自我が芽生えた者と王道でない者に祝福を!   作:シャイニングピッグEX

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別れ そして彼に会うために

「ここは.....どこだ?」

 

角を持つ者は次目にした光景は目の前に誰も座っていない椅子以外何もない空間だった

 

「体が....直っている?」

 

角を持つ者は本来なら既に無くなっている左腕と見えないはずの右側が見えていることに気づく

 

「待たせてしまってすいません」

 

「ッ!!」

 

角を持つ者は座っていた椅子から勢いよく立ち上がり突如現れた銀髪の女性に警戒する

 

「お、落ち着いてください。 私は敵ではありません」

 

「お前は....誰だ? Judasの仲間か?」

 

「ユ、ユダ? 誰ですかそれ?」

 

「.......」

 

角を持つ者は女性が嘘をついていない事を心音と目で判断すると警戒を解かず椅子に座る

 

「ふぅ、やっと話が進めますね。 えっと....」

 

女性は手に厚い本を持ちページを捲る

 

「ん? すいません。 名前をうかがってもいいでしょうか?」

 

「名前? なんだそれは?」

 

「記憶がないのかなぁ? 相手から何て呼ばれてたかわかりますか?」

 

「.....角を持つ者と呼ばれていたな」

 

「角を持つ者....ですか....」

 

女性はもう一度ページを捲っていく

 

「あ! ありました! あなたのお名前はアストレイですね」

 

「アスト....レイ....?」

 

「はい、それで貴方の死因は.....っ!」

 

「どうかしたか?」

 

「貴方は.....人間ですか?」

 

「いや、俺は人間ではない。 機械だ」

 

「なぜ人間ではない方がここに?」

 

女性は読んでいたページから数枚戻りながら読んでいく

 

「なるほど....事情は分かりました」

 

女性は本を閉じ本は女性の手から消える

 

「この場合、アストレイさんは人ではないので転生はもちろん天国に行くこともできないので必然的に異世界になってしまうのですがよろしいですか?」

 

「異世界?」

 

「はい、今、異世界は魔王軍による危機に迫っています。 一度、世界を救った一人である貴方には酷ですがどうかお願いします」

 

「......わかった。 引き受けよう」

 

「本当ですか!」

 

「あぁ、ただ.....一つだけ臨みを叶えてくれ」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「少しだけでいい....あいつに....アイシーに合わせてくれ」

 

「.....わかりました。 あなたは別世界とはいえ世界を救いました。 転生する特典とは別にその願いを叶えましょう」

 

女性は立ち上がり両手を広げるとアストレイのいる地面が光りだす

 

「今から一度だけ。 元の世界に戻しますのでじっとしていてください」

 

「感謝する....」

 

アストレイは頭を下げると光は一層強くなりアストレイは消える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所変わりモニターしかない部屋

 

〈アイシーを抹消する前に.....君には絶望してもらおう〉

 

Judas戦の後アイシーが常に大事そうに持っていた武器が勝手に浮き上がる

 

「ッ!!」

 

アイシーは手を伸ばそうとするが体が動かず伸ばせなかった

 

〈これは、彼の物だったな 確か彼には自我があったはず〉

 

「?」

 

〈彼は、君に惹かれていった。 だから彼はあの時君を先に行かせないために崩したのかもね。〉

 

〈そう、彼は君の事を愛していたからこその行動だろうね〉

 

「ッ!」

 

〈さて、話は終わりだ。 これで終わりだ〉

 

武器は歪みはじめあと少しの所で武器は何者かの手により歪みから抜ける

 

「まさか、最後にアイシーと話すために戻ってきたのにこんなことになっているとわな」

 

〈誰だ!〉

 

「よぉ、ナレーター」

 

〈君は! そんな、ありえない、なぜ君が〉

 

ナレーターとアイシーの前に現れたのはJudasと共に爆発したアストレイだった

 

そかし、アストレイの体は透けており目を凝らせば奥の壁が見えてしまうほどだった

 

「アイシーは動けず原因は不明。 そして敵は多数か.......」

 

アストレイは己の武器であるガーベラストレートを抜刀し構える

 

