家のメイドが人外過ぎて地球がヤバイ   作:ちゅーに菌

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やあ、ちゅーに菌or病魔です。

わりと投稿が遅れましたごめんなさい。

まあ、仕方ないですよ。

今回の話は書くのに苦労しましたし、それに…。


"ドラゴンクエストモンスターズ2
イルとルカの不思議なふしぎな鍵"


が3DSで2月6日に出ちゃいましたもん。

現在、78時間プレイしてます。

作者は特定のゲームに対して廃プレイヤーなのでそれが発売されると極端に小説投稿速度が落ちるのでご了承下さい。

次の確実に投稿速度が落ちるのはソウル・サクリファイス デルタ


そ・し・て………。



"ダークソウル2"です!!!!!!



遂に遂に遂に遂に発売です!

いやー、正直PS3持っててデモンソウルとダークソウルやっていない人は人生損していますよマジで。

ニコニコ動画でもとっても動画が面白いですし、なによりデモンソウルとダークソウルの所見プレイが出来るなんて羨ましい限りですよ。

いや、本当に記憶消してやり直したいです。

さらに言えば!





【くどいので削除されました】













1秒の話

 

 

エクスデスが言葉を紡ぐ少し前。

 

ジェノバはエクスデスに御茶を手渡していた。

 

「粗茶です」

 

「すまぬな」

 

その瞬間、確かに指先が手甲に触れ、ジェノバは内心で口の端を吊り上げた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

今より遥か過去。

 

英雄らと大魔王の"最後の戦い"が繰り広げられた。

 

その死闘の果てに大魔王は敗北し、自身の"無"の力に呑み込まれ、"無"の化神と化した。

 

英雄らはそれさえも倒し世界を再び平穏に導いた。

 

だが…。

 

 

 

 

 

"大魔王(エクスデス)は死していなかった"

 

 

 

 

 

"無"の力がエクスデスを生かしたのか?

 

それか不死身の身体が役立ったのか?

 

はたまた人の憎悪が再び蘇らせたのか?

 

もしくはそれら全てが奇跡を起こしたのか?

 

今となっては知るよしもないが、1つ確かなことはエクスデスは完全消滅から1000年の時を経て再臨したということだ。

 

見慣れたムーアの大森林の中でエクスデスは考えた。

 

"無"とは一体、何なのか?

 

それはエクスデスにとって世界征服よりも遥かに重要なことであった。

 

当初は世界最強の力程度の認識であったが、そんな生温いものではない。

 

そもそも暴走し、自らを呑み込んだ筈の"無"がなぜ未だにエクスデスの中にあるのか?

 

エクスデスは自嘲気味に笑った。

 

自分の力すら正体不明な状況では到底世界の王などと呼べたものではない。

 

故にエクスデスは最強の暗黒魔導士として"無"を知ることにしたのである。

 

エクスデスは研究に次ぐ研究を重ねた。

 

そして数十、数百、数千年が経過し、万の月日が過ぎようとした頃にはエクスデスの"無"の力も昔と比べ物にならないほど強大になっていた。

 

"光と闇の果て"にて、過去に世界を滅ぼし掛けた伝説の暗黒魔導士にして真の"無"の使い手である"エヌオー"を撃破し、エクスデスの"無"は究極へと近づき、同時に"無"の全容を理解したのだ。

 

真の"無"の使い手となったエクスデスだったが、それだけでは当然留まらなかった。

 

無論、"無"を使いたいという衝動である。

 

だが、次元の狭間で純粋に強い連中などしんりゅう(オーフィス)とオメガぐらいであろう。

 

正直、"無"を相手にするには完全に役不足だ。

 

そこでエクスデスは思い付いた。

 

 

 

 

"数多の次元最強の存在ならば我が無の相手になるのではないか?"

 

 

 

そう考えたエクスデスの行動は早かった。

 

まず1つに戻っていたクリスタルを再び二分した。

 

次元の狭間が残っていたことからもわかるように完全な1つのクリスタルに戻っていたわけではないため、それは容易に可能だった。

 

ただ、昔と違うのは分離させた種族の違いだろう。

 

エクスデスは世界を人間の住む世界と、魔物の住む世界に完全に分けたのだ。

 

さらに魔物の住む世界で異種による魔物同士の潰し合いを防ぐために世界を三分した。

 

最初に造られた世界は海の無い、地と自然の世界。

 

次に造られた世界は地の無い、海と空の世界。

 

そして、最後に残った闇と死の世界。

 

それらに分離させた過程でできた世界と世界のスキマに次元の狭間を押し広げることで、以前の数倍の空間を造ることに成功した。

 

そして、エクスデスは"無"の力で…。

 

 

 

 

 

"強い存在がいると思われる時空ごと切り取り、次元の狭間に定着させたのだ"

 

 

 

 

 

とんでもないゴリ押しである。

 

が、当たり前のように成功してしまうから"無"とは恐ろしい。

 

エクスデスは数々の異世界最強の魔物(モンスター)と戦った。

 

