うちはサスケに転生して、欲望の限りを尽くす   作:量々

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第4話 Cランク任務

 俺たちはあれから下忍として任務をこなし始めた。っと言っても迷子のペットを探すような雑用、Dランク任務ばかりだが。それもそのはず、アカデミーを出たばかりの下忍は13歳、つまり前世で言えば中学生だ。これまでに受けた教えはペーパーテストとアカデミーレベルの忍術のみ。当然、忍者どころか山賊の類の戦闘すらこなせるか怪しいレベル。とはいえ、例外的に実力のある俺たちや、アカデミー以外で教育を受けている忍者の家系からすれば不満も貯まる。

 

「なーなー!

 これで任務8個終わったんだからさー!

 今度こそもっとマシな任務に――」

 

 任務8個、というのは中忍試験を受けるために必要な数だ。これが終わるまではDランクで我慢しとけと、ナルトはカカシから説得されていた。忍者が受ける任務はDランクが子供のお使いレベル、Cランクが山賊などの非忍者との戦闘が発生するレベル。そして、Bランクが忍者との戦闘が発生するレベルだ。単純に実力だけで考えればこの班は余裕でBランク任務をこなせる戦闘力を保有している。が、火の国は別に人手不足でもあるまいし、少なくとも下忍の肩書を持ったものにBランク任務をやらせようとはしない。Cランク任務を受けて、実は相手に忍びがいた、なんて事になればBランク任務にもなりはするのだが。

 

「そこはほら、火影様のお心次第だ」

「おーい!

 今までDランク任務を受けてきたのは、中忍試験のためだって、カカシ先生言ってたってばよーッ!」

 

 ナルトが騒いでるが、俺は例によって影分身。任務のランクがなんだろうが知ったことじゃない。……楽しい戦闘が出来ないのは本体にとっても残念なことだが、下忍はよくてCランク任務。グズっても忍びとの戦闘は発生しない。故に本体は火の国のどこかで遊び呆けているのだ。

 

=================

 

「やったーッ!」

 

 ナルトが火影にグズるまでもなく、カカシ班の受ける任務はCランクに決定していた。中忍試験を受けるならCランク任務で実戦をこなしていないほうが危ないとのことだ。

 

「入ってきてもらえますかな?」

 

 待合室から吐いてきたのは酒を片手に持った酔っぱらいの爺だった。筋肉質な体をしている辺り、日頃から肉体労働している人間であることが伺える。

 

「何だァ、超ガキばっかじゃねぇかよ!」

 

 コイツが原作通りの橋作り職人、タズナだ。

 

========================

 

 依頼はタズナの護衛。行き先は波の国。期間は橋が完成するまで。依頼人が余所を向いてる間に俺はさらっと影分身と入れ替わった。こんな事ができるのも、基本影分身に影分身の監視を付けて行動しているからだ。

 つまり、影分身に本体が必要な事態が起きれば、監視役の影分身が術を解く。これで本体に情報が届く。逆に、もしDランク任務中の影分身が壊れれば、監視役の影分身がさも本物であるかのように出てくるわけだ。もちろん、この場合も任務中の影分身が壊れたのだから本体に情報が届く。必要ならやはり本体が駆けつけるわけだ。

 

 ただ、今回のように戦闘が発生するCランク任務以上に影分身でいかせるのは厳しい。

本体より性能が低いことに加えて一定以上の衝撃で解けてしまうのだから、普通にバレるし、監視用が敵に見つかって両方壊される可能性もある。距離が開くこと自体は飛雷神の術があるから問題ないのだが。

 

「出発ーっ!!」

 

 一度も里の外に出たこと無いナルトは大はしゃぎだ。さすがの俺も、九尾を連れて飛雷神で外に出ることはなかった。万が一見つかった時のことを考えればリスクが高すぎる。俺とサクラが綱手に会いに行くぐらいなら、ガキのすることと許されるかもしれないが、九尾を連れ出されればさすがに上層部が黙っていないだろう。下手すれば里抜けすることになりかねない。

 

 それからも態度の悪いタズナはナルトと言い争ったり、ガキを3人連れてることでカカシを非難したりしていた。……原作知ってるからアレだが、依頼偽ってるくせして態度デカすぎだろ。この後上忍の中でも上位に位置するザブザと戦えるから見逃すけどな?

