手間かけさせたね! でも言いたいことはあるんだゴメン!」
烏丸の臨場感溢れる説明に使者らと木場と朱乃とリアスが、揃って『ぉぶえぇ……』と口元を思わず抑えた。
はいては、いない。
「テイク2だ! なんで、お前がそのメイドさんを傅けさせているんだよォ!? その人この間来た部長のところのメイドさんじゃんかァ!!!」
指さし、叫ぶ。
ヒトを指さすな失礼な奴だ。
「正確にはリアスの
指さされた張本人がしれっと答えた。
それに絶句したイッセーに換わって、というわけでは一切ないのだが、リアスが慌てたように問いかけた。
「以後ヨロシクってどういうこと!? てっきり私はこの間のレーティングゲーム関連で伝え忘れたことが在るとかそういう理由でグレイフィアがやってきていたのだとばかり……!」
「それならそれで先立ってリアスに言いますよ。まあ、そのうちリアスにも伝わるかとは思いますが、状況は早いうちに呑み込みたいでしょうしね。納得させる意味も込めて、この場で説明します」
そうひと呼吸置いて、
「実は先日、サーゼクスに三下り半を突き付けて来まして、
「「「「「はぁ!?」」」」」
「無論、仕える以上は『どのような』奉仕でも応える所存です。メイドとしても、女としても」
「「「「「はぁああああああああ!!!???」」」」」
揃って驚愕の声を上げたのはオカ研部員のほぼ全員だ。
声を上げずとも、烏丸に連れ立っているアーシア・ミッテルト・レイヴェルは不満顔だ。部室に来る前に話だけは聞いていたのかもしれない。
ちなみに、この発表で何故居るのかわからなかったレイヴェルの印象は諸共露と消えた。ドン☆マイ。
「えっ、ちょっ、それっ……! 離婚!? 別れたってことなの!?」
「お、おちついてちょうだいリアス、まだ『そう』と決まったわけじゃ……!」
「いえ……、今のは完全に『そう』ですよ……。うわぁ……、僕これからどんな顔して師匠に会えばいいんだ……」
「え、えええええ!? お兄さんとメイドさんってそういう関係だったんですか!? というかサーゼクス様って魔王様でしたよね!?」
「なにがどうあれすさまじいすきゃんだるです……、なぜここまでモテるのですか、このひと」
「昔から人妻と幼女にはモテるんだよなぁ」
落ち着けねぇリアスに朱乃、剣の師匠の在籍してるであろうグレモリー領または魔王眷属組の大わらわっぷりを想定して遠い目をする祐斗、状況を呑み込む以前に前提を知らないので話の重大さに付いて来れないイッセー、驚きすぎて語彙が幼児化してる小猫、しみじみと実感の籠ったキニナル言葉をナゼナノカと呟く烏丸。
まさに現場はカオスであった。
「落ち着いてください」
「混乱させた張本人が言う科白じゃないんだよなぁ」
ちなみにこの場には『聖堂教会の使者』というドチャクソ『外部の者』が居るのだが、先ほどから完全に蚊帳の外且つ空気である。
■
「――そ、それで、どういうこと、なの、かしら……?」
数分後、どうにか落ち着いた
「納得もさせる、と言ったでしょう。貴族足るもの優雅で在れ、とかつて教えた筈でしょうに」
優雅さは不在である。グロリアーナは未だ遠い。
何の話かはさておいて、溜め息をひとつ吐くとグレイフィアは早々に話を切り出した。
「先日のレーティングゲームを知る者ならばわかるかと思いますが、アレは本当に酷いモノでした。近年稀に見る一方的な虐殺、と悪魔社会では恐ろしい記憶と共に語り継がれ始めています」
「「「「「「「「ああ……」」」」」」」」
その場のオカルト研究部員ほぼ全員が、『いやな、じけんだったね……』とでも言いたげに言葉を漏らした。
唯一、事を引き起こした張本人だけは『俺は悪くねぇ! 俺は悪くねぇ!』と言いたげに顔を歪ませて、――そうじゃねえだろお前は。
