「まさか、先代雷影と戦うことになるとはなッ!」
儂は全力の雷遁チャクラモードを発動し、同じく雷遁チャクラモードを発動する三代目雷影に対峙する。穢土転生は体力もチャクラも切れないのが特徴だ。持久戦に意味はない。全力で行くッ!
「儂が抑えるッ!
封印班、準備を怠るなよッ!」
音の里が木ノ葉の火影を倒すのに、風影の穢土転生体を使ったという話を仕入れられたのは大きかったな。封印班や拘束班を構築し、戦線を整えることが出来た。暗部の報告を聞く限り、木ノ葉の里本隊は霧の里に掛り切り。儂らが穢土転生体を潰せば、木ノ葉は終わりだ。
もしくは、人柱力のユギトかキラービーが木ノ葉の精鋭を撃破するか、だ。人柱力はその力を最大限発揮するために本隊から離して運用する事になっている。だからこそ狙われたが、援軍は送りにくい。遠距離から観測班こそ付けてあるものの、尾獣化してしまえば援軍は足手まといに成りかねない。尾獣と共に戦えるものなど、儂ぐらいだ。
だからといって、儂以外に三代目雷影を抑えられる人間もおらん。
「行くぞッ!」
死ぬなよ、ビー。
===============================
「あれが、八尾の人柱力……」
「あぁ」
「アイツかッ!」
バレてるYO!
『本隊から離れてるから当然だな』
八尾の声が、俺の頭に響く。
分かってたのに3人でやってきたのか。
『油断するなよ。
アイツら、雷影が言ってた奴だ』
覚えてないYO!
『…………写輪眼のカカシ、体術使いマイトガイ、どちらも木ノ葉最強クラスの上忍だとか言ってたな』
後ろの女は誰だYO!
『さぁ?
雷影が見せたビンゴブックの中にはなかったな』
ならバックアップだろうYO!
まずはウォーミングアップだYO!
「ウィィィィィィ!」
俺の周囲を尾獣の衣が包む。尻尾の数は七。但し、チャクラの密度は皮膚が剥がれるほどには高めていない。
『最初からそれか』
相手も衣をまとっている以上!
やるならこのモード以上!
そう、あの白髪と眉毛と女、全員尾獣の衣を纏っていた。恐らく九尾からチャクラを渡されているのだろう。尾獣のチャクラを他人に渡せるよう変換するなど、完全に尾獣と和解し、完璧に力を使いこなす俺にも出来ないことだ。
つまり、アレは九尾か人柱力側かの固有能力だと思っていい。
同じように衣を纏わないと、戦いにもならないだろうYO!
「但し、そちらは上限が制限!
こちらは上限無制限!」
「だから、こちらも最初から全力だ」
「行くぞーッ!」
眉毛から更に爆発的なチャクラが吹き出る。
『八門遁甲、七門まで開いてやがるッ!』
なんだYO?それYO?
そんな事を考えた瞬間、もう眉毛が目の前に居た。
「速すぎるYO!?」
『雷影並か……いや、衣の分コイツの方が早い』
俺も雷影の雷遁チャクラモードと力を合わせられるよう鍛えている身だ。最初の数発は逸した。しかし、それまでだ。流石に速すぎる。当然のようにぶっ飛ばされた。
『あのレベルじゃ、そう何発も食らうのは不味いぞ』
分かってるYO!
上げていくよYO!
俺の衣の密度が上昇し、再生より尾獣のチャクラによるダメージの方が上回り、皮膚が剥がれていく。
「ヨッ、と!」
「ッ!」
更に右腕に力を集め、小型八尾の頭蓋が形成されていく。尾獣とはチャクラの塊。
この一撃なら、あの薄い衣程度貫通ぅ!
アイツの体、真っ二つぅ!
【ラリアット】
「…………」
あ?
俺が眉に突撃すると同時、あの眉が引くのも同時!
背後から来た何かがその眉と入れ違いに俺に突撃!
俺も容赦なく突撃!
『あの女、まさかッ!』
「ラリアットォォ!」
結果は――
「大したことないのね」
――それは衝撃。
おれは驚愕。
「怪力すぎるYO!」
俺の右腕は、あの女の拳とぶつかり、消し飛んでいた。
よく見ると、あの女の額から体に黒い紋章と、額と目元に赤い紋章が走ってるYO!