 

「…………」

 

 林の中切り開かれた街道を歩いていると、不自然な水たまりが一つ。カカシは、いや、カカシとサクラはそれに気づいたようだ。その際サクラはカカシを伺うようにチラッと視線を向け、反応がないのを見るや、こちらに視線を向けてきた。

 

【幻術・写輪眼】

 

 この幻術は、相手に恐怖の対象を見せて、動きを止めるというのが基本的な使い方だが、それ以外にも使える。記憶を覗いたり、他の幻術、幻聴を聞かせたり、実力差が離れていれば完全に操ったり。

 今回は幻覚と幻聴で指示を出すのが目的である。

 

『サクラ、通り過ぎる瞬間、俺が水たまりにコレをやる。もしあれが变化の類で2人以上出てくるなら、1人やれ』

 

 サクラは何事もなかったかのようにそのまま歩きつつ、視線を戻す。

 幻術の訓練でこういったことは何度も経験してるからな。慣れたものだ。もちろん、初の実戦、歩いてる姿が若干緊張しているように見える。

 

 そして、水たまりを通り過ぎるという所で、

 

【千鳥流し】

 

「「グギァァァ」」

「な、な、なんだってばよッ!?」

「ぬゥ!?」

 

 俺の体から地面を伝い、水たまりに電撃が迸る。ナルトとタズナが俺の術に驚いて飛び退いた。すると、中から2人の男が飛び出してくる。

 

 唯一サクラは先程幻術の中でこの光景を見ていたために、ニヤリと笑いながら右手を振りかぶる。

 

「しゃーんなろー!」

 

 千鳥流しで体が硬直し、動けないその瞬間、サクラの拳が綺麗にその男の胸に決まった。

 

「ッ!?」

 

 骨が砕け、何かが破裂した音と共に、男は林の向こうに100m単位で吹っ飛んでいく。

 

【永遠の万華鏡写輪眼】

【幻術・写輪眼】 

   

 万華鏡にすることで瞳力を強化しつつ、残った男に幻術を掛ける。仲間が女にぶっ飛ばされた衝撃で、心に隙が出来ていた男は大層幻術に掛けやすかった。この程度なら素でも余裕だったと思うが、深く幻術に掛けるならこのほうが楽でいい。

 

「だれに雇われた?」

「……が、ガトー」

 

 その名が出ると、カカシは驚いて口を出す。

 

「ガトーって、ガトーカンパニーのあのガトーか!?」

「そうだ」

 

 その後狙いは何か、他に忍びはいるかなど洗いざらい吐いてもらった。

 

「なー、吹っ飛んだアイツいいのか!?

 逃げられちまうってばよッ!」

「……いや、その心配はない」

「ん?」

「サスケ、コイツ連れてこられるか?」

「ああ」

「んじゃ、見に行きますか」

 

 そういってカカシは全員を連れて林の向こう、サクラがぶん殴った男の場所まで歩いていく。恐らくカカシは匂いで場所を判別しているのだろう。これはさすがにコピーできない。

 

「こ、これってば!」

 

 ぐったりして動かない男を見て、ナルトが声を上げた。

 

「ああ、もう死んでる」

「あ、あははは」

 

 ぶん殴ったサクラは引きつった笑みで死体を見下ろす。

 

「まさか、第七班最初の殺しが医療忍者のサクラになるとはなぁ」

「しかもすげーいい笑顔だったってばよ」

「そ、それはサスケくんの指示だったから!」

「二人いてよかった。まさか一撃で即死させるとは」

「もう、サスケくんまで!」

 

「これが、忍者か」

 

 ひと1人殺しといて、和気あいあいと騒ぐ俺達に、タズナが戦慄していた。

 

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 あの後、なぜか素直になったタズナが頭を下げて橋作りの護衛を頼み込んできた。曰く、ガトーが相手なら忍者を雇って来ることは想定できたが、Bランク任務の報酬は波の国の大名ですら出せないと。理由はガトーが波の国の海運を支配しているからとか。波の国は忍の隠れ里がないし、ガトーが忍びを雇うと抵抗するのが難しいようだ。

 

「波の国、大分詰んでるわね」

「あぁ。なんでこうなるまで放っておいたのか」

 

