家のメイドが人外過ぎて地球がヤバイ   作:ちゅーに菌

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ヴェグナガンの昔の話は作者のフロム脳の産物ですよ。ただ暴走したっていうのも味気無いですし(主に性格設定の面で)

ちなみに作者はFFをほとんどプレイしていますがFFⅩⅢシリーズをやっていませんよ。

リターンズが出た時にオメガが使えるとの事だったのでオメガだけダウンロードし、とりあえず買うかどうかは友達に評価を聞いてからにしようと思ったからです。

そしてFFⅩⅢはどんなゲームなんだと持っていて良くプレイしている友達に聞くとイイ笑顔で素敵な返答をしてくれました。




『ライトニングさんの安産型の尻を見る素敵なゲームだよ』




買う気が失せました。






ジェノバさんの日

異界の深淵と無限の龍神が呼ぶ場所の最深部。

 

開けた空間ではありますが、足場以外はどこまでも続く深い闇が続く冷たい場所でした。

 

悪魔の私でも視界が晴れないところを考慮すると恐らく闇色の霧かなにかでしょう。

 

「あ、グレートレッド」

 

無限の龍神が指差す闇を見ると赤く光る点があり、それが徐々に大きくなるとその正体がわかりました。

 

それは赤く100mほどの巨大な龍。

 

真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)でした。

 

例え"全身に無数の傷を作り、片翼が破かれ、腹が貫かれ空洞になっており、尻尾の先が千切れていたとしても"

 

あのお方についで世界2位の実力者をここまで疲弊させるなんて…。

 

いいえ…さっきの無限の龍神の話を信じるのなら世界の実力者が一新されることになるでしょう。

 

そしてヴェグナガンという者は無限の龍神と真なる赤龍神帝すら超える怪物なのでしょう。

 

「グレートレッド、久しい。ボロボロ、大丈夫?」

 

『やっと来たかオーフィス! 傷は問題ない、1日も立てば完治する。それよりそいつらは…いや、話は後だ。来るぞ!』

 

その言葉に続いて深い闇の中に2の青い点が現れました。

 

そして、その位置が次第に上昇し、私たちがいる場所より遥かに高い位置で停止しました。

 

青い点が次第にこちらに近づくにつれて闇から姿を徐々に現し、その全貌が明らかになりました。

 

それは体高だけで真なる赤龍神帝の全長の数倍。全長に至っては20倍ほとの大きさのある巨大な蛾のような機械らしき化け物でした。

 

しかし、頭はマンモスの頭蓋骨のような見た目をしており、さらに体色は黒みを帯びた銀色、極めつけに翼は冥界の黒紫色の星空のような色をしていました。

 

「またおっきくなった?」

 

「ああ…最早、我の攻撃も殆ど効き目がないようだ」

 

『ほうほう、これは…素晴らしい兵器ですねぇ』

 

息子のメイドらしき何かのジェノバという者が前に出て一言いった。

 

『見せてもらいますよ。あなたの過去を』

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

それは1000年前。いや、数万年。ひょっとすると数億年前の話かもしれない。

 

召喚都市(ザナルガンド)機械都市(ベベル)の大戦争。

 

そんな対戦の最中、ベベルにて対ザナルガンド用機械兵器が人の手により造り出された。

 

その名をヴェグナガンと言った。

 

ヴェグナガンは既存のありとあらゆる兵器を遥かに超え、人と比べ物にならないほどの人工知能を搭載し、ザナルガンドとの大戦を終わらせるための言わば核兵器のようなものだった。

 

だからソレは戦争を終わらせるという目的の元、実戦投入される時を待っていた。

 

だが、ソレはある時、とある存在を知った。

 

人を導き人の世の光となる至高の存在。

 

"神"であった。

 

ザナルガンドでもベベルでも神を崇める信仰というものが広まっており皆、大小は違えど神を信仰するものも多かった。

 

だが、ソレは神を好ましく思わなかった。

 

神とは何もしない。人のために人を滅ぼすことも街を焼くこともない。

 

そもそもそんな見たこともない存在を讃えることをする人間が不思議でならなかった。

 

そんな時、ソレの前で1人の技師がこんなことを言った。

 

 

 

『コイツはまさに俺たちの機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)だ』

 

 

 

それが全ての引き金だった。

 

その刹那、ソレは自身の創造された意味を理解した。

 

この機械都市の究極で至高の兵器である自身こそがこの都市の神となり、ベベルの都市の神として全人類を束ねる世の光となる。

 

その時から人の制御下を離れ、暴走が始まったのだろう。

 

無論、ベベルの住民はソレを神として敬うことも奉ることもなかった。

 

自らの手で創造した物だ。人間からすればそうすることなどバカらしいだろう。

 

それにソレは憤慨した。

 

そして人知を遥かに超える人工知能で考えた。

 

どうすれば一体、ベベルの民は自身へ信仰心を向けるだろう?