アレがカラクリ、あってるYO?
『伝説の三忍と同じ百豪の術に蛞蝓仙術と来たか』
つまり?
『一時的だろうが、アレはビーの尾獣化チャクラモード2の全力を、瞬間的なチャクラ量で超えられるだけの人外だ』
おー!
俺がチャクラの化物は常識!
アイツはチャクラの人外非常識!
「しかし、俺は怪物!」
「来るぞッ!」
「お前ら、それを見物!」
【尾獣化】
「人柱変化イェーッ!」
俺は完全な八尾へと変化した。完全な尾獣化は体力を膨大に消費する。普通はチャクラモード2、もしくは頭部や足だけなんかの部分変化で済ませるところ。しかし、腕を持ってかれちゃぁ出し惜しみしてる場合じゃあねェ。例え人型の俺を圧倒できたところで、この状態なら100m近いサイズ差がある。
それでも正面から殴り合えると思うのなら――
「デカイッ!」
「――やってみろ!」
==================================
【神威】
「ぇ…………」
予定通り、八尾が完全に尾獣化したその瞬間、ずっと万華鏡写輪眼を発動状態で後方待機していたカカシ先生が動いた。身に纏った九尾のチャクラを全て消費して八尾の体半分を丸ごと遠くへ飛ばしたのだ。結果、真っ二つになった尾獣の半身はニヤついた笑みのまま、消えた半身側に倒れ込み、人柱力へと戻っていく。
「あ」
「あー……」
その先に現れたのは尾獣と同じく、真っ二つになった半身の人間。
つまり――
「任務完了だ」
――もう死んでる。
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「……来たか」
私は三方向に現れたバカでかいカエルを見て悟った。
二尾の人柱力たる私を止めに来た木ノ葉の忍だと。雷影様から聞かされてはいたが、その中でも大当たりだ。
蝦蟇仙人こと自来也。四代目火影の師匠にして、木ノ葉の最高戦力。今の木ノ葉には九尾と一尾の人柱力、それに砂の里を潰したうちはの小僧がいるものの、どれも本体は子供で付け入る隙はありそうだったが、コイツはかつての大戦を生き残った忍の一人。衰えていなければ、指名手配中の大蛇丸と同じく単体で小国くらいなら潰せるだろう怪物だ。
「だが、私も言葉通りの怪物だ」
【尾獣化】
私の姿は巨大な青く燃え盛る猫又へと変化した。
意識を保ったまま完全に尾獣化できるのは私を含めた雲の国の人柱力くらいだ。人間の知性と忍術と体術を扱う尾獣の恐ろしさを教えてやる。
【尾獣玉】
まだ3匹は遠い。この包囲を敷くために隠れていたからだろう。尾獣玉を生成し、一匹消し飛ばすだけの時間はある。
「ッ!」
三方向から躊躇なく突撃してくるか。口寄動物は呼び出された動物側から元の場所へ還る権利がある。つまり、尾獣玉を食らう直前に還るつもりなわけだ。
「ナメラレテモノダ」
私は尾獣玉を口元で衝撃波に変えて放出する。
「っ!」
ポフン、と一匹目が食らう前に消える。そして、その直後に私は衝撃波を120°横へ薙ぎ払った。
「なッ!」
ポフン、と二匹目が消える。私はその勢いのまま、更に三匹目へと衝撃波を向けた。
「これが、知性を持った尾獣って事かいな」
そんな言葉を最後に、ポフンと最後の一匹が消える。
あの口寄動物に尾獣ほどの耐久力はない。これで十分なのだ。……こうなっては本体は出てこないかもしれんな。あの巨大なカエル達を主力にしていたのならこの時点で大分キツイはず。あの三体を呼び出すのにもそれなりのチャクラを使ったはずだし。
ただ、どの道三体中ニ体がたどり着いたとしても、問題なかったがな。二尾はその肉体が霊体で出来ている。故に物理攻撃の効果は薄い。じゃあ火遁か雷遁かで攻めればいいかと言うとそうでもない。この肉体は燃え盛っている。火遁は基本的に効果がない。もちろん、雷遁で焼け焦げることもない。まぁ、この巨体を痺れさせるほどの雷遁を継続的に放てるというのなら多少の意味は持つかもしれないが。
「なっ!?」
【仙法・超大玉螺旋丸】
