嘘だろオイ!?
(一時です。現在は不明)
サブタイ→覇気が無いなぁ英雄派。どうしたどうしたそんなんじゃ英雄として名を挙げるなんて夢のまた夢だぞ!プルスウルトラ!
PS
感想にて喜ばれたトリコロールな日常系女子先駆け四コマは予想の通りです。ご安心を
『祈り、囁き、念じろ――オオっと!?』
『ぉ、おおおお!? お、おいイッセー! それリアス先輩か!?』
『これ再現度どれくらいだ!? お前リアス先輩まで毒牙に掛けやがったかァ!』
『いや待て! それよりも先に決めることがある! ――5万までなら出せるぞ!!!』
『いいえ! 私なら7万出すわ!』
『俺に寄越せぇ! 8万!』
『9万!』
『9万5000!』
『お前ら勝手にオークション始めんじゃねぇ!? 誰が渡すか! 此れは俺が家宝として持ち帰って飾るんだ!』
『いいえ兵藤くん。コレは今日の英会話の教材ですから、授業後キチンと提出してくださいね』
「――っていうことがあったんすよ……」
「……えっ。ていうことは、職員室に私の裸像があるっていうこと?」
「まあ、粘土ですから。服とかを着せる余裕も無かったっすね」
予想もしてなかった事態にリアスは頭を抱えていた。
今年になってからこういう事態が多すぎる。
原因はいったいなんなのだろうか。
「というか、英会話の授業でなんで粘土弄り……。幼稚園ですか、
「明らかに正確な判断力失ってますわよね。先生方の認識に、何らかの阻害が施されてるのでしょうか?」
小猫とレイヴェルの会話に、リアスははっと思い当たる。
それを目ざとく見つけたのが、アーシアだった。
「……そういえば部長、この学校、普通にデュラハンの方とか、明らかな見た目の人外の方々がいらっしゃいましたよね。その辺り、どうやって誤魔化しているんですか?」
「………………。に、認識阻害の術式を、少々……」
「明らかにそれが原因ですよね!?」
身から出た錆、自業自得だった。
「あっ、安心してください! 出来栄えは完璧に近い再現度! うちのクラスの部長ファンからは血涙流す程口惜しがられてますから!」
「それの何に安心する要素があるというの!? というかイッセー、貴方そこまで断言できるほど私の身体を、いったいいつ把握したのかしら……?」
「そこは妄想でカバーしたっす!」
何はともあれ、再現度の適格性はともかく、自身の裸像を不特定多数に伺われるという事態だ。
流石に痴女みたいに羞恥心を捨てていないリアスは、サムズアップした良い笑顔の下僕をチカライッパイに殴り飛ばしたい衝動に駆られていた。
「イッセーくん……? なぜそこでわたしのはだかをさいげんしようとしなかったのですの……?」
「ヒィッ!?」
衝動に駆られたが、今イッセーに絡むのは得策ではない。
ハイライトの消失した眼で、朱乃が幽鬼のように縋り寄る姿を見てしまうと己の語気も霞む。
恋人関係と言えども流石のイッセーすら恐れ戦いた様相に、南無三と合掌した。
それに、今の問題点はそんな物語端で触れられるような
「や、やあグレイフィア、ひさしぶり、だね……?」
「そうでしょうか。離れてから、然程も経っていないかと」
自分の授業参観に来ていた兄、サーゼクスが。
烏丸の授業参観に来ていた義姉、グレイフィアと対峙していた。
簡潔に言って、修羅場である。
「そ、そんなことはないさ! 僕はキミが居なくなってからというモノ、一日千秋の思いで悲しみに暮れる日々を過ごして――!」
「私たちの新婚時代と比較すれば、それほどでもないでしょう? 今では、そんな初々しい時代があったかしら、と疑問にも思いますけど」
グレイフィアの科白にサーゼクスのアルカイックな微笑が引き攣る。
返す言葉を選択し切れず、旦那は沈黙を以て座り直した。
一瞬の攻防で、御通夜みたいになった空気の中リアスは嘆く。
心中が読めねぇ……ッ!
