うちはサスケに転生して、欲望の限りを尽くす   作:量々

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第7話 中忍試験第ニ試験合格

 あの後、大蛇丸が持っていた地の書を持って塔まで何事も無く到達。天の書と地の書に書かれた口寄せの術式から出てきたのは、原作通りイルカ先生だった。

 

「……久しぶりだな」

「イルカ先生!」

 

 原作程仲が深まることもなかったイルカ先生が伝令役か。それにしても、表情が硬いな。どうかしたのか?

 俺の怪訝を余所に、イルカ先生から第二試験の合格と、壁紙の解説を淡々と話していく。

 

「そして、コレが最後の伝令なんだが」

「ん?」

「今回の第二試験、手配書S級の抜け忍、大蛇丸が試験生に成り代わっていた」

「はぁッ!?」

「誰だってばよ?」

「…………」

 

「その様子だと、サスケは気づいてたみたいだな」

「あぁ、俺が吸魂の術で殺した相手、アレが大蛇丸だったんだろ?」

「???」

 

 何も理解できていないナルトに、サクラが説明していく。

 

 大蛇丸は木ノ葉の伝説の三忍で、下忍どころか上忍ですら、手も足も出ない化物だと。

 

「特に大蛇丸は元四代目火影候補だったんだから」

「うぇー!?

 なんでそんな奴が中忍試験受けてるんだってばよッ!」

「だから、それを今聞いてるところなのよッ!」

 

 話が一段落したところで、イルカが話を戻す。

 

「本当に、大蛇丸を殺ったのか」

「なぜ、大蛇丸を殺したことをそっちは知ってる?」

「あ、ああ。

 実は大蛇丸が試験に紛れ込んでることに気づいた第二試験の試験官、アンコ特別上忍が大蛇丸の足止めに向かってから行方不明になってな」

「ッ!?」

 

 みたらしアンコが行方不明?

 確か原作では大蛇丸に見逃されてるはず。

 まさか……

 

「それで火影様が里中を見張る事が出来る、千里眼の術でサスケを見張っていたら――」

「俺が大蛇丸を殺していたと」

「――そういうことだ」

 

 恐らくアンコを攫ったのは大蛇丸だろう。

 理由は、先程奪った大蛇丸の記憶を精査すれば分かるはず。

 

「ねーねー!

 元火影候補を倒したんだからさっ!

 俺たち中忍にしてくれても」

「それはまた別の話だ」

「えー」

「そんな抜け道探さなくても、ナルト達なら楽になれるさ」

 

 大蛇丸を倒せるなら、誰でもなれるさと副音声が聞こえてくるような言い方だった。

 

=======================

 

「まずは、第二の試験、通過おめでとう!」

 

 そういったのは、壇上に立つ三代目火影だ。

 

 第三試験に残ったのはカカシ班、アスマ班、紅班、ガイ班、バキ班……だけである。ドス含む音の班も、カブト含むスパイ班も残っていなかった。もちろん、その担当上忍である大蛇丸の姿も、モブ上忍の姿もなかった。ドスがいない理由はわかる。なにせドスは初代火影、ザクは二代目火影の穢土転生の犠牲と成ったのだから。カブトも、大体察しはつく。大蛇丸が死んだのだから。

 

「では、これより第三試験の説明を始める」

 

 第三試験は日を改め、大名や著名な人物、忍頭などを観客として集めて行うトーナメント戦。この第三試験は戦争の縮図であり、その里に来る依頼の増減すら左右しかねないもの。里の威信をかけて行われるものだと説明される。

 

「ここからは、審判を仰せつかったこの月光ハヤテから」

 

 説明を引き継いだハヤテによると、第二試験終了までに残った人が多いので第三試験予選を行って人数を減らす必要があるらしい。

 

 予選は一対一の個人戦。実戦形式での対戦だ。わかりやすくていい。ただ、本気で戦うには会場が狭い気もするが。ナルトの真空連波辺りでも会場が崩れそうだ。

 

「開け!」

 

 木で出来た幕が上がり、その中から電子掲示板が現れる。

 

『ナルトVSシノ』

 

 言ったそばから……。

 

「よっしゃー!」

「…………」

 

「ナルトー、会場壊さないでよー!」

「崩れる前に終わらせるってばよッ!」

 

 会場を壊すのは前提らしい。

 サクラがため息を付いて大丈夫かなぁと心配そうに見ている。負ける心配はなし、か。

 

「アイツには最悪アレがあるからね。アレと戦える下忍がいるわけないでしょ」

 

 アレ、つまり尾獣化だな。そもそも里の最終兵器に忍1人で勝てるわけがない。

 

「あ、サスケくんは別だけど」

 

 ははは。

 