「いえ、実際何が悪かったかといえば、ソラ様を正しく認識せずに禄でもない下策で馬脚を顕した貴族上層部と魔王の謀が原因なのですが。それぞれにそれぞれの思惑があったために大きくも出れないのですから、喩え直接的な原因にソラ様が当たってしまうとしても、『僕は悪くない』とでも嘯いて悠然と佇んでいれば良いんですよ」
「それはそれでなんかなぁ」
フォローの入れ方は完全に烏丸寄りだ。喩えは完全に負完全なのだが。
「話を進めますと、悪魔社会とて信用は大切です。その辺りのフォローがサーゼクスには足りませんでしたので、私が『こうして』身を挺してソラ様に仕えることとなった次第です」
「……あの、それ明け透けに言っちゃって良かったの……?」
その関連で彼女も来ていますしね、とモノの序ででレイヴェルも紹介されたところで、リアスがおずおずと挙手をした。発言には挙手。コレガダイジ。
さておいて要は、グレイフィアは策を弄している、と堂々と宣言していることがリアスの懸念に当たる。
掻い摘んでしまうと、悪魔社会外敵ばっかじゃけえのォ! → (一応)身内の聖書陣営の足並みも揃えられないで外様に対抗できるわけないやんけ! → ふええ、一番身内に引き入れなくちゃならない天界関連の
そしてその問題点は、『沿う云う
「問題ありません。ソラ様には全て見通されていますし、理由もしっかりとこちらから暴露済みです」
「えぇ……?」
ドン引きである。
明け透けに策を披露するグレイフィアもだが、それを普通に受け入れている烏丸にもドン引きである。
いま、部内の心がひとつになった。そして、
「そのうえで、私はソラ様に仕えることを許可されていますし、身体も許しますし愛も囁きます。何も、苦などありもしません」
「えぇ……」
恋愛に夢を抱いているリアスは、本当に理解できないモノを見る目を元義姉に向けていた。
「納得できませんか」
「できるわけないじゃない……。洗脳でもされたの……?」
今リアスの脳内にあるのは、催眠おじさんに『催眠? アリエナイワ』と良いように手籠めにされる某マーガトロイド辺りである。ナニ読んでんのリアスさん。
まあ、最近ではそういうベリーイージーモードの代名詞みたいな彼女に返り討ちに遭う代物も珍しくないらしいが。ナニ読んでるの俺(誰)。
冗句はさておいて、実際リアスには理解が及ばない。
グレイフィアとサーゼクスの恋愛話は、冥界では誰もが知る。例えるならば生きた神話とも呼べる。
共に冥界のトップとして種族全体を牽引し、将来有望な子供まで生まれ育っている。
甥に当たるミリキャスにはどう云えば良いのだろうか、と幼子に語るには酷過ぎる現実に、リアスは本気で『世界が滅びればいいのに』と考え始めていた。ヤバイ。
「洗脳などされていませんよ。そうですね、其処を説明するためにも、私の過去についてキチンと語っておきましょうか」
納得させる、と言いましたものね。
そう言って、グレイフィアは言葉を紡ぎ出すのであった。
「元々、『ルキフグス』は『
「……聞いたことはあるわ。元々、貴女とお兄様は敵同士だった、って……」
そうだったんすか、と暫く黙っていたイッセーが呟くように囁いた。居たのかお前。
なお、静かだったのはグレイフィアという人妻美女が烏丸に肉体的にエロエロなことをしてくれることを宣言してる事実にギリギリと背景で歯ぎしりしていただけなので割愛する。
「そこでなんやかんやの事件があって、元々『私を』手に入れるために魔王を目指していたサーゼクスは魔王に就任しました。出会ってから50年ほど経っていましたね」
「ざっくりしすぎじゃない?」
驚きの端折りっぷりである。
なんかもう、愛を感じない。
「色々とあり過ぎましたので。詳しくは後でサーゼクスに尋ねてみればいいですよ」
冥界で語られる超有名なロマンスの裏話が聴けます、などと余計なことも付け加える張本人。
訊く気が猶も失せて往くことを実感する。
「大事なのは、感情はどうあれ『ルキフグス』の立ち位置はいつだって『魔王』の補佐、という点です」
「……わからないわ。それなら、猶更お兄様と離れる理由が無いじゃない………!」