 海運を支配される前に金で忍びを雇ってガトーを潰すなりすればよかっただろうに。何があったんだか。

 

「んで、結局どうするんだってばよ?」

「ナルト、アンタ聞いてなかったの?」

「ガトーが敵ってのは聞いたってばよ!」

「……はぁ。

 まぁ、そうよ。

 ガトーが敵で、その居場所が割れたから――」                                                                                                                               

「着いたぞ、ここだ」

「――先制攻撃するってことよ!」

 

 着いた場所は、林の中の小屋だ。どうやらここに抜け忍を匿ってるらしい。狙われることの多いガトーはここを含めたいくつかの隠れ家を持っていて、それを貸し与えているとか。襲ってきた男もここ以外の隠れ家は知らず、ガトーを直接殺すのは難しい。よって、ガトーが雇っている抜け忍のいるこの隠れ家を先に制圧。そこにガトーが来たところで始末する。これで護衛任務はだいぶ楽になるはずだ。

 

「さて、ここからの段取りを説明する」

 

=======================

 

「失敗しただとッ!?」

 

 ガトーが声を上げる。

 鬼兄弟を監視させていた元中忍の部下からタズナ暗殺失敗の報告を受けた。あいつらは精々中忍の中では強い方レベルとはいえ、Bランク以上の任務を受けられないのであれば護衛ごと殺すのもさして難しくなかったはず。Cランクなら下忍が数人、部隊長たる中忍が1人ってところか。

 部下の報告では逆に奇襲を受けて一方的にやられたと聞いた。これでは相手の強さすら分からん。分からんが……

 

「お前たちが元腕利きの忍びだというから――」

 

 ガトーの様子を見るにこれ以上失望させるのは不味いか。仕方ない。

 俺が直接――

 

「ッ!」

 

 ――このバカでかいチャクラはッ!?

 

「奇襲だッ!」

 

【風遁・真空連波】

 

 俺はガトーを片手に、首切り包丁で小屋を切り裂き外に出る。見えた範囲じゃ、白はうまく脱したようだが……風切り音と共に小屋ごと逃げ遅れた部下共が切り刻まれていく。林に囲まれたここで、この俺に気づかれず接近したとは考えにくい。俺が音で敵を感知できる以上、敵は林の外。だとしたらこの風遁、完全に上忍クラス。鬼兄弟で殺れないわけだ。

 

【火遁・豪龍火の術】

 

「ッ!

 無茶苦茶しやがる!」

 

 風遁で林をなぎ倒し、その後に火遁かッ!

 確かにこの林は波の国らしく、海に囲まれてる。いわば小島。丸焼けになったところで外へは広がらん。

 

「白ッ!」

 

 俺は白にガトーを投げ渡し、林の外へ向かう。

 あの火遁は形からして追尾性。かと言って水のない場所であの三匹の火龍を相殺するだけの水遁は厳しい。誘われてると分かっていても、地の利がある海にでるしか道はねぇ。

 

 白は意図を察したようで、反対側に向かって走っていく。そうだ、この島の外にガトーを避難させな話にならん。ったく、タズナの暗殺任務がいつの間にか、ガトーの護衛任務になってやがる。

 

【雷切】

 

「ッ!」

 

 雷遁の突きか、舐めるなよッ!

 

 予想通りの奇襲を、俺は首切り包丁の薙ぎ払いで歓迎する。

 

「なッ!」

 

 しかし、奴はカウンターの薙ぎ払いに、突きを合わせやがった。なんて見切りだ。それにあの眼――

 

「ザブザだな」

 

 ――写輪眼かッ!

 

 奴と俺はすれ違うように海に着水する。

 真っ二つになった首切り包丁。これじゃあ次の突きは防げん、が海には出た。それに、写輪眼のカカシに当てないためか、豪龍火は俺達ではなく、先の小島に着弾していた。

 

【水遁・水龍弾】

 

 あの雷遁は真っ直ぐ突っ込む、ただの突きだ。二度目は撃たせん。

 

 それにしても、1人か。火遁と風遁、どちらも上忍クラスの威力。カカシクラスが後二人来ているとは思えんが、少なくとも中忍以上。

 白次第か。

 

==============================

 

「来たわね!」

「当たりだな」

 

