家のメイドが人外過ぎて地球がヤバイ   作:ちゅーに菌

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どうもちゅーに菌or病魔です。

lov3でモルモー&エンプーサでさっぱり勝てねぇ…。というかコイツら実質エネタワーアップ付いてるようなものなんじゃ…。誰が上手い動かし方教えてください。


おかしら…好きだあ…

 

 

 

 

 

「へー、やっぱり神羅の家にもラジコンとかあったのね」

 

農薬撒いたりするための奴だけどな。

 

私と奉先は庭の片隅にある倉庫と言う名のお蔵入り品を物色していた。理由はジェノバさんが"昔作った少し特殊な薬が倉庫に保管してあるので持ってきて貰えませんか?"などと頼み事をしてきたからである。

 

ジェノバさん製の"特殊な薬"というアンブレラ製のアンプルより数段ヤバそうなモノが倉庫に眠っていると聞いた瞬間、私は行動を起こし、それに近くにいた奉先が着いてきたのだ。

 

そんなことを考えていると、奉先は何を思ったのかマジックを取り出し、キュキュッと音を立てて農業用ヘリコプターに落書きをした。文字だけは無駄に綺麗である。

 

「これでよしと…」

 

"カプコン製"

 

おいやめろ。

 

そんなことをやっているうちに倉庫の中で明らかに真新しいと言うか…異彩を放っている物体を見付けた。

 

それは目に眩しい程銀色のアタッシュケースである。バイオ5でJブレイカーが入ってそうな限り無く正方形に近い長方形のアタッシュケースだ。まるで開けろと言わんばかりに情景から浮いている。

 

触らぬ神に祟りなし。だが、触らなければならないこのもどかしさである。

 

私はそれを爆弾でも抱えるようにそっと持ち上げる……のは危ないかもしれないので初歩的な魔法で空中に浮かせて運ぶことにした。

 

とりあえず奉先は私のアルバムを発掘すると躍起になっているため、ジェノバさんに届けに行くとしよう。

 

ちなみにアルバムは全て母さんが持っているのでここにあるわけもないが言わぬが華だろう。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

「んー! んー! んー!」

 

『あ、持ってきてくれたんですね。ありがとうございます』

 

庭にあるニブルヘイム魔晄炉にいたジェノバさんにアタッシュケースを届けた。今更ながら庭にあるニブルヘイム魔晄炉とは凄い日本語もあるものだ。

 

何故かジェノバさんの隣で簀巻きにされ、猿轡を噛まされているオーフィスちゃんの事が気にならないと言えば嘘になるが、私にはどうすることも出来ない。家で上機嫌なジェノバさんを止めれるモノなど存在しない。

 

ちなみにこの魔晄炉は名前通り、内装の大部分もあの魔晄炉を忠実に再現しているので真下に魔晄が溜まってる回廊の道の端に柵がないわ、モンスター製造フロアーで覗くと何か造っているわ、ジェノバさんの部屋にはジェノバさんがいるわとても危ない。危険が危ないと言いたくなるレベルである。絶対にミリキャスは連れて来れない。

 

今いるのはそのモンスター製造フロアーだ。その奥のジェノバさんのいた場所はジェノバさんの最重要ラボ兼自室なので絶対に入らない方がいい。この星有数の肉体を持つ私が言うんだから間違いない。最後に入った時は軽く国が吹き飛ぶ規模(10m程)の人工破魔石に源泉(ライフストリーム)掛け流しにしてたしな。星が滅ぶとしたらまずここからだろう。

 

「がるるるる…」

 

とりあえず流石に不憫に思い、猿轡を取ってみたのだが、なんだがオーフィスちゃんの様子がいつもと違うように見える。それに表情がムスッとしているような気もする。

 

「がー!」

 

あ、手を噛まれ……。

 

「はむっ」

 

……………………オーフィスちゃんははむはむと包み込むように私の手を食んでいる。はむはむしている…………なにこれ?