だからお前は
まるで養豚場から出荷前のベルトコンベアを流れるソーセージを眺めるような流し目である。色っぽい。
「リアス、『魔王』とはなんです?」
「……? 悪魔の、王でしょ?」
「何はともあれ、どのような種であれど『王』であることは変わらないのですよ。民を導き、民を守り、民のために己を殺す。そのために必要な『国家の発展』と『外敵への警戒』は絶対的に外してはいけません」
「……っ、お兄様がそれを怠っている、とでも言うつもり……!?」
リアスは激怒した。必ず彼の邪知暴虐の元義姉を兄の下へ傅けさせてやると決意した。
しかし、
「そ の と お り で す」
その怒りは届きはしない。
何故ならば、
「……っ!?(威圧!? こんな……っ、なんで……っ!?)」
グレイフィアの方が、もっとずっと怒っているのだから。
「王の仕事は顔色を伺うことではありません。暴君と呼ばれようと、身内を蝕む身中の虫は殺さなくてはなりません。それを『やりたくない』という理由で実行し得ない。それはより多くの不幸を生み出すことに繋がるのです。旧魔王家の者を手に掛けたのならば、最後まで潰すべきでした」
苛烈すぎるが、其れはかつての光景を知るからこその言葉でもある。
サーゼクスは『件の事件』において、冥界の子供たちを何人か旧魔王家の謀によって亡くしている。
その後の処断を含めて知るグレイフィアは、知らない者たちには判れない事実に憤りを感じていた。
だが、
「悪魔を増やすために造られた『悪魔の駒』は貴族の玩具に成り下がりました。外敵を減らし、身内を増やす。正しく上手く使えたはずの『一手』は、今では『敵意だけ』を生み出す悪しき文化です」
あの、此処に其れで転生したのが何名か居ます……。
憤慨で膨らんでいたはずの張りつめた何かが、一転して萎むことを実感した。
「サーゼクスは、実力だけは魔王として、
ともあれ、続く言葉には『愛がどうこうの』という地の文も霞む、なんか、こう、あれ? これ惚気じゃね? と疑わんばかりの『想い』が込められている気がしないでもない。
初めっから『こう』で良いじゃねーか! なんで途中途中コミカルなモノを挟んだの!?
「そ、それなら、今からでもそうすればいいじゃない! 別れることもないでしょう!?」
「いいえ――」
いつしか消えた威圧感から抜け出し、リアスが声を荒げる。
イッセー? あっ、気絶してる……。まあいいや。
「いいえ、今まで生きた私は、もう今更冥界を、悪魔の未来を見捨てることは出来ないのです。だからこそ、それがあるからこそ、私はこうして『決断』しました。願わくば、」
改めて、胡乱な目を向けている烏丸の傍に控える。
主人公もどうすればいいのかわかんねー、という顔をしていた。
「願わくば、私の決断を無駄にすることが無いように――」
「……グレイフィア」
彼女の決意を知る。
その万感の想いを言葉に乗せて、リアスは元義姉を見送っていた。
旅立つわけではないが、雰囲気だ、雰囲気。
「――というわけで、今後ともよろしくお願いいたしますソラ様。是非とも肉体的にも」
「ねえグレイフィア、本当にお兄様の事愛してたの?」
締め括りの挨拶に胡乱な目が、自然と人妻メイドへ向けられる。
返事は、無かった。
言っておくけど、『過去』は改変してないからね?
原作でもグレイフィアはこれくらいやる気がするし
だってなんかイッセーを魔王にする気満々でハーレムに加入してなかったか?
魔王の挿げ替えも考慮してるんだから俺はこう解釈するぜ!
ちなみに今回の『本編』で本人は『その後』を特に明白にしてはいませんが寿命の問題も忘れていません
まあつまり、人間相手に色々エロエロさせても、数十から百数年程度だと見切りを初めから付けてる感が消えてないわけで
死ぬまで騙し切れれば彼女の勝ち、って謂う話
サイテーだなコイツ
やっぱ悪魔は悪魔だわ
そしてゼノヴィアとイリナが完全に空気
次回やります