急ぎで投稿、後で手直しするかも
『雄英高校体育祭本戦、最後の最後で騎馬戦を制したのはァ…A組、龍征帝率いる混成チームゥッ!!
一体誰がこんな結末予想出来た!?轟の1000万を終了間際に奪い取りやがったアァァァッ!!』
逆転劇に割れんばかりの大歓声を背に、私は騎馬から飛び降り心操とハイタッチで喜びを分かち合う。続けて鉄哲。感極まって胸に飛び込んできた茨ちゃんと抱き合って、騎馬戦は此処に終結した。
『龍征のチーム、最後の最後に隠し玉を用意してた。周到な奴だ。
決勝トーナメントであの四人がどう活躍するか見物だな。』
『だなァミイラマン!
今年のトーナメントは荒れるぜェー!?』
「やったなぁ龍征!熱い勝負だった、お前に付いて来て良かったぜ!」
「おう、鉄哲もご苦労さん。昼休憩の間にちゃんと鉄分取っとけよ。」
「おうよ!」
「御姉様と共に戦えた事、神に感謝致します…」
「お、おう。茨もお疲れ様、お互い決勝トーナメント頑張ろうな。」
「はい…ッ!」
時々肌に当たる茨の髪の毛がちくちくするがそんな事は些細な事だぞ、うん。
「…ありがとな心操、お前が本作戦のMVPだ!」
「ああ、勿論だ。」
「なんだお前もっと喜べー?その暗い顔ではしゃいだりしたら逆に怖いけどな。」
「じゃあどうしろってんだ…
次は決勝トーナメントだ、カチ合ったら負けねえぞ。」
「お、いつもみたいに卑屈じゃないね。」
「お前と同じ舞台に立つのに卑屈になってる暇無ェからな。」
それだけ言って、心操は一足先に戻って行ってしまった。鉄哲と茨ちゃんもB組の集まりへ戻って行き、私も試合終わりに談笑する響香と百の下へ。
「帝さん…完敗ですわ…」
「まー3位で通過だし、決勝まで残れて良かったな。」
決勝トーナメントに進出出来るのは騎馬戦の上位4チーム、1位の私のチームと2位爆豪チーム、3位轟チーム、そして4位の緑谷のチームだ。
緑谷んとこは1000万を奪われた後、ラストアタックで常闇の黒影が轟の頭の方のハチマキをちゃっかり取っていたらしい。あまりの喜びに噴水の様に涙腺を爆発させる緑谷は見てて超面白かった。
「ねえ、最後の5秒にもしかして心操が…」
「そ、アイツの個性初見殺しだもん。最後まで隠して戦ってた。
轟も1000万取って浮かれてたし。」
「最後に轟さんが易々と1000万を取られたのにはカラクリがありましたのね…」
どうやら轟は緑谷を連れ出して何処かへ行ってしまったらしい。食堂が混むと面倒だから私達も早めに行かないと…
「おお~居た居た、帝チャーン!マイガ〜ル!」
選手専用出口から通路を抜け、一般向けエリアの近くまで出てきた時、聞き覚えのある声が。
「マイガール…?」
「頑張ってるわね帝。」
「パイセンと店長、来てたんスね。」
現れたのは才子先輩と店長だった。店長の両手には大きな手提げ袋が握られている。
「帝さんの御家族の方ですか…?それにあちらの方は…」
「あら、貴女は八百万家の…お久しぶりです。以前政府主催のパーティでお会いした時以来ね。」
「やっぱり!才子さん、お久しぶりです。」
互いに会釈する才子先輩と百。そういや百って結構なお嬢様だっだっけ、どうやら金持ち同士のコミュニティがある様だ。
「なんて言うか…金持ち同士独特のオーラ出てるね…」
「響香もそう思う?私も金持ちのキラキラした感じはどうも…慣れない。」
おほほ
うふふ
私が自意識過剰なのかなあ、金持ち同士が話す時ってなんか独特のキラキラオーラが出てる気ぃするのよね。今みたいに。
「才子チャン、選手と話せる時間は限られてるから手短にネ。
あとアラフィフ的にこの量の弁当いつまでも持ってるのはキツいナー…」
「ああ、そうでした私ったら…
帝、決勝トーナメント進出おめでとう。私と叔父様、次いでにお父様からの差し入れよ。
あの男、出席する予定だったの今朝急に会議が入ったみたいで来れなくなったの。いい気味だわ(残念だわ)。」
「本音と建前が見事に逆だあ。」
そう言って店長の持っていた大きな袋を渡された。中から肉の焼けるいい匂いがする。
「これは…」
「叙々○のお弁当、違いが分からなかったから1番高い奴を頼んでしまったわ。A組全員分と貴女の騎馬の方々の分もあるから温かいうちにどうぞ。」
「「金持ちの金銭感覚…!!」」
「まあ!有難うございます才子さん!」
百はカロリーいっぱい使う個性だもんね。
それにしても叙々○の特選ロース弁当…1個4000円位する奴だよなコレ。野菜サラダまで付いてるし…この日叙○苑からロース全部消えたんじゃないか?
