「サスケくん、今ここで僕と戦いましょう!」
中忍試験の会場に着いてすぐ、全身緑タイツの変態に絡まれた。眉毛も濃いし、おかっぱ頭だし、生で見ると相当キツイな、コイツ。どうやらテンテンから俺のことを聞いていたらしい。ルーキーでありながら、ダントツで下忍最強だと。一応テンテンにもデートついでに手合わせの形で修行を付けたことがある。俺は格好つけるために、見せて問題ない中での最大戦力、スサノオを披露した。弓矢辺りでテンテンがえらく興奮していたのを覚えている。
「だれあれ?」
「あの全身緑タイツから察するに、ロック・リーだな」
「知り合い?」
「いや。
だが、アイツの班員とはたまに遊ぶ仲だ」
「遊ぶ、ねぇ。
また班員の恨み買ったんじゃないの?」
サクラはジト目でこちらを見てくる。
「アイツがテンテンに気があるという話は聞かんな。
ただ……」
「ただ?」
「俺がいなければアイツの班員、ネジが木ノ葉の下忍最強、ロック・リーが下忍準最強だったとか」
「へぇー、あの濃ゆいのそんなに強いんだ」
「はッ!
サスケがいなくても俺がいるってばよ!」
ナルトが声を張り上げる。
「オイ!
ゲジマユ、そこ降りてこいってばよッ!
俺が相手に……ぐぅっ」
サクラのゲンコツがナルトの頭に落ちた。流石に桜花衝は使っていない。
「何言ってんのよ!
アンタこの会場を壊す気!?」
「そ、そこは影分身で済ますってばよぉ」
「却下!
今から中忍試験なのよ!?
影分身がどれだけチャクラを使うか分かってんの!?」
ナルトも影分身修行してる以上、技量でリーに劣るとは思えん。が、単純な身体能力差が酷い。九尾のチャクラを使えばまた別の話だが。
「相手してやる。
さっさと来い」
「ッ!」
ロック・リーがこらえきれない笑みを浮かべて、飛び降りてくる。俺が言うのもおかしいが、コイツも大概格好付けたがるな。サクラがいるからか?
「行きますッ!
木ノ葉旋風ッ」
口に出すのか。
【写輪眼】
空中に飛び上がり、回転しながら蹴りを繰り出すのが木ノ葉旋風。木ノ葉一の体術使い、マイト・ガイが好む体術の一つ。
しかし、
「ぐはぁっ!」
俺は回転するタイミングを完璧に捉え、拳をリーの腹に叩き込む。写輪眼でどう動くかの未来まで見えているのだから、初見でカウンターを合わせるのも難しくない。
リーは見事なまでに吹っ飛んだ。
「……弱くない?」
「へんっだ。
あんなん俺だって倒せるってばよッ!」
「くぅ」
「重りを外せ」
「っ!
気づきましたか……」
一瞬躊躇して、リーは自身の足に巻いている重りを外し始めた。
確か、あの重りは大切な人を複数守る時でなければ外してはいけないと言われていたはず。それと同時に、リーは自身の忍道を貫くためなら禁を破る傾向にもある。今がその時ということだろう。
「行きますっ!」
さっきのような奇襲地味た大技ではなく、地味な一撃を狙い駆けてくる。但し、その速度は先程と比べものにならない。
「なっ!
