神器使えや神器使い!   作:おーり

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スーパーではないロボットに誰も触れてくれなくて悲しいおーりです
もうガドガードは誰も覚えてないのかしら…(と書き始め時期思ってたらひとりおりましたヤッター

感想でサーゼクスが決定権を備えてないのが謎、みたいなことを問われ、何故今回こんな話になったのか、と首を傾げられました
ので、この場にて注釈を挟みます
自己解釈でもありますので、あんまり真に受けないでください(よし、言い訳はした

そもそも、原作読んでもサーゼクスにはあんまり決定権も無いのかと
偉い立場になるひとは居ても、尊敬され全部が従うかと言われれば現実でも『そんなことはない』ことと同じように、
舐められてるんじゃないの? と件の感想で投げかけられたまさにその通りに、所詮は歳経た上級貴族(でしたか?)の年功序列精神を諫め切れない若手でしかないです
そんな若手では国家運営である政治は務められませんし、信用が足りません

第一、サーゼクスが魔王になった理由が『グレイフィアを妻にしたいから』だったはず
他にも自分が面倒見ていた子供ら(?)を傷つけられたか殺されたかして、そういう悪魔を出さないために魔王になった、などと理由があったそうですが、それも第一目的ではなしに後付けっぽいですし
国家の発展と維持並びに国民の命と尊厳と将来を考慮するならば王としては充分ですが、最初に掲げた目標、というか『吊るされたニンジン』を掻っ攫って余裕ある状態で「みんなが餓えない世界を造るんだ!」などと言われてどう思うよ?

ちなみに悪魔の駒に関する点は問題点もありますが、それが必要な面も確かにある(と別の方が感想でも言ってました)ので割愛
駒の解釈についてはまた今度書きます

というか、サーゼクス並びに現魔王らの役割って政治に口出しすることじゃないでしょう
戦闘力真っ先に買われてるって、
兵器じゃん

そりゃあそんな立場の人に嘴挟まれたくはないだろうし、年寄りらだって暗躍するさ

尚、それくらいを掻い摘めても政治の云々に烏丸くんは口出ししません
めんどくさいので(笑)


ライザー「ついに俺が副題に! もうなにもこはくない!(死亡フラグ」

 改めて、現場を見てみましょう。

 

 様式は普通の一軒家。

 昭和から平成に掛けて、平均的な日本人家族が街並みに違和感のないようにと一般的な建築士に依頼すれば出来上がる、二階建ての日本式家屋です。

 塀と添えて植えられた木々が生い茂ったために日当たりは芳しくなさげに見受けられますが、室内から覗けば庭先が洗濯物を干せるくらいの程よい広さですので、然程のマイナスという風にもなりません。

 

 疑問点はと言えば、二階が存在しているのに其処へ向かう階段が見つからないことでしょうか。

 玄関入って直ぐから見上げれば、バルコニーのように木柵で閉ざされた二階層が伺えます。

 

 尋ねたところ、『二階は子供部屋と寝室くらいしかない。一人暮らしには割と不要だったから、階段は取っ払って塞いだんだ』との返答が。

 ……まあ、一階分だけでもliving・kitchen・toilet・bathroomと充分ですし、一人暮らしだと考えればその選択も強ち間違いとは言い切れませんが……。

 

 なお、『不要ならアタシが使ってもイイっすか。ヒャッホー1人部屋ぁー』と喜び勇んで飛んで入ろうとしたミッテルトさんでしたが、ソラさんのダメだという問答無用無音拳に物理的に封殺されてました。

 これ絶対なにか他の事情が働いてますよね!?

 

 そんなソラさんのご自宅を掃除と改築に、私たちが何故赴いたのかと言えば、それこそ色々と事情があるのですが。

 

 

 ―ピンポーン

 

 

「はぁーい。どなたでしょう?」

「あ、レイヴェル、戸を開く前にスコープを覗くのは止めろよ? 3回に1回は目を抉られる」

「どういうトラップですの!?」

 

 

 件の事情となる、レイヴェル・フェニックスさんが呼び鈴に応えて、ソラさんに窘められてました。

 地味に此処の家自体が怖いのは、……暫く目を瞑ります。

 

 

「はい――。?」

 

「今晩わ」

 

 

 玄関を開けて、小首を傾げた彼女の正面から、しわがれた男の人の声が聴こえます。

 

 