実際にそう思考が連なったのかはともかく、グレイフィアがどういう思いを現在抱いているのかが全く読めない。
こちらに来た当初は、自分たちの前で愛にも似た想いを高らかに吐露していたはずなのだが。
気まずさが急転直下で下落したリアスは、我関せずと学食のカレーをもっきゅもっきゅ貪ってる烏丸に小声で囁いた。
「――ちょっと! なんで関係無いような顔でご飯を食べられるの!? これ貴方が招いた事態でしょう!?」
「……?」
「いや其処で小首を傾げるのはおかしいでしょう!?」
なお、現場にはオカルト研究部の面々と魔王夫婦しか居ない。
リアスの父親であるジオティクスも来訪を画策していたようだが、グレイフィアと邂逅することを予測したサーゼクス自身の説得によって未然に防がれたらしい。
傍目には別れた女房を迎えに父親同伴で説得に来る旦那のようであるから、普通に情けないのでそうするのも納得だ。
ごぎゅり、と咀嚼途中のカレーを呑み込んで烏丸は云う。
「『ご飯を食べる』って言い方、なんか可愛いですよね。育ちの良さが伺えます」
「関係なくない!?」
叫んでしまったが、何気にリアスも悪い気はしていない。
少しばかり頬が緩んでいた。
「というか、此れって俺こそ関係無いのでは。グレイフィアがウチに来たのは彼女の判断ですし、俺だっておふたりを仲違いさせようとは思っても無いですよ」
「そ、そうなの、かしら?」
「まあ、思ってないだけで別に仲を取り持とうという気も起きないのですけど」
「其処は思っているだけに留めましょうよ」
アーシアのツッコミにリアスも無言で同意した。
いつも一言多い。
これが烏丸クオリティ。
正直は美徳などと言い出したのは何処のドイツだと云うんだ。
「……帰って来てくれないかグレイフィア。正直、キミと離れているだけで心が苦しいんだ」
「泣き落としは聴きませんよ。そもそも、私の意思で離れたのですから。帰るわけが無いでしょう」
にべもない。
顔色ひとつ変えようともしない彼女に、サーゼクスはかける言葉を失っている。
尻に敷かれていたとは思っていたが、これが惚れた方の負け、というやつなのか。
リアスはまたひとつ大人の恋愛を学んだ。
多分、学ぶべきじゃないことだ。
「~~っ、いいかげんにしてくれ! 僕はキミが居ないだけではない! キミがそうやって立場も顧みないでいることも嫌なんだ! 母親としての立場はどうした!? ミリキャスを放っておいて、キミはいったい何をしているっていうんだ!?」
学食で叫ぶべきことじゃない。
それはサーゼクスだって分かっていたはずだったのだが、塩対応の連続で心が折れてるのかもしれない。
判断力が低迷でもしてるのか、とうとう高圧的にサーゼクスは怒鳴っていた。
しかし、
「其処で子供を理由にするのは筋が違いますよ、サーゼクス
グレイフィアは静かに、認識阻害の結界を貼っていた。
サーゼクスの痴態を晒さない配慮かも知れない。
でもさっきそれ、リアスが怒られていなかった?
