うちはサスケに転生して、欲望の限りを尽くす   作:量々

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第1話 未来の火影

 同級生たちは俺が変わったと言っている。もちろん、それは前世の記憶を思い出したからではなく、うちは一族が俺を残して皆殺しにされ、その犯人が俺の兄だったからだと思われている。具体的には交友関係が大きく変わった。普段は遊びに誘われても断り、家でゴロゴロしていることが殆どで、交友関係そのものが無かった。本当に子供らくしない子供である。多分、記憶をなくしていたとはいえ、俺のボッチ精神が宿っていたせいだろう。原作からしてボッチだったとか言ってはいけない。

 

 それが、週1で皆との忍者ごっこに混ざるようになった。特に、名家の原作キャラ達には顔を繋いでおいて損はない。それに、週3で女の子を連れ込むようになった。と書くと何やら怪しい感じになるが、まだ8歳だ。健全に遊んでいる。……最後までしてなければ健全だ。 少なくとも8歳の女の子がするようなつまらないごっこ遊びには付き合っていない。少し大人なおままごとはしていたり。将来は遺産で女を複数囲ってうちは一族再興計画なんてものも考えてたり。それ以外の日は、ナルトと遊ぶようになった。

 ナルトは4代目火影の子供にして将来の火影だ。擦り寄っておくに限る。だから、今日もナルトの修行に付き合っていた。

 

「うおー! やったってばよー! サスケぇー!!」

「おお、ようやくか」

 

 ナルトは木に登って手を振っていた。俺が最初にナルトに教えたのは下忍で最初に覚えるチャクラの制御術。俺は写輪眼を先に開眼してしまったから修行場で制御術そのものをコピーしているのでこの修業はしていない。簡単に言えば、チャクラを足の裏に集め、木と足を吸着させることで90度垂直の壁、木の側面を手を使わず登る修行だ。原作でもやっていた修行だな。集めすぎると反発力を生むし、少なければ吸着力が足りなくなる。だから、繊細なチャクラコントロールが必要なのだ。チャクラを集めるのが一番難しい足の裏でできるなら他の事もできるだろうとかなんとか。

 

 ちなみにその間、俺は右目の永遠の万華鏡写輪眼に宿った術、炎遁・迦具土の練習だ。迦具土は消えない黒炎を近距離で発生させる事と、それを制御する事ができる。左目に宿った炎遁・天照は遠距離でもピントの合った視点から黒炎を発生させる単純かつ強力な術なので練習の必要性が薄いが、迦具土は違う。こっちはどちらかと言うと防御用、強化用だ。黒炎を纏えばある程度の防御になるし、適当な忍術に付与すれば威力の強化に使用できる。それぞれ黒炎の繊細な制御が必要になるので要練習だ。形態変化できるという点から印なしで他の忍術を黒炎で再現、なんてこともできるようになるかもしれない。

 

 ……そもそも基本当たれば終わりの消えない黒炎を何かの威力強化に使うぐらいなら天照一本でいいような気がするけどな。天照は一応チャクラ消費が大きいから使い分けになるといえばなるかのだが。写輪眼から、万華鏡へ、そして永遠の万華鏡へと段階が進むごとに俺自身のチャクラの質が驚くほど向上しているのでチャクラ消費量についてあまり考えなくて良くなったのもそれに拍車を掛ける。

 

 迦具土いらなくね? 

 

「んでんで、次は何を教えてくれるんだってばよ!?」

「待て。

 お前はこれで対価を払えるようにもなっただろ?

 そっちが先だ」

「あー……確かオレのチャクラがどうのって」

 

 そう。正確にはアシュラの転生体たるナルトが持つアシュラのチャクラが欲しいんだ。サスケが持つインドラのチャクラ、ナルトが持つアシュラのチャクラ。この両方と永遠の万華鏡写輪眼を持つことが輪廻眼を開眼する条件だから。原作では六道仙人から直接輪廻写輪眼を貰っていたが、できればあんな状況には陥りたくない。輪廻写輪眼のように輪廻眼と写輪眼の力を併せ持った眼は手に入らないだろうが、とりあえず輪廻眼は欲しい。開眼することで、更にチャクラの質も上がるだろうしな。

 

 ということで、ナルトがチャクラの制御術を手に入れるのを待っていたわけだ。待っていたと言うか、待っていられなかったので教え込んだが正しいが。火影の息子に近づけるし、ナルトは俺という友だちができるし、俺も輪廻眼が手に入る。これぞwin-winの関係というものだ。