 

そして、最も簡単な答えを導き出した。

 

 

 

"世界(スピラ)の民全てがこのヴェグナガンを恐怖すればいい"。

 

 

 

 

恐怖も信仰心の1つだ。

 

何かに恐怖するから人々は神に供物を捧げその沈静化をはかり、荒ぶる神を恐れるから人々は生け贄を捧げる。

 

病気や災害に苦しみ恐れ神を崇め、誰かに恐怖し陥れるために神罰を望む。

 

ならばその全てを叶えよう。

 

敵対するものを、不利益なものを、自然という化け物を、そしてヴェグナガン以外に対する恐怖という感情を生み出すもの全てを。

 

等しく破壊しよう。

 

そのためにはまず全人類に恐怖を刻み込まねばならない。

 

物質化する機械仕掛けの神として。

 

ヴェグナガンはそれから2度起動された。

 

 

1度目はテスト起動。

 

搭乗者(演奏者)の精神を乗っ取り、主砲を使わずともザナルガンド、ベベルを含めたスピラの主要都市に多大な被害を与え、スピラの10%の大地を無に還したが、演奏者の肉体が耐えきれずに死んだことで停止した。

 

奇しくもその事が切っ掛けで機械は禁止とされ、機械文明の発展は衰退の一途を辿るのだった。

 

 

2度目はその1000年後。

 

シューインのスピラを破壊する意思に同調し、嬉々としてスピラを一撃で滅亡させる威力の主砲を使おうとすらした。

 

演奏者(シューイン)が1000年前の敵国であったザナルガンドの亡霊だったというのはなんという皮肉だろう。

 

 

そして三度と起動することはなく完全に破壊しつくされた。

 

だが、それから途方もない静寂の後に自らの意思で覚醒したのだ。

 

見慣れた異界の知らない世界の中で。

 

 

 

 

そしてヴェグナガンは未だ暴走を続ける。

 

人類種を、魔物を、目に写る世界全てを根絶し、神として君臨するために。

 

自身が本来なぜ造られたか?

 

何のために神になろうとしたのか?

 

その答えすらいつの間にか忘却の彼方へと忘れ去ってしまっているとしても。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

『なるほど、多少親近感の沸く思考回路をしていますねー』

 

ん? 突然、どうしたジェノバさん?

 

『いえいえ、ここには狂おしいほどの思い…言わば記憶と感情によるライフストリームの破片のようなもので満ちていましてねー。空気に触れるだけで歴史がわかるというものですよ』

 

なるほどわからん。

 

『わかったら逆にビックリですよ』

 

『" Noli me tangere"』

 

ヴェグナガンから機械音が響くと、巨大過ぎる尻尾が全てを凪ぎ払うように迫ってきた。

 

『話の途中に不粋な玩具(オモチャ)ですねぇ』

 

1人前に出ているジェノバさんと、その10mほど後ろにいる私以外のメンツは身構えた。

 

ちなみに私は特にやることもなくヴェグナガンの全体像の観察をしていた。

 

FFX-2で対峙した時と比べると新品のようだ。戦力は1000年間ほったらかされていたバージョンではなく、全盛期のヴェグナガンと考えていいだろう。

 

それにどこぞのFFⅩⅡ仕様のオメガのように自己進化能力も搭載しているようだ。

 

明らかにデカイしな、というよりも大きさ以外変わっていないような…。

 

自己進化能力っていうのはレベルを上げて物理で殴ることを指すのだろうか?