=================

 

「では、始めてください」

 

【影分身の術】

 

「ッ!」

 

 俺は開始と同時、影分身で3人になったナルトに正面から突撃する。俺はナルトの同期だ。アイツが影分身で悪戯をしている所を幾度となく見ているし、ただの組み手で風遁の術をサスケに放つ所も見ている。

 故に、ナルトの得意戦法は膨大なチャクラでの影分身と風遁による遠距離戦だと推察できる。

 

 両腕から出した細かな虫を両側のナルトに向かわせ、俺は印を組み、ナルトへ渾身の蹴りを放つ。

 

「んな奇襲、通じるかってばよッ!」

 

 蹴りは躱され、そのまま俺の懐に入ったナルトがいつの間にか引き絞った拳を俺の腹に叩き込む。

 

【蟲変わり身の術】

 

「「「な、なんだってばよッ!?」」」

 

 ナルトは知らないだろう。俺が虫を使う秘術系の忍であることを。俺は知っている。ナルトは写輪眼を持つサスケに及ばないまでも、それ以外の誰にも負けないほど体術が鋭いと。俺が組んだ印は変わり身の印。最初からこの蹴りは囮だ。変わり身による蟲、両側に向かわせた蟲。どれもナルトへ到達した。どの影分身が本体かはわからないが、コレで終わりだ。

 

「うぁぁぁっ!

 なんだってばよぉぉぉッ!」

 

 顔まで蟲に覆われているナルトは、パニックでまともに思考が働いていない。ここでクナイでも投げれば間違いなく刺さるだろうが、それで仕留められなければナルトの混乱が終わってしまう可能性も高い。それに、衝撃を受けると解ける影分身もまだ解けていない。

 ならば、ここは蟲を追加してナルトのチャクラを吸い付くし、確実に終わらせる。

 

「うぁ…………」

 

 影分身の実用化には莫大なチャクラが必要だ。その原因はチャクラを等分しなくてはならないことにある。影分身が解ければ使わなかった分のチャクラは戻るが、それまでは3人に影分身したら総チャクラ量が1人あたり3分の1になるのだ。そして、この場合チャクラを吸う対象が3倍になり、パニックになっているナルトは未だに影分身を解いていない。

 

「……………………」

 

 ・

 ・・

 

 まだなのか?

 

 …………俺は別に試験官の判断を待っているわけではない。 

 

 まだ、ナルトのチャクラを吸い付くし終わらないのか!?

 

「ウガァァァァッ!」

 

【尾獣化】

 

 ポフン、ポフン!

 

 馬鹿なッ!

 

 赤い衝撃波がナルトから全方位に撒き散らされる。

 コレはチャクラだ。蟲が反応しているから間違いない。しかし、眼で見えるほどの、物理的衝撃を伴うほどのチャクラとは一体どれほどの……。

 

「くっ!」

 

 散らばった蟲達を再度向かわせるが、

 

「ウガァァ!」

「なっ!」

 

 チャクラの腕が蟲を薙ぎ払うだと!?

 今のナルトは赤いチャクラに覆われ、耳と一本の尻尾が生えている。その赤いチャクラから赤い腕が生えて蟲を追い払っているのだ。

 

「ウラァ!」

「ぐっ」

 

 早すぎるッ!

 視界からナルトが消えると同時に、俺の懐に潜り込み、既に拳を振り終えてた。

 

 つまり、俺は宙を舞っているわけだ。

 

「ガハッ!」

  

 全身が壁にめり込む。

 同時に、ナルトを包む赤いチャクラが消えていく。 

 

「あー、あっぶねぇ!

 危うく負けるところだったってばよ」

 

「…………第一回戦、勝者、うずまきナルト!」

 

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 ナルトが九尾の力に振り回され暴走したのなら止めるのが担当上忍である俺の責任だと身構えていたが、まさか完璧にコントロールしているとはな。

 

 特にあの最後の一撃。九尾の力を使って全力で攻撃していたのなら、シノは真っ二つに引き裂かれていてもおかしくはない。実際、そうなるほどの威力で攻撃するならその瞬間、俺とシノの担当上忍である紅が割って入る所だった。

 

 だが、シノは壁に埋まる程度で済み、それが終わると同時にナルトは九尾の力を引っ込めた。波の国の任務では直接戦闘する機会が殆どなかったという話だったが、コレほどの力が使えるなら後衛で支援するだけでなく、ザブザとの近接戦闘すら可能だっただろう。後衛では強力な風遁、前衛では攻守ともに強力な九尾の力。

 

 幼い頃は迫害され、どうなるかとも思ったが、ミナト先生。アナタがナルトに九尾の力を封印したのは間違いじゃありませんでしたよ!

