家のメイドが人外過ぎて地球がヤバイ   作:ちゅーに菌

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どうも、ウォークマンのシャッフル機能でエアリスのテーマ聞いてしんみりしていたら次の曲がゼロムスのテーマでビクンッ!ってなった作者です。

それは兎も角、投票の集計結果を発表します。


1位:聖天使アルテマ 31票
2位:戒律王ゾディアーク 18票
3位:オメガ&オメガウェポン 4票
5位:オズマ 3票
6位:デア・リヒター 2票
7位:アンラ=ユンマ 1票


よってヒロイン化決定した裏ボスは順位から選び………。



聖天使アルテマ
戒律王ゾディアーク
オメガ


の3体に決まりました。

オメガとオメガウェポンは同票でしたが…。








"私が最後に一票入れてオメガを3位にしておきました"








痛い痛い! 石を投げない! 私にだって投票権はありますもん!

というわけで正しい結果はこれです。


1位:聖天使アルテマ 31票 ◎
2位:戒律王ゾディアーク 18票 ◎
3位:オメガ 5票 ◎
4位:オメガウェポン 4票
5位:オズマ 3票
6位:デア・リヒター 2票
7位:アンラ=ユンマ 1票






次元の墓場

「くぅ~疲れました」

 

ジェノバは黒鉄色の塊が積み上げられて出来た10mほどの山の上に座っていた。

 

それはオメガと呼ばれた殺戮兵器の成れの果てであった。

 

『心にも無いことを言うでない』

 

さらにその山の前にいる竜を囲むように残り11体のオメガが忙しく動きながらミサイルや、青いビームや、火炎放射を放ち続けていた。

 

それは竜の姿へと戻ったヤズマットだった。

 

だというのにヤズマットは仰け反りも、怯みもせずにジェノバに顔を向けて話をしていた。

 

『一方的であったな』

 

「まあ、オーフィスちゃんの時よりはマシな準備運動にはなりましたよ。所詮、古代人が背伸びして造ったアンティーク人形の紛い物でしたけど」

 

『紛い物? まあよい、残りは余が引き受けよう』

 

ヤズマットはオメガらへ向き直った。

 

ヤズマットは30~40mほどの全長を持つ四足歩行の灰色の竜だ。

 

だが普通の竜と違うところが数ヵ所ある。

 

それは首に首輪。

 

また両翼の翼膜の代わり。

 

さらに尻尾の上部。

 

それらに付けられたようなポンチョと同じ模様の魔方陣だった。

 

『温いな…』

 

ヤズマットは烈火のごとき猛攻を食らい続けながらも平然とそう呟いた。

 

ヤズマットにダメージが通っていないのではない。

 

ヤズマットの星数個分に匹敵する生命力を削り切るにはオメガの火力はあまりにも乏しかったのだ。

 

『消えろ』

 

その言葉と共にヤズマットの巨大な爪が降り下ろされた。

 

それに狙われた1体のオメガは瞬間移動のような回避速度でそれを回避した。

 

ことはなかった。

 

回避によりヤズマットの腕の射程から数m離れたにも関わらず攻撃は命中し、大きくオメガの装甲に亀裂を入れたのだった。

 

それこそがヤズマットの2つある能力の1つ。

 

その効果は至って単純。

 

ヤズマットの射程内で敵を捉え、行われたありとあらゆる攻撃は…。

 

 

 

"繰り出された瞬間から因果律が決定されており、何があろうと100%命中する"

 

 

 

避けることが出来ない。

 

これほど恐ろしい能力があるだろうか?