「そもそも、本日学園に顔を出したのも、現在『あの家』で対外的に保護者としての立場に収まっているための選択です。預かっているレイヴェルさんの学園での日々の様子を、フェニックスに報告する必要がありますから」
感情に感情で返すことは無い。
返さなければならない、という理屈がそもそも無いのだ。
それが通用するのは、せめて同じ土俵に居るモノにしか値しない。
「つーか、其処で子供を出汁にして自分の理屈を通すことほど情けないのは明白だろーが。カッコ悪いぜ、今のお前」
と、認識阻害を跨いで、口を挟んできたのは、
「っ!? アザゼル……!? なぜ、此処に……!?」
「よっ、久しぶり」
堕天使の総督。
「先ほど振りですね、アザゼル」
「おう。話には聞いていたが、ガチで別れたんだなお前ら。浮気でもしたのかw サーゼクスw」
「そんなことしていない! それに別れてもいない! 質問に答えろ!」
「そう怒鳴るなって。余裕ねーぞ寝取られ野郎」
――その瞬間、周囲がカタカタと地震のように揺れ出した。
明らかに、アザゼルに煽られたサーゼクスの影響だ。
だが、
「――おい堕天使総督、無駄に煽るな。飯が不味くなるだろ」
「――へぇ。今のお前が鎮めたのか、俺がやる必要があると思ったが、やるなぁ」
「デモンストレーションは必須だろ。現状が見えてない魔王様に、キチンと説明が欲しいんだろ、グレイフィア?」
一瞬で、影響力は雲散霧消となった。
サーゼクス自身もどうなったのかが把握し切れておらず、平然とアザゼルと会話を交わす色黒の少年に目を向ける。
以前にも姿を見たことがあるそいつ、烏丸イソラは、気安く自身の妻へ言葉を投げかけていた。
「ええ、上々です。お手数をおかけして申し訳ございません」
「大変だな、お前も」
自分以上に話が通じる。
その様を見せつけられたようで頭に血が上るが、しかし、
「ああサーゼクス、さっきの質問だがグレイフィアがとっくに答えてるぞ。あいつは『先ほど振り』って言ってたろうが」
「……? どういうことだ……?」
「だからぁ、俺も授業参観に来ていたんだよ。其処の小僧らとウチのミッテルトは同じクラスだからな」
保護者枠だったのか、お前。
そんな感じの目で、アザゼルを見遣るサーゼクスが其処に居た。
「――ごちそうさま」
柏手で、律儀に言葉を紡いで礼で仕舞う。
カレーを喰い終わった烏丸と、ほぼ同じ程度のタイミングで食事を終えていた1年ズがわたわたと席を立っていた。
ガチで空気が悪くなり出したので、こんなところに居られるか!みたいな心情が働いたのかもしれない。
この辺りはサーゼクスが悪い。
「魔王様、教えておこう。人間も、其処まで舐められる程度じゃ無いんだ」
「……? そんなつもりは、無い、が……?」
「そうかい? じゃあそのうえでキチンと考えてくれ。
いつも一言多い烏丸だったが、この時は何故か言葉を限っていた。
その状態に何人かが小首を傾げ、視界の端でイッセーがハイライトオフ朱乃に詰め寄られ涙目で救難信号を送って来ている姿を垣間見て、――スルーした。
君子は危ういモノに近寄らないのである。
見捨てられたイッセーはアイエエエエ!?と泣いた。
さておき。
烏丸と共にグレイフィアも去ろうとしているその今際に、サーゼクスは、
「ま、待ってくれグレイフィア! 最後にひとつだけ! 訊いても良いか!」
藁にも縋る思いで、去り行く彼女に問いかけた。
「……なんでしょう。次の授業がありますので、簡潔に」
「め、メイド服は、着ていないの、かい?」
アザゼルは思う。
確かに今はサーゼクスの知るメイド姿ではない、TPOに任せた人妻スタイルであるけれども。
それでいいのか、質問は。
「――貴方に仕える必要も無いのに、着る意味はありませんよ」
「――っ」
胸を撃たれたような顔をするサーゼクスに、
「……こいつら、わっかんねぇ」
アザゼルの言葉が、静かになった食堂にただ響いた。
前にも書いたから各個人のやりたいことや想いの果ては通じているはず
それでも通じないと云うのならば次回に解説
必要ないのなら解説という名のグレイフィア回は消失して会談に突入します
聖剣譲渡?ねぇよ