「じゃあ食堂に向かった奴らに渡しとくか。パイセン有難うございます。」
「ええ、頑張ってね帝。」
やけに肌がつやつやしてるな才子先輩、いい事あったのかな?
「ああそれと、帝チャン。カウンターにハンドクリーム置き忘れてたヨ。決勝トーナメントで使うでしょ?」
「あ、置いたままにしてたのか。サンキュー店長。」
良かった、カバンに無くて焦ってたんだよね。弁当とハンドクリームを受け取って、才子先輩と別れ食堂へ向かった。
「おーいA組全員集合、うちの保護者から差し入れがあるぞー。」
「どうした龍征、でっかい袋持って…」
「弁当、叙○苑の特選ロース。食べたい奴は前に並びな。」
『いる!下さいッ!!』
A組は元気だなー。
ブランドの力は凄いのか、あっという間に集まったA組連中に持っていかれる弁当達。
「お、おいひい~!」
「お上品な味だあ~!」
「何だこれウメェ!肉が舌の上で溶けやがる…」
「人生で初めてだよ、叙○苑の弁当食ったの。しかも1番高い奴…俺今日死ぬのか?」
「ん~美味ッ☆」
「禁断の果実ッ…!」『イイナーウマソー』
「…!……!」
「…美味い、済まないな龍征。」
「気にすんな、どうせ貰い物だし味わって食べなよ。」
触腕の口でモグモグ食べつつ御礼を言ってくる障子に手を振りながら、私は騎馬戦で共に戦った戦友たちの下へ向かった。
B組の輪の中にいる2人に弁当を渡し、軽く挨拶を交わした後心操の所へ向かう。
心操はいつも通り窓際柱の傍、隅っこに座ってざる蕎麦を啜っていた。けど今日ばかりは同じクラスの子達に囲まれて、普通科唯一の決勝トーナメント進出者として目立っている様だ。
「…?なんか用か龍征。」
「おう、騎馬戦ご苦労さんって事で差し入れの弁当持って来た。鉄哲と茨には渡してるから残りはアンタの分だけよ。」
「ああサンキュ…ってこれ叙○苑じゃねえか?一個4000円とかする奴だろ。」
「貰いもんだから遠慮するなって。
ほれ、あーん。」
徐に弁当開けて、ロースを1枚箸でつまんで心操の口元まで持っていく。一瞬躊躇ったものの、観念したのか大人しく口にした心操の顔が珍しく少しだけ綻んだ。そんなに美味かったのか、私も食べるのが楽しみだ。
「勝利の味は格別だろ~?」
「っ…まあ悪く無ぇな。」
「んじゃ私は戻るから。
空の弁当はそっちで処分してよね。」
「ああ、ありがとよ。」
なんか取り巻きの普通科の子達がザワついてるが気にすまい。さあー残ってるのは爆豪、緑谷、轟の分か。
「しょうがないから届けに行くか。」
「爆豪だったら向こうの通路に歩いていくトコ見たぜ。」
「サンキュー切島、行ってみるわ。」
切島の教え通り選手控え室に続く通路へ向かう、早く届けて私も弁当食べたいのだ。
「ねえねえ心操!今の娘がアンタの惚れた相手ぇ?」
「そんなんじゃない、ただ憧れてるだけだ。」
「でも『あーん』なんてして貰っちゃってさ!お前も隅に置けないなコノー!」
「あいつはそういう事何の躊躇いもなくやる奴なんだよ。
だからそんなんじゃねえって…」
「お相手はヒーロー科でしかも超美人かよ…
クソーその肉俺らに寄越しやがれェ!」
「…絶対やらんぞ。」
「なぁー鉄哲ゥ、1切れ位くれたって良いんじゃねぇかァ?」
「やらーん!これァ俺ん弁当だ!
うおっ!?足がっ…骨抜テメー!」
「カッカッカッ…叙○苑の特選ロースなんて滅多にあり付けねぇ。逃がさねェぞ鉄哲…!」
「うぉおおおやめろォォォォッ!!お前らに食わす肉は無ぇーーーーッ!!」
「うわすっご…流石叙○苑のお肉、柔らかっ!」
「ん!ん!」
「美味しいデース!アリガトーね茨ちゃん!」
「いえいえ、喜びは皆で分かち合うもの。
御姉様、お恵みに感謝致します…」
会場内を少し歩き爆豪達を探す、角を曲がったところに目立つ金髪のツンツン頭がちらりと見えたので其方へ向かった。
なにやら聞き耳を立てている様だが…?