 

2つ目の能力は更に単純。

 

 

 

"ヤズマットに対する全障害能力の無効化"である。

 

 

 

つまりヤズマットとの戦闘はヤズマットに対しての小細工無用の戦闘となる。

 

酷すぎる。特にアルビオンは泣いていい。

 

それに加え、凶悪で膨大な生命力。

 

どんな強者も一瞬で粉砕してしまう恐ろしい連撃速度。

 

文字通り相手を一撃で即死させる"必殺"。

 

相手の時を止める追加効果を持つ氷属性攻撃"ホワイトブレス"。

 

相手を徐々に石化させる追加効果を持つ無属性攻撃"ぺトロブレス"。

 

命中後も相手の生命を削り取り続ける追加効果を持ち、世界最凶クラスの威力の風属性攻撃"サイクロン"。

 

更に奥の手も隠しているがそれは語るまい。

 

これで力の大半を封印されているというのだから脱帽だ。

 

オメガたちの目の前にいるのは"ただそこにある絶望"だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3分後、全てのオメガは破壊し尽くされ、山に積み上げられていた。

 

「本当に全て破壊して良かったのか?」

 

人の姿に戻ったヤズマットはそんなことを聞いた。

 

ヤズマットはジェノバならオメガ部隊などという恐ろしいモノを作ってしまうと思っていたのだ。

 

「じゃあ、そろそろ本題に入りましょうか」

 

ジェノバはそれを聞いたからか、山から降りて少し歩くと両手を広げた。

 

「この場所に溜まった機械や魔導人形の残留思念がオメガという兵器の形を形成し、出現したのですよ。要するにこれらのオメガは怨念が形になった物体なんです。言わばオメガ・ソウル。本当のオメガには到底及ばない不細工な模造品ですよ」

 

そう言っている内に積み上げられていたオメガの残骸が空に溶けるように霧散し始めた。

 

キラキラと小さな光になりながら消える様は芸術的とすら感じる。

 

「ほらね。鹵獲するだけムダでしょう?」

 

「ふむ、なるほど…」

 

そこまで考えたところでふと疑問が浮かんだ。

 

「む? それならなぜ残留思念はオメガの形を取ったのだ? 自分の形になればよかろう?」

 

「それはね…」

 

ジェノバは地面に触手を突き入れると暫く鋼の地中をまさぐった。

 

そして目標を見つけたのかニヤリと口の端を三日月に歪めた。

 

「"コレ"のせいですよ」

 

触手を勢い良く引き抜き、ジェノバが引っ張り出した。

 

「オメガか…」

 

それは1体のオメガだった。

 

だが、そのオメガは既に機能が完全に停止していた。

 

つまり壊されてもう動くことはないということだ。

 

「残留思念の一つ一つは小さくとも、目標足り得る物体があるのならそれを目指し、気の遠くなるような時間を掛けてあれだけの数が量産されたのでしょうね。いつかの復讐を遂げるために」

 

ジェノバはいとおしそうにオメガの骸を撫でた。

 

「全ての怨念の依り代とされながらもそこにオメガの意思はない。うふふ…なんて美しいんでしょうか…」

 

ジェノバはそう呟きながら赤黒い翼を広げると翼の先端が細く長い触手に変形し、オメガの残骸に対して何かの作業を始めた。

 

「相変わらず汝の美意識は変わっておるな…。それでそ奴をどうするつもりだ? 供養でもするのか?」

 

「まさか、そんなことに意味があるわけないじゃないですか。あれを見てくださいよ」

 

ジェノバが指差した方向を見ると空中に小さな黒紫色の霧が発生し、それが晴れると機械系の魔物の残骸や、魔導人形の成れの果てが空中を浮いていた。

 

「発生源はいくらでも湧きますからね。怨念を断つなんて不可能な話です」

 

「なるほど…」

 

「それにコッチは正真正銘の古代人が背伸びして造った殺戮兵器です。んー、この金属の冷たさが堪りません。昔の記憶が流れ込んできます」

 

ジェノバは頬をスリスリとオメガの胴に擦り付けていた。

 

無論、この間も翼は作業を続けている。

 

「………この事にいつから気づいていたのだ?」

 

「んー? どのことですかー?」

 

「今、汝が語った話の全てだ」

 

「オメガ・ソウルを初めて斬り裂いた瞬間ですね」

 

「斬り裂いた瞬間だと?」

 

「オーフィスちゃんですらただ正宗で斬っただけでは、腕の一本も斬り落とせなかったのに関わらず、オメガ・ソウルは真っ二つなりましたもの。ついでに、オメガはオーフィスちゃん1人じゃ勝てなかったので初めてグレートレッドと協力して倒した相手だった言っていましたしね」

