内容は薄いですが頑張って書きました読んでいただけると嬉しいです。
話は変わりますが、仮面ライダージオウでアギトが出ると耳にし、見てみたのですが久しぶりに翔一君や真魚ちゃん、尾室さんが見れて嬉しかったです。あと尾室役の柴田さんが3人の中で一番変わらなくてww
そして最後に一言、ジオウさん、折角のガードチェイサーぶった切らないでおくれよぉぉぉ!!
朝、翔一がベッドから起き、固まった体をほぐすためにストレッチをしているとヘスティアの寝ていたソファーの異変に気づく。ヘスティアがいなくなっていた。
どこに行ったのかと、翔一が辺りを見回すとすぐに見つける事が出来た。ヘスティアはベルが寝ている側のベッドの縁に顎を乗せベルの寝顔をニヤニヤしながら眺めていた。
「ヘスティア君、もしかして君、一晩中そうして居たんじゃないでしょうね。」
そんなわけがない事を知りつつも、翔一が呆れた様子で苦言を呈するとヘスティアは本気で心外だと言う風に反論する。
「そんなことしないよ!」
ヘスティアの大声でベルが起きた。
「おはよ、ベル君♪」
ヘスティアの歌の様に綺麗な朝の挨拶の旋律により半開きでぼやけていたベルの視界の靄も晴れていく。
完全に開いたベルの瞳が捕らえたのは至近距離にあるヘスティアの顔。
「うわぁぁぁ!!」
驚きと羞恥にベルは飛び起き、ベッドの上をヘスティアとは反対方向に後づさる。だが狭いベッドの上だ、すぐに反対の端だ。ベルは足を踏み外す。
「うわっ」
起き抜けの働きの悪いベルの頭でも足を踏み外しベッドから自分が落ちようとしている事はすぐわかった。
(あぁ、朝ッパラからなんてついていないんだろう。)
ベルはやって来るだろう痛みと衝撃を覚悟して目を瞑り歯を食いしばる。しかしいつまでたってもそれはやってこなかった。
「クラネル君、落ち着きなさい。」
その声を聴きベルは目を開ける。そこには翔一がいた。
ベッドから落ちそうになっていたベルを助けたのは翔一である。と言ってもただベルの背を片手で支えているだけだが。
「ショーイチさん?」
ベルは態勢を立て直して、ベッドを降りると翔一の身体をぺたペたと触り始める。
「クラネル君、私はあまりべたべた触れられるのは好まないのでやめてもらえますか。」
「はい、ショーイチさん!!」
翔一は不快感をあらわにするが何故かベルは嬉しそうに声を弾ませている。
翔一はベルには男色の気があるのかと疑ったが、違う。ベルはただ単に翔一がいる事を確認して、ちゃんとそこに存在したことが嬉しかったのだ。
ベルにとって翔一は待ちに臨んでいた初めてのファミリアの仲間なのだ。だが昨日ベルは直ぐに寝てしまったので翔一が自分の願望が見せた夢だったのではないか心配だったのだ。
「私はこれからダンジョンに行ってきます。」
ヘスティアファミリアの朝の騒々しさに辟易し始めてきた翔一は先にホームを出る事にした。
「分かった、気をつけて行ってくるんだよ。」とヘスティアは翔一に見送りの言葉をかけ、ベルは「僕も一緒に行きます。」と急いで準備を始める。
「上で待っていますから、しっかり準備してきなさい。慌てていいことなど何もないですから。」
ベルにそう言い残し、翔一は階段を上がっていった。
廃教会の外に出て待っていたのは地球のものと何ら変わりないオラリオの朝日だった。
「朝に成れば地球に戻っているかと思いましたが、流石にそう虫のいい話はありませんでしたね。」
翔一はまぶしい朝日を浴びながら大きくため息を吐いた。
廃教会の外でまつ翔一にベルが合流した後、2人は翔一を冒険者として登録するためにギルドへと向かっていた。
道中、なにかとベルは翔一に話しかけるが翔一は「なるほど」とか「そうですか。」などとすまし顔で素気なく答えるだけだのだが、それでも何時も一人で歩く道を二人で歩いていると言う事だけで嬉しいのかベルはずっと笑顔だった。
並んで歩く二人の間は丁度人一人が入れるぐらいの距離。ベルは半分ほど距離を詰める。
「どうしました?」
「何でもないです。」
「そうですか。」