 

『偶々オーフィスさんに"聖水"と"乙女のキッス"を飲ませていたところこのようになってしまい、万能薬などを切らしているため、仕方無く倉庫に保管しておいた万能薬を作る過程で発生した似た効果のある薬を飲ませようとしたわけです』

 

ああ……体内で祝福のキッスになってバーサク状態になったわけか……どうしてその組み合わせで飲ませる事になったんだろうか?

 

まあ、いいか。手をはむはむするだけのバーサク状態とはやさしいしんりゅうだなオイ。……やさしいビブロス。

 

ちなみに万能薬とはジェノバさんが開発した如何なる毒だろうと、病だろうと、平常の状態に強制的に引き戻すという医学界を吹き飛ばすチート染みたモノである。ただし、ステータス的な効果には一切反応しない。

 

『そうなるのは多分、シンラさんだけです。私の時は本気で襲い掛かってきましたよ? 動物的な本能をシンラさんを襲わないように感じているが、攻撃しなくてはならない状態の為にそうなっているだけだと思われます』

 

……そうか…これ攻撃なのか…。

 

ジェノバさんは万能薬らしきモノをアタッシュケースから取り上げ、蓋を開けてストローを突き刺すとオーフィスちゃんに向けた。

 

それをチューっと吸うオーフィスちゃん。バーサク状態でもこの食意地である。

 

「……………………」

 

素面に戻ったのか真顔になるオーフィスちゃん。ジェノバさんが簀巻きにしていた紐を解くと、ダッ!っと効果音が付きそうな程一目散に魔晄炉の出口へと駆け出して行った。野性動物かお前は。

 

とりあえずお使いが終わったので、ふと作業台の上を見れば私の悪魔の駒のポーンが7個と、"巨大なフレイル型モーニングスター"と、"稲妻のような紋様の入った赤い槍"と、"5本の棒が付いた銃"と、"なんかもうわけわからんモノ"が並んでいた。

 

…………なんですかこれ?

 

『あ、やっぱり気になります?』

 

そりゃ、まあ、どう見ても私の悪魔の駒が実験材料にされる未来しか見えないですし…。

 

『それは英雄神バアルの"アイムール"、そっちは影の国の"ゲイボルグ"、それとトゥアハ・デ・ダナーン神族の四至宝のひとつ"ブリューナク"、最後に創造神ブラフマーの"ブラフマーストラ"ですね。アースガルド神族秘蔵の魔剣の"レーヴァティン"もありますよ』

 

うわー、伝説の武具のオンパレードだー…………………………で? 昨日は無かったハズのこれらは一体どうしたんですか?

 

『私のお願いで昨日の夜から今日の早朝に掛けて、アースガルドはオーフィスさん、約束の地(クナーアン)の英雄神は本気モードのオメガちゃん、影の国の女王は最終形態の黒のワルツ3号ちゃん、太陽神ルーはヴェグナちゃんの本体、ブラフマー・シヴァ・ヴィシュヌの三柱をヤズマットさんが襲撃して手に入れたドロップアイテムですよ。収穫はイマイチでしたね』

 

禍の団よりヒデェや……。

 

『命ごとなにもかも奪い取っても良かったんですから良心的なモノですよ』

 

戦争とは広くは、民族、国家あるいは政治団体間などの武力による闘争を言う、国家が自己の目的を達成するために行う兵力による闘争がその典型である。つまりこれはただのダイナミック押し込み強盗である。

 

『まあ、禍の団の首領はオーフィスさんが首領と言うことになっていますし、禍の団がやったと言うことになるんじゃないですか? 家では人型ですけど襲撃した時は皆さん人の姿じゃありませんしね』

 

ちなみに禍の団(カオス・ブリゲート)とはこの星最大勢力のはみ出しモノが集まったテロリストと言ったところだ。

 

ただし、テロリストのトップが二十歳程の容姿のオーフィスちゃんに化けたジェノバさんの一部のため、既にゆっくりと組織自体が蝕まれているようなものである。ちなみにそのことは私とジェノバさんだけの秘密だとかなんとか。

 