 

「汝には敵わんな…」

 

同じ敵を相手にしていたというのにジェノバは敵の分析から答えまで出していた。

 

さらにオーフィスから同じ話をヤズマットも聞いていたのだ。

 

にも関わらずそれに気づくことさえできなかった。

 

そう呟くのも無理はないだろう。

 

「そんなの当たり前じゃないですか?」

 

ジェノバは何を言っているんだとでも言いたげな顔をした。

 

いっそ清々しいほどのドヤ顔である。

 

「汝はそれを悪魔にする気か?」

 

ヤズマットはジェノバがペタペタと触っているオメガを見ながら言った。

 

「勿論ですよ。神性を持たないこれ以上の存在は無いでしょう?」

 

「ならば何の駒で転生させる気だ?」

 

「コレですよ」

 

ジェノバは1つの"騎士"の駒を出した。

 

「………………正気か?」

 

騎士の駒1つの価値はたったの3。

 

兵士3つ分だ。

 

例え変異の駒だとしても、グレートレッドと同等ほどの戦闘力を持つ殺戮兵器を悪魔にするなど不可能な話だ。

 

最も…。

 

「不可能だと思います? おお、取れました」

 

オメガのヘッドパーツを胴体から取り外しているジェノバを見る限りとてもそうは思えないが。

 

「せめて戦車ではないのか?」

 

ヤズマットはオメガ・ソウルとの戦闘でオリジナルのオメガの火力と耐久力をおおよそ理解している。

 

それに従い、どちらかと言えば拠点砲台の役割が相応しいのではないかと考えたのだ。

 

最も、価値が騎士の駒より高いとは言え、戦車1つで転生させようとするのすら無謀だとヤズマット自身は考えているが…。

 

「そのままでも十分な硬さと火力のあるモノを更に強化してどうするんですか、それにオメガの一番の売りは爆発的な回避力です! 即ちスピードですよ!ってめっちゃホコリっぽいです!」

 

ジェノバはオメガのヘッドパーツを外したため露出した内部の動力部を外して外に出し、胴体に空洞を作り、そこにジェノバが上半身だけ入り、下半身はぶらーんとしていた。

 

「回避力?」

 

「あなたに回避を語ってもムダでしたね………くッ!? あ、あれ? 翼が挟まって…」

 

ジェノバはヤズマットの理不尽極まりない能力を思い出して額に指を乗せた。

 

ちなみに胴体にジェノバが入るスペースが想像以上に無かったらしく、上半身は入ったが下半身は入らずバタバタと足をバタつかせていた。

 

「ふう………全くわかってませんねぇ。まあ、解れと言う方がムリですか」

 

ジェノバは深い溜め息をついた。

 

「仕方がないので騎士の駒の1つでオメガを転生させるためのヒントを差し上げましょう」

 

「むう…?」

 

ジェノバはヤズマットに見えるように魔力で作った1という文字を空中に浮かべた。

 

「ヒントその1。当たり前ですが、悪魔の駒で転生した転生悪魔がどれほど後天的に実力をつけたとしても悪魔のままです」

 

「ぬう…?」

 

ヤズマットは首を傾げた。

 

ジェノバのヒントを簡単に言えば"悪魔は強くなっても悪魔"ということだろう。

 

あまりにも当然で基本的な事である。

 

それをオメガを騎士の駒で転生させる方法に結びつけることが出来なかった。

 

胴体の中でやれやれと大袈裟に呆れるポーズを取ってからジェノバは空中に2の文字を浮かべた。

 

「ヒントその2。オメガは機械です」

 

「転生悪魔…機械………」

 

「クククッ…答えはね…」

 

ジェノバは胴体と中であるモノを掴み取ると、悪戯が成功した子供のように無邪気な笑顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

「あの…回答は後にして、とりあえず抜いて頂けませんか?」

 

「挟まったのか?」

 

「いや…なんかこれ物理的にどうにもならないですよ。後で使いますので残骸(コレ)を傷付れませんし…」

 

「ぬんッ!」

 

「え? はやッ!? 心の準備というものがちょっ…痛い痛い痛い! つ、翼がぁぁぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