「こちらは、ソーリア・エスクリダーオス殿のお宅で宜しかったかな?」

 

「……はい?」

 

 

 続けられた言葉に伺えば、禿頭で背の低い、活辣としたおじいさんが玄関前にてレイヴェルさんを見上げていました。

 彼女が小首を傾げた理由は多分、ソラさんの前の名前を知らないだけでしょうけど。

 

 

「ありゃぁ? クリスじーさんじゃないの」

 

 

 そう言って、部屋の片付けもそこそこに出迎えに赴くソラさん。

 どうやら、本日のお話もまた、色々な人を置いてきぼりにしてしまいそうです。

 

 

 

  ■

 

 

 

「あー。こちら、クリストフ・カラ・ジルナガン。俺の師匠みたいな爺さんな」

「「「貴方が犯人ですか!」」」

 

「待ちなされ少女たち。(ワシ)ャぁこん小僧の人格矯正にまで手を伸ばした覚えも無いわい」

 

 

 異口同音に詰め寄りかけました。思わず。

 反省反省。

 

 

「んで、こちらアーシア・アルジェント、ミッテルト、レイヴェル・フェニックス。これからいっしょに暮らすことになった」

「ほーぅ、それはそれは。色々とアレな小僧じゃが、宜しくしてやっておくれ」

「とりあえず、ヨナルデパズトーリィみたいなCVしてるけど、大概無害な爺さんだから。気さくにクリスじーさんとでも呼んでやってくれ」

 

 

 私たちはそのヨナルデなんとかを知りませんが。

 しかしそうですか。

 

 

「師匠、ということは、このひとも件の現代錬金術師という?」

「そうそれ。まあ、このじーさんは、というよりこのじーさん『も』だけど、他人に教えるより自分で研究する方が性分なひとらだからね。一緒のカテゴリ訣するのも失礼に当たるかもだから、あんまり指さしてやらないように」

「私たちをなんだと思ってるんですか」

 

 

 『指さし』て、『やーい、お前のじいさん現代錬金術師ー』とか嘲笑われた経験でもあるのでしょうか、このひと。

 

 

「ああー、例の『呼び方』のアレかの。儂もそんなん名乗った覚えもありゃせんがの」

 

「え? でも、フェニックスで仕事したひとが……」

 

 

 言いながら、話に付いて来れているのか不明な、フェニックス家の妹さんをチラ見します。

 

 

「っ。そ、そうですわね、カリオストロ様が名乗っていられましたので、(わたくし)どももソラ様を理解したと言っても過言ではありませんわ!」

 

「カリオストロ……、あー、あの。名乗っとるのはアレかラスキンくらいじゃろ」

 

「えぇー……」

 

 

 絶賛したところを『その程度』と見られたのでは、流石にレイヴェルさんでも困惑しますよね。

 話題を振ったのも失敗でしたでしょうか。

 

 

「大体1世紀くらい前ならの、儂らの呼び方は統一されとったのよ。それがここんところ安易に名乗り出すモンが増えだしてのぉ、一緒にされるのも嫌だー、って言い出したラスキンが文献ひっくり返して命名しての」

「まあ、あのひともヤンキー嫌いだからね。俺は嫌いじゃないけど、このカテゴリ」

「そりゃお前さんが若いからじゃい」

 

 

 逆説的にラスキンのジサマも若いのでは? などと取り留めのない会話を続ける御二方。

 どこでどうなってそういう会話に繋がったのかが理解し難いのですが、とりあえず。

 

 

「ところで、本日はどのようなご用件なのでしょう?」

 

「お。おーおー、すっかり忘れとった。スマンの嬢ちゃん」

 

 

 ウシャシャシャシャと哂いながら、クリスさんは淹れたコーヒーをひと口。

 そうして、ひと呼吸置くと、窓の外を見上げました。

 私たちも目を向けると、綺麗な満月が、すっかりと晩くなった空に浮かんでいます。

 

 

「先も小僧が言うたがの、儂ャ研究が趣味でな。ここんところもまた、遊学の最中であったのじゃよ」

「ああ。月の?」

「うむ」

 

 

 それはまた、優雅な。

 

 

「月には蟾蜍(せんじょ)と兎が()るという。特にその兎の搗く餅は不老長寿の丹薬となるという」

「中秋節の團圝餅かぁ」

 

 

 時節も違うのに何を唐突に風流な、とソラさんは続きを促しました。

 

 

「で、そんなん思い出したら餅が喰いたくなっての。ありあわせのモノで兎と臼なら造れたんじゃが、もち米ばかりはそこいらでは都合つかんでの」

「へぇ。買いにでも来たん?」

「んにゃ。造った兎に遣いに出させた」

 

 

 んん?