速えってばよッ!」
「準最強、言うだけのことはあるわね」
今回は先程のようにカウンターを決めるのは難しい。速度がどうのではなく、単純にリーがカウンターを警戒した小技に走ったからだ。瞳術なしでもカウンターに対応できる、腰を据えた軽い拳。まずはこちらの体制を崩しに来ていた。
故に、俺は全く同じスタイル、全く同じ姿勢で、ほぼ変わらない一撃をその拳に合わせた。
「なっ!」
鈍い音が、広場に響く。続けざまに放たれるリーの連撃に、やはり俺は拳に蹴りに同じ技でもって、迎撃していく。
「お、同じだってばよッ!」
「いえ、これは……」
サクラは気づいたらしい。別にこの場でリーの体術をコピーして使っているわけではない。ただ、リーの師匠にして木ノ葉一の剛拳使い、ガイの体術を、俺がコピーしていないはずがないというだけの話。そして、俺はコピーした体術を、影分身修行で完璧に俺のモノへと昇華させている。その練度はリーの比ではない。見てから合わせるのも容易いことだ。
「ぐっ」
「フン」
拳を痛めたリーが下がると同時に、俺も同じように下がる。
「なぜ、僕だけ……」
「練度の差、それにチャクラの差だな」
「ッ……」
リーが歯を食いしばりながら、悔し涙を溜めていた。無理もない。体術だけを極め続けたはずのリーが、その体術で年下の俺に負けるのだ。別に、リーの全てが俺に劣っているわけではない。特に影分身では鍛えられない場所、肉体の完成度に置いてはリーのほうが多少上だ。
にもかかわらず、同じように拳を合わせるリーのほうが、先にガタが来たのは練度の差、そしてチャクラの差だ。体術はチャクラを使わない、なんてことはない。サクラの桜花衝しかり、体術とはチャクラを身に纏い、身体能力の底上げを行った上での術である。だからこそ忍は一般人とは掛け離れた身体能力を発揮できるのだ。
俺の場合は、というかうちは一族の場合は瞳術のレベルが上がるたびにチャクラの質が大きく向上し、結果的に身体能力も向上する。輪廻眼まで開眼した俺のチャクラの質は言わずもがな。
これが多少の肉体強度差など関係なく、リーだけがダメージを受けた仕組みだ。尚、やろうと思えばこちらの速度はもっと上がるが、その場合体が出来ていないので、動く度に酷いダメージを負うことになる。まぁ、二部サスケは瞳術のレベルなぞ関係なく肉体を鍛え上げていたが。……二部サスケのような体がただで欲しいなぁ。肉体を鍛え上げるとなると本体が修行しなければならない。正直この程度の身体能力でも何の問題もない以上鍛える気にはなれんのだ。
「ガイ先生……」
「っ!」
リーが腕を交差する。
ここでそれをやるのか?
その時――
「そこまでだッ!」
――濃ゆい眉毛がもう1人現れた。
マイト・ガイ。
リーの担当上忍にして木ノ葉最強の剛拳使いだ。
当然教え子が試験前にあの八門遁甲を開けようとすれば、止めるに決まってる。アレを開ければリーはしばらく動けない。
試験どころではなくなってしまうのだ。
リーが叱られてる間、俺たちはスルーして試験会場に向かった。
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「――筆記試験の用紙を配る」
あ、危ねぇ!
こればっかりはサスケの策で助かったってばよ!
『フン。普段も忍術を教えてるだろうが』
あれは対価を払ってるってばッ!
『ちょっと、頭の中でうるさいわよッ!』
ご、ごめんだってばよ、サクラちゃん。
俺の中で、二人の声が響く。これは幻聴。正確にはサスケの幻術・写輪眼で俺とサクラちゃんに幻術を掛け、幻術空間で会話してるんだってばよ。サスケが言うには、適当な忍から聞き出した過去の中忍試験では、三人一組を謳いながらお互いに相談できないような状態で、連帯責任制の試験が行われることが多かったとか。その対策として、いつでも相談、もとい会話ができるよう試験前の段階で幻術を繋げたんだってばよ。
この後、俺達はサクラちゃんが解いた答えをそのまま答案用紙に書いて、何の障害もなく一次予選を突破した。
…………ただ、影分身使って勉強してるサスケが解けなかった問題を、スラスラ解いていくサクラちゃんにはちょっと引いたってばよ。頭がいいにも限度があるってば。
『アンタ、後で覚えときなさいよ?』
ヒィ!?
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二次予選は死の森での巻物の奪い合いだった。三人一組で天か地の巻物を与えられ、死の森で天と地の巻物を揃えて中央の塔に到達すること。それが二次試験の合格条件だ。奪い合いの過程で相手を殺してしまっても不問とされているし、死の森自体が過酷な環境なのでそれに殺されることもあるらしい。
そして、この環境こそ俺の求めていたモノだ。俺が習得してきた全ての忍術を好きに振るえる。ある意味下忍にとっては当たり前の環境だが、一定以上に強い術を習得した忍者にとっては共通の願いだろう。相手を殺しかねない、早々使えない術を好きに振るう場というのは。
「で、どうする?」
「さっさと他のチームを見つけるってばよ!
巻物の数には限りがあるんだってば」
「だから、どうやって見つけるのかって言ってるのよ」
俺たちの中に、感知タイプはいない。それに死の森は広い。見つけるために彷徨うのは得策とは言えんだろう。
「最速で塔に向かって待ち伏せる」
「ッ!