要望があれば構成員にオーフィスの蛇……と言う名のジェノバさん特製の何かを配っているらしいが、効果は寧ろオーフィスの蛇より上なので問題ないだろう。

 

ジェノバさん製のオーフィスの蛇の事をヤズさんが肉の芽と呼んでいた気がするが多分気のせいだ。

 

『うふふ、私考えたんですよ。1つの駒で最も効率良く強い兵士を造る方法を』

 

微笑みながらゲイボルグを取り上げると部屋にある空豆のような形のモンスター培養槽の前に移動するジェノバさん。

 

悪魔の駒で兵士に転生させるのであり、既に兵士を造ると言う前提がおかしいが今更だろう。

 

『まず、これを見て下さい』

 

私は言われるがままモンスター培養槽の丸い小窓を覗き込んだ。

 

するとそこには妙なイガイガした人型のモンスターなどではなく、異様に肉々しいマネキンのような白い物体が浮いていた。ボディラインから察するに女性型だろう。

 

最もピクリとも動かない出来損ないの白イルカのようなそれを人と形容するのは如何なものかと思うが。

 

『まあ、これは小学生の工作程度ですよ。ただの人造人間(ホムンクルス)の素体ですし』

 

スゲーな最近の小学生。図工でホムンクルスまで造るのか。

 

『まあ、私の細胞をベースに使ってますから厳密には人間ですら無いホムンクルスなんですが、そこは目を瞑って下さい。これらはあくまでも材料です。それで……』

 

ジェノバさんが隣の培養槽のボタンを押したことで排水が始まり、それが終ると勢い良く蓋が開き……。

 

 

 

"悪魔の翼の生えた全裸の銀髪の女性"が飛び出した。

 

 

 

『こちらがあらかじめ作っておいたモノになります』

 

……………………。

………………。

…………。

……どこから突っ込めばいい?

 

伝説の武具と、悪魔の駒と、出来損ないのホムンクルスを見ていたら眷属が増えた。何を言っているかわからないと思うが私も……。

 

『名前は"レーヴァティン"ちゃんですね』

 

ああ、盗ってきた魔剣と同じ名前か……は?

 

『シンラさんは蝶魔術と言う魔術をご存知ですか?』

 

蝶魔術(パピリオ・マギア)

 

芋虫が蛹を経て、一度躰をどろどろに溶かしきってから蝶に変わる様に神秘性を見出した魔術である。 要するに生き物を別の生き物に作り替えちゃおうぜと言うアンブレラ路線の魔術と言えばいいだろうか。

 

ジェノバさんの十八番である。

 

『それと似たようにこの製造機で伝説の武具と、ホムンクルスの素体と、悪魔の駒とを入れてどろどろに溶かして固めたのが彼女です。実験は成功ですよ』

 

……それでジェノバさん。レーヴァティンはどこへ?

 

『ええ、だから彼女です』

……剣は?

 

そう聞くとジェノバさんは、手を打ってから指を立てるといい笑顔を作った。

 

『使ってしまったのでもうこの世にありません。あ、でも悪魔の駒は彼女を物理的に破棄すればちゃんと戻ってきますからご安心を』

 

まさに外道。

 

『何をいいますか。シンラさんがアルテマとゾディアークの獣印を入手した時の予行練…こほんシンラさんの役に立てるのですからこれ程幸福な事はありませんよ』

 

獣印ねぇ…。

 

前にエクスデス先生の課題で聖天使アルテマと、戒律王ゾディアークを倒しに行ったのだ。正直、片方だけなら余裕だと踏んでいた。

 

が、片方のヘネ魔石鉱のような場所に行けばそこはもぬけの殻。

 

仕方なくクリスタル・グランデのような場所へ向かったのだが、そこの名物ゾンビ系モンスターに混じってヘクトアイズや、ギザマルークがいた辺りから気付くべきだっただろう。

 

しかし、道中にダイヤの腕輪を装備してるわけでもないのに桜色で少し湾曲したハート型の盾である"最強の盾"と言う名前の盾を拾った事で気分が良くなり気が付かなかったのである。