最強の恐竜。

 

竜の皇帝。

 

駄菓子屋の一番クジの目玉景品。

 

究極の合成屋。

 

数多の召喚獣。

 

最悪の巨大兵器。

 

聖天使。

 

戒律王。

 

最強の神造神竜。

 

あと、ラヴォス。

 

上げるだけでもキリがない程のありとあらゆる至高の存在と正面から対峙し、その全てに勝利した。

 

理性のあるモノは配下に加え、次元の狭間に住みかとしてその空間を残し、従わないモノは異世界ごと抹消したのだ。

 

勝ち続けること数十万戦、時間にして数万年が経過した頃。

 

世界はいつの間にか変化し、いつの間にか世界には呼び名が付いていた。

 

それは…。

 

 

 

 

 

人の住む世界は"人間界"

 

 

 

海の無い、地と自然の世界は"冥界"

 

 

 

地の無い、海と空の世界は"天界"

 

 

 

そして、闇と死の世界は"冥府"

 

 

 

 

世界はクリスタルを礎に4つの世界として絶妙なバランスを持って成り立っていたのだ。

 

さらに人間、悪魔、天使、堕天使、死神といった種族がそれぞれ組織化した力を持ち、世界の実質的な支配者となっていた。

 

"死神のトップこそエクスデスの配下の者"だが、それは奇跡のようなものだった。

 

そして…エクスデスは確信した。

 

今こそ再び自らが動き、かつてエクスデスが求めた世界と同じように狂おしくも美しい世界の永劫の王となろうと。

 

エクスデスは世界全てに対して歓喜とも嘲笑とも取れる笑い声を上げながら、本来の目的である世界征服に手を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のだが………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

征服にあたりまさかの事態が発生した。

 

それは…。

 

"エクスデス自身があまりにも強すぎたことだ"

 

元来、大魔王様は実力に見合うだけの強さ、あるいは1%でも勝てる望みのある勇者や英雄がいるからそれを危険分子と判断し、対抗策を用意したりするのである。

 

無論、エクスデスもそういった類いの大魔王だ。

 

しかし、今のエクスデスの状態をジェノバ(ゲーム)的に説明するのなら…。

 

"自力でステータスをカンストさせ、苦労に苦労を重ね遂に最強武器、防具、アクセサリを入手したのに戦える強ボスがどこにもいなかった状態である"

 

現実は非情だった。

 

"無"以前に指先から発された呪文ですら軍団は壊滅し、組織のトップすら余裕で倒せる始末。

 

いや、昔のエクスデスならそれでも良かったであろう。

 

世界征服自体が目的だったのだから。

 

だが、今のエクスデスは違う。

 

バッツらに敗北し、長い年月を掛けて真の"無"に至り、強大なる敵を討ち滅ぼし続けたことで自分ですら気づかぬ間に心踊る戦いを求めるようになっていたからだ。

 

過程だったモノが目的へと変異していたことに最も驚いたのはエクスデス自身であった。

 

だが、理解した瞬間、エクスデスの世界は急激に色褪せた。

 

それからのエクスデスは征服を止め、脱け殻のように無駄に日々を過ごした。

 

生涯全てを掛けた目的が意味の無いモノに変わってしまったのだからそれも当然だろう。

 

要するにエクスデスは完全に燃え尽き症候群に陥ってしまったのだ。

 

そんなある日。

 

次元の狭間にあるエクスデスの居城の1つである"次元城"に配下であるオーフィスが見慣れないモノを抱きながら現れた。

 

それは悪魔の赤子だった。

 

オーフィスの話によればその悪魔の赤子は偶然、オーフィスに拾われた戦争孤児らしい。

 

エクスデスはオーフィスに二度と拾って来るでないと念を押し、手に"無"を纏わせると赤子を消滅させるため手を伸ばした。

 

が、途中でその手は止まった。

 

その赤子にはそれなりの魔法の才能があることを見抜いたからだ。

 

それは少なくとも冥界で魔王などと自らを呼ばせている連中を軽く凌駕していた。

エクスデスは未に言葉すらまともに話せず、無邪気に笑う赤子を見下ろしながら、ふと面白そうな暇潰しを思いついた。

 

その掌にエクスデス自身の"無"ではなく、エヌオーの"無"の断片を浮かべながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十数年後、冥界にルシファーの右腕として数多の堕天使と天使を討ち取る将兵がいた。

 

戦場にて突如として頭角を現したその悪魔は、初陣にて圧倒的な殲滅能力を持つ古代魔法で数千の軍勢をただの1人で壊滅させ、"無"の力で四大熾天使が1人のウリエルを討ち取る功績を上げた。

 

そのことにより、番外の悪魔として72柱の一桁に並ぶ程の地位をルシファーに与えられ、さらに凄まじい名声を我が物としていた。

 

同時にその悪魔は地位を与えられたことに恩義を感じ、生涯ルシファーに使える事を約束した。

 

その悪魔の名を"ルキフグス"と言った。

 

 

 

 

 

 