  

「こんでいいのかってばよ?」

 

 ナルトが手にチャクラを集める。俺の肩に手を置き、そこから俺にチャクラが流れ込んで来る。…………そのチャクラに懐かしいような不思議な感覚を覚えた。恐らく、インドラがアシュラのチャクラに共鳴しているのだろう。気の所為かも知らんが。

 

 ちなみにナルトには術を教える対価にチャクラを定期的に渡せと言っている。……なんだかカツアゲしているような字面だ。

 

「ああ、それでいい」

 

 チャクラが体に馴染んで行くと同時に、自身のチャクラに変化を感じる。新たな力が芽生え始めている証拠だ。うちはマダラはインドラとアシュラのチャクラについて知らなかったから、柱間の細胞を直接取り込んで、結果的にアシュラのチャクラを手に入れ、長い年月を経て輪廻眼を開眼した。俺の場合は直接取り込み、意識的に全身に巡らせているのもあってか、明日にも輪廻眼が開眼するような気がする。

 

「んじゃ、おれのしゅ……ぎょ?」

 

 パタン、とナルトが倒れ込んだ。そりゃ日が暮れるまで木登り修行をして、残ったチャクラを全部俺に流し込めばそうなるわな。初めてチャクラを受け渡したナルトが、加減できるわけもなかった。

 

【影分身の術】

 

 分身がナルトを担ぎ、ナルトが一人暮らししている一室に運んで行く。まだ8歳だと言うのにナルトも俺も一人暮らしだ。8歳といえばどう考えてもありえない年齢に思えるが、6歳で部隊長クラスたる中忍を任される人もいる世界だ。8歳で一人暮らしできる世界なんだろ。多分。ナルトは火影にカップラーメンの作り方を教わってラーメンばかり食べているようだが。元の世界なら完全に虐待である。

 俺? 俺は莫大な資産を継いだからな。家政婦を雇った。そもそもこんなバカでかい屋敷をオレ一人で維持できるわけがない。母親はどうやって維持していたのだろう。掃除に忍術でも使ってたのか。

 というか、ナルトにも四代目火影の遺産があるんじゃないのか?

 原作では小遣いを貯めていた描写があったことから裕福だったとは思えない。謎だ。

 

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「サスケぇー!」

「声がうるさい」

 

 今日のナルトはやたらとテンションが高い。うちは一族所有の森林、もとい修行場で待ち合わせるのだが、いつにもましてテンションが高い。

 

「昨日はやることがなかったんだってばよー!」

「あー」

 

 ナルトとの修行は一日置き。一昨日木登りの修行を終えて、次の修行内容を伝えずに家に送り返したから、昨日は暇だったらしい。この頃のナルトは化け狐がどうのと皆に避けられてる時期だからな。

 

「んでんで、今日は何をやるんだってばよー!?」

「……その前に、今日はお前の中のヤツを調べる」

「ヒッ!

 サスケってばそんな趣味が!?」

「ねーよ!

 どこでそんな事知ったんだお前は……」

「一楽のねーちゃんが男同士の」

「もういい、わかった」

 

 一楽の看板娘アヤメ、腐っていたのか……。8歳児に何話してんだよ。いや、この頃だとアヤメ本人もまだ成人してないんじゃ? 深く考えるのはやめよう……。

 

「そんで、どうするんだってばよ?」

「少し待ってろ」

 

 俺は昨日、永遠の万華鏡写輪眼の先、輪廻眼を開眼した。更に向上したチャクラの質、この時点で俺が楽して強くなれる上限が恐らくここなのだろうと悟った。なら、九尾への干渉を試して見る価値はある。

 

【永遠の万華鏡写輪眼】

 

「うへ。

 なんだってばよ、その眼」

「黙れ」

 

 ナルトの戯言は無視して、ナルトの精神世界へと侵入する。

 …………カッコよくないか? この瞳。

 

==================

 

「貴様ぁ、まさかその眼はァ!」

「黙れ」

 

 着いた場所は九尾が入った檻の前。

 

 即座に幻術を発動する。

 

【幻術・写輪眼】

 

 これが眼を合わせた、ただそれだけで相手の動きを止める幻術。目を合わせただけで相手の動きを止められるという使い勝手の良さから、原作の最後の最後まで使われ続けた幻術だ。この幻術が掛かるかどうかは術者の力量によるところが大きい。例えば六道仙人から陰の力を手に入れたサスケは一瞥するだけで尾獣9体をこの幻覚に嵌めた。