それだぁ!」
「安直だけど、それが一番よね」
サクラ、俺にも結構言うようになったよなぁ。何を言っても肯定していた、盲目な恋する乙女はどこに行ったのやら。
「奇襲にだけは気をつけるぞ」
「おうッ!」
「ええ」
ナルトも結構素直になったよなぁ。忍術を教わる立場なのが効いてるのか、一次予選の対策が通ったのが効いたのか。……そもそも原作1部のナルトがサスケを敵視し過ぎなだけでこの世界のナルトはこんなもんだったのか。
どちらにせよ、過ごしやすい場所になったものだ。
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「しっかし、コレ問題よねぇ」
「だな」
普通のサバイバル任務なら、敵がいないから問題にはならなかったが、今回は他の全チームが敵。排泄中に襲われるのは笑えない問題だ。
「大人しくするってばよっ!」
「ぐぅ」
ナルトの影分身が、雨隠れの忍1人を押さえつけている。今回は襲われたのがナルトだったから、排泄しながらも影分身に処理を任せられたが、これがサクラだったらと考えると、いささか問題だ。ナルトは影分身修行で気配の察知も大したレベルに達している。少なくとも、多少隠密行動に長けた下忍程度なら奇襲を受けることはありえない。
「確か、サスケくん結界忍術とか出来たよね?」
「一応な」
「無いよりマシだってばよ!」
影分身修行で習得しただけだから大した練度はない。そも危ないところで休みたければ、一度飛雷神で家に帰ればいい俺にとって、そういった結界忍術は優先度が低い。
【風遁・大突破】
「来るぞッ!」
写輪眼で風に含まれたチャクラに気づいた俺が、声を上げた。
「うっ」
「きゃッ!」
人を飛ばすほどの爆風、ナルト並だな。
チャクラで地面に吸着し、飛ばされないように身構えた瞬間――
【木遁・樹界降誕】
――その地面から木々が拘束せんと伸びてくる。
「ッ!」
堪らず足にためたチャクラを一気に増やし、俺たちは地面から勢いよく跳躍した。
「これって、初代様だけの木遁忍術じゃ……」
「蛇ィー!」
ナルトが叫ぶ。
風で流された俺たちの着地地点に、顔だけで数メートルはある大蛇が二匹待ち構えていた。
【スサノオ】
サクラを掴み、俺の居る中心部へと放り、完成体へと段階を上げて行く。
「くっそぉおおッ!」
「っ!」
ナルトは九尾の衣を纏い、大蛇を思いっきりぶん殴った。
完成体スサノオが着地地点にいた蛇を押しつぶすも、周囲の木々はやはりナルトと、スサノオを成長させていく俺たちを縛り上げてくる。
【天照】
【炎遁・迦具土】
「サンキュー、サスケェ!」
「動くなよ、サクラ」
「うん!」
サクラを抱きかかえつつ、黒炎で木々を焼き払う。ナルト諸共だが、九尾の衣を纏うナルトにただの黒炎では意味がない。燃え移ったところで衣の一部を捨てて再構築できるからだ。ちなみに九尾以外の人柱力ではそうもいかない。黒炎は地面に広がり、生成される木々を片っ端から焼き払っていく。
「サスケェ!