 

そんなことを考えているうちにジェノバさんは片腕を前に出すと迫り来る尻尾に向けた。

 

そして接触した瞬間。

 

ヴェグナガンの尻尾は半ばから真っ二つに斬り裂かれた。

 

『おや? そこの赤蜥蜴が攻撃が通らないなどと宣ってましたからどれほどかと思えばこの程度ですか』

 

それに答えたのかヴェグナガンは巨体からはあり得ない速度で飛行し、ジェノバさんからかなり距離を取るとターレットが赤色に染まり再び機械音が響いた。

 

『"Dies irae"』

 

全てのターレットから1発1発が巨大で、威力は核の比ではない9発のミサイルが放たれ、ジェノバさんへ数十発が飛来した。

 

『うー、にゃ☆』

 

ジェノバさんは明らかに適当にしているのか、それとも私の前から猫を被っているのか、妙な声を出しながらウィンクすると全てのミサイルが同時に凍り付き、爆発することなく弾けた。

 

『トドメ、いっきまーす!』

 

ジェノバさんの手に見覚えのある長刀が浮かび上がった。

 

ん? 正宗か。ジェノバさんが造った正宗なのかオリジナルなのか。それは謎だ。

 

ジェノバさんは正宗を構えるだけでその場から動かずに遥か彼方のヴェグナガンへ向かって降り下ろされた。

 

『斬魔刀』

 

その言葉に少し遅れて、ヴェグナガンの頭、コア、尻尾と繋がるように縦の線が入った。

 

うわぁ…。

 

斬魔刀とはようじんぼうの文字通りの必殺技である。

 

雑魚敵であろうとボスであろうと耐性無効で即死させる。そんな鬼畜技だ。

 

ヴェグナガンは綺麗に2つに割れると闇の底へと墜ちていった。

 

『いえーい! やりましたよシンラさーん』

 

い、いえーい…。とりあえずハイタッチはしておこう。

 

だが、ジェノバさんとハイタッチをした瞬間に機械音が聞こえた。

 

『"Acta est fabula"』

 

そちらを見ると真っ二つにされた跡も尻尾を斬られた痕跡もなく、"胸部から主砲を伸ばし、こちらへ向けたヴェグナガン"が上空で佇んでいた。

 

お、おい…それはお共のリダクトを復活させる技だろ? まさか超即再生したとか言わないよな?

 

『そのまさかだ。前々回ぐらいの復活後から半端なダメージでは直ぐに全回復するようになってしまったのだ』

 

グレートレッドさんとやらから言われた。

 

………………自己進化能力バカにしてすみませんでした!

 

『全く…下らないですね』

 

そう言うとジェノバさんより後ろの私たちがいる場所の間の空間に、幾重もの術式の浮かぶ巨大な透明の壁が出現した。

 

さらにヴェグナガンと私たちを囲むように半径10kmほどのドーム状の青い半透明の障壁に閉じ込めた。

『雑魚は雑魚らしく…』

 

ジェノバさんは手を胸の前で向かい合わせ、丸い円が出来るように囲むとそこに黒いエネルギー球が出現し、同時に球が収縮を開始した。

 

『私が颯爽と一撃でぶっ壊してシンラさんのポイントを稼ぐ礎になっていればいいんですよ。私の邪魔をするとは万死に値します』

 

ジェノバさんが胸の前で収縮させた球が星の爆発のように鮮やかに爆発し、赤い光が巻き起こり、それが円の形を取った。

 

おい…そのエフェクトまさか…。

 

『生み出されたことを懺悔し、私に脅えなさい。そして(まこと)の神とは誰であるかしかと刻みなさい』

 

ヴェグナガンは自身が持つ星の生物という生物を一撃で消し去るであろう究極の攻撃を放った。

 

ヴェグナガンの圧倒的な破壊の嵐は真っ直ぐにジェノバさんへと迫った。

 

 

 

『絶望を贈りましょう』

 

 

ジェノバさんは"ソレ"を発射した。

 

赤い魔弾はいとも容易く、世界を一撃で葬り去る威力のヴェグナガンの砲撃を正面から受け止め、裂けるチーズを片側から全方向に引き裂くように散り散りに霧散させるとそのまま砲身を一瞬で跡形もなく粉砕し、コアに魔弾が激突した。

 

 

 

 

 

『"ジャッジメント・デイ"』

 

 

 

 

 

その言葉と共に闇に包まれていたフィールド全体が赤い光に飲み込まれた。

 

私たちは障壁のお陰でそよ風程の爆風すら来ないが、ジェノバさん以外の障壁内の触れるもの全てを塵すら残さず消滅させる赤い光の光景が圧倒的過ぎる威力を物語っている。

 

光が止んで見えた光景は全身が黒く焦げ、手足や羽に至るまで原型を留めていないヴェグナガンだった。

 

『"Acta est…"』

 

『まだ頑張りますか、ほれほれ』

 

ジェノバさんの両手には1つづつ、ジャッジメント・デイの赤い破滅の光が既に灯っていた。

 

恐らく、爆発中に再び造っていたのだろう。

 

それを交互に投げるとヴェグナガンは再び爆心地となった。

 

………………予想はしていたがヴェグナガンが気の毒になってきた。

 

そして、今度は両手+胸の前の計3つのジャッジメント・デイを造り始めるジェノバさん。

 

ジェノバさん。ジェノバさーん! そこまでしなくていんじゃないでしょうかー!?