そっけない返事に会話が途切れた。
ベルは隣を無言で歩く翔一の顔そっと窺う。
翔一の方が背が高いので自然と見上げる形になる。
年上の男性を横から見上げながら歩く、その状況にベルは祖父の事を思い出していた。
ベルの祖父は彼にとって唯一の肉親で、とても優しく、だけどベルにイタズラを仕掛けたりと彼を振り回すちょっと困った元気な老人だった。
そんな殺しても死ななそうな老人だったベルの祖父の死は、しかし唐突に訪れた。用事で村を出た時モンスターに襲われたのだ。
ベルは悲しみに暮れ、思い出の中の祖父に会いに行き続けていた。
そして、思い出す、祖父が良くベルに語って聴かせていたハーレムや
そしてオラリオに来てできたファミリアと言うつながりはベルにとって新しい家族の絆だ。だから知らず知らずのうちにベルは自分より10歳近く年上の男性である翔一に父や兄を求めてしまい、父性を見出そうとしているのだろう。
「あの、ショーイチさん。」
ベルは意を決しって、もう一度話しかけるが翔一は手で、ベルを制止し、立ち止まる。
「どうしたんですか?」
「気づきませんか?」
戸惑っていたベルも翔一に言われ気づく。誰かが自分を見ていることに。
2人はあたりを見回す。
しかしそにあるのはカフェテラスの準備をするウェイトレス、路地裏に屯す獣人2人、植木鉢に水をやっている老人など何時もの大通りの朝の風景だけだった。
「ショーイチさん、今……」
「あぁ、誰かに見られていたようですね。」
「はい、何だか、こっちを観察している様な視線を感じました。」
翔一が感じたのはもっと殺気立った刺すような視線だったが雰囲気の感じ方など人個人の捉え方次第なのであまり気にしても仕方ない。今は視線の主を探すことの方が優先すべきことだと翔一は改めて神経を研ぎ澄ます。
タタッと翔一とベルに近づいてくる足音を翔一の耳が捕らえた。
その軽い音から子供か女性であることは予想がついたが一応翔一はベルを守るように背に隠した。
「あの……」
案の定話しかけてきたのは少女だった。
「なんでしょう?」
翔一が要件を問うと少女は少し申し訳なさそうに「いえ、私がお呼び止めしたのは、そちらの白髪の冒険者さんなんです。」と答えた。
「ぼっ僕ですか!?」
驚いたベルはまるでリスが巣穴から頭だけ出すように翔一の背中からひょっこり顔を出す。
「はい。」
朗らかにベルに向けて返事をする少女を翔一は不躾にならない程度に改めて観察する。服装は白いブラウスに膝下まで丈のある若草色のジャンパースカート。髪は鈍色、後頭部で一度まとめてあるぽーにーテール。化粧はしておらず、顔は髪と同じ色の瞳が大きいせいか幼い印象を受ける。
とても先ほどの殺気を孕んだ視線の主には見えなかったので翔一は道を譲って、少女とベルのやり取りを見守ることにした。
「これを落とされましたよ。」
そう言って少女がベルに差し出した手の平に乗っていたのは、紫紺の小さな結晶だった。
「これって……魔石?」
ベルはいつも魔石を入れている拳大の大きさの腰巾着を確認する。口はきつく結ばれ開いた様子はない……というかそもそも昨日全部換金したので元から何も入っていない。
「それ、僕の魔石じゃないと思います。」
少女の勘違いだろうとベルは正直に話すが少女は「いいえ、これは貴方が落とした魔石ですよ。」と譲らなかった。
少女が余にも自然体でそう言うのでベルもだんだんそんな気がしてきて魔石を受け取ることにする。
「ありがとうございました。」
ベルが少女の掌から魔石を取ろうとした時、少女はその手に自らの手をそっと重ねた。
いままで女の子に手を握られる機会などそうなかったベルは狼狽えるが少女はそれをよそに甘く語りかける。
「ところで冒険者さん、お名前は?」
「ベル・クラネルです。」
「ベルさん……ステキなお名前ですね。 私はシル・フローヴァって言います。」
シルが微笑みかけるとベルは一層舞い上がってしまう。
「感謝していただけるのならお願いがあるんでけどぉ。」
「はっはい。 何でしょう?」
ベルが了承するとシルは手を握ったまま、そっと顔を近づける。