 今の俺も輪廻眼を開眼してはいるものの、六道仙人から力を貰ったサスケには程遠い。

 

 それでも、九尾1体を嵌めるだけなら難しくもないようだ。

 

「グゥ、ゥ…………」

 

 九尾の眼に、写輪眼の文様が浮かび上がる。

 

「長くは持たん、か」

 

 チャクラの質がいくら良くてもチャクラ量が少ないのがまずいのか。それとも俺の幻術が下手なのか。恐らく5分ほどしか持たない。しかし、今はそれで十分だ。

 

【輪廻眼】

 

 眼を万華鏡から輪廻眼へと変更する。輪廻写輪眼ではないので一々眼を変える必要があるのは不便だな。

 

 俺は、九尾が入った檻の中に踏み込み、九尾の体に手を当てる。

 

【封術吸引】

 

「ゥ、ゥァ…………」

 

 輪廻眼の基本能力の一つ。触れた術、もしくは触れた相手からチャクラを吸引する術だ。吸い込んだチャクラは体内で霧散させることも、自身のそれに還元することもできる。そして今回したかったのは後者だ。還元されたチャクラは自身の上限を超えて保存できる。もちろん外道魔像でもないので保存しておけるチャクラには限度があるだろうが。

 ちなみに自身のチャクラに還元されるので、このチャクラを使って九尾の衣を作ることは出来ない。俺にはスサノオがあるのでそこは問題にならないが。スサノオは両眼に万華鏡写輪眼の能力が宿った時、本人そのものに宿る術。故に輪廻眼との併用も可能だしな。

ついでにいうと、ナルトが自身のチャクラを渡したように、ナルトが九尾のチャクラを誰かに渡すことは難しい。その場合九尾の衣を作れるだろうが、九尾のチャクラは基本的に毒だ。そのまま渡せばまず間違いなく死ぬ。うずまき一族のナルトだからこそチャクラの毒に耐えられるのだ。輪廻眼のように九尾のチャクラすら自身のそれに還元できるようなチャクラ吸収技能があれば話は別だが。

 

 3分程吸引し、九尾が干乾び初めたところで、声が響き渡った。

 

「あー!

 何だってばよ!

 そのガリガリでバカでかい……狐?」

「ナルトか」

 

 俺は手を離し、檻の外へ出る。

 

「サスケェー!

 ここどこだってばよ!?」

 

 精神世界に侵入されると本人も来るのは仕様か? もしくは俺の写輪眼が拙いからなのか。要検証だな。

 

「ここはお前の精神世界。そいつはお前の中に封印されてる化け狐だ」

「せーしん?

 ばけぎつね……って、それってば!」

 

 化け狐と呼ばれて排斥されて来たナルトだ。

 気づかないはずがない。

 コイツがその元凶だと。

 

「コイツ…………俺か!」

「」

 

 ???

 

「コレが、俺の本性ッ!」

「何を言っているんだお前は……」

 

 深刻そうな顔でホント何いってんだお前は。

 

「俺ってばこんなにガリガリになっちまって……」

「違う、そうじゃない」

 

 俺は説明した。懇切丁寧に説明した。コイツはナルトの中に封印されてる化物であって、お前の精神とかそういう何かではないと。そして、コイツが封じられているから、お前は避けれているのだと言うことも。

 全て説明してやった。

 

「お、お前――」

 

 これで、ナルトは九尾を嫌うだろう。九尾のチャクラを好き勝手するためにも、九尾を憎んでくれたほうが、俺にとって都合がい

 

「――8年間もココで、ひとりぼっちで」

 

 ……ん?

 

「辛かったなぁ。

 これから俺がいるから、もう大丈夫だってばよ!」

 

 んんん?

 

 ナルトが檻に入って、九尾の頭を撫でる。

 おい、九尾プルプル震えてるぞ。

 

「ガァァッ!」

「おわぁぁぁぁ!」

 

 おお、幻術が解けたな。五分経ったのか、九尾の気合か。

 立ち上がった九尾は体高20m程。その頭にナルトがくっついている。尾獣に実体はなく、チャクラの量で大きさが変わるのだが、ココまで小さいのは俺のせいかな? それともナルトの精神世界だからこの大きさなのか。

 

「貴様ァ、勘違いするなよォ!