コレ敵どこだってばよッ!?」
ナルトは九尾の衣を纏っているとはいえ、悪意を感知できるクラマモードとはまた違う。アレを発動するには八卦封印を開ける鍵が必要になる。九尾からの協力だけでは他の人柱力と同じように尾獣の衣を生成するのがやっとだ。
「…………」
写輪眼に透視能力はない。物体を透かして物体を見ることは出来ないのだ。しかし、チャクラとは基本的に物体の中にあるもの。ある程度物体を透かしてチャクラを見ることは出来る。例えば忍の体に流れるチャクラ。例えばカカシが土遁土竜隠れの術で直ぐ側に潜めば、土越しにカカシのチャクラが見え隠れする。
しかし、
「近くには見当たらん」
「どーすりゃいいんだってばよッ!」
遠ければ当然見えん。それに加えてチャクラで出来たモノの後ろにいるだけでもやはり見えん。つまり、チャクラで出来た木々が周囲にあるこの状況では全く役に立たんのだ。
この攻撃方法、明らかに大蛇丸が穢土転生した初代火影と大蛇丸の口寄せ動物である。本体が一度でも顔を見せれば永遠の万華鏡写輪眼の瞳力で終わりだが、イタチにその方法で負けているので、出てくることはまず無いと見ていい。恐らく、大蛇丸はダンゾウから俺の力の程を聞いているのだろう。輪廻眼まで知っているとは思えんが、幻術のレベルとスサノオくらいは想定済みのはず。
「無視だな」
「ハァ!?」
「サスケくん!?」
「俺たちの目的は巻物だ。
こんな小物、相手にする必要もない。
そうだろ?」
コレは挑発だ。出てこないならそれでもいい。俺たちは勝手に塔へ向かう。
それを理解したようで、ナルトもニヤリと獰猛な笑みを浮かべる。
「へへ、そうだってばよっ!」
「ふふ、そうね。こんな臆病者、相手にする価値もないわ」
「ナルト、乗れ」
「おうっ!」
【完成体・スサノオ】
【炎遁・迦具土の剣】
【スサノオ・二刀の舞】
スサノオで空高く飛び上がるようなことはしない。それでは逃げているみたいだし、下手をすれば試験官が来そうだ。
「うぉぉぉっ!
速えってばよッ!」
炎遁の剣から黒炎の衝撃波で全てを切り裂き、地面からわずかに浮き上がったスサノオが塔へと飛翔する。
「なにあれ?」
右前方にバカでかい水が吹き上がる。
大蛇丸のやつ、穢土転生による無限のチャクラを利用して二代目火影に延々水を作らせやがったな。
【木遁・木人の術】
「あっちもデケェってばよ」
左前方にはスサノオ並の大仏が。
「後ろからも来てるわね」
「蛇ィ!
さっきのよりデケェってばよッ!」
チラッと後ろを見る。
アレはマンダだな。しかも写輪眼対策か、目を閉じてやがる。
本気すぎるだろ、大蛇丸。
【口寄せ・三重羅生門】
進行方向にはバカでかい門が三つ。
「ナルト、前やれるか?」
「おうッ!」
「サクラ、左を頼む」
「やってやるわよ!」
「俺は右と後ろをやる」
ナルトが赤黒く染まり、4本の尾を作る。口には考えるのもバカバカしい程に高密度のチャクラの塊。
【陰封印・解】
サクラが綱手の元で修行をはじめて4年。額にチャクラを貯める百豪の術で莫大なチャクラを保存し終えたのが1年前。それを今開放する。桜花衝は使用するチャクラが多ければ多いほど際限なく火力が上がる術だ。
「木を燃やしたのが効いたな」
木々を燃やし、今尚地面を燃やし続ける黒炎は激しい上昇気流を生み、空は黒い雲で覆われていた。
【水遁・水龍弾】
チャクラから直接生成された莫大な水量が7匹の龍となって襲いかかる。こういった術は込められたチャクラの量で威力が変わるものだが、その龍は真にチャクラの塊。穢土転生で弱体化しているとは言え、無限のチャクラで時間を掛ければ生前クラスの化け物じみた水遁を使うことも可能ということだ。
「大した術だが、自然の火力には及ばん」
空に煌めく雷の龍。自然に帯電した積乱雲から発生するそれは個人のチャクラで作るようなそれとは規模が違う。
「雷鳴と共に散れ」
【麒麟】
俺が振り上げた手を下ろすと同時、秒速数百キロという雷光で全ての水龍を消滅させ、その先の術者をも消し飛ばした。
「ガァァァァ……」
ナルトは高密度のチャクラの塊をその身で口から取り込み、
【尾獣玉・虚狗砲】
「アアアアァァッ!」
チャクラの衝撃波を発生させた。