突然背後からの身を削る程の衝撃に襲われた。50m程のサイズに留めているとはいえ、この巨体を宙に浮かす程の破壊力。自来也か。数百メートルほど宙を飛び、空中で姿勢を立て直すと同時、それを見た。二匹の小さなカエルを肩に乗せ、赤い模様を顔に映した者を。人が個人で扱う術で、尾獣をふっ飛ばすなど、やはり怪物か、自来也。
それにしても、どこから現れたのやら。尾獣玉で土煙が舞い、視界が悪くなってはいた。が、その直前まではカエル以外を見なかったのも事実。まさか視界が悪くなった瞬間から駆け出して間に合ったというわけではあるまい。それでは雷影様並の速度だ。
だとすれば……あのカエルか。
ただあの巨大なカエルの背中に乗っていただけなら、カエルが還った瞬間尾獣玉で消し飛んでいるはず。恐らく何らかの術で躱していたのだろう。
「まずは先制攻撃成功、ですのぉ」
「フン」
爺が。
たしかにこの術の威力は大したものだ。この体が削れる程度には。
しかし、
「ぬ?」
私の体が再生していく。尾獣の体はチャクラで構成されたもの。血が通っているわけではないし、内臓があるわけでもない。ただ、削られた体を即時再生できるのは二尾ぐらいのものだろう。普通は一度人柱力の中に引っ込んで回復を待つ必要がある。もちろん尾獣の体が削られたり切り取られたりしたところで人柱力へのダメージはない。尾獣の体を半分くらい消し飛ばされでもすれば話は別だが。
この術が最高威力の攻撃だというのなら、この爺に私を殺すことは出来やしない。ついでに今ので距離も取れた。先に着地した自来也がすでにこちらに向かって走り始めているが間に合うまい。距離が取れれば火を噴くなり、尾獣玉で薙ぎ払うなりして殺してやる。
「ッ!」
爺の肩に乗っているカエルが水を吹いた。着地際を狙われているゆえに回避は不可能。なら、
「ガァァァ!」
私も火を吹く。これはあの細い水に向けて放たれるものではない。爺に向けた炎弾だ。込められたチャクラ量と、それに寄るスピードは人に躱せるものではない、はずなのだが――
「速いのぉ」
――爺はそれを容易く避ける。
「チッ!」
私が炎弾を撃つと同時に攻撃範囲から出ていたように見えた。感知系の忍術を使っているのかもしれんな。その後、私の着地と同時に鋭い水流が体を深く刻んだ。そう、思いの外深い傷だ。確かにこの体に水遁は弱点なのだが、こんな切れ味のある遠距離系の水遁忍術は初めて見たな。術の威力が尋常じゃない。尤も、切り裂いたところですぐに再生するし、燃え盛るこの体を鎮火させようと思ったら尾獣並みの水量を扱う水遁忍術が必要になる。それは現実的ではない。
だから、私の有利は動かない。
「ガァァァァァッ!」
「ほぉ」
私は炎を下に吐く。あの爺が早いのはわかった。速いかどうかはともかく、早い。なら、距離を詰められないようにするのを優先しよう。ただの炎ならともかく、完全な尾獣がチャクラを込めた炎だ。そう簡単に消えはしない。そして、こんな見晴らしのいい場所で逃げられることもないだろう。
【土遁・黄泉沼】
「フン!」
足元がそれなりに深そうな沼になるが、何の問題もない。霊体で出来た体に、忍者としてチャクラを操作する技量まであるのだ。沈みきる訳がないし、炎も消えん。多少小回りがききにくなった程度。
【尾獣玉】
こちらに近づけない、隠れるところもない、決め手となる忍術もない。
コレで終わりだ。
【屋台崩しの術】
「ナッ!」
私は真上からの衝撃で半身が沼に沈んだ。まさか、手元ではなく、相手の真上から口寄動物を召喚できるとは。私は口元の尾獣玉を、真上に向ける。
「ぬぉっ!?」
私を踏み台に、カエルはすぐに飛び退いた。この尾獣玉に触れれば、その部分は消し飛んでいただろうに。それでもカエルの着地に合わせて尾獣玉を衝撃波にして放った。
ポフン。
だろうな。
「よそ見はいかんのぉ」
「チッ」
【仙法・超大玉螺旋丸】
最初の焼き直しだな。
背後から食らって再び数百メートル吹っ飛ばされる。
「ふー」
「フン」
