うちはサスケに転生して、欲望の限りを尽くす   作:量々

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第0話 目覚め

「大丈夫か?」

 

 俺が目を開けると、そこは真っ白な部屋、病室だった。

 

「う、あっ」

 

 頭の中を記憶が廻る。コンビニからの帰り道、歩道に突っ込んで来たトラック。そして、うちはサスケとして生まれ、両親を兄に殺され、気絶した記憶。

 どうやら俺は今まで前世の記憶を忘れ、うちはサスケとして転生し、生きてきたらしい。

 

「おい!

 大丈夫か!?

 自分が誰か分かるか!?」

 

 医者が必至に呼びかけてくる。俺はそんなに酷い顔してるのか。

 

「はい。うちはサスケです」

「…………良かった。これから――」

 

 医者が連々とこれから俺がどうなるかを説明している。それをぼーっと聞き流しながら、俺は今までの記憶を思い出す。

 

===============

 

「サスケー、勉強は?」

「めんどいー」

 

 忍者アカデミーに入学してすぐのことだ。兄は優秀だといつも両親に褒められ、父親はさすが俺の息子だ、なんて言っていたが、俺は勉学も修行も頑張るつもりはなかった。勉強は面倒くさいし、修行はつらい。俺達うちは一族は常人と比べて元々能力が高く、才能に恵まれているのだから大して努力しなくても、それなりに大成できるのだ。ついでに顔がいいからモテる。

 

 ほら、頑張る理由なんて無いだろ?

 

「もー」

 

 ・

 ・・

 ・・・

 

「サスケェ!」

「ひっ」

 

 テスト日を忘れ、一夜漬けすらしなかった俺は、鬼のような形相の母親と初めてみた真面目な表情で怒っている父親に大層ショックを受けていた。

 

「え…………?」

「お前…………!?」

 

 そう、豆腐メンタル甚だしい俺はそれに大きな精神的ショックを受け――

 

「へ?」

 

 ――写輪眼を開眼した。

 

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 忍術、体術、幻術をコピーできる力を持つ写輪眼。それを手に入れた俺はますます堕落するようになった。漫画やテレビを見ながら写輪眼を維持するのを修行と言い張り、アカデミーから帰れば家でゴロゴロする毎日。たまに母親から修行に行けと家を追い出されたが、適当な修行場で使われる術を写輪眼でコピーしてその日を過ごしていた。

 

 異常が起きたのはそんなある日のことだ。

 

 修行、もとい写輪眼による術のコピーが終わった帰り道。静かすぎる夜を怖がった俺は家に入るなり、親を探したが、見当たらない。俺の父親はうちは一族の頭領。家は屋敷のように広く、道場も存在する。

 両親と兄がいたのは、そこだ。

 

 死んだ両親と血に濡れた刀を持つ兄がいたのは。

 

 俺の頭には、父親が死んだらこれからの生活どうするんだとか、母親が死んだらご飯誰が作ってくれるんだとか、兄が犯罪者になったらこれから俺のアカデミー生活はどうなるんだとか、そんな思いでいっぱいになった。

 

「あ、ああ…………」

 

 頭に冷たいチャクラが吹き荒れるのを認識した。まるで母親に叱られて写輪眼を開眼したときのような。

 今思えば、我ながらなんて薄情な思考だ。これで小学生なんだから笑えない。豆腐メンタルで開眼した写輪眼は笑うしかなかったが、これは酷い。

 

 ついでに血や臓器の匂いとグロ映像で、俺は気絶した。

 

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「お前には、本当に驚かされる」

 

 父と母を斬り殺し、その姿を弟であるサスケに見せたのは俺を憎んでもらうためだ。それを生きる理由にしてもらうためだ。それがまさか、この年齢で万華鏡写輪眼を開眼することになるとは。……万華鏡を開眼する条件は近しい者が死ぬほどに大きな精神的ショックだ。主に喪失感や自身に対する失意によって開眼する。喪失感は対象への愛が大きければ大きいほどに酷くなるものだ。しかし、サスケのような年齢ではそこまで精神が発達しているとは思えないし、前例もない。

 それに、俺はサスケがそこまで両親を愛しているとは思っていなかった。子供は無条件に、無意識に、家族を愛するものだ。愛するはずなのだ。だが、サスケが家族を愛しているようには見えなかった。家族に興味があるようにも見えなかった。まるで本物の家族だと思ってないかのように。

  

 ただ、それは俺の勘違いだったようだが。

 

 俺は自然と笑みを零し、気絶したサスケを見下ろす。両親の死を切っ掛けに万華鏡に開眼したのだ。それだけ深く両親を愛していたのだろう。…………計画にはなかったが、ここで眼の交換も行ってしまうか。本来は将来サスケが万華鏡を開眼することがあれば、俺を殺させて眼をやるつもりだったのだが。

 

 なら、俺の命の使い道は――――

 

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 ――――うちは一族の生き残りは君だけに……」

 

 医者の説明を聞き流しつつ、俺は記憶の整理を終えた。これ、俺万華鏡写輪眼に開眼したな。ついでに俺の眼に宿った力も誰に言われるまでもなく理解できる。そこから分かることなのだが……、これ兄ちゃん万華鏡写輪眼交換したな!? 今の俺には原作知識があるからアレだけど、なかったら絶対混乱するぞ。サスケ以外全員殺しといて、俺の眼を奪うわけではなく交換て。原作的にサスケの命は任務より重かったと一緒で、雑な辻褄合わせより、俺の強化の方が重かったんだろう。あのブラコン的に考えて。

 

 ――だから、うちは一族の遺産は全て君に……」

「マジか!?」

「え、あ、はい」

 

 素晴らしい!

 これもう働かなくて良いのでは?

 アカデミー行かなくて良いのでは?

 忍者になる必要もないでのは?

 

 …………いや、それはイカンか。 

 俺大蛇丸に狙われるんだもんな。力はいるわ。イタチが眼を光らせてる内は木の葉の暗部、主にダンゾウに狙われる心配はないから万華鏡は好きに使っても構わないだろうが。ん? むしろ見せつけたほうが良いか。里の上層部はイタチが生きてる限り俺に手出しできないんだから、俺を守るしか無いんだ。大蛇丸や暁から。

 

 ……やっぱり働かなくてよくね?

 

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