「何やってんのお前。」
「…!?ンだよ金髪か、ちょっと黙ってろ。」
「角の向こうに誰か居るのか?」
ちらりと角を覗けば、緑谷と轟がなにやらのっぴきならない表情で話し合っていた。内容は個性婚とかエンデヴァーとか、轟の身内の話。緑谷はオールマイトに大切にされているらしい、そう言えば開会式の時に言ってたな。
俺は左手だけで親父を完全否定する
右手を睨み付けながら心底恨めしそうにそう言う轟からは、ハッキリとした憎悪の表情が見て取れた。しかし緑谷も負けじと反論、自分にも譲れない理由が有るから、轟に勝って優勝すると豪語する。
「…ケッ!俺を差し置いて優勝するだァ?クソナードが…」
「面倒臭い奴だなぁ…」
「ンだとこのクソ金髪!」
「悪い悪い、つい口から本音が出た。」
「尚更悪いわ!」
「お詫びと言っちゃあ何だけど、ほれ。
ウチの保護者から差し入れで弁当やるよ、他のA組連中にはもう渡してるからお前にも。」
「要らねえよンなもん!俺に施しなんぞ「叙○苑の1番高い焼肉弁当だぞ?」……ッッ!!………チィッッ!!」
かなり考えるような仕草をした後、デカい舌打ちをし乱暴に私から弁当箱をふんだくってのっしのっしと爆豪は去っていった。やはり叙○苑は偉大だ、食は全てを解決してくれる。
いつまでもあの二人を待っていても埒が明かないので、たまたま通りかかったふうを装って介入。勢いで弁当も渡した。轟の方はかなり渋っていたが、何とか受け取ってもらえたよ。
「有難う龍征さん、こんな高いものを…」
「…貰っとく。」
「いいのいいの、私達は決勝トーナメントあるんだし、しっかり食って午後から頑張ろう。二人共私に勝つんでしょ?」
「…ッ!!勿論だ。」
「うん、僕も負けられない。必ず勝つよ!」
男の子だね二人共、雰囲気変わった?特に緑谷の方は凄い、これがお茶子曰く「頑張れって感じのデク」って奴なのね。
今から食堂へ戻っても時間が勿体ないので、私の提案でこのまま外の休憩スペースを使って3人で昼食を取ることに。飲み物は轟に奢らせた。
「ウッソ、緑谷『ア〇ェンジャーズ』のBlueRay全巻初回限定盤で持ってんの!?
アレって確か数が少すぎてネットで買おうとするとウン十万は下らないレア物だよな?」
「う、うん…限定版には友情出演したオールマイトのコメンタリー動画が付属されてるって聞いたからどうしても欲しくて、駅3つ跨いで都心の販売店まで買いに行ったんだ。発売日の朝3時とかに…」
「ああ〜、そういえばあの映画、オールマイトが端役で出演してるって情報出てから日本の知名度爆上がりしたんだっけ?
マジもんのオールマイトオタクだ…ウチの学校にも似たような奴は居たけどフツーそこまでして買いに行く?」
「あはは…」
「でも『アヴェン〇ャーズ』は面白かったよね、3作目位でちょっとグダったけどちゃんと完結したし。ダラダラ続けてる他の奴よりかはさ。」
「そうなんだよ!それぞれのヒーロー達の心情や過去、人の繋がりも深く掘り下げられてて伏線の回収もちゃんとしてるしなにより世界で活躍するヒーロー達とオールマイトの共演!胸が熱くなって当時の僕はもうどうしようかと…」
「おうなんか急に饒舌になったな。」
「あ…ごめん…」
「……朝3時に電車動いてねえよな。」
「あ、歩いたんだ…3駅分。」
((行動力…!!))
『どうしたA組!何のコスプレだよそりゃ!!』
プレゼントマイクのツッコミが冴える。
昼休憩も終わり、スタジアムに3人で戻ると、一足先に集合していたA組女子は何故か皆チアガールのコスチュームを着て落ち込んだ表情をしていた。
確かに決勝トーナメント前のレクリエーションは応援合戦の名目で海外の有名なチアガールチーム招いてるって話は聞いてたけど、何故A組まで同じ格好?
「峰田さん上鳴さん騙しましたわね!」
「「計画通り…ッ!!」」
「何やってんの響香。」
「峰田と上鳴に唆された…」
おへそ丸出し、ミニスカートに両手はチアのポンポン持って恥ずかしさのあまり身を小さくする響香。
どうやら2人の嘘に純粋な百がまんまと騙されて、チア衣装までわざわざ創造してしまったらしい。
「畜生ォ…龍征は食堂に居なかったから伝えられてなかったか!!」
「いや…逆に考えろ。アイツはいつも胸元とか服装だらしねえからそれがイイんだよ上鳴。蒸れる谷間…チラチラ覗くへそ…体操服の着崩しも一興だ!」
「お前の守備範囲広すぎね!?」
おいカメラこっち向けるな。
すげえ私の尊厳を貶められた気がするのは気のせい?
「…取り敢えず二人共殴ればいいのか?」
「許す、やっちゃえ帝。」
「「えっ…」」
響香からお許しも頂いたので、峰田と上鳴には特大サイズのたんこぶをプレゼントしておいた。相澤先生は呆れ果て、プレゼントマイクのゲラゲラ笑う声がお茶の間を和ませましたとさ。