 

=============================

 

「ナルト、アンタ油断しすぎ」

「はは、シノが思ったより強くてびっくりしたってばよ」

「私も秘伝忍術の使い手とは知らなかったけど……。

 アンタには莫大なチャクラがあるんだから、本体は逃げて影分身突っ込ませれば良かったじゃない」

「あそこで逃げるのは男じゃないってばよっ!」

「……はぁ」

 

 普段からナルトは影分身を前に出す戦法は使うが、本体が逃げつつ影分身だけで戦わせるような戦法は、確かに見ないな。それにしても、ナルトのチャクラ量でそれやられると本当にウザそうだ。

 

「続いて、第二回戦を始めます」

 

『シカマルVSカンクロウ』

 

===================================

 

 めんどくせー。

 

 俺はこんな試験、頑張るような柄じゃねぇんだけどなぁ。

 

 対戦相手は……あの黒装束か。

 後ろに担いでるのは、傀儡かぁ?

 

「弱そうなガキじゃん」

 

 挑発? なんのためだ?

 アイツはナルトの力に怯えを見せてやがった。本当に強気というより、強がってるだけか? だとしたらなんのためだ? 立場か? 戦い方か? なんの都合だ?

 

 ……めんどくせーし、挑発には乗れねぇな。それに、傀儡についてもわからないふりカマスのが楽か。

 

「あぁ、めんどくせー。

 変なの担いでやがるし」

「フンッ」

 

 不機嫌になった? 挑発に乗らなかったから? だとしたら、挑発に乗せて何をさせたかった? 俺はアイツにどう見えてる? 弱そうなガキか? それとも、情報がない他国の忍か? だとしたら、コイツはどうしたい?

 

「では、始めてください」

 

「んじゃ、コレは使わないでおいてやるじゃん!」

 

 背負ってたモノを放って、突っ込んできた? 傀儡使いが? 

 

 ……なるほど、読めたぜ!

 

「ハァぁっ!」

 

 奴が右腕を振りかぶって、わかりやすく殴りかかり、俺は変わり身の印を結ぶ。

 

 ポフン!

 

【変わり身の術】

 

「しまっ」

 

 俺は変わり身で殴りかかった奴の背後に回った。

 

【影真似の術】

 

「くっ!

 …………は?」

 

「影真似の術、成功」

 

 俺の影は、すぐ眼の前の奴ではなく、奴が捨てた、包帯でグルグル巻になった何かと繋がっている。

 

「な、なんで!?」

 

 今度の声は奴ではなく、グルグル巻きになった何かから聞こえてきた。

 

「傀儡使いが、傀儡を捨てるかよ。

 わかりやすすぎるぜ」

「お前、俺が背負ってたのが傀儡だって気付いてやがったのか!?」

「相手の言葉を信用するほうが悪いんだよ」

 

 すると、先程までカンクロウだったものから砂が剥がれ落ち、傀儡人形へと変わる。あの包帯で巻かれた中身が本体ってわけだ。

 

「くそっ!」

「最初の安い挑発も、それをスルーされて不機嫌になったのも、違和感バリバリだ。

 お前は駆け引きには向いてねーよ」

 

 そう言って俺はクナイを本体に突きつける。

 

「体が、勝手に!?

 そ、それに今度は動けねェ!」

「そういう術だ。

 どうする?」

「……ちっ!

 ギブアップ!」

 

 ふー。

 なんとか、運が良かったな。

 

============================

 

「なんかちょっとかっこよかったってばよ」

「あいつ、あんな頭良かったっけ?」

 

 カンクロウはカラスの仕込みを全力で使って、問答無用で圧殺していれば勝っていただろうな。無機物に影真似は効かないだろうし。ただ、カンクロウはその都合上、仕込みを見せる気がなかった。だからといって、風影の息子として、負けるわけにも行かない。その結果があの演技なのだろう。策としては悪くないように見えるが、いかんせん相手が悪かった。

 

 シカマル相手に下手な策を使ったことが一番の敗因だな。

 

「続いて、第三回戦を始めます」

 

『サクラVSキバ』

 

==============================

 

「私か」

 

 相手はキバ。このメンバーの中ならマシなほうね。

 

「へっ!

 女だからって容赦しねぇぜ?」

「手加減してた、なんて言い訳されなくて済むし、ありがたいわね」

 

「では、始めてください」

 

 さて、百豪の術は今日開放してドデカイ一発を放ったから、この試合中には使えない。もちろん、3年溜めたものをすべて使いきったわけじゃないから、じきに戻るけど、流石にその日の内には無理ね。

 

「あのイノを抑えてくノ一トップにたった女だ。

 最初から全力で行かせてもらうぜぇ!」

 

 キバは大きくバックステップして、丸薬を犬に食べさせる。

 下がった瞬間に前に出るのもありだったけど、流石に軽率よね――

 

【擬人忍法】

【擬獣忍法】  

【【獣人分身】】

 

 獣のようになったキバが二人、变化の亜種かしら?