 

アイツら………。

 

 

 

終点エリア、クリスタル・ピークでご丁寧に"二体"で出待ちしてやがったのだ。

 

 

 

聖天使アルテマと、戒律王ゾディアークの同時討伐。なにそれこわい。

 

しかもアルテマはホーリジャと完全アルテマを連発しながらHPが少しでも減ると即座に自身にフルケアを掛けやがる始末。

 

ゾディアークに限っては最初から魔法無効と、物理無効を貼り、ステータス上昇魔法で固め、闇吸収装備や闇無効装備を付けてないにも関わらず狂ったようにダージャを連発してくるやりたい放題仕様だった。ゲームだったらクソゲー(勇者視点)なんて騒ぎではない。

 

昔ならいざ知らず、どうやら今の私に逆転に完全な耐性は無かったらしい。数十回目のホーリジャの後のフルケアで本当にクリアにサンズリバーが見えた。

 

その時にこっそり着いてきていたオメガちゃんに救出されなければ渡っていたかもしれない。

 

『開幕か効果が切れたらアフェクトフォーム。通常魔法でアルテマスパーク、トライディザスター、インフィニティ等を連射していたシンラさんも他人の事言えないと思いますよ?』

 

そういう仕様ですから……召喚獣風情がこの暗黒魔導士エヌオーに煮え湯を呑ませてただで済むと思うなよ…ミストの欠片すら残さず"無"に沈めてやろうか…?

 

………………いかん、どうも魔法が関わる勝負事となると昔の私の思考が戻ってくる

な…。まあ、あの2体を消し飛ばすのは確定だが。

 

『兎も角、こんなのは前菜です。シンラさんのもう一体の"騎士"が完成したんですよ』

 

どうやらいつの間にかオメガちゃんクラスの何かが完成していたらしい。最近、魔晄炉が何時もよりガコンガコン煩いと思ったらそんな事をしていたのか。

 

ジェノバさんはレーヴァティンを空豆に詰め直すと奥のジェノバさんの部屋に入るように私を促した。まだ、調整中らしい。なぜ出したし。

 

仕方無く私は言われるがまま、奥へと足を進め……。

 

「シンラー! 見て見てー! 倉庫に透明な弓がいっぱいあったわよー! "ザイテングラート"って言うらしいわ!」

 

おいやめろ。やめてください。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

ジェノバさんの部屋に入るといきなり部屋の中央に巨大な魔物が鎮座していた。

 

女神と2体の骸骨を組み合わせたような怪物である。

 

ええ……なんであなたがここにいるんですか?

 

『ああ、それは"アンラ・マンユ"という魔物です。次元の狭間の砂漠で活動を停止して休眠してたのでそのまま発掘してここに移しました。何かの役に立つでしょう』

 

……………わざと叩き起こして戦闘を吹っ掛けてラストエリクサーだけ盗んで逃げるを繰り返し、エクスデス先生のお使いを早く終わらせるのに重宝してたんだが…もう使えそうにないな。

 

『それはおいといてこっちです』

 

私はジェノバさんに言われるがままアンラ・マンユの背後に回り、ジェノバさんが入っていたところにあるカプセルを前に立った瞬間、言葉を失った。

 

『ふふふ、その表情。やっぱりわかりますか? 人間のクセに凄いポテンシャルですよねこの娘。ライフストリームの中で発見し、捕まえようとしたのですが想像以上に強くて逃げられてしまいました。でもライフストリームの断片から遺伝子情報と多少の魂の構成情報は入手出来たのでこの度、遂に完成に漕ぎ着けました』

人と言うモノは驚き過ぎると何もせずに唖然とすると言うが恐らく本当だろう。

 

 

 

 

 

 

 

『"古の英雄ファリス"のクローンです』

 

 

 

 

 

 

 

エクスデス先生に殺されるんじゃないか……これ…。

 

私は何処か遠くを見つめながら天を仰いだ。

 

 

 




レーヴァティン…横乳…キル姫……うっ頭が…。

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