 

 

「あの、兎をお遣いに出すのはどうかと……」

「あいつらまともに鳴けもしないっすよ?」

「クリストフ様、先ほども思いましたけれど、ひょっとして相当お歳を……」

 

「ええぃ小娘ども、一斉に口を開くでないわい。いや、儂も前の失敗もあるからの、どうかなー、とは思うとったんじゃがの」

 

 

 前にも失敗してるんじゃないですか。

 同じ轍は踏まないようにしましょうよ。

 

 

「どういう愉快な失敗したのかはさておいて、要するに兎に逃げられたんか」

「うむ。この辺りに来ているところで、お前さんの部屋が近いことを思い出しての」

「余裕あるじゃねーか。というか、教えたっけ?」

「前にイリシャに聞いたんじゃよ。あすこに居った金髪フェチと同じような性癖でハレムを造っとるとは思いも寄らんかったが」

「誰が金髪フェチか」

 

 

 また脱線してます。

 でも言われてみればこの家、ブロンド率が高いですよね。

 

 

 

  ■

 

 

 

 さておいて。

 ひとまず兎を掴まえる。

 そういうことになったッス。

 

 

「というか、こんな夜中に街中で兎1匹追い詰めるって、そうとう時間がかかりそうだが」

「ま、心配ないじゃろ。アレは『寂しがりや』じゃからの」

 

 

 そういう現代錬金術師御二方の後を追いつつ、アタシたちは比較的早くに件の兎を発見するに至ったッス。

 ……至りはしたけれど……。

 

 ――プラチナのブロンド。

 ――真白い肌。

 ――豊満な胸に、程よい肉付きの尻と太腿。

 

 そして取ってつけたような垂れたバニーイヤーのカチューシャ。

 

 

「「「……。兎……?」」」

 

 

 路地の裏にて、ズボン脱がせて血塗れでゴミ捨て場に仰向ける男の姿に跨る、そんな全裸の美女を発見し。

 異口同音に、私たちは疑問符を発せざるを得なかった。

 

 あ、よく見ると手套とニーソを付けてたから全裸じゃねッスね。

 だからなんだという話っスけど。

 

 

「寂しかったのは爺さんじゃねーの?」

「お前さんといっしょにするでないわい」

 

 

 あ、そういう趣味もあったんすね、このひと。

 

 

「まあ俺の趣味嗜好に関する風評被害はさておいて。……ところで、そこのウサちゃんが跨っている下でズボン脱がしてる変態、どっかで見たことあるんだけども……」

 

 

 クリスさんの言葉に女子勢の目がソラさんに向きかけたッスけども、続く科白でウサギさんの下へと目をやるッス。

 うん? 確かに見覚えのあるような……。

 

 

「イッセーさぁん!?」

「「あ」」

 

 

 真っ先に気づいたのはアーシアで、続いて気づいたアタシが漏らした言葉。

 しかし、其処に重ねられたソラさんの声が示す意図は、アタシらとはまた別のモノだったッス。

 

 アーシアの驚愕の声には、ウサギさんも驚いたご様子で。

 跨って腰を上下させていたウサギさんは、バンッと跳ねるように変態から離れ、

 

 

「――おおっと」『ギャ!』

 

 

 ――バシン、と手を振るったソラさんの声より先に。

 路地に響いたのは、それに殴られ跳ね除けられたらしいウサギさんの小さな悲鳴だったッス。

 

 

「は。使いっ走りの分際で、随分生意気そうですぜ、旦那ぁ」

「うーむ、前にもそうじゃったが、儂『こういうの』の調教は向いとらんのじゃろか」

 

『キィッ! カッカッカッ! フシュー!』

 

 

 う、兎……?