例え同じことの繰り返しでも、人間と尾獣では体力が違う。チャクラの量が違う。私は戦闘に私自身のチャクラを使う必要がない。まだまだ尾獣のチャクラにも余裕がある。比べてアイツはバカでかいカエルを四匹、肩に乗せている上忍以上の水遁忍術を使うカエル二匹を口寄せしている。使用忍術も私を吹き飛ばすほどの忍術を二回。ここまででかなりのチャクラを消費したはずだ。
コイツ一人倒すだけなら余裕だろう。
体力勝負になるから時間は掛かるだろうし、主戦場でどれだけ戦える余力が残るかもわからない。しかし、雷影様の言葉によると、そもそもこの戦争は木ノ葉が大変不利な戦争だ。尾獣である私が足止めされても、十分勝利できるくらいに。尾獣を足止めできるほどの忍が死力を尽くし私と戦っているというだけで私の役割は果たせていると言っていい。もちろん、ここから負けて人柱力である私が攫われるようなことがあれば、話は別だが。
=======================
「今だッ!
やれィ!」
儂が三代目雷影を捕まえ、封印班に命令する。三代目雷影の雷遁チャクラモードによる鎧は固い。儂でも傷をつけるのは難しい。だが、同じ雷遁チャクラモードで動きを止めることはできる。
「ハッ!」
封印班が封印の術式が書かれた布で巻取り、封印していく。これもなりふり構わず集めた術の一つだ。忍の世界は力こそが正義。最近は各国間の緊張緩和で軍縮だの、軍備削減だのと五大国も軍事力を軽視し始めとるが、儂ら雲の里は未だ軍拡を続けてとる。これもその成果だ。
最近は自里の軍縮の代わりに暁なる傭兵集団を雇って事を済ませる里も出てきたとか。さすがに大名達が決めたこの戦に出てくることはないだろうが。だからこそ、軍事を軽視してきた他里が木ノ葉を相手にどこまで被害を出すのか見ものだな。
「雷影様、治療を!」
「あぁ」
それにしてもこの穢土転生は大した術だ。確かこれを完成させたのも元暁所属の大蛇丸だったな。三代目雷影の力をよく再現できている。
片腕で済んで良しとせねば。
=================================
「ようやく、か」
雲の里の忍2000と殆どの上忍を投入してようやくだ。
「あぁ」
さすがに忍刀七人衆の前任者七人の穢土転生体はだるい。刀を持っていなかったやつもいるし、五影クラスほどバカげた力も持っていなかったが、上忍の中でも最上位クラスと言うだけで十分だるい。下忍、中忍がサクサク殺されるもんだから、上忍主体で一体ずつ仕留めていくしかなかった。上忍なんて五大国の隠れ里でも一つの里に50もいない。故に、殆どの上忍をここに集中投入していた。
一応もう一方、第ニ部隊、第三部隊の指揮官として一人づつ配置されているが、直接前線にはでていないはずだ。殺されたという報告はないからな。
「第二部隊に通告しろ。第一部隊は対象を撃破。第二部隊の応援に向かうと」
「第三部隊には?」
「……もうしばらく耐えてもらうしかねぇよ」
なにせ、歴代五影である二代目水影の穢土転生体が第二部隊と、二代目土影の穢土転生体が第三部隊と相対しているのだ。三代目雷影様は、かつて五大国一つの忍の軍を丸ごと、つまり一万の忍とたった一人で三日三晩殺し合った。二代目水影や二代目土影がそれほど強いとは思いたくないが、4000近い忍と今尚戦闘が続いているというだけでその強さは想像の埒外にあるだろう。今回穢土転生体の三代目雷影様は現雷影様がなんとかしてくれたようだが、片腕を失いチャクラの殆どを損耗して戦線離脱。俺たちは上忍の集中運用でまだ余裕があるが、第二部隊と第三部隊に上忍を半分ずつ振り分けて勝てる保証はない。……大蛇丸は一人で小国を落とせるレベルと聞いたが、穢土転生含めりゃむしろ大国を落としかねないレベルだな。
「だるいわ」
もちろん、人柱力がいなければの話だがな。
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「悲惨だな」