『そこまでにしておけ』

 

 

 

 

 

 

ジェノバさんは更に時を読もうとするが、途中でジェノバの精神世界に立っている人物にそれを阻まれた。

 

それはジェノバが今まで記憶を見ていたエクスデス本人に他ならなかった。

 

エクスデスはジェノバの精神世界に直接入ることでジェノバの記憶を詠む能力を強制的に停止させたのだ。

 

『チッ…流石は宇宙最悪の力ですね。これからが良いところでしたのに…』

 

ジェノバはエクスデスの"無"に対して悪態をついた。

 

ジェノバは"無"に対してよく思っていない。

 

よって様々な力を星ごと取り込んでいるジェノバすら"無"の力にだけは手を出していない。

 

恐らく今後、ジェノバが"無"に手をつけることは無いであろう。

 

それというのもジェノバが"無"というものが一体、なんであるかを知っているからに他ならない。

 

"無"とはそもそも宇宙の誕生の瞬間に発生した原初の力だ。

 

全宇宙を形作った力であり、全ての宇宙を今も尚、造り続け、全ての銀河、星々、生物、無生物、森羅万象ありとあらゆるモノの最も原初の"1"の力なのである。

 

だが、逆に宇宙が出来る前にそこにあった空間からしたらどうだろうか?

 

小さな波紋から"無"が膨れ上がり、外宇宙を侵食し、自らを拡大させ続ける。

 

まさに全てを破滅させる"0"の力なのである。

 

つまり"無"とは究極の破壊と創造の両面を持つまさに至高の力なのだ。

 

エクスデスの持つ"無"など全ての"無"からすれば大したことはないであろう。

 

しかし、その性質上、純粋な力ならば星の力の比ではないほどの力を持つ力であり、ジェノバが最も恐れる力なのだ。

 

ならばなぜジェノバは"無"の力を取り込もうとしないのか?

 

それは"無"を扱おうとした者の全ての末路は等しく"無"に飲み込まれるからに他ならない。

 

なぜなら"無"とは宇宙の祖であり、相対をすることのない唯一無二の至高の力だからだ。

 

それをただの個人が制御しようとする前提がそもそも間違っている。

 

"無"は始めから御することも、支配することも叶わないただそこにあるだけの力なのだ。

 

自分が思うように扱えない力な上に、飲み込まれる危険性が高く、何が起きるか予測不能な力に何の意味があるのだろうか?

 

それならば堅実に星々を喰らいながら力をつけた方がいいというのがジェノバの結論だ。

 

これは蛇足だが、宇宙全土を時間圧縮しようものなら即効で"無"に存在ごと消されるので絶対にしないように。

 

最もジェノバにとってシンラに封印されている"無"だけは別である。

 

『貴様はラヴォスの仲間か何かか?』

 

『ああ、もう。なんで皆さんは私とアレを同じにしたがるんですか!』

 

そんな事をいいながらもジェノバはエクスデスの"無"を値踏みするように見ていた。

 

『うわぁ…』

 

そしてジェノバはエクスデスの異様性に気がついた。

 

それはエクスデスの中の"無"がエクスデスが"無"に飲み込まれないであろう限界の2歩手前程の量であった事だ。

 

『あなた…大した使い手ですね』

 

『ほう…貴様は"無"を知っているか』

 

『知っているも何も"無"自体は扱おうとした者は小銀河の星の数ほどいますよ。ただ、あなたのような者は異例ですがね』

 

『それより貴様はなんだ?』

 

『私はジェノバ、ただのシンラさんの専属メイドですよ』

 

『そうか…』

 

エクスデスは話し合いが平行線を辿ることを察したのか、踵を返すとジェノバの反対方向へ歩き出した。

 

『ならば余計な詮索はするな。それだけ見れば充分であろう』

 

『でもシンラさんについてはまだですよ?』

 

それを聞くとエクスデスは足を止めた。

 

精神世界にはその個人が最も心に残っている場景が映し出される。

 

ジェノバの精神世界は宇宙空間そのものだ。

 

エクスデスが空を見上げると満天の星空が輝いていた。

 

それはジェノバが星ではなく宇宙に生きる生物だと言う証であろう。

 

『そう急ぐな。今日、わしから話す』

 

それだけ言うとエクスデスは再び歩き出し、ジェノバの精神世界から完全に消え、その場にはジェノバだけが残された。

 

『はぁ…シンラさんは生まれつきの巻き込まれ体質なんでしょうか?』

 

そう呟くジェノバの姿はいつも通りのメイド服に青い人型の姿だった。

 

もし、彼と会う前のジェノバなら巨大な怪物のままの姿だったであろう。

 

ジェノバもまた変わったのだ。

 

『ふふふ、シンラさん。私はいつでもお慕いしていますよ』

 

それだけ呟くとジェノバもこの精神世界から姿を消した。

 

心なしか満天の星々は本物の星よりも輝いていて見えた。

 

 

 

 




いつからエクスデス先生の話が始まると錯覚していた?

それは次回です。

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