 

 と、疑問符を再び浮かべざるを得ない姿。

 変態から剥がれ、距離を置いたそれは、先ほどの美女がその大きさのままに変貌した、ヴォーパルなフリークスとしてソラさんを警戒してたッス。

 いちおう、ウサギの名残はあったッスけど……。

 

 緊張感があるんだか無いんだか、わからないままに。

 

 件のウサギは狭い路地中の壁を、ピンボールのように跳ね周る。

 逃げる、わけではなく。

 その行動原理は捕食者側のそれっぽい。

 

 戦うことを選択するとか、ホントにウサギっすかね、これ。

 なお、跳ねるスピードは目で追い切れないレベルで、蹴られた壁はスライスされたように砕かれてるッス。

 

 ――ヤバイ。

 

 

「前歯だけはよう切れるからの。クリティカルにご注意じゃ」

 

「ぉい、材料ナニコレ?」

 

「原地で採掘されました50Kカラットの金剛石を贅沢に研磨し、頭蓋に使用しております( `ー´)ノ」

 

「その貌ヤメロ、腹立つ」

 

 

 前衛(リング)で対峙するソラさんと、後方(セコンド)から助言するクリスさんの会話。

 師と弟子の会話に聴こえねぇ。

 アタシら完全に置いてきぼりッスね。

 

 つーか、

 

 

堕天使(アタシ)が目で追い切れないって、普通にヤバイ怪物じゃねーッスか……!?」

「同じく、悪魔(ワタクシ)でも難しいのですけど……! ソラ様(人間)だけに任せて大丈夫なのですか!?」

 

「はー、おふたりは目で追えてるんですかぁー。私は全然ですねぇー」

 

「「笑って言うこと(です)か!?」」

 

 

 アハハ、と笑い飛ばせるアーシアの精神がわっかんねッス!

 

 

「ええぃ、鬱陶しい!」

 

「「えっ」」

 

 

 ガッ、と。

 アタシらが改めて前方の怪物に警戒を思い知っていた一方で、気づけばウサギさんの首根っこを掴まえて、ドゴドゴドゴドゴドゴドゴゴシャメシャグシャベキョペキ、とメタクソに殴りつけたソラさんが――えぇ……。

 

 

「――えっ。えっと、あのひと、にんげん、ッスよね……?」

「……レーティングゲームの時は、学術家というか研究者の立ち位置だと理解していましたので、『ああした』『何かを造って使う』という戦い方で納得できたのですけど……」

 

 

 素で強いじゃないですか、あのひと。

 そんな意味を込めて、アタシとレイヴェルはソラさんを茫然と見たッス。

 

 

「はぁ。しかし、聖堂教会で携わっていた頃、『牙狩り』と呼ばれる方々の中にも、ああした『クソ殴り要員』のひともいらっしゃいましたよ? クラウスさんと仰りましたかね」

「「人間コワイ」」

 

 

 どのへんがどう『人外に劣る』存在なのか。

 堕天使と悪魔(アタシら)は口を揃えて、彼らに対する警戒を強めたッス。

 

 

 

  ■

 

 

 

 ――さて。

 

 ボッコボコに殴ることでもとい、叩いて直す精神でししょー謹製のウサちゃんを沈めた、その後の話をしよう。

 何故かミッテルトとレイヴェルは背筋を直して、良いお返事で我が家の改装に舞い戻ってくれたことには小首を傾げたが。

 大事なのは住居を整頓させる方針であり、今回のコレはおまけに過ぎない。

 

 クリスのししょーからはお土産と返礼として地産の金剛石をひと山。

 加工すれば何かしらに回せるし、売ってもそこそこ良い金になる。

 

 そうして袋詰め兎を引っ提げて、再び57億キロの旅へと垂直に飛んで行ったししょーを見送り。

 俺たちはアーシアの神器で壊された壁なんかの補修を終えて、ようやくとひと息ついた。

 

 

「……で。こっちはどうよ?」

「ダメですねー。完全に死んでます」

 

 

 ううむ、やっぱり無理だったか。

 限定的な時間遡航を源流とするとはいえ、飽く迄アーシアの神器は『回復』要因。

 そもそも、死者の定義はある見方に付いては一方的なモノであり、歴史を思い直せば彼のイ●ス・●リストだって確実な蘇生は為されていない。

 

 要するに、死んだ人間は生き返らせられない。

 それを可能とする神器も、何処かに在りそうな気もするが。

 それでも治すというのなら、それは『甦り』ではなくて『ほぼ同じ別の何か』となるのだろう。

 

 

「まあいいや。丁度『悪魔の駒』とやらにも興味もあったんだ、リアスぶっちょのところへ持っていこうぜ」

 

 

 この死にたてピチピチのイッセーパイセンをな!

 




クロスオーバー先のリスペクトです(今更
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