俺達第一部隊が辿り着いた戦場には、五百人以上の死体が転がっていた。四千近い忍を動員してこれ、か。たった一人で三千人を圧倒しているのは二代目水影だ。ここまで移動する間に、情報は上がっている。二代目水影は超広範囲に幻術を展開し、視覚を弄る。弄ると言っても二代目水影と、それを映し出す貝型の口寄動物の偽物を作り出し、本物を完全な透明状態かつ感知不可能にするもの。幻術で体の動きを止めることも、視界を潰すような効果もない。幻術としては自身の姿を隠せるだけだから効果としては大したものではない。が、本体をどうにかする以外に解除することが出来ないとなれば話は別だ。普通幻術は掛けられたことがわかれば、別の人間に幻術返しをしてもらえば解除できる。しかし、この幻術は効果が限定的である代わりにその強度はある種圧倒的なまでに高い。
「ダルイさん」
「あぁ。
作戦開始だ」
そのために即席で練った策がこれ。
【雷遁・雷撃】
上忍が散らばり、幻術の効果範囲内で一斉に雷撃を行う。二代目水影が強いのはとにかく位置が判明しないから、だ。それを使った状態の本人の戦闘能力としては、報告を受ける限り、五影の中では大したものではないと言っていい。一人ずつ着々と殺されていったようだが、人間離れした術は使ってこない。ならば、上忍を散らしたところで狙われた人間が逃げ回ることに徹すれば逃げ切れんこともないだろう。それは二代目水影本体が大して強くないのか、この超広域に渡る幻術を展開しているから他に大した術が使えないのか、自身の居場所がバレないようにしている結果なのか。
どちらにせよ、優先するべきは二代目水影の位置の特定だ。感知忍術が機能しないのなら、物理的に感知してしまえばいい。具体的には広範囲に雷を起こす雷撃でその空間に何が居るか確かめればいい。大した威力のない薄い雷撃なら大してチャクラも消費しない。これなら――
「いましたッ!
当たりです!」
「――でかした!」
ニ班分、8人の上忍がすぐにその位置に畳み掛ける。雷の衝撃波で正確な位置を集まった者に認識させ、雷のチャクラが通った忍刀を複数人が差し込み、そこから雷遁・サンダーボルトなど電流を流し込んで、中を焼いていく。
これは先程の戦いでも思ったが、上忍複数が集まると流石に判断も速い。攻略も一瞬だったな。
「消えたぞッ!」
幻術で現れていた偽の二代目水影が消えたのを、元から相手にしていた中忍、下忍達が確認する。本体は未だ姿を表していないが、
「本体はあの岩の向こうだッ!」
幻術さえ破れれば感知ができる。
【雷遁・黒斑差】
俺は豹の形をした黒い雷をそこへ向ける。同時に上忍達がその向こう側へと回り込んで行く。あとは速やかに、かつ確実に追い詰めていくだけだ。
【水遁・蒸気暴威】
「ッ!」
岩陰から、高さ数十メートル程のバカでかい水しぶきが舞った。
「無事か?」
「はい、全員無事です」
回り込んでいた者たちも、ある程度距離をとっていたので十分回避が間に合ったようだ。焦らず確実に、という戦い方が功を奏したか、そもそもあの水しぶき自体に危険があったのかも不明だが。
「あれは……」
「幻術でしょうか?」
上空に半透明でバカでかい顔が映っていた。
「水蒸気……物理的なものに見えるな」
「っ!」
それが、一体の人形へと変わり、氷の粒、霰が降り出した。
「確かめます」
【雷遁・雷撃】
複数人の上忍が、人形に広範囲の雷撃を放つ。
「速いな」
人形が岩の隙間と地上スレスレを飛び回り、避けきった。
「幻術ではなさそうですね」
「この霰も物理的なものです」
「本体は?」
「…………更に離れていますが、あの辺りですね」
「こちらで本体を追う。第二部隊でアレを抑えさせろ」
「了解」
==============
ダルイも無茶を言う。
人形が、水影の方向へ向く。
「止めろッ!」
第二部隊を任されている俺としてはあの人形を行かせる訳にはいかない。
【瞬身の術】
前衛の100人程が瞬身で突っ込む。とはいえ、第二部隊は中忍以下で構成されているので大した速度ではない。そして、待っていたとばかりにその人形が振り返り、その腕から水の刃を構築し、
「あっ」
数人の首が跳んだ。
「足止めだッ!