 今この島はカカシ、俺とサクラ、そしてナルトの三方向から囲むように待ち伏せていた。ナルトが1人なのは莫大なチャクラで多重影分身を行い、広範囲をカバーしているからだ。ついでにサクラは医療忍者。1人にするわけにはいかない。

 

 そうやって待ち伏せているところに、白が小島から飛び出して来た。

 

【雷遁・千鳥鋭槍】

 

「くっ!」

 

 島から飛び出て、空中に居るところに十メートル以上伸びる雷遁の槍だ。まず躱せまい。

 

「うぐゥ」

 

 出てきた奴、白は片手をわざと槍に突き刺し、自身の身を傾けてみせる。

 

「やった!」

 

 片手を潰せば印は結べない。それだけで勝ったも同然。サクラはそう思ったのだろう。俺たちを襲ったあの中忍からも、コイツの情報はなかった。しかし、

 

【氷遁秘術・魔鏡氷晶】

 

「片手印!?」

 

 コイツにはこれがある。

 水から現れた氷の鏡が俺たちを囲むように展開されていく。数は40程か。

 

 確か、氷遁は風遁と水遁を合成する血継限界。火遁は水遁に、雷遁は風遁に相性が悪い。かと言って土がないこの場所じゃあ、土遁はまともに使えやしない。

 

【水遁・水分身】

 

 そうこうしてるうちに白の水分身がガトーを運んでいく。

 

「サクラ、近寄れ」

「う、うん!」

 

【永遠の万華鏡写輪眼】

【スサノオ】

【炎遁・迦具土の剣】

 

 鏡で囲まれてるせいで普段よりスサノオのサイズが小さいし、氷遁には水遁が含まれる。

 しかし、知ったことではない。

 

「そんなッ!」

 

 薙ぎ払われた鏡がまとめて砕け散る。火遁の上位互換にして、あらゆるモノを燃やせるのが炎遁だ。迦具土の剣はあらゆるモノを焼き切る剣。どれほどの強度を誇ろうが、そんな薄い鏡では紙切れ同然だ。

 

【炎遁・スサノオ迦具土】

 

 迦具土の剣が矢に変形し、スサノオの弓が生成されていく。

 

【氷遁・魔境氷晶】 

 

 白が直ぐ側に鏡を作ると同時、弓矢が完成した。

 

「これでッ!」

 

 写輪眼でなければ眼に映ることすら無い超速で矢が鏡を貫く。サクラの眼には放った瞬間、既に鏡を黒炎の矢が貫いていたようにしか見えなかっただろう。

 

「サスケくん、あれ!」

「……なるほど」

 

 俺たちから離れたところにいくつかの鏡が現れていた。その一つに白の姿が。確かあの鏡から鏡には光速で移動できたはず。白が攻撃するときは当然別だが、回避に専念されれば厄介極まりないな。

 一応、鏡の中に白が居る時は新たに鏡が出てくることはないようだが、迦具土で次の矢を作るまでに新たに鏡を作られることは必至。

 

「仕方ないか」

 

 眼にかかる負担が大きい上にチャクラを消費しすぎるから、コレは避けたかったが。

 

【影分身の術】

 

 5人に影分身し、全ての鏡を視界に収める。

 

 これは流石に九尾からチャクラを奪ってなければできんな。

 

 俺の左眼から血が流れる。

 

【天照】

 

「……うあぁぁァァッ!」

 

 全ての鏡を焼かれた白は、そのうちの一つから堪らずでてくる。しかし、その身にも既に黒炎が燃え移っていた。

 

「終わりだ」

 

 影分身を解くが、チャクラがごっそり減っているのが分かる。

 

「サスケくん!」

「少し休む」

「じっとしてて」

 

【掌仙術】

 

 サクラが俺の眼を癒やす。天照は元々チャクラ消費が大きく、目に負担がかかる術だ。その負担の大きさは消費するチャクラ量に比例する。鏡を覆うほどの黒炎を五つ同時に出した負担はやはり大きかったようだ。チャクラが切れた、なんてことはない。それほどに日頃から奪い取り、溜め込んでいるチャクラ量は膨大だ。完成体スサノオで暴れない限りは早々切れないだろう。