〈彼女を守りながら戦うことができるのかい〉

 

「できるできないじゃなくてやるんだよ」

 

アストレイはアイシーを庇いながら戦った

 

己の体を酷使し続けた

 

やがて敵は全滅する

 

〈ありえない 全滅させるなんて〉

 

「黙って」

 

〈うっ...うぐっ....う....〉

 

突然の女性の声と共にナレーターはしゃべれなくなる

 

「アイシー?」

 

アストレイは体に力を入れ立ち上がると前にアイシーが来る

 

「ありがとう」

 

「そばにいてくれて、ありがとう」

 

「守ってくれて、ありがとう」

 

「助けてくれて、ありがとう」

 

「私の気持ちを、あなたに伝えたい」

 

「貴方がいるからこそ、どんな困難でも乗り越えられた」

 

「あなたと一緒にいた時間は私の大切な記憶になった」

 

「でも、あなたの温度を感じる肌も 一緒にいたのにあなたの本当の名前も知らない」

 

アイシーはぽつりぽつりと話す

 

「アイシー君はもう戦わなくていいんだ。 これからは君の進む道を君自身が見つけるんだ」

 

アストレイの体は少しづつ粒子となり消えていく

 

「俺はもうこの世にはいないけど君は生きてる。 俺はこの世界とは別の世界でもう一度世界を救うよ。」

 

「もしかしたらそこでもう一度会えるかもしれないな」

 

アストレイの体が突如全身機械から変わり

 

白髪に赤色のメッシュが入り目は緑色をした人の体になった

 

「ここで、人の見になるか.....」

 

アストレイは特に驚くこともなく冷静だった

 

「アイシー、じっとしててくれよ」

 

アストレイは赤色の光るものを加工しチェーンに繋いだものをアイシーの首につける

 

「本当ならJudasを抹殺した後に渡すつもりだったんだがな」

 

アイシーは首につくれられたネックレスを持ち見つめた後にアストレイに向き直る

 

「俺は.....アイシー、君の事を愛している」

 

アイシーはアストレイの突然に告白に少しだけ固まり一気に顔が赤くなる

 

「今だから言える。 俺は君の事が好きだ.....」

 

アストレイは伝える事を終えたのかその場から完全に消えた

 

「ズルい.....ずるいよ....」

 

アイシーはただ一人膝をつきアストレイからもらったネックレスを握る

 

〈ならば。彼に会いに行けばいい〉

 

「っ?! 誰!」

 

〈僕はアストレイの方についていたナレーターだよ〉

 

「アストレイ? 誰それは」

 

〈おいおい、さっきまで君と話してたじゃないか。 まさか、彼は自分の名前を言わなかったのかい?〉

 

「アストレイ....彼の名前」

 

〈そんな沈むことかい? 君たちの会話を聞いていたが彼は消えたのではなくこことは別の世界に行った。〉

 

「それが何? もう、彼には....」

 

〈ならば彼のいる世界に向かえばいい。 幸いにももうここは救われた そして君も彼のおかげで自由の身だ〉

 

〈ならば、ここから先は君の道だ。 僕はまだアストレイと繋がりはあるけど弱い。 だけど君なら.....いや、君だからこそアストレイの所にたどり着ける〉

 

「....場所はわかるの?」

 

〈大体はね。 でも僕でも断定できない〉

 

アイシーの目の前に扉が現れる

 

〈その門を通ったらそのネックレスから発せられる光をたどればいい。 それは君が彼の事を思う気持ちが強いほどより正確に記してくれるはずだ〉

 

「貴方はどうするの?」

 

〈僕はここから動けない。 それに彼に僕は不要だ。 ただ、これを渡しておく〉

 

〈それは、ある条件を満たしたら現れるようになっている。 現れたらそれの中に入ってう音声を聞いてくれ〉

 

「.....わかった」

 

〈さて、それじゃあ、アストレイの元までごあんな~い〉

 

門は勢いよく開くとアイシーは門を通っていく

 

〈ふぅ......この世界も復興を目指して進むかな〉

 

ナレーターは独り言をつぶやき消える


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