「つ、翼がぁ…私のキュートな翼ちゃんがぁ~」

 

ジェノバはわざとらしく翼に特大の絆創膏を出現させ、それを手で擦っていた。

 

「抜けたではないか?」

 

「こんなことなら幼女になって抜けましたよッ!?」

 

「ふむ、そんなことより答えが聞きたいぞ」

 

「あー、そうでしたね」

 

ジェノバはメイド服の汚れを払い落とすと、拳ほどの大きさで黒い半透明のクリスタルのような宝石を掲げた。

 

クリスタルの中では赤く小さな球体が鈍く輝いていた。

 

「これが答えです」

 

「なんだそれは?」

 

「これはオメガの中枢ですよ。コンピュータで言えば演算装置、制御装置、記憶装置の全てに当たるモノです。まあ、簡単に言えば人間で言うところの脳ですよ」

 

「脳?」

 

「そうです。ですが、オメガは生き物では無いのでこれが脳であり、内臓であり、魂であり、命です」

 

ジェノバはつまりと言葉を区切ると黒い笑みを浮かべ、騎士の駒とオメガのクリスタルを掲げた。

 

 

 

 

 

「"機械仕掛けの殺戮兵器(オメガ)は石ころ程度まで弱体化できるんですよ"」

 

 

 

 

 

 

それは転生悪魔が転生後に駒の価値を超えて強くなるのと全くの逆。

 

強すぎて転生悪魔に出来ないのなら、極限まで弱体化させてから転生させればいいというとてつもない発想だった。

 

「なっ……だが、生きていないモノを悪魔に転生させることは出来ないであろう?」

 

冷静に考えれば悪魔の駒は生き物を悪魔に転生させることは出来るが、初めから生きていないモノは転生させることは出来ないのだ。

 

例え、命に相当するモノだったとしてもそのままジェノバの理論で行けばノートPCも悪魔に出来てしまう。

 

無論、そんなことは不可能だ。

 

「ねぇ…ヤズマットちゃん。根本的なことを忘れてますよ?」

 

ジェノバは何を言ってるんだコイツとでも言いたげな表情でヤズマットを見た。

 

 

 

 

 

「"モノに命を吹き込むのなんて普通に出来ますもの"」

 

 

 

 

 

「………………」

 

そうだった…。ヤズマットは思わず目頭を押さえた。

 

軽いノリと日頃の日常的行動から忘れがちだが、目の前の存在は万物の創造主などという肩書きをいくつも喰らってきたとんでもない怪物であり、それ全ての力をその身に宿しているのだ。

 

要するに小学生低学年が考えた"僕の考えた最強のウルトラハイパースーパー神様"のようなふざけた存在なのである。

 

「じゃあ、いっきますよー」

 

「好きにしてくれ…」

 

ヤズマットはここで初めて理解した。

 

あの少年は本当に苦労しているのだな…と。

 

ジェノバがオメガのクリスタルに息を吹き掛けた。

 

「………………………………終わりか?」

 

「終わりですよ?」

 

ヤズマットには特に何か変わったようには見えなかった。

 

その様子を見てか、ジェノバはどこぞのチョコボ頭を思い出す呆れ方をした。

 

「人間の脳ミソがここに落ちていたとします。それは話しますか? 喋りますか? モノを食べますか? 五感を感じますか? それが答えですよ」

 

ジェノバはオメガのクリスタルを恍惚とした目でうっとりと眺めながら撫でた。

 

「このオメガは文字通り何も感じない、動けない。でも、考えることは出来る。今、出来たばっかりの心でね…」

 

外道である。

 

まさに外道である。

 

清々しいほど外道である。

 

「とりあえずこれでお土産は出来ましたね」

 

ジェノバはオメガの残骸とオメガのクリスタルを亜空間へ放り込み、騎士の駒を再び腕に戻した。

 

「む? 転生させないのか?」

 

「最初に言いましたよね? 全ては彼が決めることです。私は候補を見繕ってるだけに過ぎませんよ」

 

「と、言うことは彼に選ばれなければオメガは…」

 