 だから、問題は影分身と天照の同時使用だ。六道の力を手に入れ、輪廻写輪眼を開眼した原作サスケですら眼の使いすぎで瞳術が切れるなんてことが起こりうる。眼に負担がかかる天照での範囲攻撃はリターンが見合わんか。

  

 しかし、だからといってあの逃げ回る白を捉える方法も思いつかなかった。

 

 今回のケースは仕方ないな。

 

「どう?」

「ああ、大分良くなった」

 

 それに、今の俺にはサクラが付いている。多少の無理は通せるさ。

 

「白を回収して、一度ナルトと合流を」

「その必要は無いってばよッ!」

「ナルト! あんた今まで何して…………それ、ガトー!?」

「おうッ!」

 

 どうやら水分身の白を倒してガトーを手に入れたらしい。縛られてナルトに担がれていた。

 

=========================

 

 埒が明かないね、これじゃあ。

 

 ザブザは霧隠れを使用して、俺に長期戦を仕掛けていた。元々ザブザは足止め役。首切り包丁を切り落とされて、戦力が半減している以上、とにかく俺に回避以外の行動を取らせないよう、ひたすらに殺す気がない牽制の一撃を放ち続けていた。あんな短い大刀で殺そうと踏み込んでくるなら、やりようもある。逆に距離を取るなら俺の鼻でアイツの位置を探り、この霧ごと水遁でザブザを吹っ飛ばす事もできるだろう。

 しかし、こうも足止めに徹されれると流石に打つ手が難しい。この水の上じゃあ口寄せの術も機能しやしない。コレほど霧が濃くちゃあ写輪眼の幻術だって……。

 

 ザブザが部下を信じて足止めに徹しているように、こりゃこっちもサスケ達を信じるしかないな。あの風遁と火遁を見て尚部下を信じて待ち続けている以上、ザブザの部下は相当に強い。下手をすれば上忍ですら遅れを取るかもしれん。しかし、あいつらもあいつらで、並の上忍数人ぐらいなら正面から押し切れてしまえるほどに強い。

 

【風遁・大突破】

 

「なにィ!」

「来たか」 

 

 チャクラでしっかり水面に吸着していないと人が吹き飛ぶ程の爆風。

 ナルトだな。

 

 霧が晴れ、ザブザの姿が浮き彫りになった。

 

「くそがッ!」

 

 同時に俺が印を結び始めるのを見て、ザブザが突っ込んでくる。

 

【幻術・写輪眼】

 

「なっ!」 

「焦ったな」

 

 ザブザの動きが縛られる。

 

 俺は幻術に特化したタイプでもないし、うちは一族でもない。写輪眼の瞳術も大して強くはないが、心に隙ができれば同レベルの相手でも幻術が通ることもある。俺が雷切の印を組んだのを見て、今しかチャンスはないと思ったのだろうが、甘い。

 

【雷切】

 

「終わりだ」

 

 雷切が心臓を貫き、全ては終わった。

 

================================

 

それから数週間、もう妨害されることもない橋の護衛任務は続く。俺はその間波の国中に飛雷神マーキングを施し、橋の護衛を影分身に任せて遊び歩いた。

 

「高校受験か」

「そー。ママ厳しいんだー。私も子供じゃないし、遊びたいんだけど」

「俺がお前のママを説得してやる」

「えー、でもママが許してくれないし」

「大丈夫だ、まかせとけって」

 

【幻術・写輪眼】

 

「うわー、コレって忍術ってやつでしょ!?

 初めてみたー!」

 

 はじめての受験勉強でストレスの溜まったお嬢様を開放してやったり。ちなみにそのお嬢様は子供ではなかった。その友達には子供も居たが。

 

 そして今日は護衛最終日。

 

「また来てね!」

「あぁ!」

 

 そういって、名残惜しくも橋に戻ると、

 

「サスケくん……」

「さ、サクラ?」

「一般人とじゃ、うちはの復興には、ならないわよね?」

「……サクラ、お前も一般家庭の娘だっただろ。一般人との間にも忍者は生まれる」

「へー、あの子達は他国の娘なんだけど?」

「…………世界中にうちは一族の里を」

「んなもん出来るか!

 しゃーんなろー!」

 

【桜花衝】

【スサノオ】

 

 ヤレばできるさ、とは言わなかった。  

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