それは木々も草木も根刮ぎに消し飛ばし、そのまま全ての羅生門を破砕、その先にいた口寄せの術者を轢き潰した。
「行くわよっ!」
巨大な木人が小さな人間1人に拳を引き絞り、全力で殴り掛かる。チャクラが通ったそれはスサノオすら殴り飛ばすことだろう。
「しゃーんなろー!!」
【桜花衝】
しかし、それはサクラ1人壊す事もできず、サクラに触れたその瞬間から体が消し飛び、その頭に乗っていた術者をも消し飛ばした。
スサノオはサスケとは別方向、正確にはマンダの方向を向いて黒炎の弓矢を構える。その矢は見てから躱せるようなものではない。それでも熱を感知するピット器官で周囲を把握していたマンダは回避行動に出る。
放たれた矢は胴体の側面を削り取るに留まるが――
「グゥゥァァァッ!」
燃え移った黒炎がマンダの体を焼いていく。
ポフン。
口寄せ動物らしく死ぬ前に帰還したらしい。黒炎はどうなったのやら。
「よっしゃぁ!」
「どんなもんよ!」
「終わりだ」
【輪廻眼】
【万象天引】
「ッ!?」
これは大蛇丸も知らなかっただろう。
地面に顔が突き刺さっていた大蛇丸はどうやら首を伸ばして地面の下から草薙の剣で奇襲を掛ける腹積もりだったようだが、首ごとこちらに吸い寄せられていく。
「ちィっ!」
【八岐の術】
引き寄せられながらも真っ白な八つの首を持つ蛇、八岐の大蛇を出現させた。スサノオ並の巨体だが、関係ないな。
大蛇丸への万象天引は続いている。体内に溜め込んだチャクラを消費し、八岐の大蛇ごと大蛇丸の体をスサノオの手で手中に収め、
【完成体スサノオ・輪廻眼・吸魂の術】
完成体スサノオはスサノオに自身の術を使わせることが出来る。輪廻眼による吸魂の術とは相手の頭に手を置き、記憶と魂を抜き取る術だ。これをスサノオに使わせた。
この術の特徴は発動さえしてしまえば、相手に一切の抵抗を許さない所である。
魂を捉えるこの術は、大蛇丸式変わり身の術なぞ許さない。
「ば、馬鹿な!
私は不死の大蛇丸だぞ!
こんな、ところで……アアアアアァァァ!」
蛇の中から断末魔が聞こえる。
同時に大蛇丸の記憶が俺に流れ込んで来た。
この襲撃の意図、砂との密約、龍地洞の場所、忍術の祖であるカグヤ一族の末裔君麻呂、転生術、大蛇丸が集めたこの世に伝わる五大国のありとあらゆる忍術の情報。
「これが、魂か」
目に見える形で大蛇丸の魂が抜け出てきた。これを地獄道の獄閻王に収納して、終わりだ。
「おっと」
まだ八岐の大蛇がいたか。
口寄せ動物は召喚主が死んでも残る。もちろん、呼び出された生物が自身で帰る判断をすれば別だが、コイツは目元を見るに、大蛇丸の支配下にあったようだし、自由意志があるのかどうかすら分からんな。
【永遠の万華鏡写輪眼】
【幻術・写輪眼】
ピタッと止まった八岐の大蛇に、続けて術を掛ける。
【輪廻眼】
【完成体スサノオ・輪廻眼・外道の術】
スサノオに外道の術を行使させ、巨大な黒い棒、通称六道の棒を生成する。
「ふー……なんだってばよ、その棒?」
ナルトが尾獣化状態から復帰したようだ。
「用途は色々あるが、この場合は強制的に口寄せ契約を結ぶための棒だな」
俺はそれを射出し、八岐の大蛇に刺していく。
「キェェ」
八岐の大蛇が痛みで幻術から解けるが、問題ない。口寄せ契約は成った。六道の棒を通して操ることも出来る。
「戻れ」
ポフン。
「なんか可愛そうな鳴き声あげてたってばよ」
「気のせいだ」
「サスケくーん!」
お、サクラも戻ってきたな。
「ゲッ!」
「…………」
「これ、どうするのー!?」
サクラは再生中の生首を二つ持っていた。
「さすがサクラちゃん、やることがえげつないってばよ……」
「ちょっ!
違うわよ!
コレは最初から死体だったのー!!」
信じてよーサスケくん! なんてのんきなことを言ってるサクラを無視して、初代火影と二代目火影も同じように吸魂の術で魂を抜き取った。
「うわっ!
まさかサクラちゃん、生きた状態で生首に……」
「殴るわよ!
しゃーんなろー!」
「うがっ!」
【桜花衝】
【尾獣化】
今の尾獣化してなかったら死んでたな。
冗談みたいに吹っ飛ぶナルトを見て、俺達大蛇丸に勝ったんだなぁという実感が湧いてきた。