 ワシがその気になれば貴様なんぞ喰い殺して」

「そんな威嚇しなくても大丈夫だってばよ。ひとりぼっちで、仲間はずれにされる辛さは、俺にも分かるってばよ」

「ッ!

 よほど死にたいようだなァ!」

 

 九尾は頭にくっついているナルトを掴み取り、地に押さえつける。

 さて、九尾はナルトをどうするつもりなのか。もし本当にナルトを食い殺せば、封印されている九尾も死ぬ。一応尾獣は殺しても何年かで復活するから、本当にその気になればできないわけではない。それでも、8歳の子供を殺して自分も死ぬなどという選択は選ばないだろう。万が一のため、眼を輪廻眼から万華鏡に変更しておくが。

 

 ただ、あれだな。

 勘違いするなよォってセリフも合わせてこの惨状を見ると、九尾がツンデレに見えてくる。ナルトを殺して自分も死ぬ当たりはヤンデレっぽい。

 

「重いってばよ!」

 

 確かにその気持ちは重い。

 

「フンッ。

 このワシにふざけた真似をした報いだ。

 あの世で後悔するんだな」

 

 そう言って九尾はゆっくりと体重を掛けていく。

 

「アァァ!」

 

 ゆっくり、ゆっくり…………九尾これ殺す気ないだろ。当たり前っちゃ当たり前だが。それよりどう収拾つける気なんだろうか。痛みに目を瞑り、苦しんでいるナルトを尻目に、九尾は俺のことをチラッチラッと見てくる。

 

 …………コレはあれか。俺が止めに入ると思ってやってるのか。

 

 九尾としてはナルトを殺せば自身が死ぬことは、できれば伏せておきたいのだろう。原作ではナルトが死にそうになったから仕方なく自分から教えているが。

 

 こんな茶番に付き合いたくないなぁとか、いざとなったら本当に殺すかもしれないから割って入るしか無いようなぁとか憂鬱になっていると、ナルトが叫びだす。 

 

「おい、化け狐ぇ!」

「あァ?」

「オレは将来火影になる男ッ!

 オレが火影になったらお前をここから出してやるってばよッ!」

 

 いや、人柱力が尾獣を外に出したら死ぬぞ。

 

「面白いッ!

 やってみるが良い。

 皆に嫌われる人柱力たるお前が、皆に認められる火影になれるというのならなァ!」

 

 いやいや、ナルトを殺せば外に出られるていで話してたんじゃないのか。交渉になってないだろ。実際にはナルトを殺せないのだから、九尾側視点では話に乗るが正しい……のか? ついでに着地点が示されて、九尾はホッとしている様子。

 

 ナルトが開放されて、檻の外に出てきた。

 

「そういえばさ、なんでサスケはココに来たんだってばよ?」

「この前お前からチャクラを貰った時、倒れたろ?」

「あー、そういえば起きたら俺の部屋の廊下に転がってたってばよ」

「俺はチャクラが欲しい。だが、ナルトも修行のためにチャクラが必要だ」

「ふむふむ」

「だから、お前じゃなく、お前の中にいる九尾からチャクラを奪えないかと試しに来たんだ」

「おー!

 それはいい考えだってばよ!」

「オイッ!

 ナルト、お前……」

「いやいや、九尾だってばさ、俺が火影にならなきゃ外に出られないんだってばよ。だから、ココは協力してくんね?」

「ありえん!

 うちはの人間に協力するなぞッ!

 大体ワシは人間が」

「今日の分は勝手に奪った。

 これからも、ナルトの許可さえあれば俺が九尾から強制徴収すればいい」

「そんなことできるんだってばよ!?」

 

 九尾がすごい形相で睨んでいるが、知ったことではない。

 

「あぁ、俺には強制的にチャクラを吸収するこの眼がある」

 

【輪廻眼】

 

「うわっ!

 まーた気持ち悪い眼が増えたってばよ」

「…………」

 

 確かにこっちは特にカッコよくは無いな。

 

「あー!」 

「ん?」

「九尾ってばさ、俺にも」

「うちはの小僧にワシを売り渡した貴様にやるチャクラはないわァ!」

「ガックシ」

 

 落ち込むナルトに、しかし九尾は言葉を続けた。

 

「……本当に必要だと言うならば、考えてやらんこともないがな」

「おっしゃー!」

 

 …………九尾、マジチョロイン。

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