ヤズマットは少し気の毒だと思っていた。

 

機械のままだったら放置されても苦では無かろう。なぜなら苦という感覚さえわからないのだから。

 

だが、心を持ってしまえば話は別だ。

 

心を持つ生き物が身体1つ動かせず、五感全てが機能しない。

 

そんな暗黒の世界にいつまでも放り込まれる。ゾッとする話だ。

 

「………? それがどうかしましたか?」

 

だが、ジェノバはまるでそれの何が気の毒なのかすらわかってすらいないように首を傾げていた。

 

いや、ジェノバにとっては本当にどうでもいいのだろう。

 

ジェノバが真に見ているのは彼のみなのだから。

 

「では、もう目的は済んだのか?」

 

「んー、概ねそうですが…」

 

ジェノバはどこか遠くの空中に漂う残骸の1つを見詰めた。

 

「何かあるのか?」

 

「アレからものスゴい残留思念を感じるんですよね」

 

ジェノバとヤズマットはその残骸へ近付いた。

 

「これは…」

 

それは頭に三角帽子を被り、上半身はオックスフォードブルーの服装、下半身は白いズボンを履いている人型の魔導人形だった。

 

特徴は一対のダークブルーの翼と既に停止して尚、離すことなく三日月に小さな竜の翼のようなものが付いた大型のロッドを持っていることだろう。

 

だが、翼は折れ、全身の身体は至るところがこれ以上無いほど破壊され、長い年月が経過したためか朽ち果てていた。

 

寧ろ、原型を留めているのが不思議なぐらいだ。

 

ジェノバは服の中を物色していると小さな銀のプレートを見付けた。

 

それには"B.W.Ⅲ"と刻まれていた。

 

「なんだこれは…本当に魔導人形なのか?」

 

ヤズマットがそう呟くのも無理はなかった。

 

ソレから今も溢れ出ている怨念は人間の憎悪をすら生温く見えるほど巨大で禍々しい力を帯びていたからだ。

 

「これは執念ですよ。何かに対する凄まじいほどの…ね」

 

「わかるのか?」

 

「これだけ剥き出しの思いが外に出ていれば嫌でも記憶が読めますよ」

 

ジェノバは暫く、目を閉じてからゆっくりと目を開けた。

 

 

 

「"黒のワルツ3号"ですか…クククッ…面白い」

 

 

 

ジェノバはこれ以上壊れないように丁寧に亜空間にソレをしまうと、ヤズマットと共に次元の墓場を後にした。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「クェ~!クェ~クェ~クェ~」

 

「………これどうしたら良いのかしら?」

 

『我はしらん』

 

ジェノバとヤズマットがチョコボ平原に戻ると、赤チョコボ(大)にスリスリされている奉先と呆れたようにそれを見ている2ヘッドドラゴンがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の夕食中。

 

「ところでシンラさん」

 

「はい?」

 

ジェノバは一度深呼吸をしてから真剣な面持ちで言葉を紡いだ。

 

 

 

 

 

「"メカ娘"と"魔女っ娘"ってどう思います?」

 

 

 

 

 

真顔でそんなことを言い放ちやがった。

 

それを聞いて事情を全て知っているヤズマットがイスからズッこけた。

 

「ど、どうとは?」

 

意味のわからない質問に顔を引き吊らせながら彼は答えた。

 

「好きか嫌いかの話ですよ」

 

「あ、ああ…それなら嫌いではない…のか?」

 

余りにも突拍子のない発言だったせいで彼も妙なことを言い始める始末だ。

 

「つまり好きですと?」

 

「ああ…」

 

それを聞いてジェノバはニヤリと口の端を吊り上げた。

 

ちなみにこんなどうでもいいような問いが、人生を左右する問いだったと彼が気づくのは割りと直ぐの話である。

 

「そうですか、協力ありがとうございます」

 

「?」

 

ジェノバは頭にハテナを浮かべる彼を余所に、張り付けたようなニコニコ笑顔の裏で早くも改造プランを思い描くのであった。

 

 

 

 

 

 

 




シンラくんの望み通りの眷属が揃っていくよ!(白目)

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