「私この近くの豊穣の女主人って酒場で働いてるんです。帰りにでもよって頂けませんか?」
耳元でささやかれた言葉にベルは顔を真赤にして「今夜、伺います。」と返事をした。
ベルの返事に満足したのかシルは手を離し、可愛らしく微笑む。
そんな様子を脇で見ていた翔一はなんだこれはと顔をしかめる。最初は少年少女の甘酸っぱい青春の一ページと言う感じだったのにいつの間にかホステスの営業みたいではないか。
これ以上変な約束はさせない様に翔一はベルを急かすことにした。
「クラネル君、そろそろ行きますよ。」
その呼びかけにいささか正気を取り戻したベルは翔一に「はい。」と返事をしてから、シルに「あの、それじゃあまた今夜。」と断りを入れ、翔一と共にギルドに向かい歩き出した。
その後ろではシルが「はい、お待ちしてますね。」とベルの姿が見えなくなるまで小さく手を振っていた。
バベルの一階、ダンジョンへと意気揚々と向かう朝の冒険者の列、その中にあって一人、まるでダンジョン帰りの様に疲れた顔をし、肩を落としている者がいた。
ベル・クラネルだ。
「クラネル君、まだダンジョンに入る前ですよ。しゃきっとしなさい。」
「誰のせいでこんなに疲れたと思ってるんですか」
「別に疲れることなどなかったと思いますが?」
ベルの嫌味も糠に釘で翔一には通じていないようだ。
(はぁ、今朝はシルさんみたいな可愛い女の人に声をかけてもらって、良い一日になりそうだったのになぁ)
ベルは心の中でため息を漏らす。
ベルをこんなに疲れさせたのは少し前、ギルドでの出来事だ。
ギルドに着いたベルは自分のダンジョン攻略のアドバイザー、受付嬢のエイナに翔一の冒険者登録を頼んだ。エイナと翔一は昨日知りあっていたこともあり、登録自体はすんなり済んだのだがその後が問題だった。
ギルドは冒険初心者の損耗率を抑えるため、登録したばかりの者に対してナイフと革鎧、所謂初心者装備の貸与を行っているのだが借財の類が好きでない翔一はそれを断ったのだ。
これに不満の意を示したのはベル……ではなく翔一のアドバイザーにもなったエイナだ。
翔一の姿は昨日のスーツ姿そのままだったのだ。いくら仕立てが良くてもただの布では防御力など無いに等しい、エイナが難色を示すのも仕方がない。
しかし翔一も考えなしではない。今朝、ホームの廃教会の前でベルの準備を待っている間彼は自分の能力、主にG3ユニット召喚魔法を確認していた。召喚できる品目は魔力値に依存するので殆どの物はまだ召喚できなかったが何とか強化改修前のG3システム用自動小銃、GM-01スコーピオンとG3システム用バイク、ガードチェイサーのハンドルにもなる電磁警棒、ガードアクセラーの二つは召喚で来た。
電磁警棒であるガードアクセラーはともかく、パワードスーツであるG3システムの装着を前提に作られているGM-01は反動がきつすぎて普通は生身では扱えないのだがステイタスを得たおかげか両手で保持すれば何とか扱えた。
翔一はこれならば十分に距離を取って戦う事が出来ると確信していたので動きが疎外される恐れがある既製品の鎧は不要だと断じたのだ。
だがそれを知らないエイナは翔一と、何より翔一と一緒にダンジョンにもぐるベルの事を心配して強硬に初心者装備を借りていくように勧めた。
結局翔一は初心者装備を借りなかったのだが、この押問答の決着がつくまで借りないと言う翔一と借りて行けと言うエイナの板挟みになったベルは一日分の元気を使い果たしてしまった気分だった。
「クラネル君、そろそろダンジョンだ。気持ちを切り替えなさい。」
バベルの一階、ダンジョンへと入る入口は混雑を避けるため3つに分かれている。その一つの前で翔一はまるで生徒に注意する教師の様に振る舞う。
「はい。」
ベルもダンジョンの恐ろしさは身をもって知っているので素直に気合を入れ直す。
読んでいただきありがとうございました。
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