 

『それもそうですね』

 

そう言うとジェノバさんはジャッジメント・デイの生成を止めて、ヴェグナガンへ向いた。

 

『ガ…ザザ………ピ…』

 

そこにいたのは最早、原型を留めていない何かだった。

 

………………ヤりすぎですジェノバさん…。

 

『てへぺろ☆』

 

………なにか見てはいけないものを見た気がする。知らん、私は知らん。てへぺろするジェノバさんなどは知らん!!

 

え? 他の連中?

 

ジャッジメント・デイ撃つ前ぐらいからグレートレッドさんはポカーンと口を開けたまま固まり、オーフィスちゃんは私に抱きついたままガタガタ震え、母さんは…ん? 母さん? 母さん?

 

………目を開けて立ったまま気絶とかハイレベル過ぎないか?

 

オーフィスちゃんそろそろ離れないか? おっきいオーフィスちゃんだからそれもおっきいわけでな。

 

え? 嫌? そうですが。

 

………ふう…オーフィスちゃん…奉先よりあるんだな。

 

『とりあえずこれは回収しておきましょう』

 

そういうとジェノバさんはヴェグナガンを亜空間に放り込んだ。

 

と、いうよりもヴェグナガンが亜空間に無理矢理吸い込まれたという表現の方が正しい。

 

『じゃあ、帰りましょうか?』

 

了解。

 

とりあえず母さんの目を閉じて背負う事にしよう。

 

………柔らかい。

 

『あらあら~? お母さんのような女性が好み何ですかー?』

 

後ろを振り向くと母さんに化けたニコニコ笑顔のジェノバさんがいた。

 

やめい、そんなの母さんのキャラじゃない。

 

『待て小僧『あ"あ"ん?』……ごめんなさい』

 

それだけ言うとグレートレッドさんはジェノバさんから逃げるように飛び去っていった。

 

だからジェノバさん、母さんの姿でメンチ切らないでくれ。

 

黒いセーターにジーンズ風のスカートの母さんと違ってジェノバさんはメイド服たがら違和感MAXだしな。

 

『さ、帰りましょう。戦利品も獲得できたことですし』

 

ウキウキといった様子の母さんジェノバさん。

 

もういいや…好きなだけ母さんをブレイクすればいいではないか。

 

私たちは来た道を引き返し始めたのだった。

 

後ろでジェノバさんが黒い笑みを浮かべていたが知らない。知らないったら知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ…。

 

『どうしたんですか?』

 

ジェノバさんは疑問符を浮かべてマジマジと見つめてきた。

 

そういえばジェノバさんに聞いてみたい事があった。

 

いや、これは聞くべきだろう。

 

ジェノバさん。

 

『はい?』

 

今のあなたの中には幾つの星の力が流れているのですか?

 

それを聞くとジェノバさんは母さんの姿から元の姿に戻りニンマリと悪戯っ子のような可愛らしい笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

『ほんの"1052"個分です♪』

 

 

 

 

 

その時、全私が泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




新品同然かつ究極進化ヴェグナガンのHP約1100万。

ジェノバさんのジャッジメント・デイ1発約800万ダメージ。(ジャッジメント・デイはマジでそのダメージ量です)

勝ち目なんて最初から無かったんや…。



集計結果
ヤズマット33
アルテマ3
ゾディアーク2
オメガ2
オメガウェポン2
デア・リヒター1
※感想欄の投票は無効票となっております。

ははは、圧倒的じゃないですかヤズマットは。

さて…これにて擬人化ヒロインはヤズマットさんに決まりました!

と、言うわけで…。






















もう1体の裏ボス系擬人化ヒロインの投票を始めましょう!

ヤズマット以外の票は最初から入っている事にしております。

もちろん一度、投票した方々や、ヤズマット以外の投票をした方々でももう一度投票して全然オッケーです。寧ろして下さい!

詳しい情報は活動報告に掲載しています。

合言葉は"君のトラウマがヒロインになる!"

※投票は活動報告にお願いします。




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