 

「いくぜぇ!」

 

【四脚の術】

 

 ――って思ったけど、ちょっと不味そうな雰囲気。

 

「はやいっ!」

 

 四本足での突撃、二匹同時か。カウンターを警戒しているのか、掠めるような引っ掻きをギリギリの所で躱す。医療忍者は攻撃をもらわないことが第一、それが綱手様の教えだからね。

 しかし、二匹居るのが不味いわ。どちらかを対処すればもう一匹から直撃を貰う。それに、こうも慎重な攻撃じゃあ、カウンターもマトモに当たるか怪しいところ。一応躱す私とこの術を使ってるキバじゃあ、キバの方が消耗は激しいはず。こちらも移動にチャクラを使っているが微々たるもの。

 無理してきたところでカウンターを合わせましょうか。

 

「ッ!

 足を」

「イヤッホォォ!」

 

 足狙いに変えてきたか。必死で躱すが、相手も避けに徹されるのは分かっていたのだろう。回避行動取った先から、もう一匹が迫る。

 

「ちッ!」

「もらったぁ!」

 

 うまい具合に挟まれたか。

 仕方なく空中に跳ぶが、やはりそれが相手の狙い。

 

「くらえ!

 獣人体術奥義ッ!」

 

【牙通牙】

 

 私より速く着地し、私が着地するより先にキバ達の突撃が始まった。

 空中にいる私に挟撃。しかも高速回転して破壊力と速度を高める体術付き。

 けど、待っていたのはこの瞬間。

 

 踏ん張るところもなく、体勢も良くない。

 両側から来るから両手で迎撃する必要がある。

 

「それでも――」

 

【桜花衝】

 

 ――――負ける訳にはいかないでしょ!

 

「「ぐぁっ!」」 

「ぐぅっ!」

 

 私のありったけの桜花衝と衝突し、一瞬で両壁までぶっ飛ぶ二匹。同時に私の体に衝撃が走る。両側から来られて、両側を殴ったのだ。その反作用で体が、それと触れた部分の手がどうなるかはわかりきったことだ。

 

「フゥー」

 

 それでも、なんとか無事な足で立ち上がる。まずは手を掌仙術で直していくが――

 

「勝者、春野サクラ!」

 

 ――その必要もなかったようだ。

 

===========================

 

「サクラちゃん、意外にギリギリだったってばよ」

 

 百豪の印が消えてたのも大きかっただろうな。

 アレは開放せずとも印があるだけで大分火力が上がる。

 

「私は医療忍者よ?

 タイマンなんて専門外ね」

「えぇ~、あんな怪力持ってて説得力無いってばよ……」

「……後で覚えときなさい」

 

 そう言ってサクラは自身の腕や肉体を治してく。治療班の治療を拒否してここに残ったのは残りの試合、具体的には俺の試合を見るためらしい。今すぐナルトを殴る力もないくらいには傷がひどいというのに。

 

 サクラがタイマンを本格的にやるなら、怪力を当てるための何かが欲しいな。頭がいいから策で当てるのが手っ取り早いが、今回のような脳筋相手でこんなシンプルなステージでは厳しい。

 例えば写輪眼があれば、キバの攻撃を躱しつつ、最初から自身の攻撃だけをカウンターで叩き込み続けられただろう。例えばナルトのようなチャクラ量があれば影分身で撹乱しつつ、全ての影分身に桜花衝を使わせることも出来た。シカマルほどぶっ飛んだ頭があれば獣人分身前に仕掛ける判断が出来たかもしれない。

 

 つまるところ、サクラは決定力がある代わりに小技が効かないのだ。まぁ、怪力に回復に回避能力。一通り医療忍者として必要なものは揃ってるようだし、その辺りの小技習得に動いてもいい頃合いなのかもしれない。一応サクラの師匠である綱手にも聞いてみるか。

 

「ぐはっ!」

「医療班は何してる!

 早く!」

「すみません!」

 

 紅がキバを見て声を荒げる。

 

「相変わらずサクラちゃんの攻撃はエグいってばよ」

「ちょっ!

 私だっていっぱいいっぱいだったんだからね!」

 

「内臓が傷ついてる!

 緊急治療室に運ぶんだ、急げ!」

 

「続いて、第四回戦を始めます」 

 

『ネジVSヒナタ』

 

 …………これは俺、どちらにも関わってないから原作通りだろうな。

 

=========================

 

「勝者、日向ネジ!」

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