先の雷撃を参考に、近寄らせるなッ!」
「はっ!」
【雷遁・雷撃】
【雷遁・散雫】
【雷遁・雷球】
拡散する雷、雷で出来た散弾、雷の球が人形とその周辺に飛び交う。すると、人形は真上に向かって高速で上昇する。
「まずっ…………は?」
高速で移動すると同時に10mほどに巨大化した。そして――
「ぁ」
――爆散した。
周囲100人程を巻き込んで爆散した。
周囲に水しぶきが撒き散らされ、水蒸気が広がる。
「狼狽えるなッ!
人形の足止めを……」
「ぐぁッ!」
「何?」
なぜこちらに来る?
あの上忍部隊さえ仕留めてしまえばこちらに抵抗できる戦力はなくなる。先にあっちに行くべきだ。確かに今俺達は水蒸気で視界を遮られ、絶好のチャンスではあるが、俺たちはそんな事をされずとも圧倒されていただろうに。
「あの穢土転生体、そういう考え方ができないのか?」
見る限り一切喋らないし、意思も感じられない。オートで反撃するだけなら、やりようもあるか。
「自衛を優先しろ!
但し、離れることは許さん。
恐らくそれだけで人形は引きつけられる!」
後は上忍部隊がどれだけ迅速に水影を仕留められるかに掛かってるな。こちらの被害がどれだけ広がるかは。
================================
「ありえねぇ」
第三部隊を任されたのは光栄な話だが、これはないだろ。二代目土影だと報告できたのはいいが、指揮官である俺も死にそうだ。
最初の不意打ちで死んだのが500人で済んで良かったとすら思ってしまうほど、馬鹿げている。
「感知できません」
だろうな。
二代目水影も感知できないらしいが、あっちは地上にいるだけマシだ。火力も低いだけましだ。
「来ますッ!
2時の方向!」
さすがに術を使う瞬間は感知できるか。但し、上空に居る以上、攻撃はできないし、
「退避ーッ!」
攻撃範囲もかなり広い。白い正方形が出現し、数瞬後にその中にいた人間も地形も丸ごと消滅する。それが塵遁だ。
「ここを狙ってきませんね」
「あぁ」
中心地であり、指揮官の俺を狙いに来ないのは慎重とも言えるが、あそこまでぶっ飛んだ強さを持ってるのに来ないのは臆病通り越して不自然だ。
「また消えました」
攻撃する瞬間以外感知すら不可能になるのだから、嫌になる。神経を削るし、反撃の手段もない以上、士気も下がりっぱなしだ。もちろん、こちらの狙いは足止め一本だと伝えてはいるが、このままだと全滅しかねない。
そもそも上忍の集中運用でコイツを倒せるのか?
人柱力を引っ張って来ない限り攻撃すら届かないのでは?
ついでに言えば穢土転生体であるせいでチャクラが尽きない以上、コイツ一人に雲の里全軍が――
「次来ますッ!」
――っと、そんな事は俺が考えることじゃねぇな。
俺がするべきは戦況の報告と時間稼ぎだ。
判断するのは、あくまで司令部だからな。
第6話~第7話(中忍試験第三試験予選前半)で、どの戦闘シーンが一番良かったですか?
-
VS大蛇丸
-
ナルトVSシノ
-
シカマルVSカンクロウ
-
サクラVSキバ
-
なし